先週半年ぶりに新宿に行った目的の一つは、伊勢丹の近くの映画館「ピカデリー」の売店で「METオペラ映画」のカタログを買うためだった。日本全国の20軒ほどの映画館では、NYの映画館でライブ上映した画面を1・2ヶ月遅れで日本語の字幕をつけて上映してくれる。東京では築地の「東劇」や「六本木ヒルズ」とこの「新宿ピカデリー」で、最近浜松でも始まったらしい。
私はニューヨーク・メトロポリタンオペラの半年前のステージを、家のPCで「オン・デマンド」で見ることのできる会員になっているから、映画館よりさらに数ヶ月遅いけどこのカタログだけは早く欲しい。ワグナーの「トリスタンとイゾルデ」で2016−17のシーズンが幕明けし、今月上旬の公開初日にその年間カタログが発売された。
今年はR・シュトラウスのオペラ「ばらの騎士」の主役の2人が表紙を飾った。日本の映画カタログは場面のスチール写真だけでなく、作品の背景や作曲家・演出家・指揮者・出演者などの個人情報が満載でとても楽しいよね。君たちも何冊か持っているでしょ。だけど書店でも通販でも買えないから映画館まで行く。映画そのものを見なくても・・・。
2年生YO君は前回「否定」に関する文法・語句整序の問題ほとんど正解だったね。3題の英作文もほぼ書けていた。今日は「比較構文」の中でも特に受験生泣かせの「鯨の公式」を勉強した。 A whale is no more a fish than a horse is. no は 形容詞で no money とか no time のように 次の単語を否定するから no more は「多くない、わずか」という否定の意味だ。「馬が魚である可能性(0%)と比べて鯨が魚である可能性はわずかだ。」という直訳から、「馬が魚でないのと同様に、鯨も魚ではない。」という定番の和訳が生まれる。逆にno less 〜than SV なら「否定の否定」だから結局「肯定」になって、「・・・と同様に〜だ。」となるよ。
ENさんは前回「比較構文」に入って書き換え問題をやってみた。Riding a horse is more difficult than driving a car. を逆に「車の運転は乗馬ほどむずかしくない。」にするには Driving a car is not more difficult 〜とやればいいのだけど、1語で less difficult と言えることにも注意。これを「劣等比較」というよ。今日は中学で習った as〜as possible(できるだけ〜)がなぜそう訳すかを分析した。 He wanted as much information as possible. (できるだけたくさんの情報が欲しかった。) では、前の as が「同じくらい」という意味の副詞で、次の形容詞muchを修飾している。一方後の as は「とくらべて」の意味の接続詞で後にSVを従えるはず。ここでは as it is possible (to want much information). 「たくさんの情報を欲することが可能であるのと比べて。」の意味になっている。
3年生TA君は前回「早稻田大」の和訳がむずかしかった。 They had sufficient intellect to devise tool and weapons and a social organization that made hunting and food gathering more efficient. またまた2つの and で見誤ったね。次の文に Neither of these things〜(これらのうちのどちらも・・)とあるから、工夫した(devised)のは 「道具や武器」と「社会組織」の2つだ。「狩猟や採集をより効率的にするような道具や武器と社会組織を工夫して作るだけの十分な知力も彼らは持っていた。」今日もセンター試験の過去問をやってみたら、前半の3問で100点分だけど誤りが3カ所のみだった。90%以上の得点ということだね。すばらしい。二次対策もしっかりとやっていこう。
ENさんは期末テストが終わったらすぐに修学旅行に出かけるそうだ。ハワイだってさ。いいなあ。英会話が試せるね。ホテルのメイドさんやボーイさんをつかまえると容易に練習できるよ。中学生のNI君はテスト前でお休みした。
三島教室の生徒数を若干名増やしたいと思っています。1、2年生でどなたか紹介していただけないでしょうか。冬期講習の案内と合わせて来月中旬には新聞の折り込み広告を依頼しようと予定していますが。 尾上
(追記)ニューヨーク滞在中にはMETオペラの本拠地「リンカーンセンター」へも何度か見に行ったけど、会場ではPlaybill というタダの小冊子をくれるだけ。日本のような情報雑誌は作らない。オペラのストーリーとスタッフ・キャストの一覧表が載っているだけだから捨てていく人が多い。彼らはただひたすら見て楽しむために来るようだ。帰宅してから反芻したり家族や友人に自慢するためのおみやげに、という日本的な情緒はない。
オペラはたいていがイタリア語かドイツ語だからアメリカ人も歌詞は理解できない。サブタイトル(字幕)はどうしているかというと、前列の人の座席の背中に小さなモニター用の窓がついている。とてもいいアイディアだね。今のところ英語しかないけど、そのうち他国の旅行者のために多言語で切り替えができるようになるんじゃないかな。日本人の観客も目立つから日本語も含めて。私がいつもPCで見ている「オン・デマンド」のステージも英語のサブタイトルだけだ。
英語で上演なら黒人だけのオペラ「ポーギーとベス」が有名だし、フランス語ならあの「カルメン」、ロシア語なら私の好きな「エフゲニー・オネーギン」、そして日本語なら團伊玖磨の「夕鶴」がそれぞれ原語で上演されるんだよ。









