裾野市民文化センターにて
「箱根のサンショウバラ」
雨に降られるのを覚悟して金時山に登った。今日も何か発見があるだろうと期待して「矢倉沢」のトンネルに駐車して出発した。ウグイスやホトトギスがにぎやかな季節になったな。ウノハナが真っ盛りでツクバネウツギや赤白のニシキウツギなどなど。私がガラケーで写真を撮っていると、すれ違いの老夫婦が「何の花ですか?」と聞く。「ハンショウヅル。」「蔓の先の花が紫色の半鐘のような形でしょ?クレマチスの原種ですよ。」
30分ほど登ると眼前に仙石原と大湧谷・神山の大展望が開けて、つぼみを一杯つけた大きな「サンショウバラ」が淡いピンク色の花を咲かせ始めていた。箱根近辺だけの珍しい野生のバラで、細かな葉の茂り方はまるで山椒に似ていて、その花びらは清らかな乙女のイメージだよね・・・。
3年生MIさんは「名詞・代名詞・冠詞」の入試問題をやった。ドイツ語・フランス語・ロシア語などヨーロッパの言語(正式には「インド・ヨーロッパ語族」)では、名詞の語形に「性・数・格」というカテゴリーがつきまとう。日本語では全く考えないから注意が必要だ。全ての名詞が男性・女性・中性にわかれるし、英語の代名詞 he his himのように全ての名詞が「主格」「所有格」「目的格」などの語尾変化を持つ。
その点英語だけは楽だなあ。名詞の「性」といえば「海」「国」「船」などをsheで受ける以外は「もの」は全て中性で it でいい。単数・複数に注意していればいいのだから。ただし2つの時は「両数」といって、代名詞に both や either、neitherをつかう。
SEさんは前回、「一橋大」の英作文をやった。「われわれが飼っているつまらない犬や猫だって、みなそれぞれの愛称で呼ばれている。」で、述語動詞「呼ばれている」の主語は何だろう?「みな」じゃないね。「犬や猫」だね。つまり All the dogs or cats are called by their own pet names. となる。「みな」は主語を修飾するだけだ。
今日は「関係詞」がテーマだった。関係代名詞のwhat はsomething which のことで、先行詞を含むから「〜すること」「〜するもの」という日本語をあてればいい。しかしwhat Japan is nowとなれば「日本の今の姿」と訳したい。
受験生必修の構文 A is to B what C is to D は「AとBの関係はCとDの関係に等しい。」と覚えているね。この whatは何だろう?「関係」じゃあないよね。important (大切なもの)という形容詞をあてはめてみるとスッキリする。今日の整序問題は、「サクラの花が昔から日本人に大切だったのは、バラがヨーロッパ人にとって大切なのと同じだ。」という日本語に相当する。
KI君も今日は「関係詞」を勉強した。「近畿大」の整序問題で「父親が教授のその学生はいわゆる本の虫だ。」が難しかったね。後半は is a so-called bookworm の方が簡単だけど、関係詞の whatを使うと what we call a bookworm (皆が本の虫と呼ぶもの)とか 受身で what is called a bookworm という。
英作文では「早稻田大」の「彼は自分が正しいと思うことをするだけの勇気がある。」が難しかった。He has enough courage to do it. と He thinks it is right. の2文がつくれれば it に相当する関係詞 whatで一つにまとめる。 He has enough courage to do what he thinks is right. となるね。what とis の間に he thinksを「挿入」したと考える事もできるが、実は関係詞の what が he の前に「移動」したのだね。2年の重要構文「挿入」のところで説明したよ。1年生のKA君は風邪でお休みした。尾上
(追記)頂上の「金時茶屋」ではいつものように「金時娘」の妙子さん(84才のおばあさん)が息子の秀峰さんと大きな声で迎えてくれた。店内の登山者名簿に「156回」と書いて氏名・年齢を添えた。天井につり下げた木の名札を見ると、写真集「金時山の花」を出版した高田さんは南足柄市の人で3100回。御殿場の「報徳肉店」の女社長は84才で3000回も!皆さん、雨でも雪でも日課や朝トレのようにこの金時山に登ってきては「金時娘」に挨拶して記帳していく。
「そうだ、秀ちゃん!先月のコイワザクラがもう終わって、あの秘密の大岩はどうなっているかな?じゃ、ちょっと見てくるよ!」。頂上手前の登山道から少し外れると6〜8mもある大岩が直立していて、イワタバコの大きな縮れた葉がビッシリと貼り付いているが花芽はまだまだ。「あれ?あの小さな白いつぼみは何?」ひょっとしたら・・そうだった。まだ4.5本だけどオノエランがもう咲き出したのだった。いつもは6月20日の私の誕生日に合わせて咲くはずなのに。
自分の名前と同じ「オノエラン」を初めて知ったのは「金時茶屋」であの「金時山の花」を購入した時。すぐに著者に電話して「オノエといいますが、ぜひオノエランの発見場所を教えてください」、とお願いした。「毎朝登りますから、足柄峠の登山口で会いましょう・・」と快諾。それで、いくつか秘密のポイントに直接案内していただいたのだった。高田さんも定年退職後に山の花にとりつかれたそうだ。
