アメリカの新大統領にドナルド・トランプ氏が当選して、世界中が想定外だとうろたえているね。不動産業などのビジネスで大成功したけど政治の世界では全くのシロウト。連邦議会の議員にも州知事にも選ばれたことがない人物で、経済保護主義や軍事力増強、移民排除などを訴え、今までのアメリカとは正反対の道に走り出すのではないか、との危惧がある。
私もその一人だけど、すでに6年前 TruthDig 誌の論評でこの事態を予言していた人がいた。言語学者の頂点に位置し今も活躍する、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)のノーム・チョムスキー教授で、私も尊敬する神様的な存在だ。「次の選挙を席巻するのは、『右派の』共和党員、つまり『狂った』共和党員だろう。」、と氏はそう予言していたのだ・・・。
2年生のMIさんは前回、「関係詞」の文法をやったら入試問題で難しいのに15問のうち間違えたのは一つだけだったね。Charles gave me two books, neither of ( ) I have read. 「チャールズは本を2冊くれたが、それをどちらも私はまだ読んでない。」では、カンマの後が but I have read neither of them. というべき所なので、接続詞but と代名詞 them を使うべき所を関係代名詞の whichに置き換えて前に移動したものだ。SV〜とSV〜は普通、「接続詞」がないとつながらないから空所にthemでは不正解。今日は文法・作文のプリントも英作文のプリントも「否定」をやった。all the more for 〜 が「(良いこと)の理由で、その分だけ一層・・・」で、逆に「悪いこと」が理由の時は none the less for〜「〜の分だけそれだけ少ないという事はない。」、つまり「〜ではあるけれど、それでも・・・」だ、となる。
SEさんは前回「関係詞」を使う英作文をやった。ほぼ良く書けていたけど、「明治学院大」の「祖父母というものは、孫がほしがるものなら何でも買い与えがちなものだ。」では、trendは「物事や世間の流行・傾向」で「人」には使わない。「〜なものだ」には、ここではtend to 〜とか be apt to 〜と言おう。give は「授与動詞」とも言ってgive+人+物 (SVOO)の第4文型にする。give+物+to人にしてもいいけど。だから、Grandparents tend to give their grandchildren whatever they want. がいい。今日の重要構文は「比較」をやった。not so much A as B が B rather than A と似た意味になることを勉強した。
KI君は前回、「比較構文」では難しい the 比較級SV〜, the 比較級SV〜「〜すればするほど、ますます〜」 をやった。「大妻女子短大」の英文では、 The more carefully you use your senses, the more you learn about the world. を見て、「あっ、あれだ」と安易に the more, the more だけを見てはいけない。moreにも意味があるのだ。ここではAs you use your senses more carefully, you learn more about the world. のことだと考えただろうか。前の more は carefully の比較級で、後の more は much(たくさんの事)の比較級なのだ。だから、「自分の五感をもっと注意して使えば使うほど世の中の事をますますたくさん知ることになるよ。」 ここでsenses は複数だから「感覚」じゃなくて「五感」、the world は世界じゃなくて「世間」とか「世の中」と訳そう。今日は部活のために遅刻してきたけど、できれば3時間をみっちり教えたいな。テニス部の先生や他の部員にはっきり「今日は塾なので早退します。」と堂々と言って構わないよ。
3年生OHさんは「完了形」の文法問題と、語句整序の問題をやった。継続の「ずっと〜している」はhave livedやhave stayed のように、動詞が「状態」を表すときにはhave + -ed でいいのだけど、「動作」の動詞の時には進行形のhave been –ing に変えないといけない。He has been playing tennis for three hours. のように。今日は最後に少し推薦入試の過去問をチェエクしておいた。合格するといいね。
来週17日(木)の裾野教室は、隣接の「生涯学習センター」2階の「学習室2」をお借りします。裾野市の市民芸術祭の期間で「文化センター」が貸し切りなのです。さらにその翌週も同じ会場で、1階の一番奥にある「団体活動室」です。共に30分繰り上げで、6:00開始、9:00終了になります。よろしくお願いします。 尾上
(追記)私の「UG会」はUniversal Grammar (普遍文法)からとったもの。これはチョムスキー氏が提唱する仮説で、50年前からずっと世界中の言語学者が各国語で熱心に証明に取り組んでいる。人類の持つ全ての言語は「一つの文法」にまとめられる、というもので、日本語についても東大、慶応大、東北大、名古屋大などで研究が続いている。東大では渡辺明教授が有名で嬉しいことに私の母校「甲陽学院」の後輩だよ。
哲学者、歴史学者、政治活動家でもあるチョムスキー氏は、フェイスブック上でも頻繁に政治的発言を続けてきたから時々私も読んでいた。氏が6年前に発言した論評を見つけたので和訳してみるね。「・・・・・カリスマ的人物は自己破壊につながるよ。不満、幻滅、怒り、憤懣などで大混乱に陥るだろう。その人物は私たちの敵はユダヤ人、不法移民や黒人だ、とか少数の白人男性こそが迫害されていると言うだろうね。
だから自らを守るために軍事力を高め、国民を鼓舞するだろう。昔のナチス・ドイツとよく似た状況だけど1930年代のことだからだれも覚えていない。この国の今のムードは怖いよ。怒り、不満、制度への憎しみが、自己破壊に突き進む。・・・・・」と。この原文は難しいけど大学生のYAさんなら読めそうだ。次回プリントにしてあげよう。
