「四尾連湖」
初めて訪れた「しびれこ」はちょうど紅葉や黄葉がまっさかりで神秘的な美しい湖だった。身延線の「市川大門」から急斜面をぐんぐん登っていくと標高850mの山の中にひょっこり出現したよ。周囲わずか1.2キロだから小さな沼のようなもので、秋になってもテントやバンガローなどでキャンプを楽しむ若者たちに人気のようだった。ボートやカヤック遊びにもいいし、コイやヘラブナ目当てに訪れる釣り客もいる。「富士五湖」にこの湖などを加えて「富士八湖」という言い方もあるそうだ。
この湖畔の山小屋「水明荘」に家内を待たせて、私一人「蛾ケ岳」(ひるがたけ)に登った。「山梨百名山」のブクレットに紹介されていたから48番目の登頂に計画した。まだ少しは残る紅葉のみごとな急斜面を登って切り立ったヤセ尾根をいくつも越えていくと山頂1279mに出た。左手にはこの夏大学仲間と登った「櫛形山」がどっしりと。「鳳凰三山」もまぢかでその右には「八ヶ岳」と「茅が岳」、「瑞牆山」と「金峰山」がドーンと大パノラマだ。どの山も思い出深いなあ。振り返ると雲に隠れた「富士山」が・・・。
3年生のOSさんは「受動態」を勉強した。語句並べ替えで、「これらの窓はいつもカギをかけたままにしておかなければなりません。」は、These windows must be kept locked at all times. これはSVOCの文型keep these widows locked を受動態に書き換えたもの。和訳ではOne cannot be taught; one can only teach oneself. が難しかった。Oneは「人」でeveryoneの意味だから「人には教えることができない。すなわち人は自分で自分に教えることしかできない。」となるね。セミコロン以下は説明なので「すなわち」と補っておく方がいいね。
2年生のTUさんは「不定詞」で、語句整序の問題がほぼ全問マルだった。「被害は広範囲には及ばなかったようだ。」はNo damage appears to have been widespread. と言えばいいのだけれど、これにthereを加えるにはどうする?「there構文」の作り方を覚えておこう。A boy was standing by the car. はThere was a boy standing by the car. のように「倒置の文」にしても意味は同じだ。「進行形」や「受け身」の動詞でよく見られるよ。つまり答えは、There appears to have been no damage widespread. となるね。.
1年生のKAさんは「原因・理由」の接続詞と前置詞を勉強した。becauseは接続詞だから後にSVが来るけど、後に名詞とか動名詞が来るときは「前置詞」のbecause ofを使わないといけない。Owing to とか due toやon account of も前置詞だ。「雨が降らず気温も高かったことが水不足の原因である。」は、The dry weather and high temperatures are to blame for the water shortage. 動詞句のare to blame for〜は、「〜を責められるべきだ、〜の責任がある」の意味でよく使われるよ。
MAさんは長文で「野生動物の生活」を読んだ。You may find a rock in the woods( )a pile of nut shells on it. 「森の中で、木の実の殻が上にのっている岩を見つけることがある。」で、カッコの中にwithを入れる。「付帯状況のwith」と呼ばれて、後に主語と述語が並んでいる。The boy came in with a cap on. 「その少年はぼうしをかぶったままで入ってきた。」のように。
KI君は前回、英文和訳で不定詞の扱いが難しかった。We go on a journey chiefly to be free of all impediments and of all inconveniences; to leave ourselves behind, much more to get rid of others. 前半が「私たちが旅に出るのは主に、あらゆる煩わしさや不都合なことから逃れるためだ。」と「不定詞」を「目的」の意味で訳せたら、セミコロンの後も「つまり、自分を後に残していくためだ。」で、「ましてや他人を排除するためだ。」 となる。今日は「熊本県立大」の長文「名前の魔力」を読んですべての解答がパーフェクトだったね。 尾上
(追記)往復で3時間、登山口の「四尾連湖」に戻ってくるとやっと雲が切れて夕日が差してきた。「水明荘」の奥さんの淹れたコーヒーのいい香り!今のぼった「蛾ケ岳」までの峰々が鏡のような湖面にくっきりと反射して上下対象の見事な光景だ。紅葉に彩られた美しい湖畔の遊歩道を歩いてみると、対岸のキャンプ場までカートで薪と水を運ぶ若者たちとすれちがう。会話もはずんで実に楽しそうだなあ。
湖から「市川大門」の街まで下る10キロほどの急な坂道には集落がいくつか点在していて不思議な気がした。古いお堂の前に立つ石碑の文字は「武田・・」と読める。車を停めて眺めているとこんな急坂を歩いて一人で登ってくる女性がいる。この土地の人らしく私の疑問に答えてくれた。「コミュニティ・バスがあるから買い物にも行けますよ。ここは武田一族ではなくて、平家の落人部落と伝えられています。ヤマザクラの季節には麓から頂上へとだんだんにピンクの花が登って来る様子はそれは美しいですよ。」と。今日もいい出会いがあったな。
