【※重要なお知らせ】Alfoo有料化への移行に伴う重要なお知らせ。
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新しい季節の印象は過去のそれに影響を受けている。畳にごろんと寝そべりながら思い出すのは、激しく泣いたり激しく怒ったりしている自分だ。あの頃も過去になったんだねと、来る季節が告げてくれる。
16/06/08 21:07



5/12
小4か5の運動会で痛めた足の中指の爪が、ふとした時今だに痛む。現実的な痛みは十数年間の歳月を超える。私は今も、あのだだ広いグラウンドの救護テントの中にいる。
16/05/12 21:30


4/28
玉川図書館が恋しいなあ。
パンを買って大きな木に囲まれた小径を歩いて、好きな本を借りる。昼下がりのひかりの下で、心はほんわりとくすぶっていて。
16/04/28 20:21


4/19


茎は細く、先に行くにつれ分岐は進み 茎はまたさらに細くなる。花はその先に咲く。つまんだら プチンと音を立てはじけ飛びそうなつぼみが、闇を照らす街灯の如く あちらこちらできゅっと身を潜めたまま佇んでいる。
そのつぼみが開いた時に周囲が明るくなり、そこでようやく私は我にかえる。私の見ているかすみそうはれっきとしたかすみそうであることに。そして焦点はズームしてもピントが合わなくなるのだ。全体を今は捉えている。…私の見ているかすみそうがかすみそうではなかった時代、確かに私は暗い夜道を歩いていて、そこには、こちらにもあちらにも点在する街灯があったのだ。

16/04/19 21:46


4/14
植物に触れている限り、私は葉や花弁や根を忘れずに描くことができる。やりたいことと、やりたいことは互いが互いを呼ぶ。色々な存在が呼応する糸の一本一本が私を立たせてくれている。
16/04/14 20:56


4/8
好きな花はと訊かれても私はないよと言う
好きな食べ物はと訊かれても思いつかないな


好きな季節もないし、好きな曜日もない
好きな人の一番好きなところもない
ないの中のあるを感じながら
ないの中のあるはなんて温かね
16/04/08 22:35


4/6
誰かの本棚はとても心躍る。
知らなかった扉がまだ、沢山沢山あるんだな。本棚の前に腰を下ろして、気になる本をかたっぱしからめくる。好きなところだけ読む。贅沢読み、と密かに呼んでいる。誰かの本棚にお邪魔するのは、その人の頭の片隅にお邪魔しているみたいで、愉快だね。

夏休みはよく本を読んだ気がする。階段の途中に座って読むのが良かった。陽当たりが良かったし、風がよく通った。アイスの棒をがしがし噛みながら。じりじりと滲みよる外の世界を、紙一枚のあつさで感じながら。

16/04/06 22:32


4/1
4/1



16/04/01 23:23


3/25
二 三年前。それとも一年前かな、この後に及んで私はまだ、大人になりたくなかった。ようやく最近になって、その場所から脱したんだな、と感じられる。
与えられた役割をまっとうしようと思った。その役割に枠はない。他人から決められるものでもない。その役割とは角のないまるいもの。何かにぶつかったらそれすら包括してしまうような、浮遊する、柔らかなもの。

役割について自覚できるのは私だけ。感じそうなものを全身で感じられること。伝えられそうなことを全力で伝えること。

16/03/25 8:58


3/16
かぼちゃをポタージュにした。一人暮らしの頃はよく作ったメニューだ。私は、月桂樹の葉っぱも、野菜くずも持っていなかった。芽の出始めたにんにくを炒め、使いさしの玉ねぎを適当に刻んで鍋に放り込んだ。塩と胡椒、大きく切ったエリンギとかぼちゃ。

冷蔵庫に味噌があって、開封してある牛乳があった。柔らかく、それぞれがそれぞれに近づいた鍋の中に、遠慮がちに加えていく。少し、もう少し。味見をする。なんだ。いつもと変わらないじゃないか。明日の朝ごはん、楽しみ。

借り暮らしを初めてもうすぐ四ヶ月が経つ。私は自分の想像以上に、何の執着もなかったんだな、と思う。食べるものや、着るもの、宝物や、土地。取り巻くものは数え切れないほどにある。数え切れないものは、夜空の星や、大木の葉にお任せして、いいんじゃないかな。美しいものは、私は何一つ持ち合わせていない。毎朝、ごはんを食べる。一人で声高らかに いただきます と言って食べ始める。ありがとうって思う。今日も一日頑張ろうって決意する。 もう、これは、誰のためでもないんだよ。
16/03/16 21:26



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