「仙石原のヒメサユリ」
いよいよ梅雨に入って野山の花々も一斉に咲き始める季節だね。箱根・仙石原の「湿生花園」が毎日アップしてくれるフェイスブックで「ヒメサユリ」が咲いた、というので家内のリハビリを兼ねて散策に行った。うすいピンク色のユリの花は初々しく気品のある美しさ。嗅いでみたらほんのりといい香りがしたよ。箱根の気候がこの生育に合っているようで昨年よりずっと株数が増えた。
これは東北地方の固有種で、福島県南会津町の高原には100万本のヒメサユリが栽培され土地の観光目玉になっているそうだ。「喜多方ラーメン」で有名な喜多方市の郊外では「ヒメサユリまつり」を毎年この時期に開催している。自然に生き残っている姿は新潟県の山奥の「浅草岳」や「守門岳」に登山すれば大きな群落に出会えるというけれどちょっと遠いなあ・・・。
3年生TUさんは「助動詞」を勉強した。can、may、mustには「能力」「許可」「義務」のほかにもう一つ「推量」の意味がそれぞれにあることを覚えているね。それを英語学では「認識的意味」と呼んでいる。その文の話者が自分の判断についてcan't「〜とは考えられない」→「〜のはずがない」とか、may「〜と考えてもいい」→「〜かもしれない」、must「〜と考えねばならない」→「〜に違いない」という用法が生まれたのだ。こういうのを「意味の拡張」と呼ぶよ。should、ought to「〜するべきだ」(80%義務)も「〜と考えるべきだ」から「〜のはずだ」の意味が生まれたと考えていいね。後半はwhateverやwhoeverのような-everのつく関係代名詞が含まれる英文の和訳をやってみた。それぞれがanything which「〜するものは何でも」とanyone who「〜する人は誰でも」の意味になることを理解してしっかり和訳することができた。
ARさんは「不定詞」(2)の文法作文をやった。語句並べ替えで「私たちは最善を尽くしさえすれば良い」は、We have only to do our best.が正解だけど覚えにくいね。have toが「〜せねばならぬ」で、don't have toは「する必要がない、と中学で覚えさせられたでしょ。なぜだろう?それはhave の目的語に名詞のneed(必要)を補ってみればいい。have need toと考えれば、「〜する必要を持っている」だからmustと同じだし、don't have need toもすんなり理解できる。have only need toは「〜する必要だけ持っている」だから「〜するだけでいい」となるでしょ。この問題の答えはWe only have to do our best.でもOKなんだ。「〜する必要を持っているだけだ」でonlyが動詞以下を全部修飾するから。 尾上
(追記)「湿生花園」では終わりかけのブルーポピーがまだたくさん咲いていて家内を喜ばせた。インドのヒマラヤの高地に自生するという「青色のケシの花」で非常に珍しい。日本では栽培が無理だとされていたが、北海道と長野県南部の山中で、最近では日光の植物園でもわずかに成功しているそうだ。箱根の「湿生花園」ではもちろん無理なので毎年その地方から開花直前の株を購入して展示しているのだ。
このブルーポピーが初めて日本でお披露目された日が懐かしい。もう30年も40年も昔のことだ。新宿のSKビルに行くと正面玄関のロビーに、ヒマラヤから空輸してきた数本の青いケシの花がガラスケースに囲まれて、この世のものとは思われぬ美しい姿を見せてくれた。1990年の大阪花博でも展示されたらしい。
