御殿場市民会館にて
「魔笛のお話」
NYのメトロポリタン・オペラ(MET)では、クリスマスになるとモーツァルトの「魔笛」を子供向けに英語で上演する。今年のシーズンは12月20日からほぼ3日ごとに1月5日まで7回も。先日フェイスブックにMETが「魔笛」のストーリーをイラスト入りで紹介した。4コマものが1、2、3部になって、カラフルな紙芝居のようで楽しい。
エジプトのある国の王子タミーノが、「魔法の笛」を吹き「魔法の鈴」を鳴らして鳥刺しのパパゲーノを家来にして悪人どもをやっつけてお姫様パミーナを救い出しめでたく結婚する、というおとぎ話。モーツァルトの作品で「フィガロの結婚」や「ドン・ジョバンニ」と共に日本では一番人気のオペラだから見ことのある諸君も多いでしょう。私も日本語での上演を島田商高時代に家族全員で見たし、イギリス旅行中にも英語での「魔笛」を見たなあ・・・。
2年生EN君は前回「時・条件」の接続詞を使う節を勉強した。未来のことでも「そういう場合なら」の意味だから単に「現在形」で表すのだ。 5問ほどミスをしてしまったね。as soon as やuntil、the first time も「時」、providedもifと同じ「条件」だ。しかし語句整序問題と英作文では90%正解だった。今日は体調がわるいけど頑張って出席し「無生物主語の文」をやった。
What has made you so happy? 「どんな理由」が「人」に「〜させたの」? と直訳できるけど、日本語として違和感があるから「人」を主語に言い換えて、「どんな理由であなたは幸せになったの?」と受身形に直したような和訳にする方が良い。また逆に英訳するときにも注意したい構文だね。
2年生YAさんは前回「受動態」に関する文法問題をやった。語句整序問題はほとんど正解だったけど、空所補充問題が苦手だった。受動態にするべき動詞の見分けの練習が必要だ。 be spoken to (〜に話しかけられる)、人 be injuredなど。今日は「比較構文」で 原級の as〜as possible や as 〜as he can.(できるだけ〜)などを勉強した。さらに as〜as anyとか as〜 as everの構文では「どんな〜にもまけずに〜」の和訳から考えて、最上級の意味「いちばん〜」の意味を持っていることがわかる。「関係詞」の語句整序問題は正解がたくさんだせてかなり理解できてていたね。
1年生MU君は前回「メビウスの帯」を英文で読み始めたけど時間不足で早退した。帯になった細い紙を一回ねじって貼り合わせ輪を作ると、2面あった紙が1面だけになってしまう不思議。今日は「助動詞」の単元で、mustにもcan't にも2つ目の意味があることを勉強した。「〜にちがいない」と「〜のはずがない」という推量の意味だ。前者は100%確実で「〜ねばならぬ」と共通するし、後者は確率0%で「〜できない」と共通するね。
大学生のYAさんは英検準一級の過去問をやった。第1問の語彙問題25題が難しいからそれの出来不出来で勝敗を決めそうだね。今日は60%くらいの正解率だったね。第2問の長文読解問題は比較的に取り組みやすい。「ストーンヘンジ遺跡の目的」と「石炭の灰から出る放射能」はなかなかおもしろい洞察だったね。英作文は「京大」入試模試問題から「ミステリー小説の読み方」を英訳してもらった。よく考えた素直な英文が書けるようになったね。
来週1月1日(日)は平成29年のお元日。市民会館が年末年始の休館日に当たるので教室もお休みにします。御殿場教室の次回は新年1月8日(日)です。学校の課題はしっかりやっておいてください。「冬期講習」に申し込んだ人は今週の金曜日、30日から始めます。朝9:30までに「三島ゆうゆうホール」へ。9:00には開館しています。
I wish you a Happy New Year ! 尾上
(追記)今日はクリスマスだったね。Christmasとはクライスト+マスで、「キリストの降誕祭(ミサ)」の意味だ。12月25日の朝、NYマンハッタンのダウンタウンはクルマも少ないしゴーストタウンのようになる。1992年のこの日、私は長男とアメリカ二人旅でNYのYMCAに滞在していた。朝食に外出したらどこの店も閉まっていて探すのに苦労した。お昼頃にやっと黄色いタクシーが走り出して大都市がいつもの喧噪に戻っていった。日本の1月元旦も東京の中心部ではきっとこのようだろうね。
前日のクリスマス・イヴには街中の教会はどこも玄関の扉を明け放って、通りがかりの人はだれでも自由にミサに参加できた。私たちのような海外からの観光客も入っていって聖歌を一緒に口ずさみ、オルガンや弦楽の演奏を聴いてイエスの誕生を祝う。NYは「人種のるつぼ」とか「人種のサラダボウル」とか言われるけど、市民はキリスト教徒ばかりではないから「メリー・クリスマス」と言わずに「ハッピ−・ホリデー」と言い交わすことが多い。NYにはユダヤ系の移民も多いからね。
今朝のWQXRのFMラジオでは、NYが前日の夕方で丁度クリスマス・イヴのまっ最中だから、キリスト降誕の地ベツレヘムにちなんでイスラエルの民族音楽とユダヤ人のヘブライ語を紹介していたよ。子供たちのためにディケンズの名作「クリスマス・キャロル」のドラマも放送していた。
