信州の旅第一日目は、長野自動車道を安曇野ICで降りて、JRの穂高という駅を目指した。「信州あずみの」は大好きな村だ。「大王わさび農場」の湧水の清流が黒沢映画の撮影地になったり、NHKの朝ドラ「おひさま」の舞台にもなったね。穂高駅の近くに素敵な美術館がある。明治時代、高村光太郎とともにパリ留学し有名なロダンに彫刻を学んだ荻原碌山の記念館だ。
尖塔をのせた屋根の上まで蔦がビッシリとからまる「碌山美術館」は教会風のレンガ造りで、中に入ると小さな展示室に人物のトルソーが10点ほど並んでいる。中でも裸婦をモデルに制作したブロンズ像の「女」や「デスペア」が印象的。30歳の若さで世を去った天才、荻原碌山を顕彰して熱心な地元民の力で完成した美術館だ。
「スイカを切りました。みなさん、どうぞ!」という館員の声。中庭の木陰で思いがけない「おやつ」に来館者は大喜び。わたしたちも頂いてその甘さが思い出になりそう・・・。
2年生YAさんは前回、「比較」の語句整序問題をやったら正解がたくさん出せたね。「鯨の公式」と呼ぶ 「否定文」のno more 〜 than ・・が正解だったから、もう一歩さ。逆の no less 〜than は「肯定文」になると覚えよう。Lucy is no less beautiful than her sister. 「ルーシーは彼女の姉と同じくらい美しい。」 今日は形式主語の it の働きを勉強した。 It was a great loss to the nation that he died so young of a heart attack. 「心臓発作のために彼がそんなに若くして死んだことは、その国にとって大きな損失だった。」ではthat 以下の名詞節が「真の主語」で後置され「仮主語」 It が代わりに置いてある。It is amazing to Americans how Parisians get around without any difficulty. 「パリ市民がなんの苦労もせずにどうして街を歩き回れるのか、アメリカ人にはおどろきだ。」では 疑問詞のhow 以下の名詞節の代わりに it が使われている。
EN君は前回「語句整序」の入試問題がレベル高く丸がいつもより少なかった。「面白ければどんな映画でもかまいません。」は Any movie will do の後に so long as it is excitingと書く。so long asは「〜の限り」という意味の接続詞だ。今日は接続詞 that の働きを中心に勉強した。 The trouble was that ・・・「困ったことに・・・」 とか、〜the rumor that ・・・「・・という噂を〜」のような直前の名詞を説明する「同格のthat 」だ。, for example, とか ,though,のように、カンマカンマで「割り込み」してある語句は、文頭に出しておいて残りの文をつないで解釈すると理解しやすくなるよ。
1年生MU君は「現在完了形」の動詞に4つの意味があることを勉強した。特に「継続」(ずっと〜している)では for+期間と、since+過去の時、の使い分けに注意が必要だった。 〜years ago(〜年前)や last year、yesterdayなどは「過去の一時」を示すだけだから「過去形」の動詞とともに使う。When ?も「過去」のある時を尋ねるから「現在完了」にはしない。後半は「過去完了」「未来完了」の問題にも挑戦しほぼよく理解出来た。
大学生のYAさんは「英検準一級」の過去問をやった。第1問の25題は、2〜3行の短文の中の空所に適当な単語を4択で選ぶ。さすがにレベルが高くてかなり単語暗記の努力が必要だ。こういう問題集で出た単語を着実に覚えていくことが近道だろう。また新聞雑誌の面白そうな記事を楽しんで読む、という習慣が理想だ。今日プレゼントしたコピーは、NEWSWEEKの「気候の変化に人間が与える影響は200年前からのこと。」という昨日の記事だった。米国のケリー長官がノルウエイのフィヨルドを船で訪問している写真が載っていた。 尾上
(追記)信州穂高「碌山美術館」の敷地にはかわいい建物が5、6棟ある。本館の「碌山館」を出て、スイスの田舎を模したような木造の「グズベリーハウス」に入ってみると、「あった!」・・まだあの足踏み式のオルガンが資料室の片隅に残っていたよ。「ヤマハオルガン・ハママツ」と書いてある。美しいレリーフが彫られて音色変換のストップも付いた高級品だ。足で空気を送り鍵盤を押してみたけど、さすがにかすかなかすれ声しか出なかった。40年も昔、新婚時代に二人で来たときには「カバレリア・ルスチカーナ」の間奏曲が和音つきで弾けたのに。
初めてこの美術館を訪れたのは大学生の時の一人旅。外語大オーケストラで1級先輩のNAさんはチェロ弾きだけど水彩画も得意だった。彼が信州に旅行した時のスケッチの数枚を見せてもらってそのブロンズ像「女」を知った。さっそく確かめに穂高まで一人出かけた。彫刻にはシロウトだったけど、膝立ちした裸婦「女」の姿態の美しさや、「デスペア」の絶望のあまり女性が泣き崩れる姿にも感激したなあ。
特別展の「高村光太郎・彫刻と詩」が別館で開催中だった。碌山の友人で同じくパリ留学中にロダンに師事した彫刻家だし詩集「智恵子抄」で有名な詩人でもある。力強い「手」や「黒田清輝像」なども見ることができ幸運だった。夫人の「智恵子」が制作した優しい「紙絵」もたくさん展示されていた。そういえば昔青森の「十和田湖」で見た二人の裸婦「乙女の像」も光太郎の制作だったと思い出した。









