「長安寺のイワタバコ」
仙石原の台ヶ岳の湿原にそろそろカキランが咲くころかな、と期待して乙女峠を越えていった。我が家は箱根の外輪山の一つ「丸岳」の西麓にあるから車ならほんの20分くらいの近さだ。仙石原の街に着くといつものように花の寺「長安寺」に立ち寄る。箱根を訪れた時のあいさつのようなものだ。
山門から裏山にかけて歩いてみると、五百羅漢の石像が様々な表情で鎮座していて、石垣にはイワタバコが岩のつなぎ目ごとにびっしりと紫色の花を咲かせていた。花に比べるとたばこのような異常にデカい葉をつけるのでイワタバコと呼ばれたらしい。ラン科ではないけど紫や白の花を下向きにつけて咲くところが似ていて可愛い。
漢字では「煙草」と書くけど「たばこ」はもともとポルトガル語でtabaco。たばこの葉って見たことある?私は昔浜松の近くの海辺で栽培しているのを見たよ。健康のために「禁煙」が進んだ今日では需要が少ないし県内ではもう見ないだろうね。20〜30センチもある大きなチジれた葉だったな。これが葉巻、英語でcigar(シガー)や普通に見かける紙巻たばこcigarette(シガレット)の原料になるよ・・・。
3年生OSさんは「分詞」を勉強した。文法・作文では「分詞構文」を使った書き換え問題がほぼすべて正解だった。第5文型SVOCの文I couldn’t make my meaning clear.(自分の言いたいことをはっきりさせられなかった。)はI couldn’t make myself understood.(理解してもらえなかった)と言い換えられるね。文尾にin Englishがつくと「英語が通じなかった」の意味になるよ。これは入試問題に頻出なのでしっかり覚えておこう。I couldn’t make myself heard.(聞いてもらえなかった=声が届かなかった)の例文もよく見かけるよ。
2年生ARさんは前回「分詞」を使う入試の英作文を5題やった。「彼はその歌手のここちよい声に満足しているようだった。」には動詞にlooked like〜と書いたのが惜しかった。He looked satisfied with the singer’s good voice. でいいのだ。look like a happy boyのように「名詞」が来るときにlikeを使うよ。今日は前回の解説をした後、テストの直前なのでその対策勉強に専念した。
1年生のMAさんは前回、長文で「遺産の農場を兄弟で分割する方法」を読んだ。The other will then take either of the two parts he prefers. 「そのあと、もう一人の兄弟がその二つのうちのどちらか好きな方を取ることにする。」が難しかったかな。(that) he prefersの先行詞はthe two parts(二つの土地)じゃなくて代名詞either(どちらか)なんだ。今日は「分詞」の勉強で語句整序や英作文の問題をやってみた。日本語にはない冠詞の a、an、theの使い分けがまだ難しいけど、名詞の前に「ひとつの〜」がつけられたらa、anで「その〜」がつけられたらtheだと考えよう。「不特定」のものにはoneから生まれたan→a、「特定のもの」にはthatから派生したtheをつけるのだ。
1年生のKAさんは前回「関係詞」を使う英作文をやった。「彼女から借りた本はとても面白い。」はまず基本文The book is very interesting.がしっかり書けていたがthe bookの説明、「彼女から私はそれを借りた」をきちんと書かないといけない。I borrowed it from her.だね。その代名詞itを関係代名詞のwhichに置き換えて文頭に出せばOKだ。「受動態」に直してIt was borrowed from her. と考え、The book which was borrowed from her is 〜としたかったのかな。今日は期末試験の直前で試験対策の勉強に集中した。単語をたくさん暗記しなくちゃ。
KI君は前回「分詞」をつかう英文を和訳した。「立教大」のThe origins of almost every book lie hidden somewhere in the writer’s past. は動詞の受身形are hidden(隠されている)をlie hiddenに置き換えただけで意味は変わらない。「ほぼすべての書物の出典は、その作者の過去のどこかに隠されている。」今日は「同志社」の過去問で「文化とはその社会を構成する人々の共通の理想と価値観と行動基準の集合である」で始まるかなり長い英文を読んだ。英文和訳の問題がかなり複雑で訳せなかったね。複合関係代名詞のwhatever〜SVはany 〜which SVのことだから「・・するどんな〜でも」の意味になる。
今日は8月の「夏期講習」のプリントを配布しました。8月6日から12日まで断続的に4日間の午前中、いつものように三島の「ゆうゆうホール」で実施します。多数の参加をお待ちしています。外部からの参加も受け付けますのでお知り合いにもご紹介頂けると幸甚です。 尾上
(追記)「長安寺」を後にして、広大なススキが原で観光名所になっている「台ヶ岳」に行った。この斜面の裾が湿原になっていて、自然のままの姿で保護されている。フェンスの扉を開けて近づいてみると、半月前にみつけたピンクのトキソウと入れ替わりにカキランが群れになって咲き始めたばかりだった。どちらも私がこだわるランの仲間で、下向きに首を垂れた黄色の花弁の中に赤紫色の模様がついていてなかなか美しいのだ。
黄色い柿の実のような色なのでカキランと呼ぶようになったらしい。昔箱根の「桃源台」にある環境省のビジターセンターで教えてもらって初めて知った。顔なじみのKOさんに園内を案内してもらいススキの藪の中で発見した。造花のようにカラフルで一本ごとにたくさんの花をつけていた。水場の近くを好むらしいけど後に「金時山」に登ったらその展望の良い斜面にも沢山咲いていたよ。
