「富良野岳のエゾルリソウ」
6年ぶりの北海道旅行ではじめて二つの登山に挑戦したよ。昨日のブログに書いた「大雪山」の前には花の百名山で名高い「富良野岳」1912mに登った。美瑛の「白金温泉」に前泊して早朝、登山口の「十勝岳温泉」についた。危険なヒグマに出会うのは嫌だからザックにクマよけの鈴を2つ結んで出発。しばらく歩くと「安政火口」の赤茶けた噴火口の下を抜けて、「三峰山」の中腹を迂回しながら「稜線分岐点」を目指して4時間の上りだ。
元気のよい人たちに先を越されながらもマイペースで花を見つけてはしゃがみ込みガラケーを向ける。ピンクのエゾコザクラ、エゾノツガザクラ、真っ赤なエゾツツジ、黄色のエゾウサギギク、紫のエゾヒメクワガタなど。どれも色鮮やかな花で北海道の特有だから「エゾ」がついている。下ってきた女性グループに「山頂でエゾルリソウを見ましたか?」と聞くと、「気づかなかったわ。どの花ですか、」とスマホの写真を開いてくれた。「これこれ、ちゃんと写っていますね。この山のシンボルですよ。よかったですね。」・・・
3年のTAさんは前回「和文英訳」をやって苦労した。日本語と英語の語順は主語を除けば、ちょうど逆に並べることをしっかり意識しよう。これを「鏡像関係」Mirror Relationと呼んでいる。英語の(S)VOCMMを日本語では逆に(S)MMCOVのように並べるのが普通だ。今日の並べかえ問題で「今日では、家事は夫と妻が分担すべきだと女性は考えるようになった。」は、「考え始めた」から始めてそのあとに「分担されるすべきだ」の文が続くのだ。Today women have started to think that housework should be shared by husband and wife.
MAさんは今日「否定」の文法作文を勉強した。Not until I visited him did I realize how ill he was.(彼を訪問して初めて彼がどんなに具合が悪いのかに気づいた。)は正しく並べることができた。否定の副詞句が文頭に出て強調されたのでI realized〜が倒置(つまり疑問文の語順)になっているね。それができたなら次の文も同じだよ。Only when he moved did I notice him.(彼が動いたときに始めて私は彼に気づいた。)only〜(〜しかない)を否定語句と考えるといい。
YAさんは前回「不定詞」を用いた英文を和訳した。The acquiring of sufficient land on which to build new roads often seems nearly impossible. でon which to build new roadsは前置詞のonを最後に戻してto build new roads onというのと同じことだから、「新しい道路を建設するのに十分な土地を確保することはしばしばほぼ不可能に思われる。」今日は「比較」で「新しい先生は、先生というより友達みたいだ。」はThe new teacher is more like a friend than a teacher.「〜にとても似ている」はmuch like〜というから、「比較級」ならmore like〜となるね。
2年生OB君は「動詞+分詞」を勉強した。stood waving(手を振りながら立っていた)やsat surrounded(囲まれながら座っていた)のように、「進行形」のbe動詞と「受動態」のbe動詞をほかの動詞におきかえて、意味をさらに加えたものと考えればいい。全文和訳も正しく回答できていた。後半は「否定」の問題で、not(副詞)、no(形容詞)、nothingやnobody(代名詞)の使い分けで少々ミスした。「部分否定」でnot always〜のように、100%の意味の単語が「否定文」で使われると、「全部〜だ、とは限らない」と訳す。形容詞のevery、both、allに加えて、副詞のnecessarily(必ず)、completely(完全に)、quite、altogetherもよく使われるよ。
SU君は「分詞構文」の第1回目。「分詞」で始まる文が、カンマの後の文を修飾する構文のこと。「〜しながら」「〜したので」「〜したとき」のような「接続詞」を補って和訳するといい。Having seen the movie twice, I know the story well.は「完了形」の分詞で始まっているので「昔」のこととして、「その映画は2度見たことがあるので、物語をよく知っている。」Because I have seen the movie〜といえる文を「接続詞を消す。主語も後と同じだから消す。そして動詞を分詞の-ingに変える。」という操作で「分詞構文」のできあがりというわけだ。「ケスケスING」と覚えておこう。 尾上
(追記)エゾルリソウは瑠璃色で「ムラサキ科」の筒形の可憐な花。箱根の「湿生花園」で季節には何度も見たことがあるがそれは栽培されたものだ。自然に自生する姿は北海道の山々にしかないから一目見たいなあ。疲れ切ってやっと稜線分岐点まで来た。ガスが込めて山頂の展望も望めないしここで引き返そうか。足元にシマリスがちょろちょろと走り回っているな。下ってきたガイドらしき女性に聞いてみると、「エゾルリソウはもう終わりですよ。でもまだほかにもたくさん咲いてますからぜひ登ってください。」
晴れていればここから縦走路で「三峰山」「上富良野岳」「上ホロカメットク山」まで見渡せるはずだけどなあ。よっし、もう少し頑張ろう。急な登りを一歩一歩。足元には女王コマクサや「エゾ」を冠したツツジ、クワガタソウ、ウサギギクが咲き乱れ、赤紫のあでやかなハクサンチドリもあちこちに。やっとのことで山頂を目の前にして見つけたよ。エゾルリソウが霧に濡れて岩陰にわずか一株だけ残っていてくれた。出会えてよかった!
