御殿場市民会館にて
「早雲山のイワカガミ」
夜明け前に家を出て箱根の強羅に行った。「早雲山」の山頂近くに咲くイワカガミがお目当てだ。ケーブルカーの早雲山駅に駐車して「小田原」の歪曲した海岸線の向こうに登るご来光を拝んだ。初めはオレンジ色のヤマツツジが美しい。登るにつれてピンク色のミツバツツジに変わっていく。70分ほど急傾斜を登ると「神山」と「駒ヶ岳」の分岐点に着いた。
大きな岩が連なる山道をすり抜けながら進むと、あったよ!何千、何万も数えきれないほどの小さなイワカガミの大群落だ。黒い岩にピンク色のドレスを着せたかのよう。丸い緑の葉がテカテカと鏡のように光るベッドになって、そこから伸びた細長い軸の上にフリルで囲まれた小さな花たちはまるでピンク色のヒマワリだ。上でもなく下向きでもなくどれも一斉に私の方を見ているよ・・・。
1年生のTA君は前回、長文「マザー・テレサ」を全訳した。All of them were poor because she thought that they must be poor to understand the poor people. 長い文だね。動詞V をチェックすると were、thought、must beの他に不定詞のto understand もある。S V のペアを単位にして、後から順に和訳するといい。「彼らの全員が貧しかったのは、貧しい人々を理解するには自分も貧しくなくてはいけない、と彼女が考えたからだ。」
今日は「助動詞」(2)で、can 、mustに加えて、 may や should、ought to にも二つめの意味があることを勉強した。普通は「推量の意味」というけど、may は「〜と考えてもよい」から「〜かもしれない」となるし、shouldは「〜と考えるべきだ」から「〜のはずだ」が生まれる。つまりその文の「話者」が自分の考えに「許可」や「義務」を感じていることから二つめの意味が生まれたのだね。
3年生EN君は前回、「譲歩構文」を含む入試問題を和訳した。「広島大」の Only when a move has brought forth a response can we say communication is taking place. は複雑な文型だね。 We can say で始まる文に書き直したらどうだろう。冒頭の only で始まる従節を後回しにすればOKだ。「働きかけが反応を引き出した時にしか、コミュニケーションが行われているなんて言えないね。」 これはonly〜が「否定語句」と感じられるために、文頭にだして強調するとS Vが倒置になる、のだったね。Little did I dream〜(〜とは夢にも思わなかった)を覚えてるでしょ?
今日の文法・整序・作文は「冠詞・名詞・代名詞」を勉強した。日頃まとめて勉強する機会の少ない項目だから貴重だ。英文和訳は「現在完了」を使う入試問題をやってみた。「名古屋市立大」も「成蹊大」もなかなか難しいね。EN君、明日から中間テストなので準備のために早退した。
大学2年生のYAさんは「英検1級」レベルの長文問題を3つやった。30行もある長文を読んでから、2題の4択問題に答える。1問に20〜30分はかかりそうだけど、制限時間がわずか6分とは。含蓄深くてゆっくりじっくり読んでおきたいものばかり。テストとは苛酷なものだ。YAさんはほぼ正確によめているから、英語力、理解力はかなり高いので自信を持っていいよ。選択肢にあるThe lion’s share of university funding (大学基金のライオンの分け前)とはおもしろい表現だね。「ライオンが食べる獲物の一番おいしい部分」、つまり「甘い汁(を吸う)、大部分」という意味に使われる。
今日はThe New York Times の記事から「英国マンチェスター・自爆テロの犯人」とBBCから「エベレスト遭難者、今年10人に」をプリントして読んでもらうことにした。YAさん、大学では英語が専攻で、最近の「言語習得」の講義ではMITのチョムスキー博士の紹介があってとても親しみを感じたらしい。私から何度も「ユニバーサル・グラマー」、つまりUG(普遍文法)の話を聞いていたからね。世界の6000の言語はすべて一つの文法で説明できる、という仮説だ。
2年生のMU君とAOさんは部活のために欠席だった。 尾上
(追記)その前の日には足柄峠の方から「金時山」に登った。この日も素晴らしい「五月晴れ」で、雪もだいぶ少なくなった「富士山」が広大な裾野の上にそびえ立っていた。急斜面には12本ものハシゴがかかっていて、足下に注意しながら登ると真っ白なツツジの花が散って山道に敷きつめている。見上げるとああ、「シロヤシオ」だよ!「五葉ツツジ」ともいってうつむき加減の上品な気品に溢れている。皇室の「愛子様」のお印になっている花だ。
その途中に私の「秘密」の花園があって、周囲の岩に注意しながら登ると花好きの人なら気づく。「花の命は短くて・・・」の歌にあるように、イワカガミももう終わりかけていてわずか2輪だけだった。しまった!今年はまだイワカガミの群落に会ってない。岩のあるもう少し高い山に登ればまだ残っているかもしれない。「大湧谷」はまだ入山禁止だから、そうだ、明日は強羅の「早雲山」に登ってみよう。
