11月の例会は、山仲間のうち一番山歩きに執念を燃やしているTA君の発案で、JR中央線上野原駅に集合。四方を山に囲まれた河岸段丘の上に広がって、山頂から見ると一面の銀世界だった。上野原市は外語大の後輩で同じ高校の職場だったSI君の郷里だったな。彼は山梨県東端のこの町から「相模湖」を越えて東京の西端にある立川高校まで電車通学したそうだ。
長年の山仲間TA君へお礼のメールを書いた。
XX殿、こんなに素晴らしいコースを教えてもらって感謝!毎週末になると貴君が中央線ではるばる上野原まで何度も出かけていく熱意が理解できたよ。馬蹄形に辿る「馬の背コース」もよかったよ。標高600mたらずでもとても満足した。小林泰彦の書いた「日本百低山」にぜひ加えて欲しかったねえ。2日前の真っ白な残雪と楓の燃え立つ黄色とレンゲツツジの朱色と。夏と秋と冬、3つの季節を味わえたよ・・・。
今日からいよいよ12月、ということでほとんどの高校では期末テストの最中。MIさんもKI君もテスト勉強でお休みするそうだ。今日テストが終わったばかりのSEさんだけが出席した。私もちょっとヒマなので2階に下りてみると、「深良用水」の紹介コーナーが開催中だった。江戸時代の初期、箱根「芦ノ湖」の取り水口から「湖尻峠」の下に1.2キロのトンネルを掘って、裾野市の深良村まで水を引いて田畑の収穫を1.5倍に増やした偉業の展示だった。トンネル内を歩いてみた様子のビデオもあるから興味深かった。
2年生のSEさんは前回「仮定法」の文法・作文をやった。「亜細亜大」の I would have gone to the concert if I ( ) about it. は「昔・・・だったら」の仮定だから had known が正解。「仮定法」の文は大切な If 節から始まることが多いけど、「わかりきった内容」の時は付け足しのように後回しにするし、区切って読むこともしないからカンマも不要だ。大事なことを先に言うのが英語の流れだからね。
今日は「否定」に入ってnot all〜(すべてが〜とは限らない) とか not always〜(いつも〜であるわけではない)のような「部分否定」を勉強した。「100%じゃないよ」つまり、「一部はそうじゃないよ」という意味だ。でも結局、「否定の副詞」 not が文全体を否定している、と考えればいいのだ。否定の「焦点」 focus がその100%の単語に当たっている。
後半は not A but B や not only A but also B のような「相関接続詞」を勉強した。Not only she but also I am angry.「彼女だけでなく私も怒っている」 はBoth she and I are angry. と違う。後者は「彼女も私も」だから、動詞は複数の are で受けるけど、前者は「彼女は当然だけど私までも」という強い意味になってBにあたる語に合わせて動詞を決めるんだよ。 尾上
(追記)今回もいい思い出になったその山は、丁度お椀を伏せたような形で頂上に針葉樹が数本立っていて遠くから見るとそれが乳首にみえるから別名「おっぱい山」という。正式な名前「要害山」は戦国時代の「とりで」の意味で、付近にさらに2つの砦があった、と教えてくれたのは登山口でわれわれを待ち構えていたオヤジサン。郷土史らしきものを手にボランティアをしているらしい。
600m足らずの低山だけど、お椀の曲線部分を登るのだから大変。前々日の雪どけで急斜面はツルツル。2度も滑ったTA君のズボンは泥だらけだ。幸い私はスパイク付きの長靴で来たから無事だった。雪国・御殿場の住民の私には予想が当たった。金時山も冬場はいつも長靴で登るよ。
この上野原市付近にはハイキングに良い低山がたくさんあって、仲間と昔花の季節に登った「坪山」はピンク色のイワウチワやクリーム色の珍しいヒカゲツツジが一杯だった。カタクリやキンランが咲くという「八重山」にもぜひ近いうちに登ってみたいね。ここ上野原では日本にわずかに残ったのどかな「里山」の風景が素晴らしかったよ。落ち葉踏みしめふとくちずさむ懐かしの歌:
秋の日の ヰ゛オロンの ためいきの 身にしみて ひたぶるに うら悲し。
鐘のおとに 胸ふたぎ 色かえて 涙ぐむ 過ぎし日の おもひでや。
げにわれは うらぶれて ここかしこ さだめなく 飛び散らふ 落ち葉かな。」ポール・ヴェルレ−ヌ
上田敏訳詩集「海潮音」より これぞ名訳!
