高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

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助動詞は「動詞を助けない」
助動詞は「動詞を助けない」
2024年6月9日(日)
「三つ峠のアツモリソウ」
 アツモリソウは平家の若武者「平敦盛」の名にちなむ野生ランの一つでピンク色の大きな美しい花だ。平敦盛は源平の「一ノ谷の合戦」で敵方の熊谷直実に打ち取られた17才の美少年で平清盛の甥にあたる。ラン科の花はふつう3枚の顎の中に3枚の花弁をもち正面の大きな花弁を唇弁というのだが、このアツモリソウはとても大きな袋の形をしている。それが戦場を騎馬で走る時、武士が背中に背負う弓矢除けの「母衣」に似ていて平家は赤旗だった故事にちなむ命名のようだ。学名は「女神のスリッパ」の意味でなるほど納得できる。ちなみに相手の熊谷直実にちなんだ白い袋状のランにはクマガイソウの名がついているよ。源氏は白旗だったからね。
 6日の朝、車で河口湖を越え旧街道「御坂みち」を登って行った。絶滅危惧種のアツモリソウが「三つ峠」に咲きだす頃だ。旧御坂トンネル手前の登山口に駐車して歩き出す。マイヅルソウ(舞鶴草)キバナノコマノツメ(黄花の駒の爪)を見つけてはスマホカメラを向ける。2時間ほどで「三つ峠」の3つの峰の一つ「御巣鷹山」に着いた。ここにアツモリソウが咲いているはず。金網のフェンスが2重になって、さらにその先に鉄の檻を被せられて大きな袋をふくらませたアツモリソウが2つ、5つと群落を作っていた。素晴らしいよ!。。。「木無山」から下山する前に「三つ峠山荘」主人の中村さんにご挨拶。花と昆虫の「共生」について情熱をこめて話してくれた・・・

 「英字新聞を読もう!」昨日は3回目。5月27日のジャパンタイムズからWith more foreign children, Fukushima struggles with language supportという見出しに注目し皆さんに予習していただいた。「外国人の子供増加で福島県は言語学習支援に奮闘中」と訳せる。冒頭のA record number of foreign children were found to have needed Japanese language assistance. (日本語学習の支援を必要とする外国人の子供たちが記録的に多かったことが判明した)は、完了形の不定詞を使ってかなり難しい表現だったけどENさんは見事に和訳してくれた。もっと簡単な書き方ならIt was found that the children had needed〜、のように、動詞を2度使って「複文」で書けばいいのに。
 動詞のwas foundを後ろの動詞had neededの前に割り込ませて「単文」に変えるとThe children were found to have needed〜のようになる。それはIt was said that SVをS was said to Vに書き変えたり、高校の英語ではIt seemed that SVが不定詞を使ってS seemed to Vに直せる、と教えているのと同じなんだ。「〜とわかった」とか「〜と言われてた」「〜と思われた、〜らしかった」は、日本語では「〜だね」「〜だよ」のように文の最後に付けるね。それを文法ではModalityと呼ぶ。つまりMood(ムード)「話者の気持ち、判断」を英語では助動詞のように「動詞」の前に付けくわえるのだ。He must have succeeded.(成功したにちがいない)もmustは「話者の信じる気持ち」を命題に付け加えたもので、助動詞は「補助的動詞」の略語で「動詞を助けている??」のではないのです。 尾上
2024/06/09 (Sun) 0:15


関東大震災から100年
関東大震災から100年
2024年6月2日(日)
「トキの森公園のポスト」
 佐渡の2日目は念願の「トキの森公園」へ。朱鷺は「赤いサギ」の意味かな。御殿場の「時之栖」はどうもトキが昔いたらしい印野地区の「時の巣」からつけたのではないかな。昔は日本のどこにもトキがいたのだ。しかし、田んぼの中に飛来してはカエルなど餌をあさり早苗を踏みつぶしてしまうので嫌われたし、美しい羽は弓矢の羽根として重宝されたから乱獲された。能登半島にわずかに残っていたトキを保護するために、50年前「佐渡島」の「保護センター」で育てたがとうとう20年前にすべて絶滅してしまった。今では500羽以上に増えたトキは1999年に中国から贈られたひと番(つがい)から始まったという。
 「トキの森公園」の「資料展示館」では子育て中の母鳥と3羽のヒナが目の前にいた。親子とも羽が灰色をしているが、秋になるとオレンジっぽいピンクのトキ色になるらしい。飛んでいる姿はナマではなくビデオで見ることができた。細長いクチバシを突き出して大きな羽を広げて颯爽と飛び回っていたよ。次に「ふれあいプラザ」に移動すると、大きなドームの中を自然な森の姿にして、エサ取りや飛び回る姿を観察できるように工夫されていた。トキは学名を「ニッポニア・ニッポン」というペリカンの仲間らしい。帰り際、真っ白な郵便ポストが立っていた。真っ赤な顔と長いクチバシが面白い・・・

 「英字新聞を読む会」は次回8日土曜日に予定している。先日、「オノエランが咲く頃なので、2日金時山に登りますか」と呼びかけたら、4人の女性が参加希望した。昨年の授業で「尾上蘭」の話題になり、花を見てみたい、という生徒がいたのだ。ところが前日から大雨になって予報も悪くなるばかり。LINEで中止を連絡したので本当に残念がる生徒も多かった。でも直前の30日、下見を兼ねて私がオノエランの咲き具合を確かめに登ったら、ほぼ満開に近く美しい姿を見ることができた。その時に撮った写真を皆さんに送って今年は我慢してもらうことにした。
 雨の日曜日には英字新聞を読むのもいいね。デジタル版でざっと目を通したら、The earthquake that turned Tokyo to ash (東京を灰に変えた地震)で、1923年9月1日の「関東大震災」の話が目についた。昨年2023年はその大地震から100年目で、8月末にレポーターがその記録展示が残る公園を訪れている。当時の陸軍省被服廠のあった跡地で、墨田区両国の「横網公園」の中にその展示館がある。多くの被災者がその敷地に保護を求めて来たそうだ。。。実はその公園には偶然近くまで先月行っていた。大学の忘年会をスカイツリーで計画し、元気な有志で亀戸駅から「北斎通り」をトレッキングし、両国から水上バスで浅草に向かったのだ。 尾上
2024/06/02 (Sun) 23:00


読解のコツは〇・△・▢の使い分け。
読解のコツは〇・△・▢の使い分け。
2024年5月26日(日)
「佐渡島に渡った!」
 新潟までは遠いなあと思っていたら、上越新幹線「トキ」なら東京駅から340キロをわずか2時間‼「JR上野東京ライン」で東京から御殿場に戻るよりずっと早かった。先日新潟港から水中翼船に乗って生れてはじめて「佐渡ケ島」に渡ったよ。大学生の頃ロシア語通訳のアルバイトをやり、富山県の伏木港から貨物船でシベリアに材木買取に往復する途中この沖合を通ったなあ。23日は「新潟港」から快速船「ジェットホイル」で1時間、両津港につくとレンタカーにすぐ乗り換えて「ドンデン山」940mへ直行だ!山頂下の「ドンデン高原ロッジ」は木造八角形の山荘で、テラスから青い日本海と今着いたばかりの港が眼下に広がっていた。
 両津湾と加茂湖の間の細い砂州に佐渡市の街並みが連なっているよ。今夜の宿はあの湖畔のあたりかな。「尻立山」(ドンデン山)への登山道はカエデやオオカメノキなど背の低い灌木が茂って足元に紫色のマキノスミレ、ピンクのオオイワカガミ、白いチゴユリ、黄色のエチゴキジムシロ、橙色のレンゲツツジなどがいっぱい。「ドンデン池」に下る道では真っ白な山シャクヤクが2輪、薄紫で釣鐘形のウラジロヨウラクもたくさん見つけた!午後だけの山行なので今日のゴールはあそこに見える赤い屋根の山小屋までにしよう。おっ!シラネアオイだよ。2輪だけ半月も遅いのに待っていてくれた・・・

 今日の「英字新聞を読もう」は、5月11日(土)の「ジャパンタイムズ」電子版の「北海道でオーロラ」と、13日(月)「ロイター通信」からの転載で「壮大なオーロラ、20年ぶり最大級の太陽風で」の2つを読み合わせした。10日以上も準備期間があったので生徒のみなさん予習バッチリ!前半は流れるように読み進んだ。後半の方が世界ニュースのせいか少々難しい英語で、1600 Greenwich Mean Timeが見慣れない表現。「グリニッチ標準時間で16:00」のことかなあ。音声ではone thousand six hundredと読んでいたが。
 今日は「英文法で一番難しいのはandの用法です。A and A'のルールを習得するのに私の塾生だと3年生の秋までかかった。その時には尾上塾の免許皆伝!と告げて英語博士にしてあげました。」とお話した。A とA'は同じ品詞で同じカテゴリーのはず。今日の英文でdamagedは動詞の過去形だから少し前のcausedと並列して同じ主語、reachは動詞の現在形でtravelと並んで同じ主語です。andが出たらまず△マークで囲んで要注意!ちなみに、接続詞・関係詞・疑問詞はすべて「節」を構成するもので□マークで囲みます。□+S+Vが「文」の最小単位「節」になります。更に〇マークで「前置詞」を囲むようにすると〇+名詞が修飾語なので、文の骨組みがくっきり見えてきます。 尾上
2024/05/26 (Sun) 0:10


オーロラの異常発生
オーロラの異常発生
2024年5月19日(日)
「スカイツリーで大学の同窓会」
 16日は「傘寿記念」と銘打って東京外国語大学ロシア科卒の同窓会だった。これは私の企画で参加は男性3人女性2人だった。デジタル版の大学同窓会報に大々的にのせてもらったのに出席率12%とは少ないな。でも元々40人の小クラスだからね。80才まで長生きして、病もなく元気に歩いて交歓会に出席できる人の数はぐんと少なくなるのかな。私は小・中・高・大のほぼすべての同窓会に最近参加しているんだが、調べてみると先日の小学校はクラス60人中10人、中学は昨年学年全員300人のうち30人、高校は先月西宮市で「傘寿祝賀の会」があり卒業生180人のうち31人が集まったそうだ。いずれも元気者は6人に1人の割合だと判明した!
 この日は「東京スカイツリー」を見上げる押上「ソラマチビル」31Fのレストランで夕食会をやった。大学1年の夏、信州「菅平」のロッジで合宿し、翌日は誰かの発案で4人が夜通し山中を歩いて「篭の登山」と「浅間山」の山頂を極めたことを懐かしく語り合った。無茶をしたなあ、若かったんだねえ!窓外の眼下には浅草寺の賑わいや隅田川の流れ、遠くに東京湾の船も見えて素晴らしい展望だ。このグループで15年続けた山歩き(トレッキング)がコロナ以降は難しくなったので、この日も「江戸街めぐり」を企画して、男性3人は午前中「JR亀戸駅」に集合し、緑濃い「北斎通り」を歩いて「葛飾北斎美術館」に立ち寄り、両国から水上バスで浅草に向かった・・・

 生涯学習「英字新聞を読もう!」の教室で来週25日(土)の第2回にはテレビでも話題になっている「オーロラの異常発生」を選んだ。In a rare event, the Northern Lights show up in Hokkaido (珍事、北海道にオーロラ現る!)は「ジャパンタイムズ」デジタル版で13日に掲載された。「これは20年ぶりのスペクタクルで、スマホカメラの精度がさらに進歩し肉眼で見えなかったものが写っていました。今回はさらに信じがたいことが起こった!」という北海道名寄市立天文台「きたすばる」の元台長の談話とその4枚の写真が掲載された。東北地方や能登半島でも目撃されたらしいから実に珍しいことだ。
 その記事の関連で、11日に「ロイター通信」から提供された世界ニュースFirst ‘extreme’ solar storm in 20 years brings spectacular auroras(20年ぶり、強大な太陽風でオーロラの大スペクタクル)の記事も皆さんに読んでもらうことにした。英国や南半球の「タスマニア」でもくっきりとオーロラが現れたそうだ。しかしそれは強力なプラズマと電磁場の放出になるので、人工衛星や航空機や世界中の送電網に脅威となっている。停電を引き起こすかもしれないので懐中電灯や電池やラジオを手元に用意しておきたい。この期間、日食用眼鏡があれば昼間、太陽の黒点群sunspot clustersも見られるかもしれない、と述べている。 尾上
2024/05/19 (Sun) 0:10


中高生の英語力が向上⁉
中高生の英語力が向上⁉
2024年5月12日(日)
「静岡で展覧会2つ」
 「テオ・ヤンセン展」がまた見られる、と静岡の「県立美術館」に出かけた。3年前の6月にも甲府の「山梨県立美術館」で見た不思議な彫刻(?)がまた日本にやってきた。12mもある巨大な骨格のモンスターが海辺を速足で歩く様子はビックリだ。わずかなそよ風が唯一の動力なんだから!背中の白い帆に風を受けそれをパイプ状の細い骨格や脚に送り込む仕掛けらしい。大学で学んだ工学を芸術に取り入れたオランダ人テオ・ヤンセンの創作だ。会場ではそのストランドビーストの一頭(一台)を実際に動かして見せてくれた。チューブから風を少し吹き込むと、数十本の脚が順序良く前後して巨大なビーストは速足で静かに前進したよ。
 県内でも静岡市までは東京と同じ80キロもあるので来るのは久しぶり。海風が吸ってみたくて由比のパーキングで停車して遠く伊豆半島につながる海岸線を目で追った。海越しに見える富士山も美しいなあ。ここは難所の「薩埵峠」(さったとうげ)、歌川広重の「東海道五十三次」の一枚に描かれている景勝地だ。この日は午前中少し頑張って、静岡駅前にそびえる高層ビル「葵ホ−ル」の「静岡市美術館」に先に立ち寄った。京都の「細見美術館」からの名品展でお目当ての江戸中期の「伊藤若冲」や「酒井抱一」の傑作がいくつも展示され嬉しかったし、特に「葛飾北斎」の「五美人図」はいつもの浮世絵版画ではなく珍しい肉筆画の大画面で大いに感動した・・・

 9日のジャパンタイムズのデジタル版記事Japanese students’ English proficiency is improving「日本の中高生の英語力は向上」をLINEで「英字新聞の会」受講生に転送した。ご家族に生徒がいれば興味持たれそうだね。文科省が2023年の中学3年生の英検3級以上合格率を大都市や県別に発表した。トップは「さいたま市」で88.4%、福井県、横浜市と続く。最下位が「佐賀県」で30.1%。(名指しされた県の教育界は不憫だなあ!)高校3年生の2級以上では富山県がトップで61.4%。福井県、石川県と北陸の県が続く。宮城県が40%弱で最下位だった。
 しかし、学校や地域によって「英検」を奨励しているかどうかで差が生じるはずだ。民間の「英検協会」の主催だから受験料は個人負担で2級が9千円超、3級でも7千円近いし2回3回と受検することになるから家庭の負担も大きい。さらに合格率は「合格者数」÷「受検者数」だから、優秀な生徒にだけ受検させればランクが上がり学校や県は喜ぶ。したがって文科省のこのようなデータ公表はきわめて恣意的で意味を持たないし混乱を招くよ。こんな状況なのに「文科省・入試センター」は大学入試で英語の試験を「英検」で代用させようとしたから現場からの猛反発をくらったのだ。 尾上
2024/05/12 (Sun) 0:12


ワープロからパソコンへ
ワープロからパソコンへ
2024年5月5日(日・こどもの日)
「中野駅前で同窓会」
私は昭和30年東京中野区の桃園第三小学校を卒業した。2日は久しぶりの同窓会をJR中央線、中野駅前の寿司屋でやるというので出席した。(私は小・中・高・大のすべての仲間を大切に思い同窓会にはほぼ毎回出席しているよ。)昔小学校の校門前で文房具屋をやっていた八千代市のKIさん、作新学院高校で教師をやっていた宇都宮市のAR君を入れて10名が遠方から集まった。千葉・埼玉・神奈川に移住した人が多く、東京にまだいるのは青梅街道で老舗の牛乳屋の跡を継いだSU君と杉並のKA君だけ。オーストリア人と結婚してウイーンに住むMAさんがこのたび実家の処分で里帰りしたので集まることになったんだ。
 デイサービス通い、腰痛がひどくて歩けないなどの欠席連絡が多いなか、80才「傘寿」といわれる高齢者がこうして元気な顔をみせあえるのは奇跡に近い。東京の駿台予備校で偶然同クラスになったMI君は今もモンゴルとの間を往来して友好関係に活躍しているそうだ。同じ高校教師だったAR君は最近日本橋からスタートして5つの街道をすべて踏破したというからスゴイ!私も「昨秋から生涯学習のボランティアで英字新聞の会を始めました。LINEのグループ(桃三梅組)でこれからも大いに語り合いましょう」と報告。一方、いつも隣の席で親友だったUE君、麻布・東大のエリートコースだったTO君もすでに冥界の人。合掌。

 デスク型のパソコンが出現する前に、だれでも一台持っていた開閉式のワープロという機械を見たことがありますか。WORD PROCESSORの略で、英文と和文の両方でタイプライターとして使えば試験問題とか文章作成にとても便利だった。40才の頃使い始め、それがバージョンアップして電話回線でデータ送信ができるようになり電子メールが始まった。50才の頃、東京で開催された富士通の「説明会」に出席したらNiftyのアドレスを入手できたので今もそれを利用している。それがインターネットに発展し、ブロードバンドの普及でテキストだけでなく画像や音声も送受信できるようになった。
 アナログの時代、大学の卒論はタイプライターも使わずペン書きで、ペラペラの数十枚のレポートのようなものだった。24才、静岡県の高校教師になって始めは試験問題も鉄筆でガリ版の紙に文字を書き込んだものだ。3校目の島田商業高校に転勤して初めて「情報処理科」の生徒たちが授業に使用する大型コンピューターを見た。まだ個人用のPC(パーソナルコンピューター)などない時代、生徒たちはFORTRANとかいう最先端のプログラミングを勉強していた。作成したデータは紙テープに穴をあけて記録して持ち歩いていたなあ。 尾上
2024/05/05 (Sun) 0:10


Google翻訳の時代
Google翻訳の時代
2024年4月28日(日)
「大雲院のカヤラン」
 御殿場市の東端、深沢の地に美しい花々に囲まれた古刹が立っている。本県で唯一ミズバショウが一面に咲いている「あまだ里山」に近い。曹洞宗・大雲院といって戦国時代の創建だから400年以上の歴史がある。その山門は当時の「深沢城」の大手門がそのまま移築され堂々としたものだ。富士山の湧水があふれる清らかな池泉とツツジの海の間を進みやがて鐘楼の下をくぐって本堂に向かう。正面の扁額には「瑠璃光院」と青い文字の筆致が美しい。桜の古木が前景となって幽玄の世界に入っていく。
 前庭にカヤランが今年も咲いていた。柘植の木の枝に黄色の球形をした小さな花を無数に密集させて。6枚の花弁のうち一枚に紅色の模様がついて実にかわいい。着生蘭といわれ空中に突き出した気根から水分を吸収する。葉がカヤ(榧)の葉に似ていたからその名が着いたという。梅とか桜とか凹凸のある樹皮ならどこにでも着生するようだ。近くの柘植の木の下を見るとヨウラクランのつぼみがびっしりと。仏教寺院の本堂装飾に用いる「ようらく」(瓔珞)に似た小さな花の鎖だ・・・

 昨日27日は生涯学習の教室「英字新聞を読もう!」の第1回だった。御殿場駅前のサロン「けやきかん」に夕刻7時4人の受講生が集まった。全員が70才代後半の女性で元気はつらつでなんとも素晴らしい!こちらは珍しく風邪で3日寝込んだから体がフラフラ、でもボケた頭で授業開始。今回のテキストは4月5日付けの「ジャパンタイムズ紙」からの記事で見出しはFear of a full stop? それだけ見てはわからないね。「完全な停止が怖い?」とはどういう意味だろう。続くYoung Japanese say drop the period in your texts.(文の最後にピリオドをつけるな、と日本の若者が言う)で少し話が見えてきた。
 昨年から継続のTAさんとSUさん、そして新人のHIさんとENさん。「皆さん、私の妹のような年代の方々でとてもうれしい。私もさらに頑張らなくては!」と、講師の自己紹介を終えていよいよ本文に入った。「私も目が悪くなって辞書の小さな字が読めなくて失望してたが、Google翻訳のおかげで紙の辞書を引く必要がなくなりました。デジタル版の新聞なら実に簡単になりました。スマホの画面上でその単語や熟語を長押しするだけで意味も翻訳も一瞬で出るんですよ。英語ー日本語は完ぺきではないし、適切な語義を選ぶ力が必要ですが。」と、LINEグループのトークで伝えてあったので大いに活用できたらしい。みなさんかなり上手に和訳できていた。 尾上
2024/04/28 (Sun) 0:15


英字新聞を読もう!
英字新聞を読もう!
2024年4月21日(日)
「マティス展と母校の演奏会」
 昨日20日(土)は小田急高速バスで東京に出た。地下鉄の乗り継ぎがうまくいって2時間で六本木の「国立新美術館」についた。マティスは大好きな画家で、昨年も上野の都立美術館で大きな「マティス展」があり見に行ったよ。今回はフランス南部のニースにある「マティス美術館」の所蔵品150点で、晩年の「切り絵」作品や教会の内装壁画がユニークで面白かったが、初期の有名な油絵や彫刻も多数展示されていて予想を超えて実に見ごたえがあった。この日は昔、島田商業高校で私と同じ英語科の同僚だった高島先生が趣味の油絵が公募展に入選し、「新美術館」に展示されているという知らせでそれを見るのも目的の一つだった。
 午後は京王線で調布に行った。駅前の演奏会場「グリーンホール」で予定の母校オーケストラの第106回定期演奏会を聞きたい、というのが最初の目的だった。ワーグナー「マイスタージンガー」、グリーグの「ペールギュント組曲」とロシアの作曲家カリンニコフの交響曲1番だった。大学生のパワーはやっぱりすごい!弦楽器も管楽器も力いっぱいの演奏で交響曲の音響がホール内をとどろかす。アンコールの「くるみ割り人形」も楽しい演奏を聞かせてくれた。ハープも入って80人くらいの大編成だったから、60年前第1回の定演を40人くらいで開催した私たちには想像もつかない。上手になったものだ・・・

 19日(金)は御殿場市民会館で「ひろがり学習塾」の開講式だった。「生涯学習」を主催する御殿場市教育長の来席のもと、「着物の着付け」「太極拳」「将棋」「フラワーアレンジメント」「陶器の絵付け」「写真教室」など27もの教室が出そろい、それぞれ講師の紹介が行われた。私も「英字新聞を読もう!」という教室を昨年に引き続き開催したいと案内したら、5人の女性が応募してくれた。学校を出てから何十年もたつのに、また新たに英語を学ぼうという意欲には敬意を表します。
 昔、島田商業高校にいたころ同僚の先生が、外部で週刊誌TIME(タイム)を読む会を主宰していた。しかしレベルが高すぎて政治も経済も世界のニュースでは興味が沸かない。そこで始めるに当たってどの英字新聞でどんな記事を読もうか、と思案した。朝日新聞「天声人語」の英語版とか、「ニューヨークタイムズ」とかでは知的な好奇心だけでは長続きしない。しかし「ジャパンタイムズ」(略JT)は150年前明治の初期に在留外国人のために編纂された新聞が起源で、今もその趣旨が生かされている。風習・祭・食文化など外国人の好奇な目から見た日本の姿に気づかされて我々が驚くことが多い。それでJTの記事が中心になってきた。 尾上
2024/04/21 (Sun) 0:10


タイパ?time performanceのこと
タイパ?time performanceのこと
2024年4月14日(日)
「筑波山のニリンソウ群落」
 「筑波山」は877mの低山ながら「日本百名山」の一つに数えられる。ケーブルカーでも簡単に登れるから多くの観光客に好まれている。私は10数年前に大学同窓の山仲間と登った思い出がある。登山口は「ガマの油売り」でよく知られているね。幕末に始まり今も毎日筑波神社の前でやっているのを見ることができた。「タラーリタラリ」の口上を述べながら刀で腕に傷をちょっとつけて軟膏を塗る大道芸なんだ。。。先日はニリンソウとカタクリが一面に咲いているよ、という嬉しい情報で「筑波山」の裏の顔を見に行った。「常磐自動車道」を土浦北ICで降りて北側の登山道に向かった。「筑波高原キャンプ場」に着いたらそこはもう一面の花園だった!
 「女の川」という渓流を登る秘密のコースを登って行った。ここは神社の社叢だから登る人がめったにいない。歩き始めると足元にはニリンソウの小さな白い花がいっぱい坂道をずっと先まで埋め尽くしている。時折紫色のカタクリが花弁を反り返らせて羽を広げた蝶々のようだ。渓流の岩場にはブラシの形の白いハナトラノオ、黄色いネコノメソウ、ヒトリシズカの白い花と緑の葉が美しい。さて2時間ほど歩いて下山道との出会いに来た。頂上まではあとわずかだけど登ったことあるし観光客の喧騒がいやなのでそのまま下ろうか。下り道もカタクリの花畑がいつまでも続く。ゴールのキャンプ場に着いたらキクザキイチゲの上品な紫色が待っていた・・・

 英字新聞ジャパンタイムズは毎週金曜日にBilingual(二か国語)の欄が最後にある。「日本語の表現を学ぼう」という外人読者向けの特集だが、日本人が読んでも「なるほどね」と再認識するのに丁度良いんだ。先週はFear of full stop? Japanese say drop the period in your texts.(句点が怖いの?日本人は「文にピリオドを使うな」と言う。)だった。4月は新年度のはじまりで、「新社会人」や「新入生」などの「新」をよく見かけるし、「社風」「校風」など「風」の使い方も外人から見ると面白いらしい。「セクハラ」「パワハラ」など「〜ハラ」(harassment嫌がらせ)という和風英語の造語のおもしろさにも触れている。
 なかでも珍しいのは「マルハラ」だ。これは日本語のeメールで文尾につける句点(マル)full stopを若者が嫌がるという風潮だ。威圧的な冷たい言い方になるのでマルを省略した方が好まれるという。日本だけでなく海外でもそういう傾向が見られるそうだ。「絵文字」、「スタンプ」、「感嘆符」を多用する若者が多くなったね。私も含めて年長者でもLINEやeメールではそういう傾向だ。「タイパ」はtime performanceの略語で、若者は「時間の節約」を大事にする。そういう風潮がコミュニケーションにも現れている、ということかな。27日(土)の「英字新聞を読もう!」の第1回にちょうどいい記事だ。 尾上
2024/04/14 (Sun) 0:52


ジャパンタイムズは面白い
ジャパンタイムズは面白い
2024年4月7日(日)
「フェイスブックの若き創業者」
 前回は今年のアカデミー賞の7部門でオスカー像を獲得した映画「オッペンハイマー」の話でした。今日は2011年のアカデミー賞で3部門を制した映画「ソーシャルネットワーク」について書きます。私が中古のスマホやライトニングケーブルを買ったりする御殿場市内の販売店「ゲオ」はレンタルビデオも人気で、最近続けて借り出しては見ている。既に紹介した「エベレスト」や「ようこそセバスチャンへ」「コンパートメントNo.6」などどれも受賞した高い評価の作品を選んだ。そこで見つけたこのビデオが「ファイスブック」の考案者をモデルにした実話小説の映画化であると知って興味が沸いたのです。
 ハーバード大学の男子学生マーク・ザッカーバーグが在学中に起業家になり、今は最年少の億万長者に昇りつめた経緯が面白い。恋人にふられた腹いせに、いたずら心で学内の女子学生全員の身分証明書写真をハッキングで盗み出し、「美女コンテスト」をネット上で展開した。すると大学のほぼ全員が会員になったという。気をよくして東部の他大学の名門イエール、コロンビアにも拡大し、西部のスタンフォードなど米国の主要な大学だけでなくイギリスにもネットワークを広げたのが「フェイスブック」の始まりなんだなあ。今や世界の数億の人たちが・・・

 御殿場市生涯学習「ひろがり学習塾」は今年度も24の教室を開設した。「英字新聞を読もう!」の教室も今月末から又再開される。申し込みは継続2人、新規3人の計5人の女性たちで、70才代が3人60代と50代が一人ずつ。申し込んだ人にはまずLINEのグループ「英字新聞を読む会」に入ってもらうことにした。同じ内容で一斉に連絡できるから電話よりずっと能率がよい。これは現役の大学生YAさんMUさんのように、私が主宰する「UG会」の卒業生で入会しないけれど、個人で読みたい人には教材や写真を送って自習してもらおうというものだ。
 4月になっていくつかの記事をLINEで送った。ジャパンタイムズのデジタル版から「お花見の経済効果」、「文化人類学会がアイヌ民族に謝罪」や「サッポロビールが創業地の恵比寿へ」「業務スーパーを称えて」を選んだ。他の新聞も同じだが第1面や2面にある政治経済の記事は、だれでもテレビや日本の新聞で知っているからあえて英語で読む必要はないので扱わない。それよりも外国人の目から日本の伝統や文化がどう見えるのかに特化して私は選んでいる。このようなデジタル版の記事はたいてい読み上げの音声がついているのがいい。リスニングの練習にもなり一石二鳥だ。 尾上
2024/04/07 (Sun) 0:28


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