「金婚式で稲取へ」
東伊豆町の「稲取漁港」に来たのは何年ぶりだろう。この20日で私たち夫婦は結婚してから50年になった。世間でいう「金婚式」になりちょうど「クリスマスイブ」でもあるので、思い出の土地を訪れたのだった。港の古い灯台が立つ「黒根岬」のレストハウスにも行ってみた。やはり今は廃屋だったけどここで東京から来た友人たちに囲まれて小さな結婚披露パーティをやったなあ。稲取半島と漁港と相模灘の大海原に浮かぶ「大島」も「利島」もあの頃と何も変わらず美しい。
新任のわずか2年間の勤務だった「稲取高校」は、漁港から見上げると今も「黒根岬」の高い崖の上に建つ白亜の殿堂だ。あの体育館で文化祭には「英語劇」を指導して上演したなあ。チルチルミチルの「青い鳥」も、日本昔話の「夕鶴」の英語版もとても好評だった。その英語部の生徒には千葉大や静大に進学するほどの努力家もいた。銭湯「ちどり湯」の息子や今宵のホテル「銀水荘」の娘もいたなあ。あれから50年、それぞれもう還暦をすぎているはず・・・。
3年生のNAさんは前回、「不定詞・動名詞」の慣用用法を使う英文を和訳してどれもとてもよくできていた。practically(実際には)は後にallやnoがあるとalmost「ほとんど〜」の意味になるよ。今日は「関係詞」の整序と作文をやった。「同志社大」の「シンガポールではごみを捨てると罰金をとられるそうですね」は、主語にYouを使うのが対話として普通。Theyでもいい。「〜だそうだ」は「伝聞」だからI hear that (〜と聞いてるよ)やIt is said that,They say that(〜といわれている)を使う。It seems thatはIt is thought that(〜と思われる)と同じで「推量」だ。つまりI think thatということだ。I hear that they will be fined in Singapore if they throw trash away.
2年生のYAさんは前回、「埼玉大」の英文で「詩と散文の違い」が難しかった。 下線部のThe more you put into reading a poem, the more you are likely to get out of it.の和訳問題は、2つのmoreが何を表しているかを明確にしないといけなかった。すぐ前の文で「努力に見合う満足が」とあるので、単に副詞の「たくさん」じゃなくてmore effortとmore satisfactionのことだね。それぞれputとgetの目的語なんだ。「詩を読むことに多くの努力をつぎこむほど、ますます多くの満足がそこから得られる。」今日は「原因・理由」の整序と作文をやった。理由の接続詞は「〜なので」のBecauseやsince、Now that、「なぜならば」のforなど、前置詞はbecause of、on account of、due toなどを区別しよう。
1年生のMA君は前回、「動詞」の問題が難しかった。I have known him since I was a freshman in college.(大学一年生の時からずっと彼のことを知っている)で、「sinceの後は過去形、前は現在完了形」と覚えよう。knowは「知っている」状態で、「知る」という動作learnとは違う。だから進行形のhave been knowingとは言わない。今日は「時制の一致、話法」を勉強した。日本語では昔のことでも同時なら一回だけ「〜た」といえばいいけど、英語では主文が過去なら、ほかの動詞もそれを基準に過去形とか過去完了形にしないといけない。それを「時制の一致」と呼んでいる。人のセリフのまま伝える「直接話法」を、内容だけを自分の言葉で言い直して伝える「間接話法」に置き換える練習問題は、どれも素晴らしく正解だった。
「UG会」の卒業生で今、千葉の「明海大学」2年生のYAさんがこの冬休みに参加して、TOEIC検定の勉強をすることになった。大学ではクラス分けの基準によくこの検定の結果を利用する。進級のための合格基準に得点を決めている大学もある。パート1〜4がリスニング問題で、パート5〜7が読解の問題だ。一回しか読まないから聞き取りにかなり緊張するね。語彙力を試される問題も多いね。毎回少しずつ復讐をして間違い個所を克服できるように頑張って。
ご父兄の皆様へ・・・「御殿場教室」の次回は年明け早々5日(日)、「三島教室」は6日(月)より始めます。「冬期講習」は明日31日(火)朝9:30開始です。「センター試験」までいよいよあと半月、今年も皆さま教育のためによく頑張りましたね。よい新年をお迎えください。
ちなみに、今月の壁紙は「ヒヨドリジョウゴ」という白いナス科の花の実で、箱根の「乙女峠」に登っていくとひっそりと赤色に輝いて蔓にからんでいます。毒があって食べられませんが漢方薬のひとつです。漢字では「鵯漏斗」と書きます。 尾上
(追記)クリスマスの朝、「銀水荘」の浜辺に突き出た露天風呂につかって日の出を拝んだ。キラキラと輝く大海原のかなたにまばゆい太陽が昇ってきた。こんなに広々と澄み切った青空は珍しい。新婚の3か月はこの港町の教員住宅で、古くて狭い木造長屋だったから、雨戸の丸い節穴から朝日が差し込んだ。お風呂は二人で町中の銭湯によく通ったから、昭和40年代のフォークソング「神田川」の歌詞のような貧しい生活を思い出す。「南こうせつ」の「今は、もう、わすれたかしら・・・♪」と。
この稲取高校では母校・東京外語大出身の先輩と同僚になってとても親切にしてもらった。WA先生は巨体で豪快、人情味豊かで皆から敬愛され、後に静岡県教職員組合の委員長を長く務めた偉大な人。社会科で歴史が専門だったのは外語大で語学と社会科のどちらの免許も取れたから。高校時代は伊東市の自宅から「沼津東高」に通ったそうだ。惜しまれながら4年ほど前に82歳でご逝去された。今回の稲取フルムーン旅行の締めくくりに、伊東「松月院」に立ち寄り先生の墓前にお花を添えた。(つづく)









