裾野市民文化センターにて
「ブルックリン橋と旧ワ−トレ」
明日20日にはアメリカにトランプ政権が誕生する。共和党のなかでも支持者が割れて少数派だという新大統領のもとでどんなアメリカに変わっていくのか。オバマ、クリントン、カーター、ケネディなど民主党選出の大統領の偉大な業績が記憶に強いだけに、あの「9・11同時多発テロ」の時のブッシュ政権のような好戦的な、富裕層寄りのアメリカに戻らなければいいのだけど。
共和党ブッシュ政権の始まった2001年9月11日の朝、NYの「世界貿易センタービル・WTC」(ワートレと呼んでいる)のツインタワーとワシントンの国防省ビル、通称ペンタゴンに計3機の大型旅客機が突っ込んで破壊するという晴天の霹靂ともいうべき大事件が勃発した。21世紀に入ったばかりで、ちょうど君たちはその前後に生まれたのかな。ご両親ならきっと鮮明な記憶として残っているだろうね。私の場合も25歳の長男がNYの「日本総研」に勤務してブルックリンに住んでいたから,実は肝がつぶれるほどのショックだった・・・。
2年生MIさんは前回「名詞構文」をやった。名詞が動詞から派生したsuccessや、形容詞から派生したflexibility のような場合はそのまま「成功」「柔軟性」のように和訳せずに、SVO(C)の文にいいかえたほうがいいという単元でとても良く理解できていた。「英作文」では「仮定法」をやってみたけど、与えられた日本文が「今の話」なのか「昔の話」なのか判断があいまいだったね。今日は「無生物主語構文」をやった。 What causes bubbles to float? は「何が泡を浮かばせるの?」では変だから、受動態に言い換えて、「何で泡は浮かぶの?」といいかえるのだ。受動態と能動態は英文和訳でも和文英訳でも臨機応変にスイッチできる力がほしい。
SEさんは前回「無生物主語構文」を勉強した。動詞 make は「〜させる」の意味の使役動詞だから「人がやらせる」のだけど、英語では「もの」でも主語にできる。和訳すると不自然になる時には「人」が主語になるように受動態に直したほうがいいことが多い。「愛知大」の This confidence explained to him his reputation as a wise man. も「こういう確信があったので、彼は自分の賢人としての評判に納得できた。」と訳せるとよかったね。和訳で Today in Finland, which makes the best paper in the world, the paper industry is the biggest in the land. 「カンマカンマはカッコ」と覚えよう。直前の語句を追加説明しているだけだから、「その国は世界で最高の紙をつくっているんだけどね、」を、「今日、フィンランドでは、」の後に割り込ませる。その時と場所は全文「製紙産業がその国で一番重要な産業なのです。」を修飾するよ。
KI君も前回「無生物主語構文」をやった。「疑問文」の空所補充問題でミスをしたのは疑問詞の位置だ。 Do you know where the nearest bank is located? はYes-No で答えるから where SV の語順でOKだけど、 Who do you think built this house?のように「誰が?」に答えを求める疑問文では疑問詞 wh- が文頭に出るんだ。このように think, believe、imagineの「思う系」や say、demand の「言う系」の動詞の場合は意味が軽いから疑問詞が飛び越えて文頭に出るんだよ。しっかり覚えておこう。今日は「強調構文」 It is 〜 that・・・(・・・なのは〜だ) を勉強した。文の一部を取り出して文頭に移動して強調するやりかただ。日本語でも同じことをやるけど、文の最後に移動するところが違う。日本語は大事なことを後でいうから。
3年生OHさんは前回「動名詞」の入試問題をいくつかやってみた。「子供だけでなくたくさんの大人もマンガを楽しんで読んでいる。」は enjoy reading comic strips ではなくて take pleasure in reading〜 と書かせるところが難しかったね。「静岡大」の「十人十色、ひとの好みは説明できない。」は There is no accounting for tastes. ということわざだ。account for で「〜を説明する」だが、動名詞構文の There is no –ing 「〜できない」は重要だ。今日は「代名詞」を中心に入試問題をやった。「それ」は普通 it だけど「大きなそれ」は a big one だし、「東京のそれ」は that of Tokyo と使い分けるよ。勿論「それら」なら they (their, them)とか big ones、 those of Tokyoという。本命の大学入試まであと10日だね。がんばって。 尾上
(追記)夏は米国東部より時差が13時間おくれだから、日本では夜10時のTV番組の時間帯に臨時のビッグニュースが飛び込んだ。朝の8時すぎはきっと長男がブルックリンの自宅から地下鉄でイーストリバーを越えて数駅先のWTCの地下にあるターミナル駅にいる頃じゃないか。いつもはここでNJニューワーク行きの列車に乗り換え、ハドソン川をくぐって対岸にあるオフィスまで行くはず。
すぐに電話機にとりついたけど長男の自宅には通じない。NY市内が大パニックになっているから会社の電話もでない。まさに肝がつぶれるほどの心配を1時間もしているうちにやっと長男が電話に出た。「いつもより遅く家を出て地下鉄の駅に行ったら、入口の扉がみな閉まっているから今帰ってきたところだよ。」とのんきに言っている。テレビもラジオも聞いていない。
「無事でよかったよ!!ちょっと窓からマンハッタンの方を見てごらん。スゴイ煙があがっているだろう?ワートレが2棟とも旅客機の衝突で崩れ落ちたんだ。通勤時間だから君がその地下の駅にいるところかもしれない、とすごく心配していたよ。ああ、よかった・・・。」このビルで働く日本企業の社員も含め2700人以上の死者をだす大惨事だった。
このあとすぐ「イスラム系テロ組織・アルカイダ」の戦争行為とみなして、ブッシュ大統領はアフガニスタンとイラクの政権に対して宣戦布告する。首謀者オサマ・ビン・ラディンの引き渡しを求め、「大量破壊兵器」を保持していると疑って。
8年前にアフリカ系初のバラク・オバマ大統領に代わり、2014年秋「ワールドトレードセンター」は一棟だけNY一の高層ビルとして再び同じ場所に蘇った。
