高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

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Not a sound could we hear in the castle.否定語を文頭に出して強調すると・・・
 Not a sound could we hear in the castle.否定語を文頭に出して強調すると・・・
2017年2月2日(木) 
裾野市民文化センターにて
「名画フローラ」
 トレッキング仲間のON君から風変わりな絵はがきが届いた。上野の東京都美術館で開催中の「ティツィアーノとヴェネツィア派展」に行ってきたよ、という便りだった。あの「フローラ」が人形に型どりされてピクチャーカードになっている。16世紀イタリアで「色彩の魔術師」と呼ばれた画家で私の大好きな画家だ、という話をON君は覚えていてくれたらしい。
 イタリア・ルネサンス(文芸復興)は「宗教絵画」から開放され「人間絵画」に移行した時期でもあった。人間の描写には血が通い、その性格までが表現されるようになった。フィレンツェ派の有名なミケランジェロやレオナルド・ダビンチらに対して、ベネツィア派のティツィアーノは88年の生涯に500点もの作品を残したのだ・・・。

 2年生MIさんは前回「前置詞」に関わる文法・作文をやった。語句整序問題は10問全て正解だった。「私たちの町はその湖の西にある。」は「その西の方に」の意味だから to the west of the lake と言う。in the west では湖の西部に入っていることになるよ。「〜の方角に」は in the direction of だけどね。今日は「倒置」を勉強した。特に Never や Little、Hardly のような否定語を文頭に出して強調すると、後続のSVがまるで疑問文のように「倒置」になることに要注意だ。Little did I dream that ・・・(・・・とは夢にも思わなかった。)とか Not a sound could we hear in the castle. (その城の中では物音一つ聞こえなかった。)のように。
 SEさんは前回、文法・作文シリーズの最後の単元で「会話表現」の入試問題をやった。14問中マチガイはひとつだけで立派。今日は「省略」を勉強した。「学習院大」の英文で When left at home, he sits on the front doorstep, looking out for my return. では「私が家を出た時・・・」じゃなくて、主語は主文の主語と同じで省略されているわけだから When he is left〜の省略とみなして、「彼(犬)は家に取り残された時・・・」の意味になる。後半は「挿入」をやった。本来文頭で述べておくべき「副詞句」の in fact や however、for example を文中になってから動詞の前後に追加する方法。前後にカンマをつけるからずぐわかる。SVだけど I think や It seems、you know なども文中で付け足すことがある。一方 as it were (いわば〜)とか so to speak (いわゆる)は、すぐ次にでる「比喩表現」に付け加える語句で文頭にはおかない。
 KI君も今日は「省略」を勉強した。Now I don’t eat so much as I did when young. は勿論 when I was young の略だとわかるね。じゃ、I did とは何?そう、I ate much (たくさん食べた)のかわりの代動詞の働きだ。 「若い頃たべたのと比べるとそれほどたくさんは食べてない。」となる。接続詞のas は「〜とくらべて」の意味だったね。
 御殿場教室のMU君が,部活の関係でこちらに出席した。今日は「関係詞」で文法・作文問題に挑戦した。「彼女が話しかけた男の人は画家でした。」はいきなり解答を書こうとすると無理がでる。動詞「話しかけた」で1文、 She spoke to the man. 「〜でした」でも1文。The man was a painter. この2文を計算用紙に書いてから1文にまとめる、という操作が必要だ。The man who she spoke to was a painter. こういう「割り込み文」が高校生は苦手だね。後半は「名詞・代名詞」がテーマで、長文で「ある港の風景」を全訳した。
 3年生TA君が今月は裾野教室に移動した。「仮定法」の文法・作文問題を無難にこなして、入試の英文和訳と英作文をやった。後半は前期に志願した大学の過去問を研究することになった。D大は3問の内、第1問は長文読解で、内容一致を4択で答える。第2問は、中くらいの長さの英文を読んでその要旨を200語くらいの日本語でまとめる。第3問は「自由作文」で、「海外留学したいですか?その理由は?」のようなテーマについて自由に英語で書け、というもの。どれも堅実な英語力を求めている良問だね。あまりやったことのなかった自由作文も、エッセイの書き方のコツを身につけて、今から3週間がんばれば書き慣れてくるよ。 尾上

(追記)「フローラ」と私が出会ったときの印象は、1976年の「ヨーロッパ一人旅」の日記の中で「フィレンツェ訪問」に書いてあった。「・・・ウフィツィ美術館で、今2時半過ぎ。ティツィアーノの部屋にいる。1576年に死んでいるから丁度没後400年になる。数ある中で『フローラ』がやはり最高だ。水色の壁の上に展示され、金の額縁に囲まれてフローラは花を右手に持って佇んでいる。肩から胸へかけての豊かさ、輝かしさ、清潔さ、みずみずしさは「美の極致」と言うべきか?『ヴィーナスとキューピッド』も美しいね。・・・」
 駆け足旅行なのでその日の夕方にはフィレンツェを発って列車でベネツィアに向かったが、その車中でもひとこと記していた。「・・・ウフィツィ美術館はよかった。ティツィアーノの『フローラ』が一番印象的だった。ルーベンスのデッカイ絵には参った。ゴヤの婦人像は良かったけど。ボッティチェリの『ビーナスの誕生』や『春』がここにあったのだ。やはり名画といわれるだけの価値あり。」
 「フローラ」はウフィッツィ美術館の宝だけど、今回の都美術館の展示カタログをインターネットで見ると、イタリア・ナポリの「カポディモンテ美術館」からの出品も数点ある。ローマのずっと南部にある小都市にこんな名画があるなんて知らなかったよ。名画は画家の郷里を離れて世界各地に分散しているらしい。今回の「サロメ」は上野「西洋美術館」の所蔵だった。ヨーロッパ旅行の後半に「ウイーン」を訪れた時には、「美術史美術館」に大量の「ティツィアーノを発見して驚いた。18世紀オーストリアの女帝マリア・テレジアが収集したものかな。
 今回展示されている中で、ティツィアーノの「マグダラのマリア」や「ダナエ」はその「カポディモンテ美術館」の所蔵でぜひ本物を見てみたい。4月までの会期中に行ってこよう。
2017/02/02 (Thu) 23:50


「〜すればするほど、ますます〜」の構文は
「〜すればするほど、ますます〜」の構文は
2017年1月30日(月) 
三島ゆうゆうホールにて 
「御殿場の古道」
 御殿場・馬車鉄道のルートをたずねて週末に車で走ってみた。「御殿場高校」近くにある「庚申寺」の駅を出て町をはずれると、「北久原(ほっくばら)」と「柴怒田(しばんた)」という駅があった。駅のことを土地ではなまって「待合場」(まっちゃば)と呼んだらしい。今は畑や田んぼや放置した雑木林になっているけど,広大な富士の裾野の原野を馬車がのんびり登っていく風景を想像するととてもノスタルジックな気分だ。
 昭和になって廃業した後は線路用地も宅地などに転用されて、道路として残されていない箇所も多い。鎌倉時代に甲斐の国から「御坂峠」「篭坂峠」「足柄峠」」を越えて、関東の鎌倉までの道を「鎌倉往還」と呼んでいたから、この「北久原」の農道がかつては主要な「街道」だったらしい。左「吉原」、右「須走」と彫った石碑が立っていた。「四面塔」という名の大きな石柱だった・・・。

 2年生のENさんは前回「比較」の英作文をやった。「愛知大」の「学ぶことが楽しければ楽しいほど、好結果となるであろうことを・・・」は、例の The more〜 the more〜 のルールをそのまま使ってしまったね。前半はSVCでyour learning is more interesting を組み立ててから、後半も「よりよい結果に通じるだろう」と you will get a better result.と文を作ってから「左方移動」をかけるんだ。つまり、The more interesting your learning is, the better result you will get.  文頭に出す比較級はいろいろあるんだよ。今日は「名詞構文」を勉強して「象の柔軟な鼻」を和訳した。
 中学生NI君は前回、動詞の変化形リストを作ってもらった。 縦軸に現在・過去・未来、横軸に基本形・完了形・進行形・受身形を書けば3x4で計12個の動詞形が書けるでしょ。今日はspeakで練習したら全部正確に書けたね。「受身形で現在・完了・進行形」というのもあるし、否定の notを加えたりするともっと練習になるよ。長文「レストランでのチップ」はおもしろい内容で70%はうまく訳せたね。今日は「動名詞」を勉強して語句並べ替え問題はどれも正解が出せた。
 3年生のTA君は前回、入試の和訳問題でいつもの力が乱れたね。「長崎大」のDifferences in American schools compared with those found in the majority of other countries lie in the fact that education here has long been intended for everyone ―not just for a privileged elite. の動詞は lie(〜にある)で主語は文頭の Differences in American schoolsだから、「アメリカの学校の違いは〜という事実にある。」と訳せる。同格の thatは見抜けたね。ダッシュ以下を「つまり・・」と追加説明として訳したのもよかった。しかしcomparedからcountriesまでが主語を修飾していることが明確でなかった。  尾上

(追記)昨日のUG会で「市民会館」に行ったら隣の部屋で面白い展示会をやっていて見入ってしまった。丁度タイムリーに「市教育委員会」が「御殿跡発掘調査」を展示しているよ。徳川家康が鷹狩りの時に休んだ場所を「御殿」と呼んだらしい。昨年新たなくわしい調査結果が立派な写真集になって出版された。専門的にすぎて読むのも大変だが、写真にあるような30年前に編纂された小冊子「御殿場の古道」のほうが親しみやすいよ。市の図書館で閲覧できる。
 夏の避暑地として御殿場には政財界の裕福な人たちが、競って別荘地を買い求めた時代がある。明治の後期に東京から直通の列車ができて、とても便利になった。「御殿場の古道」には東山や二の岡、中畑などに別荘を持つ人々の生き様も記述されていて面白い。
2017/01/30 (Mon) 22:52


疑問詞や関係詞が左方移動した文
疑問詞や関係詞が左方移動した文
2017年1月29日(日) 
御殿場市民会館にて 
「御殿場馬車鉄道」
 御殿場市内を自転車で走り回る内に、「馬車道」と呼ばれているせまい裏通りが気になって近くの「印鑑屋」のご主人に聞いてみた。「この店の前の側溝を工事したときに鉄道の枕木が埋まっていたけどね。明治・大正の頃のことだから分からない。市役所で聞いてみたら?」市役所の社会教育課に行ったらはたして「御殿場馬車鉄道」という立派な小冊子があった。
 市立図書館で閲覧できる、というのでさっそく訪問。30年ほど前に市の教育委員会が文化財審議会を組織して詳しく調査して冊子にまとめたものだった。明治の中頃には東京から東海道線が開通して、「御殿場駅」に着いた富士登山の客を「須走登山口」まで運ぶ「馬車鉄道」があったのだ。さらには山梨県に旅人や荷駄を運搬するために「篭坂峠」や「富士吉田」、「大月」までつながる鉄道網が存在していたとは知らなかった・・・。

 2年生EN君は前回、文法・作文のシリーズが終わったので上級の「文法・書き換え」シリーズを始めた。第1回のテーマは「動詞」で少々難しいけどかなり頑張って正解が出せた。前置詞を含むイデイオムをたくさん覚えよう。今日は「挿入」という単元だった。英文の挿入とはふつう文の途中でカンマとカンマで区切って、直前の語句の「説明」を」加えるものでテキストの例文も解説も間違っている。昔の文法理論で、ちゃんとした文法書が出版されていないから困ったものだ。UG理論に基づいて、このページを私が書き直してEN君にあげた。
 What do you think will happen next? 「次に何が起こると思う?」を見ると 、疑問文の中に一見、do you think が挿入されているように見えるがそうではなくて、疑問詞 What が do you think の前に出て行くと考えるのが正しい。しかし Do you know なら出て行かない。つまり前者は WH-Question であるから文頭に疑問詞が出てくるのに、後者は「知ってる?」という Yes/No-Question なんだね。
 Why do you do things that you know must trouble me? 「私が困るに違いないとわかっているようなことをなぜやるんだ?」では「関係詞」の that が主語で must の前にあるはずだけど、先行詞の things につなげたいので you knowを飛び越えたのだ。一見そう見えるけどこれも「挿入」ではない。UG理論でいう「WH移動」なのだ。この2,30年の英語学研究の成果だから、まだ高校のテキストには反映されてないんだ。
 1年生MU君は「受動態」をやった。語句の並べ替えも和文英訳もだいたいできたね。慣用句の be made of、be made from や、be pleased with、be satisfied with はしっかり覚えたいね。熟語動詞で speak well of 「人のことをよく言う」や look up to 「人を尊敬する」なども「受動態」にできるから要注意だ。後半は長文で「dog days犬の日」を全訳した。数カ所の動詞を分詞になおす問題が含まれていた。
 大学生のYAさんは前回、京都大の入試英作文をひとつやってみた。「どこに行ってもラーメンの店を見ぬ所はない。」は 「〜を見る」に動詞find が使えればOKだ。 There are no towns where you don't find a ramen restaurant. と二重否定で書いてもいいし、もっとあっさり肯定文で Wherever you go, you find ramen restaurants. でもいいね。今日はまた「英検準一級」の問題で前半の第1問「語彙」、第2問「長文」をやってみた。「島国の日本と英国の課題」は難しかったけど「アルコールの健康被害」はしっかり読めて完璧だった。
 学年末テストがあと2日で終わるね。その後今日渡したプリントをゆっくり読んでください。「オバマケア保険の廃止」は Newsweek から、「NYのケネディ空港で民衆デモ」は NY Times からのコピーです。トランプ新大統領の天地をひっくり返すような悪政に米国内では非難囂々だ。
 2年生YAさんは明日の三島教室に振り替えた。 尾上

(追記)枕木の上にレールを敷いて、屈強な馬たちに引かせるだけで「馬車鉄道」は低コストで開設できたから、どの町でも主要な輸送手段だったらしい。しかし、石油を利用したバスやトラックが普及し、山梨県の大月や甲府に「中央線」が東京から直接乗り入れるようになって貨物輸送の需要が減ったために、昭和に入ると共に御殿場の「馬車鉄道」は30年足らずの隆盛に幕を閉じたそうだ。大月から河口湖までの馬車鉄道も「富士急行」の電気鉄道に代わった。
 その小冊子を見ると当時の馬車と馬の写真が珍しい。「御者」や「行者」の姿も写っている。出発の「新橋駅」や終点の「須走駅」の貴重な写真も面白い。「経路図」も明治の頃の古地図の上に示されていて、今の国道138号線にほぼ寄り添うかたちで坂を登って行ったことがわかる。御殿場町の中心にあった御殿場実業(高校)のあたりから郊外に出て、途中の「北久原」や「柴怒田」の集落を通って行ったらしい。
 さらに「キリンシーグラム」の裏手にある林の中を抜け、時には「水飲み場」で馬を休ませて渓流の水をたっぷり飲ませ、大好物のニンジンを食べさせて(?)、「須走」終点までの10キロを走り抜けたらしい。上りの苦労に比べると「下り」は惰性で走るからラクチンで、馬も用がないから車体の後から引っぱられて付いてきたそうだよ。実際に見てみたかったなあ。(つづく)
2017/01/29 (Sun) 23:14


You may stay here as long as you want  to.の省略は?
You may stay here as long as you want  to.の省略は?
2017年1月26日(木) 
裾野市民文化センターにて
「遠藤周作の沈黙」
 久しぶりに柿田川サントムーンに行って映画を見た。米国スコセッシ監督の「沈黙・サイレンス」が公開され先週NHKTVでも紹介されていたもの。舞台は江戸時代初期のキリシタン弾圧の長崎。密かに入国したポルトガルの宣教師2人が信者たちと共に捕らえられ、おそろしい拷問に耐えながら信仰を守り通す。「なぜ善良な弱き人間にゼウスはこんな試練を与え給うのか?」と問うても神は沈黙するばかり。
 我が家の屋根裏の本箱に眠っていて私が読むことを避けていた遠藤周作の「沈黙」が、あの有名なスコセッシ監督によって映画化されたのだ。宣教師の1人は信者と共に殺されるが、もう一人の宣教師ロドリゴは懐柔の末「踏み絵」を踏んで「ころぶ」。つまり棄教して幕府の禁教令取り締まりに協力することになる。日本人の妻も与えられ江戸で一生を終わる。信条信仰に殉じるか、みなの命を大事にするか、なんともやるせない難解なテーマだ・・・。

 2年生MIさんは前回「仮定法」をつかう英作文をやってとてもよく書けた。「武蔵大」の「常識のある人なら、その理屈はおかしいということがすぐにわかるだろう。」で、A man with a common sense should know the theory is wrong sooner. と書いた。「常識」は知識と同じく不加算名詞だから冠詞が不要。これはイディオムで a man of common sense というよ。 仮に、の話だから助動詞につかうのは would know だ。 could realize、might find などでもいい。文法参考書で should も使うとしているのはマチガイ。それでは義務の「べき」や推量の「はず」の意味になってしまう。sooner は know を修飾するからその近くにおく。 
 今日は「強調」を勉強した。It is 〜 that・・・の構文で、文の一部を強調するには、その部分を「切り裂」いて文頭に移動せよ、というルールだ。それで英語学ではこれを「分裂文」と呼んでいるけど、高校英語の用語では「強調構文」だ。日本語での「分裂文」は、一部を「切り裂」いて文尾に移動する。「・・・なのは〜だ。」と。つまり、「分裂文」を作る仕組みが世界のどの言語にも見られるから「普遍的な文法」と言えるんだ。これをUniversal Grammar、即ちUGと呼ぶよ。
 SEさんは前回「前置詞」がテーマだった。「太陽は東から出て西に沈む。」は The sun rises in the east and sets in the west. 「〜から〜まで動く」なら The sun moves from the east to the west. でいいけどね。ここではriseや setする場所だから共にin だ。今日は「倒置構文」を勉強した。解説文の整理の仕方がヘタだけど、大きく2種類に分けると良い。第1文型のSVMは動詞を軸に前後入れ替えでMVSに、第2文型のSVCもCVSに倒置できる。ただし第3文型のSVOはOを文頭に出すだけでOSVとする。
 もう一つの「倒置構文」のほうが難しくて、否定の副詞や名詞句を強調して文頭に出した時SVが疑問文のような語順になる、つまり助動詞を主語の前に出す、ということだ。Hardly had he left the building when he saw the accident. は難しい表現で、hardly を強調しなければ「倒置」しないから、He had hardly left the ・・・と言うべき所だ。「彼がその事故を目撃したとき、建物からほとんど出ていなかった。」という直訳はヘンだ。「出ていたか出ていなかったかはわからない。」つまり、「ほとんど同時だった。」ということになるから、「建物を出るか出ぬうちに、その事故を目撃した。」と和訳すると正解だ。古い言い回しなら「出るや否や・・」ともいう。「出るとすぐに」でもOKだ。
 KI君も前回「強調」の語句を勉強して、動詞の前におく do、does、didや、名詞の前におく the very などを覚えた。「早稻田大」の和訳では The very discovery of the New World was the result of a search for food supply. が難しかった。「新世界を発見できたことそのものは食糧の供給源をさがした結果である。」はdiscoveryとsearchを動詞扱いで和訳すると理解しやすくていい。「新世界で第一の発見は・・」ではおかしい。 
 今日は「倒置構文」の和訳をやってから次の「省略」に進んだ。You may stay here as long as you want to. 「君がいたいだけここにいてもいいよ。」は最後が you want to stay here の省略で to は残しておくのだ。
 3年生OHさんはいよいよ京都の大学に受験に出かけるため欠席した。頑張ってきてください。 尾上

(追記)映画化された「沈黙」に特別の因縁を感ずる理由がある。私の幼少期可愛がってくれた祖父は長崎の生まれだ。私の曾祖父・尾上栄文は幕末の「長崎奉行所」の役人で「典獄」(刑務所長)だった。このスコセッシ監督の映画に出てくる、イッセー尾形が演ずる「井上筑後守」のような長崎奉行のもとで働いていたらしい。有能な官吏だったらしく、徳川幕府の鎖国政策とキリシタン禁教令のもとで民衆の弾圧も辞さなかっただろう。幕府直轄地のお役目上とはいえここでは憎まれ役だね。
 曾祖父は武芸に秀でて剣術も砲術もこなしたという。明治になってからは長崎沖の「高嶋炭鉱」事務長をつとめたというようなことが、大正時代発行の「長崎県人物伝」に大きく紹介されている。それを発見したのは、40年近く前に家族旅行でルーツを求めて長崎に行った時で、先祖の墓参の後訪れた「出島資料館」で偶然紹介された。「尾上といいますが、曾祖父の・・・」といいかけたら、「尾上栄文さんですね。今資料を持ってきます。」と職員に即答されたときには驚いたよ。
2017/01/26 (Thu) 23:20


数学と英語はともに毎日勉強
数学と英語はともに毎日勉強
2017年1月23日(月) 
三島商工会議所にて 
「須走のスロープで初滑り」
 「そり滑り」に一番いいスロープのある須走の「ふじあざみライン」に行ってみた。左右が自衛隊富士学校の演習場に挟まれた直線だし、練習用のトラックが時々通過するから雪道が踏みかためられてとてもいいゲレンデになる。車進入禁止のゲートに駐車して出発だ。プラスチックの子供用そりを片手に4キロほど登ると、五合目に向かう古来の登山道と分かれるあたりで大きなブロックで閉鎖したゲートに来る。ここから先は雪が深いから今日はここまで。下山には「そり」に乗ってスイスイと。
 車がこないのを確認しながら、スピードを両足のかかとでコントロールしながらゆっくりと滑り下るのは実に楽しい。気分は子供とまったくおなじだね。今日は横浜や湘南のナンバーの自家用車ともすれちがった。2台共もちろんスタッドレスタイヤだけど、昨年の冬には中国人のグループが無謀にもノーマルタイヤで登ってきて驚いた。富士山にすこしでも近づきたいんだろうけど・・・。

 2年生のENさんは前回、「比較」をつかう英作文をやった。「高校生活の一番の思い出はと聞かれたら・・」は、「何ですか?」が省略されていることを見抜けなかったね。If you are asked what is the best memory in your high school life, 〜と書けばよかった。今日は「not や no を使わない否定文」を勉強した。far from〜 とか、anything but〜、the last to〜などは「決して〜でない」の意味になることがわかる。不定詞の too〜to〜構文も「あまり〜なので〜できない」の意味になる。だからその後には some ではなくて any を使う。 Probably they are the last people that would accept a life without tea, 「たぶん、彼らは紅茶のない生活なんて(あるとしたら)決して受けつけない国民だろうね。」のように「否定」できっぱり和訳してよい。助動詞の would にはちょっと注意を払って「仮定法かな?」と見抜いたら正解だ。
 中学生のNI君は風邪でお休みした。
 3年生のTA君は前回「比較」の和文英訳をやった。横浜市立大の、「始めて会う人が両親と似ていれば似ているほど、赤ん坊は心地よさを感じる。」は、後半で, the more a baby feels comfortable. とやってしまたったね。高校生の解答にとても多いミスだよ。The more SV, the more SV. という公式で覚えているだけではダメなんだ。ここは The more comfortable としてまとめて文頭に出さないといけない。
 今日のTA君は調子がどうもおかしい。つい半月前には間違えることのなかった問題にマルがつかない。問題文の意味もしっかりつかめていない。センター試験が終わって1週間たつうちに英語力が落ちたのか?聞いてみるとやっぱりだ!学校の授業も半日になったし、数学、国語だけでなく英語も85%取れたことでちょっと安心。上手くいかなかった化学や数学ばかりに集中していたそうだ。
 他教科と違って、数学と英語はともに毎日勉強していないとすぐにアタマが錆びつくよ。「数字」と「言語」はともに「シンボル」で、記号や信号をつかって「考え」を伝えるもの。だから頭の「演算部門」がいつでも使えるように、油をさして回転させていないといけない。英文を読み解く力はまさにこの「演算」の能力だから休ませてはいけないのだ。学校の授業がなくなる2月は油断すると怖いよ。 尾上

(追記)江戸から明治になっても「富士登山」がますます盛んで、「東海道線」が開通して東京から御殿場まで来ると、駅前には「馬車鉄道」が待っていた。市役所前の細い道にはかつての「馬車道」の案内板が今も立っているからここに鉄道レールが敷かれていたことが分かる。御殿場駅からは300mくらいの標高差がありかなりの上り坂だけど「馬の力」で須走の「浅間神社」まで乗って行くことができたそうだ。そこで投宿し身を清めてからいよいよ登山道、今の「ふじあざみライン」を登って行ったのだ。
 富士吉田の浅間神社でも有名な「御師(おし」」という山岳案内の職業が「須走」にもあったそうだよ。私たちが仲人をしてあげたYO君ご夫婦は共に御殿場南高・吹奏楽部の教え子で、いま須走の町内にご両親と暮らしている。父上は小山町の議員さんだがかつては「ホテル」を経営していた。つまり富士登山の旅人が利用する旅籠だったのだ。ご先祖がやはり「御師」だった家柄だそうだ。全国に「富士講」という「山岳信仰」が盛んだったから「旅籠」だけでなく「山岳ガイド」も兼ねていたらしい。
2017/01/23 (Mon) 23:52


always、necessarily、quite も not があると部分否定
 always、necessarily、quite も not があると部分否定
2017年1月22日(日) 
御殿場市民会館にて 
「リンカーン記念堂のおみやげ」
 米国ワシントンDCでは1月20日「大統領就任式」が行われた。NYタイムズ紙の動画でライブ中継をやるというので、PCをつけっぱなしにして夜中の2時頃目をさまして寝床の中でちらちら見ていた。ビジネスマンからいきなり政界に躍り出た人物だから仕方ないけど、トランプ氏は米国独立以来の苦難の歴史も世界平和の理想についても語ることなくじつに格調の低い情けない就任演説だったね。
 「アメリカ・ファースト」を叫びつづけ失われた雇用を「保護貿易」によって回復しようという偏狭な理屈ではまるで発展途上の小さな国の指導者のようだ。北朝鮮のだれかさんと同じレベルだね。演説は連邦議会のバルコニーから広大な広場に集まった15万人の群衆に向かって発せられた。その数はオバマ大統領就任の時のわずか3分の1でそれも白人ばかりだったそうだ。
 拡声器の声は国民広場(ナショナル・モール)の中央に立つ「ワシントン記念塔」を越えて、4・5キロ先の「リンカーン記念堂」まで届いたろうね。巨大な石造りの中に座っている第16代大統領が真正面の議事堂にむかってこのトランプ演説をどう聞いただろうか・・・。

 2年生EN君は前回、「会話表現」の文法・作文をやってほぼすべて正解だった。英作文では「仮定法」を使うか、使わないかが区別しにくそう。今日は「省略」と「挿入」を勉強した。どちらも英文を読む上では頻繁に遭遇するからしっかり覚えておきたい。特に挿入は、SとVの間やVとO、VとCの間に「割り込ませる」から難しい。しかし大抵は「カンマ・カンマ」で区切ってあるし、声を出して読めばカンマの前はイントネーションが「上げ調子」になるからすぐわかる。What is stressful for one person, after all, is not necessarily stressful for everyone. 「結局、一人の人にストレスになる原因が全ての人にも必ずストレスになるというわけではないから。」のように、挿入された after all が文全体を修飾していると見なして、文頭で和訳しておけばいい。
 YAさんは前回「仮定法」の文法作文をやった。動詞の形で「今」の仮定か、「昔」の仮定かの区別があやしかったね。今日は「否定構文」に入ってまず「部分否定」を勉強した。1every 2both 3all は100%を意味する単語で、これが否定文で使われると。「すべてが〜という訳ではない。」のように、「一部はそうではないのだ」 と部分的に否定することになる。しかし「すべて〜しない」と訳したら0%つまり、全体を否定することになるから誤りだ。否定文のなかの always、necessarily、quiteも100%の副詞だから同じように部分否定になるよ。
 1年生MU君は前回「マザーテレサ」の長文を半分だけ和訳した。今日は「分詞」の勉強で、現在分詞-ingが「〜している〜」と前か後の名詞を修飾する。一方過去分詞-edが「〜された」の意味で「受動態」になって前後の名詞を修飾することを勉強した。後半は「コンピュータ−の発達」という長文を全訳してみたら、かなり正確に理解できていたね。
 大学生のYAさんは今日も「英検準1級」も模擬問題に挑戦した。第3問は長文が3つあって、「石器時代の音楽の音」「スマホと学校教育」「金星と温室効果の関係」など面白いエッセイだった。その後、「京都大」の英作文をすこしやってみた。今日はNYタイムズからコピーした記事を2つプレゼントした。共にトランプ新大統領の異常な発言に抗議する国民の怒りの声を特集したものだ。大学の学年末テスト期間中でいそがしいから終わってから読んでいいよ。 尾上

(追記)私は1992年の12月、長男との米国2人旅でNYに滞在した後、古都フィラデルフィアに立ち寄り、さらに大陸横断鉄道「アム・トラック」に乗ってワシントンDCを訪問した。その時のおみやげを今も大事にしていて、時々高校の生徒に自慢げに見せたりする。その「リンカーン記念堂」の売店で見つけたものだけど、青い封筒に入ったバリバリした油紙の手紙で、1863年に南北戦争で勝利した北軍の兵士を称えて、リンカーン大統領が発した演説「ゲティスバーグ・アドレス」の達筆な手書きのコピーだ。
 その文面はこの記念堂の左手の壁面全体に彫ってあって、あの「人民の人民による人民のための政治・・・」と昔から誤訳されているもの。本当は「人民が、人民のために人民を統治する形態はこの地上から永遠に消してはいけない。」が正しいのにね。1776年、イギリス王国の支配からの独立を宣言したアメリカは、国王ではなく人民の代表が人民を統治する民主主義の国であることを再確認するという趣旨だ。
 前大統領オバマ氏が75%の支持率を得て絶大な人気を誇ったのは、まさにこの「国民大多数の代表」にふさわしかったから。選挙中トランプ候補の「女性蔑視発言」から、就任の翌日21日(土)には「女性大行進」がNYほか全米各地で計画されて、このワシントンの国民広場も数十万人の女性がピンクの帽子をかぶって埋め尽くした、とNYタイムズに報道された。インタビューを受けた市民が、「あんな大統領で情けない、恥ずかしい・・・。」と言っていたよ。
2017/01/22 (Sun) 23:39


カンマ・カンマはカッコだよ
カンマ・カンマはカッコだよ
2017年1月19日(木) 
裾野市民文化センターにて
「ブルックリン橋と旧ワ−トレ」
 明日20日にはアメリカにトランプ政権が誕生する。共和党のなかでも支持者が割れて少数派だという新大統領のもとでどんなアメリカに変わっていくのか。オバマ、クリントン、カーター、ケネディなど民主党選出の大統領の偉大な業績が記憶に強いだけに、あの「9・11同時多発テロ」の時のブッシュ政権のような好戦的な、富裕層寄りのアメリカに戻らなければいいのだけど。
 共和党ブッシュ政権の始まった2001年9月11日の朝、NYの「世界貿易センタービル・WTC」(ワートレと呼んでいる)のツインタワーとワシントンの国防省ビル、通称ペンタゴンに計3機の大型旅客機が突っ込んで破壊するという晴天の霹靂ともいうべき大事件が勃発した。21世紀に入ったばかりで、ちょうど君たちはその前後に生まれたのかな。ご両親ならきっと鮮明な記憶として残っているだろうね。私の場合も25歳の長男がNYの「日本総研」に勤務してブルックリンに住んでいたから,実は肝がつぶれるほどのショックだった・・・。

 2年生MIさんは前回「名詞構文」をやった。名詞が動詞から派生したsuccessや、形容詞から派生したflexibility のような場合はそのまま「成功」「柔軟性」のように和訳せずに、SVO(C)の文にいいかえたほうがいいという単元でとても良く理解できていた。「英作文」では「仮定法」をやってみたけど、与えられた日本文が「今の話」なのか「昔の話」なのか判断があいまいだったね。今日は「無生物主語構文」をやった。 What causes bubbles to float? は「何が泡を浮かばせるの?」では変だから、受動態に言い換えて、「何で泡は浮かぶの?」といいかえるのだ。受動態と能動態は英文和訳でも和文英訳でも臨機応変にスイッチできる力がほしい。
 SEさんは前回「無生物主語構文」を勉強した。動詞 make は「〜させる」の意味の使役動詞だから「人がやらせる」のだけど、英語では「もの」でも主語にできる。和訳すると不自然になる時には「人」が主語になるように受動態に直したほうがいいことが多い。「愛知大」の This confidence explained to him his reputation as a wise man. も「こういう確信があったので、彼は自分の賢人としての評判に納得できた。」と訳せるとよかったね。和訳で Today in Finland, which makes the best paper in the world, the paper industry is the biggest in the land. 「カンマカンマはカッコ」と覚えよう。直前の語句を追加説明しているだけだから、「その国は世界で最高の紙をつくっているんだけどね、」を、「今日、フィンランドでは、」の後に割り込ませる。その時と場所は全文「製紙産業がその国で一番重要な産業なのです。」を修飾するよ。
 KI君も前回「無生物主語構文」をやった。「疑問文」の空所補充問題でミスをしたのは疑問詞の位置だ。 Do you know where the nearest bank is located? はYes-No で答えるから where SV の語順でOKだけど、 Who do you think built this house?のように「誰が?」に答えを求める疑問文では疑問詞 wh- が文頭に出るんだ。このように think, believe、imagineの「思う系」や say、demand の「言う系」の動詞の場合は意味が軽いから疑問詞が飛び越えて文頭に出るんだよ。しっかり覚えておこう。今日は「強調構文」 It is 〜 that・・・(・・・なのは〜だ) を勉強した。文の一部を取り出して文頭に移動して強調するやりかただ。日本語でも同じことをやるけど、文の最後に移動するところが違う。日本語は大事なことを後でいうから。
 3年生OHさんは前回「動名詞」の入試問題をいくつかやってみた。「子供だけでなくたくさんの大人もマンガを楽しんで読んでいる。」は enjoy reading comic strips ではなくて take pleasure in reading〜 と書かせるところが難しかったね。「静岡大」の「十人十色、ひとの好みは説明できない。」は There is no accounting for tastes. ということわざだ。account for で「〜を説明する」だが、動名詞構文の There is no –ing 「〜できない」は重要だ。今日は「代名詞」を中心に入試問題をやった。「それ」は普通 it だけど「大きなそれ」は a big one だし、「東京のそれ」は that of Tokyo と使い分けるよ。勿論「それら」なら they (their, them)とか big ones、 those of Tokyoという。本命の大学入試まであと10日だね。がんばって。 尾上

(追記)夏は米国東部より時差が13時間おくれだから、日本では夜10時のTV番組の時間帯に臨時のビッグニュースが飛び込んだ。朝の8時すぎはきっと長男がブルックリンの自宅から地下鉄でイーストリバーを越えて数駅先のWTCの地下にあるターミナル駅にいる頃じゃないか。いつもはここでNJニューワーク行きの列車に乗り換え、ハドソン川をくぐって対岸にあるオフィスまで行くはず。
 すぐに電話機にとりついたけど長男の自宅には通じない。NY市内が大パニックになっているから会社の電話もでない。まさに肝がつぶれるほどの心配を1時間もしているうちにやっと長男が電話に出た。「いつもより遅く家を出て地下鉄の駅に行ったら、入口の扉がみな閉まっているから今帰ってきたところだよ。」とのんきに言っている。テレビもラジオも聞いていない。
 「無事でよかったよ!!ちょっと窓からマンハッタンの方を見てごらん。スゴイ煙があがっているだろう?ワートレが2棟とも旅客機の衝突で崩れ落ちたんだ。通勤時間だから君がその地下の駅にいるところかもしれない、とすごく心配していたよ。ああ、よかった・・・。」このビルで働く日本企業の社員も含め2700人以上の死者をだす大惨事だった。
 このあとすぐ「イスラム系テロ組織・アルカイダ」の戦争行為とみなして、ブッシュ大統領はアフガニスタンとイラクの政権に対して宣戦布告する。首謀者オサマ・ビン・ラディンの引き渡しを求め、「大量破壊兵器」を保持していると疑って。
 8年前にアフリカ系初のバラク・オバマ大統領に代わり、2014年秋「ワールドトレードセンター」は一棟だけNY一の高層ビルとして再び同じ場所に蘇った。
2017/01/19 (Thu) 23:10


 時間ほど貴重なものはない。
 時間ほど貴重なものはない。
2017年1月16日(月) 
三島商工会議所にて 
「御殿場市東山のこと」
 最近市内の移動は車でなく自転車に決めている。散策の楽しみと自分の健康保持とガソリンの節約にもなるからね。6キロ南に下った「時の栖」も、4キロ北にある「アウトレット」も、富士山に向かって7キロ上っていく中畑の「農作業の田畑」にも。食品の買いだしもサイクリングの帰り道で、たいてい「秩父宮公園」と「東山湖」と「東山観音堂」をぐるっと回ってからスーパーに向かう。
 東山湖は最近ルアー・フィッシングが盛んで、先日もニジマス釣りの競技大会を実施していた。ペアで参加して釣り糸を垂れる女性の姿も多くなった。さざ波の立たない日には真正面の富士山が「逆さ富士」となって湖面に映るし、桜並木の向こうに箱根の山並みを見ながらの釣りもきっと楽しいのだろうね。私の性分には合わないけど・・・。

 3年生のTA君は昨日、センター試験を終えて今日は学校で自己採点をやってきた。化学が難しかったけど英語もリスニングも80%位でまあまあだったようでよかったね。あと前期試験まで40日ある。がんばろう。前回は千葉大の過去問をやってみた。かなりの長文を読ませて7〜8題の設問に答えるのだけど、時間がなければすっ飛ばして設問にすぐとりかかってもOKの問題がいくつもある。少なくとも該当箇所の前後だけ読めば解ける問題が多いから,長さに圧倒されることはない。
 語句整序問で You can give people a “・・・・・・・・・?” problem, like the old “Sesame Street” song. の空所に「この中のどれが同じ仲間?」という意味になるように、語句を並べ替えよ。答えは Which of these things belong together? だ。引用符がついて、『ビッグ』な問題 a “big” problem の応用と思えばいい。ちょっと珍しい形式だったね。
 今日は「比較」の文法・作文をやってから東大の過去の模試問題をすこしやってみた。語句整序の問題も普通の入試問題とはひと味違って、一語抜いてあるからそれを自分で補わないといけない。語彙力と構文と作文力全てを問うことのできる良問だ。よその大学も真似したいだろうね。
 2年生のENさんは前回、「比較」の入試英作文をやった。「彼女は母親とおなじように服装にうるさい。」は、 she is as fussy as her mother. と書くのはOKだけど、修飾語のabout her clothesを文尾につけてはダメ。後のas は接続詞で前の文と対比するからshe is as fussy about her clothes とまず文を完成してから as her mother(is).をつけ加えるのだ。今日は「比較」の勉強で、 「原級」の Nothing is so precious as time. が「時間ほど貴重なものはない。」と結局「最上級」と同じ意味になる表現を勉強した。逆に Time is more precious than any other thing. 「時間はどんなほかのものより貴重だ。」のように言ってもOKだ。
 中学生NI君は前回、「完了形」の文法作文問題をやった。現在完了だけでなく高校分野の「過去完了」や「未来完了」もほぼマスターできたね。しかしいざ日本語を英語に直すとなるとまだ難しい。「3歳の時からずっと卓球をやっている」は He has been playing table tennis since he was three years old. と現在完了進行形でいうよ。今日は「不定詞」を勉強して基本はしっかりマスターしたけど、語句整序の問題ではnot so〜 as to〜「〜するほど〜ではない」や、不定詞の前に意味上の主語を挿入して・・・easy enough for small children to do 「子供がやるには十分やさしい」などは少々難しかったかな。
 御殿場教室の2年生YAさんが昨日に続いてこちらに出席した。昨日やった「比較」のプリントを添削してみると、「〜すればするほど、ますます・・・」の構文、つまり The 比較級SV〜, the比較級 SV〜 の公式は覚えたけど、組み立てられない。例文のThe more money he makes, the more useless things he buys.(彼はお金をたくさん稼げば稼ぐほど、ますます無駄な物をたくさん買っている。)はどういう組み立てか考えよう。 He makes more money. とHe buys more useless things. の2文を「〜するにつれて」の意味のas でつなぐだけ。このそれぞれの文で「比較級の語句」に注目し、ひとまとまりでthe を加えてそれぞれの文頭に移動させるんだ。the moreだけを移動してもダメだ。今日は「二重否定」の never〜 without -ing 「〜すると必ず〜する」を勉強した。「〜せずには〜することはない」と直訳で「否定」を2度言ってもかまわない例文もあるけどね。尾上

(追記)御殿場市東山はわが「二の岡」の北側に隣接し、江戸時代に灌漑用水池として開拓された「東山湖」が中心でやはり自然に恵まれた閑静な別荘地だ。「秩父宮公園」は「秩父宮様」の戦前戦後のお別荘から始まって、御殿場市に寄贈されてから今も当時の「防空壕」が公開されている。東山湖の東側には映画監督「黒沢明」の別荘が今もあるし、「とらや工房」は元総理大臣「岸信介」の別荘だ。
 戦後「俳優座」を結成した新劇女優「東山千栄子」も貿易商のご主人が近くに別荘を構え、戦争中はこの「東山・観音堂」を使って東京から呼んだ劇団仲間と舞台のけいこをしていたそうだ。「東山千栄子」といえば新劇の劇団協会の初代会長を勤め、ロシアの作家チェホフの「桜の園」の主人公ラネーフスカヤ夫人が当たり役で、ご自分の家の庭にもたくさんの桜の木を植えて「桜の園」に見立て、晩年はベランダの籐いすに腰掛けて眺めていたという。
 40年近く前に私たちが島田市から御殿場に引っ越してきた頃、「東山観音堂」で開催された「東山千栄子を偲ぶ会」にたまたま出席できて、劇団の関係者にお会いしたりすぐ近所のその旧宅に訪問させて頂いたなあ。跡継ぎがなかったので、地元の方を養子養女に迎えてここで90歳まで晩年をしあわせに送られたそうだ。
2017/01/16 (Mon) 23:53


センター試験が終わったね
センター試験が終わったね
2017年1月15日(日) 
御殿場市民会館にて 
「御殿場市二の岡のこと」
 私の住む御殿場市新橋は御殿場駅前から続く広い郵便の区割りで、古い地名では「二の岡区」に入る。「二岡神社」が中心で、35年前我が家の新築時の地鎮祭にはその宮司さんに来て頂いた。かつて御殿場市長を勤めた内海重忠氏はその後継者で、サイクリングがてら神社に立ち寄ると時々顔を合わしてご挨拶する。今から20年前、沼津東高で教えていた時にその息子さんのクラスで英語を担当した関係もあるんだ。
 東京の建設省のお役人だった内海氏が郷里の市長選に立ったのは平成5年。国際文化都市推進をスローガンに「国際音楽祭を御殿場で」と熱心だった。市内の音楽関係者たちが「市長の諮問会議」に呼ばれて、その一人として南高で吹奏楽顧問をやっていた私も意見を述べた。「東京・横浜に近くて、人口8・9万人の小都市ではクラシック人口が少なくてコンサートは無理。とても採算が合わないと思いますが・・・。」

 今日はセンター試験の2日目があった。今年は三島教室のTA君だけが受験した。実力が十分に発揮できていると信じてます。今回、各地は大雪の中での実施で交通手段が不自由なため1時間遅れで開始した会場とか、遅刻の受験生ごとにさらに対応する会場もあったらしい。関東や中部では静岡県だけが雪の心配がなくて予定通り実施できたようだ。
 1日目の英語の問題が朝刊に載ったのでやってみた。あまりに小さな字で読めないからルーペを使って。It takes 人 時間 to〜(人が〜するのに〜時間かかる。)が2カ所も出題されていたね。語句整序問題では時間なのに It cost で始まっていた。これは特に「貴重な時間がかかった」という時の用法だ。
 2年生EN君は前回、「前置詞」の入試問題をやった。文法も語句整序問題も80%の上出来だったね。今日は「倒置構文」をやった。(1)SVM→MVSや(2)SVC→CVS、(3)SVO→OSVのような倒置のほかに、「否定の副詞」を文頭に出したときの倒置も大切だったね。 
 特に受験生泣かせの「時間構文」には最大の注意が必要だ。 Hardly had I left the building when I saw the accident.が、 As soon as I left the building, I saw the accident. 「その建物を出るとすぐにその事故を目撃した。」とほぼ同じ意味になるのはなぜか、考えて欲しい。そして否定語を強調しなければ「倒置」もしないので元の位置に戻してI had hardly left ・・・となるんだ。
 2年生YAさんは前回、「否定」の文法・作文を勉強した。「東京経済大」の並べ替え問題で、「大気汚染が問題化したのは、多くの人々が都市に住み始めてからです。」は、「・・・なのは〜だ」という表現から「強調構文」 のIt is 〜 that・・・を思い浮かべられなかったね。本当は、・・・の文の中の一部だった 〜 を文頭に引き出して強調するから、英語学では「分裂文」と読んでいるものだ。「〜し始めてからです」を否定文に直して、「〜し始めるまで、ではない」とする。 It was not until many people began to live in cities that air pollution became a serious problem.
 1年生MU君は前回「笑顔の大切さ」と題する長い英文を和訳した。文の構造がしっかり把握できるようになった。When SV〜, SV〜「・・・した時に・・・」は、前半が副詞節で後の文を修飾する。うっかり文頭で「その時に」とやってしまったね。speak to oneself(一人ごとを言うー声に出して)、とsay to oneself(心の中で思うー声にださずに)の違いとか、Window after window が主語になって「次々と現れるお店のウインドウが・・」となることに注意しよう。今日は「動名詞」の用法を勉強し、大切な慣用語法もいくつか覚えた。
 大学生のYAさんは「英検準一級」の過去問をやってみた。難しい適語選択の問題は70%くらいの正解だったね。 devalue(〜の価値を下げる)、degrade(〜の地位を下げる)のように、接頭辞のde-が「下」とか「外」の意味だとわかればdemotion(格下げ)はpromotion(昇進)の反意語だと想像がつくね。このように未知の語でも接頭辞や接尾辞から意味を想像する力を養うとヴォキャブラリーが2倍にも3倍にも増えるよ。 
 第2問は「海洋廃棄物」を読んだ。NYの古い地下鉄車両を大西洋に沈めて、そこを魚礁にして大成功した話だ。しかし海の生態系が破壊され異常になったという研究もある。もう1問の「アメリカのひ弱な若者たち」も読み応えがあったね。「若者にもっと独立心を持たせたい」というのはアメリカだけではないよね。 尾上

(追記)「二岡神社」の鳥居の脇に内海宮司さんのお屋敷があって、その正門には朝ドラ「あさがきた」の主人公「広岡浅子」を紹介する写真や、昨年のNHK・TVドラマ「忠臣蔵の恋」がここで撮影されたのでそのポスターなどが掲示されている。広岡浅子は京都の豪商の娘で、江戸から明治期にかけて九州の炭鉱開発や大同生命保険・日本女子大の設立などに心血を注いだ女傑だった。この朝ドラ「あさがきた」を私も毎朝楽しみに観ていたよ。
 宮司さんの正門にはもうひとつ「昭和初期」の「二の岡、東山地区」の別荘地図が掲示してある。東名御殿場ICの前あたりは「便船塚」といって昔は湿地帯で舟を浮かべていたらしい。ここには「西園寺公望公」の別荘があったが今は「ジャンボ・エンチョー」の大きな敷地になっている。その隣のガソリンスタンドのあたりに「広岡家」の別荘があった。
 浅子は夏になると涼を求めてこの「二岡神社」の森に散策に来てはこの内海邸にも立ち寄ったのだろう。当時の先進的な女性たちが浅子主催の夏のセミナーにおうぜい参加したそうだ。3年前の朝ドラ「花子とアン」の主人公・文学者の村岡花子もその一人だった。「赤毛のアン」はここで翻訳したのかもしれない。(つづく)
2017/01/15 (Sun) 23:38


明後日はセンター試験
明後日はセンター試験
2017年1月12日(木) 
裾野市民文化センターにて 
「富士山で雪あそび」
 畑仲間のOKさんを誘って富士山五合目の「太郎坊」に行った。成人の日の前にたっぷり雪が降ったので、県道脇のゲート前に駐車して雪原を登り始めた。県西部磐田市出身のOKさんは、「こんな大雪の上を歩くのは始めてですよ。」と驚いている。長靴がズブズブと膝まで埋まってしまって歩きにくそう。先に登ったらしい数人の足跡に重ねて歩いた方が賢い。
 登山口のある駐車場まで1時間くらいしか歩かないけど青空の下、風もなくて陽射しがたっぷりだから汗をかいた。真正面に見上げる真っ白な富士山がじつに眩しい。先月2人で「篭坂峠」から歩いた「大洞山」と「三国山」のなだらかな稜線が眼前に広がってすばらしい大パノラマだよ・・・。
 
 2年生のMIさんは前回「無生物主語」をやった。「中央大」の One foolish mistake can involve you in a good deal of trouble. は 「ひとつの馬鹿なマチガイのために、大変な困難に巻き込まれることがある。」の意味で、普通be involved in 〜 のように受動態でいう。ここでは「原因」を主語の位置において、「使役」のように「人を〜に巻き込ませる」という英語の表現になっているね。I am interested in music. も逆に Music interests me. と言い換えれば「無生物主語の文」になるでしょ。今日は「名詞構文」の(1)と(2)をやった。
 2年生SEさんもKI君も、「無生物主語構文」をやった。His sudden visit surprised us. 「彼の訪問が私たちを驚かした。」は日本語では聞きなれないね。「驚かす」のは「人」で、物事じゃないから。こういう時には文を「受動態」に置き換えて、「彼の訪問で私たちは驚いた。」といいかえるといいね。
 3年生OHさんは「動名詞」に関する入試問題をやった。「その試験を受けなきゃならないことを思うと悲しくなるよ。」は動詞の saddens(悲しませる)を使うなら、「〜の思いが私を悲しませる」だから The thought saddens me. となる。思いの内容はI have to take the exam だから「同格」の of でつないで、 The thought of having to take the exam 〜となる。
 三島教室2年生のENさんは前回「比較構文」の難しい慣用表現を勉強した。「東京薬科大」の「シェイクスピアの故郷ストラットフォード」の和訳でミスった。 He was the man of the richly bound book found in every house, respected but not opened very often. 過去分詞形の動詞ばかり4つも使っているから面食らうね。どれも「受身」で訳せばいい。カンマの前までは「彼は、どの家にも見つかるあの豪華な装丁の本を書いた人だった。」で、さらにその本の説明を加えて「それは大事にされているけど、あまり開かれることはない。」カンマはそこで一度切ってから訳を追加するとうまくいく。「カンマを飛び越えて和訳するな!」だね。
 三島教室3年生のTA君はいよいよセンター試験を明後日に控えている。筆記問題の前半部分だけだけど、毎回80%〜90%の正解を出しているから私は楽しみにしている。UG会で勉強して英語の偏差値が10〜20も上がったといってくれた。とても嬉しい。今日もアクセント問題をひとつ間違えたくらいで90%以上の正解だ、風邪をしっかり治して本番を迎えてください。 尾上

(追記)冬のスポーツとして「八ヶ岳」などでは「雪山トレッキング」が盛んだよ。スキー靴や長靴の下に「スノーシュー」という大きなプラスチック製の靴を履いて歩く。スキーやスノーボード用の踏み固めたゲレンデからはずれて新雪の上や樹林の中を歩き回るのも楽しい。この日の太郎坊の雪原でもそれらしい足跡を見つけた。六合目の「双子山」まで登って行ってスキーに履き替えて滑降してきた2人組に出会ったよ。
 この日私が持ってきたのは和製の「かんじき」。数年前にアマゾンの通販で見つけた「新潟県」の人が作った本物だよ。雪道が深いとき足が潜ってしまわないように、長靴の下に取り付ける草履のようなもので、大きな輪型の木の枠とロープでできている。もう何度か履いて楽しんでいるけど今日の雪はそれほどでもなかった。
 OKさんにもう一つ自慢げに見せたのは赤と青色のプラスチック「そり」。市販されている子供用の「そり」を持ってきて、下りは「そり滑り」でスイスイと予想していたのだけど、いざ乗ってみると新雪の中にそりが潜ってしまう。自衛隊の訓練車両が通った轍の跡が数本あったけど細くてうまく滑れなかったよ。もう数日すると溶けた雪がアイスバーンのようになって、舗装の自動車道は格好の「そりゲレンデ」になるのだが。
2017/01/12 (Thu) 23:19


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