「田子の浦の軍艦」
2年前の秋、「海抜ゼロメートルからの富士登山」をやった懐かしのスタート地点「田子の浦」に行ってみた。「生しらす丼」が評判の「田子の浦漁協」の食堂に来た。港の向こうには雲ひとつない真っ青な空のもとに真っ白に冠雪した富士山が美しい!白い漁船が20隻も並べて係留してある岸壁の目前、朝の競り市が終わった漁協の屋根の下に長机をいくつも並べただけの食堂が営業していた。自販機で見たら「生しらす丼」はもう売り切れだったよ!観光客よりは田子の浦周辺の多くの工場で働いているらしい制服の人たちがおおぜい昼食に来ていたせいかな。代わりに「海鮮丼」を食べてみたら美味いこと!イカもマグロも実に新鮮で甘みがあって漁港ならではの味わい。
海岸に移動して「田子の浦みなと公園」にあるロシアの軍艦「ディアナ号」をかたどった小さな帆船に行ってみた。幕末に下田港に来た時に津波で破損して、修理のために戸田に向かう途中この田子の浦で沈没したという。その甲板で海を見ていると、インド人かなと思われる3人組が階段を上ってきた。話してみたらバングラデッシュ人だという。2人の男の子の一家はドバイに住み日本に観光に来たので、26年前から日本に住む叔父が今日は富士山を見せにこの「田子の浦」までやってきたという。10才くらいの男の子たちは日常はドバイの学校でアラビア語を話し、家では母語のベンガル語で、時には共通言語の英語とフランス語を使い分けるという。子供の言語能力の高いこと・・・
3年生のOK君は「二重否定」の構文never〜without -ingを勉強した。そのまま「・・せずには〜しない」と直訳するよりも、「肯定文」で言い換えて「〜すれば必ず・・する」Whenever SV〜,と和訳したほうが良い場合が多い。Reading is a contract and an exchange between two people: the writer and the reader. (読書は著者と読者という二人の間の約束であるし意見交換である。)という英文で、The reader is not being given something without contributing something.でも、直訳よりは「読者は(著者から)何かを与えられている時には必ず(著者に)何かをお返ししているのだ」の方が優れている。動詞が受け身の進行形になっていることにも注意しよう。
MUさんは「言語」ついての英文を和訳した。Most of us , it is true, can get along fairly well without knowing very much about our language and without even taking the trouble to open a volume of the Oxford English Dictionary. 「なるほどたいていの人が、自分の言葉についてあまりよく知らなくても、わざわざOEDを一巻開いてみるまでしなくてもまあまあうまくやっていける。」で、和訳は無難にできたけれどこのwithout〜(前置詞句)を節で言い換えよ、という問題に困ってしまった。節とは「接続詞+S+V+〜」のまとまりをいうのだから、even if we don’t know〜が正解。関係詞や疑問詞でも節と呼ぶよ。
ちなみに、一般にOEDと呼ばれているのは「オックスフォード英語辞典」のことで、オックスフォード大学出版局から出ている世界で一番大きな辞書のこと。初版が1928年に、第2版は1989年に60万語が収録され全部で20巻もある。大学の図書館にはたいていあるが、私はこの第2版のCD-ROMを教授から借りて2000年に修士論文を書いた。さらに、第3版が2010年にその倍の40巻で発行されている。その後今でも次の改訂版をめざして語彙の収集作業が続いているそうだ。日本にはそれに類するものはない。すべて民間の出版社で、最も大きな国語辞典は「小学館」の「日本国語大辞典」第2版2003年発行、14巻50万語だ。「岩波書店」の「広辞苑」は1955年初版、第8版が2019年発行で1巻25万語。 尾上


