「あこがれの槍ヶ岳」
「蝶ガ岳」2664mの登りには6時間もかかってへとへとになったころ、山頂のすぐ下の斜面が広大なお花畑になっていていた。ピンクのイワカガミの合間に白いぼんぼり形の花をつけたアオノツガザクラ。黄色く輝くミヤマキンポウゲが一面に満開だ。急斜面を登りきるといよいよ「蝶ガ岳ヒュッテ」が見えてきた。その上に突き出している灰色の三角の尖塔は何だ?全体像が見えてきたぞ、あれが「槍ヶ岳」だよ!
谷底の上高地からせりあがって「ヤリ・ホダカ」の北端に鎮座して他を睥睨している感があるなあ。7月でもまだ雪渓が輝いているよ。もう10年も前から「いつかはヤリに!」と思い続けてきた山が真正面だ!
2年生TAさんは前回「仮定法」の並べ替え問題で「中国の影響がなかったら、日本文化は今日とは違うものになっていただろう。」が正解だった。If it had not been for Chinese influence, Japanese culture would not be what it is today. では「今〜がなかったら」のイディオムは「過去形」でIf it were not for〜だけど「昔」ならこのように「過去完了形」でいう。今日は次の「It中心の構文」に入った。「時間」や「距離」「天候」などの文はみなItを主語にする。It seems that〜(〜だと思われる)の構文も難しい。
KA君は「助動詞」の働きと同じ不定詞の表現を勉強した。昔から覚えているhave to〜(〜せねばならない)やdon’t have to〜(〜する必要がない)に加えてhave only to〜(〜するだけでいい)など覚えにくいね。じつはtoの前に「義務」(duty、obligation)という単語が消えている、と考えるとスッキリする。「〜する義務がある、義務がない、義務しかない」と訳せば皆共通でしょ。be supposed to〜や be expected to〜も「〜だと思われている」「〜だと期待されている」の意味から発展して、「〜せねばならない」で助動詞のshouldやmustと似たような働きになる。
MAさんは前回「比較」の語句整序問題で「あなたは以前ほど若くない。」が難しかった。基本文のYou are not young. が書ければ、「以前若かったのと比べるとそれほど〜」と補ってみると正解に近づく。not so・as you used to be (young)となる。今日は助動詞should have -ed(〜すべきだったのに)need not have -ed(〜する必要なかったのに)のように、昔やってしまったことに対する「非難」や「後悔」の表現を勉強した。今日の「岩手大」の和訳ではDifferent subjects are merely a means to this end.が難しかったね。「様々な科目は単に、こういう(社会に出てからの生き方を学校で学ぶという)目的のための手段に過ぎないのだ。」
YAさんは前回、並べ替え問題「なぜなら、わたしたちのせいで彼は怒ってしまった、とわかったから。」で「怒る」のイディオムlose one's temperがわかれば ,for I realized thatの後はwe had caused him to lose his temper.となる。cause人to〜はgetやforceと同じように「人に〜させる」の意味で、不定詞を従える。今日は「白百合女子大」の「映画好き人間」で、It is television that keeps me in.が出た。この主語Itはなんだろう?「それは私を家に閉じ込めるテレビだ。」でもいいけど、文の一部televisionを切り取って文頭に出すと「〜なのはテレビだ」となる。こういうのを「分裂文」といって日本語でも「最後」に移動させるでしょ。受験界の用語では「強調構文」と呼んでるけど。
1年生のOB君は前回「基本5文型」をやってみた。すでに学校では勉強したけど「第2文型」SVCと「第5文型」SVOCは難しい。C(補語)がSやOの説明になっているのだ。She appeared excited at the party. のappearは「現れる」「テレビに出る」のほかに、look(〜と見える)の意味もある。She appeared excited at the party. 「パーテイで興奮しているように見えた。」もShe was excitedと同じSVCの文型だ。今日は語句の並べ替えと英作文をやってみた。「付帯状況」の表現でwith+名詞+形容詞の並べ替えがうまくできたね。
SU君は「関係代名詞」を解説書のコピーで勉強した。とくに「人」heやsheの代わりに使うwhoや「動物や物」itに使うwhichだけでなく、今日はwhatが「なに?」ではなくてsomething whichに置き換えられる「こと、もの」の意味にもなることをおぼえた。海外での経験では日常会話に「関係代名詞」が出てくることはめったになかっただろうね。2つ以上の文をあえてつないでかしこまった「文章表現」にして書き表す場合だからね。しかし注意して覚えないといけない。「関係副詞」のwhenやwhereも出てくるからね。
御殿場教室のARさんが振替で出席した。9月から高校でニュージーランドでの留学体験にでかけるのでなかなか忙しくなった。今日は「関西学院大」の英文 It goes without saying that teenagers should have a quiet, comfortable place in which to study. が難しかった。「10代の若者が静かで快適な勉強の場所を持つべきなのはいうまでもない。」 後半はa place to study in.(勉強するための場所)と同じで「関係代名詞」を利用してin which to studyとすればinが前に出せる。すでに習ったかな?
来週木曜日の「裾野教室」はセンターが吹奏楽コンクールで全館貸し切りのため、やむを得ず翌日の金曜日、8月3日、に実施します。ご都合がつかない方はお知らせください。 尾上
(追記)日本第5位の「槍ヶ岳」に登るには「上高地」から入って2泊3日を要する。かなりのロングコースでどうしても山小屋に2泊しないと無理だ。40年前なんども「上高地」は家族旅行で訪れたけれど、目の前の穂高の連山の向こうにある最奥の「槍ヶ岳」は見えない。自分の目で初めて見えたのは、いつもの仲間とのトレッキング例会で「西穂高」の登山口「西穂山荘」まで登った時だ。「上高地」の裏側からロープウエーに乗ると、窓からはるか彼方にちらっと見えた。
手足の不自由な家内を家において2泊旅行をするのは無理だ。「槍ヶ岳」を見るだけでもいいと思いがつのり、一昨年の夏は家内と同じ安曇野市の「中房温泉」に泊まって早朝「燕岳」(つばくろだけ)2763mに登った。4時間近くのつらい登山だけど「槍ヶ岳」と「鹿島槍」が目の前にそびえているはずだった。この山が「表銀座コース」と呼ぶ尾根越えの壮大なスケールの「槍ヶ岳」縦走のスタートになる。しかし非情にも山頂はあいにくの雨空。ガスが込めてあこがれの山はまったく見えなかったのだ。
