箱根の紅葉はどうだろう、と曇天の中をドライブに出かけた。仙石原の花の寺「長安寺」に立ち寄ると、まだカエデの数本が紅葉し始めたくらいだった。裏山には五百羅漢の石像が点在し石垣にイワシャジンの咲き残りが楽しめた。しかし寒いなあ。こんな天気の日は「温泉」に入って暖まろうかと、「箱根園」のホテル「龍宮殿」に行ってみた。
こんな高級リゾートホテルでもこの夏から「立ち寄り湯」を始めた、と先月湖畔サイクリングの時に知ったから一度入ってみたかった。今は隣接の「ザ・プリンス」と共に西武系列のホテルだけど、昭和の初期に「浜名湖」の湖畔で営業していた豪勢な建築物を終戦後解体し、船で熱海港まで運びここに移築したのだった。宇治の「平等院」を模したという左右対称の造りで国の有形文化財だそうだよ・・・。
3年生MIさんは、前回「独立不定詞」といわれるso to speakとか needless to say、not to say〜などの慣用語句の働きを勉強した。文頭にある時は全文を修飾するけど、文中の挿入では普通カンマカンマで区切ってある。(1)文頭でいうべきものを付け足したか、(2)直前の語句の注釈なのか、(3)直後の語句の前提なのかを判断しないといけない。 「早稻田大」のThe king of the country labored without sparing himself, not to speak of his subjects, for the good of his country. では(1)だろうね。「その国の王様は、臣下の者についてはいうまでもなく、自国のために骨身を惜しまず働いた。」subjectは多義語で、科目・テーマ・主題・主語などあるね。ここでは「家来・臣下」の意味。「足下に・投げ出す」が原義で意味がずいぶん拡張したのだ。今日の「上智大」は文法も長文問題もやや難しかった。動詞のidentify (証明する) には要注意。名詞identityは「IDカード」で覚えて「個人(証明)、個性」の意味だし、identicalは「同一の」の意味だ。
SEさんは前回「日本女子大」の「前世紀の音楽の普及」についての英文を読んだ。If you lived anywhere outside the very largest cities, you could have very little musical experience beyond what you made yourself. は動詞が過去形で書いてあるけど「仮定法」ではないね。一般論だからyouを訳さずに、「もし〜であったら、〜だった。」としよう。「(その当時)もし大都会から離れたどこかに住んでいたら、自分で演奏する以上の音楽経験はほとんど出来なかった。」今日のセンター試験は確実に正解が出せて80%も取れたね。良かった。苦手なリスニングに上達するには、CDで同じ過去問を10回でも20回でも聞いてみるしかない。易しい英文だからきっとはっきり聞こえてくるはず。
YAさんは前回、不定詞の〜enough to〜の用法で「法政大」の英文を読んだ。エジソンが「蓄音機」を発明した歴史を知っていれば易しかったけどね。Bamboo is delicate enough to be shaved into record player needles, yet strong enough to be used in bridge construction. 「竹は削ってレコード・プレーヤー(蓄音機)の針に出来るほど繊細なものだけど、橋の建設に使えるほどの強度がある。」我が家にはまだ学生時代に買ったLPレコードやプレーヤーがあるけど、若い人たちは本物を見たこともないだろうね。今日は「名詞・代名詞・冠詞」を勉強した。名詞にはa やtheをつけるのが普通で、何もつけない場合にはちゃんと理由がある。抽象名詞、物質名詞、固有名詞などがそれだ。
御殿場教室のMU君が出席して「仮定法」をもう一つ勉強した。「要求・提案・主張」の文にはその内容に「原形」の動詞をつかう、というのが「仮定法」なんだ。まだやってない、という現実に対して逆に「やって欲しいのに」の気持ちが込められているよ。後半は新たに「比較構文」の章に入った。This book is as easy to read as that one. は文尾にもう一度is easy to read.が省略されているのだ。前のas は副詞で「同じくらい」の意味。後のasは接続詞で「〜と比べると」の意味だからreadの後で文が切れる。しつこく訳すと「この本はあの本(が読みやすいのとくらべる)と同じくらい読みやすい。」ということだ。as〜asの〜がいつも1語だけと思ってはいけない。
1年生のKA君は「仮定法」を勉強した。学校でもまだ教えてないから初めての項目だ。「今」の事実に反対の仮定をする場合には、動詞を「過去形」にすればいい。「昔」の場合は「過去完了形」にする、という二者択一だから何とか覚えやすいでしょ。I wish で始まる「願望」の文でも、現実と逆のことを願うから、「今」のことなら過去形で「昔」なら過去完了形で動詞を書けばいい。30分足らずの短時間で正確に練習問題が正しく答えられたね。特殊な「仮定法未来」や「まるで〜のように」のas ifについては又別の機会に勉強しよう。 尾上
(追記)広い玄関正面の大階段やシャンデリアに感心し、歴史を記した案内板で由来を読んで歴史的建造物にいる実感を味わった。湯殿に行って入ってみると、「駒ヶ岳」の中腹で湧出する「蛸川温泉」を引いている無色透明のお湯だった。露天風呂からは眼下に広がる芦ノ湖の全景と外輪山の向こうに富士山もくっきりと見えた。お風呂からこんな絶景が見れるところはなかなかないよ。
「箱根十七湯」と言われているけど、この蛸川温泉は一番新しい温泉らしい。江戸時代から東海道の難所の箱根路には自然に湧出する温泉があって、太閤秀吉が小田原攻めの時に浴びたという「底倉」温泉を始め、「湯本」「宮ノ下」「芦の湯」などの7湯が有名だった。そして明治以降の観光開発で掘ったら湧いたというのが残りの10湯で、「強羅」「姥子」「仙石原」や最近の「蛸川」だそうだ。箱根はマグマが潜む火山だから当然温泉も多いわけだね。今も「神山」「大湧谷」は危険地域で登山禁止だよ。
