「ひな祭り」
大学時代からの親友ON君がポーランドからの来客を伴って雨の御殿場を訪れ、東山湖のほとりの「YMCA東山荘」に投宿した。翌朝はやっと青空がのぞいたのでドライブに誘うと、客人は「おひな様」にとても興味があるというのでまずは近くの「秩父宮公園」に案内した。御殿場も日に日に春めいてきて園内には真っ白なスノードロップや色とりどりのクロッカスが一斉に咲き出していた。
戦時中に使われた「防空壕」を珍しそうに見学した後、宮様のお住まいだった茅葺の日本家屋に入った。昭和天皇の弟君であった秩父宮ご夫妻の生前のお写真や調度品などを拝見してから、開催中の「つるし雛飾り」展示会場に進んだ。英国調のリビングルームの隣に大きな「五段飾り」が据えられ、地元の愛好家グループによる手芸作品の「つるし雛」が部屋いっぱいに吊り下げられていて見事・・・。
2年生のTUさんは期末試験も終わったので、遅れているプリントを今日は2回分やった。「否定」の構文で、「二重否定」never〜without-ing、「強調構文」It is not until〜that・・、「否定語なし」the last to〜や anything but〜など。どれも学習済みのようで文法も英文和訳も正確にできた。There is no man but loves his own country.「自分の国を愛していない人はいない。」は注意しよう。このbutはwho〜notに相当する「関係代名詞」の働きで、But for water「水がなければ」や anything but〜「〜では決してない」cannot but〜「〜せざるを得ない」で共通する「〜を除いては、〜以外は」の意味だから、「自分の国を愛する人を除いた人というのはいない。」のことになるね。
ARさんは期末試験の対策に専念し、「慶応大学」の難しい長文問題Labor and Workに取り組んだ。社会が求める肉体中心の仕事と頭脳中心の仕事の違いではなくて、個人が「趣味のように楽しめているかいないかの違い」と定義する人がいる、という論旨。また、複合関係詞のwhateverやwhereverが2つの働きに区別できることを曖昧のままにしないようにしよう。カンマのないYou can take whatever you want.は「ほしいものは何でも取っていい。」でanything that you wantのことで単文の中の一部だ。一方、Whatever you want, you can't take it. は「何が欲しくても取ってはだめだ。」で、No matter what you wantのこと。「〜ても」とか「〜でも」のように「譲歩」の意味でつながるから「カンマ」で区切るのが普通だよ。
裾野教室のMAさんも出席して期末試験の対策勉強に集中していた。 尾上
(追記)この客人は首都ワルシャワの「聖ドミニク教会」の神父さんで、ON君が海外出張や短期留学でポーランドを数回訪問した時にお世話になったという話だった。外国語はドイツ語、フランス語が片言で英語はゼロ。ソビエト時代に小中学校で7年間強制的に教わったというロシア語も怪しげであったけれど、私も思い出しながら久しぶりにロシア語でなんとか会話ができた。次に箱根の「寄木細工」が見たいというので車で「芦ノ湖」に向かい、「お土産店」がたくさん並ぶ「箱根神社」に行った。
ここで客人は同じ宗教人として真っ赤な「鳥居」や「拝殿」や「巫女さん」に興味をもったようで、しきりに変なロシア語で私に質問してくるけどあまり通じない。「コミュニズム(共産主義)が好きじゃなくて熱心に勉強しなかったからね、」と言っている。ポーランド語は同じスラブ語の仲間で隣国のロシア語とは兄弟だから単語や文法がよく似ている。だから余計に彼も混乱する原因なんだな。日本語なら標準語と九州や沖縄方言との違いくらい離れているかもしれない。
友人のON君はポーランド語が得意で客人と不自由なく通じている。うらやましいな。定年後の趣味で始めたのに、スピーチコンテストで優勝してポーランドに留学できたほどの実力だ。70歳代後半の今も東京・本郷の「東京外語大サテライト教室」に通って、ポーランド語の勉強を続けているよ。すごいなあ。滞在3日目は雨が降りやまないので御殿場高原ビール「時の栖」に案内して、満開の「河津桜」の並木を背景に記念写真を撮りあった。富士山の姿は見えなかったけれど、最後に「さくら」と「ひな祭り」が満喫できてとても満足したようだ
