「樹空の森」
青空の日が多くなって富士山が真っ白に冠雪した姿が毎日見られる。日曜日はよく御殿場市内の印野にある「樹空の森」という公園に出かける。家内のリハビリにつきあって芝生の大きな広場をゆっくりと一周した。たくさんのファミリーがボール投げやバドミントを楽しんで、子供たちの相手を一生懸命やっているお父さんたちの姿にこちらも安らぎを感ずる。大きな屋根のついた野外ステージもあって、雨の日でもスポーツが楽しめそうだ。
バラ園を拡張する計画らしく、自衛隊のヘリコプター展示場の周りが工事中だった。天候が1年中不安定で園芸がむずかしい御殿場でも、市民のバラに対する愛情は強い。リハビリ散歩が終わると、家内と二人で真っ白な建物に入って「図書室」に行く。ここは「マンガ文庫」なんだ。2面の壁と窓際いっぱいに古今の人気漫画がずらっと勢ぞろい。元祖「鉄腕アトム」から始まり、「手塚治虫」のほぼ全作品が勝手に手に取って読めるんだよ・・・。
3年生のYAさんは前回「福岡大」の文法問題をやった。He is the kind of man who I suspect would do anything for money.の関係詞whoが難しかった。「彼はお金のためなら何でもやるだろう、と私が思うような種類の人間だ。」I suspect he would do〜のheを関係詞のwhoに置き換え、先行詞のすぐ後にwhoが飛び越えて「移動」したのだ。I suspectの「挿入」ではないよ。今日は「否定」の整序と作文をやってほぼすべて正解だった。和文英訳では動詞の「〜た」に注意。日本語では「完了」の意味で必ずしも「過去」とは限らない。そもそも日本語には「現在」とか「過去」という時制がない、という話をしたら驚いていたね。外人に日本語を教育する時には、「動詞」は「タ形」「ル形」「テイル形」と説明する。「五段活用」とか「上一段」とか必要ないのだ。
MAさんは前回「動名詞」の慣用用法を使う英文を和訳した。「福島大」の「米国南西部の自然」が難しかった。I have visited〜・・but never without seeing some evidence of human activity which had diminished or destroyed things I had come to enjoy.「私は何度も訪れたことがある。しかしそのたびに必ず、私が以前に楽しみに行った自然を削ったり破壊してしまった人間の活動の痕跡を発見するのだった。」では、「二重否定の文」never〜without -ingを覚えていたかな?「〜せずには〜しない」は肯定で言い換えると、「〜すると必ず〜する」だったね。今日は「比較」の整序と作文をやった。「比較」は日本語とずれがあって日本人になかなか難しい。
受験生のINさんは、「鳥取大」の英文が難しかった。Americans believe that if a child is taught to reason well and to research well, he will be able to find out whatever facts he needs throughout the rest of his life. 「子供はしっかり推理し探求するように教えられれば、その後の人生で必要とするどんな事実でも見つけることができるようになる、とアメリカ人は信じている。」接続詞のif からwellまでがthat とheの間に「挿入」されていて、読みにくかったかな。the restは「残りの部分」の意味。whatever facts・・・はany facts that・・・のこと。「複合関係代名詞」だね。今日は「完了形」の整序と作文をやった。「3年ぶりだね」は英語では長々とIt has been three years since we met last.(以前に会って以来3年になる)という。It is 〜でもいい。日本語は短くていいね。
御殿場教室のARさんは前回、英文和訳でWhen we read the lives of great men we cannot but be struck by the manner in which all kinds of experiences that might in themselves seem to be random are utilized in the long run. が難しかった。「私たちは偉人の伝記を読むとき」で始まり。「本来バラバラだと思われるかもしれないあらゆる経験が、最後にはいかされていくというやり方に感銘を受けざるを得ない。」in which はin the manner(そういうやり方で)のことだね。今日は「関係詞」の整序と作文をやった。「とにかく心に浮かんだことを言いなさい」は、Just say whatever comes into your heart. で、「〜したどんなことでも」はanything which 〜だから 一語でwhateverが使える。
2年生のADさんは「助動詞」+完了形、つまりshould have kept(保つべきだったのに)やneed not have worked(働く必要なかったのに)を勉強した。過去のことで相手を非難したり残念な気持ちを表す。You ought to have sent the package by special delivery.(その荷物は速達で送るべきだったのに)はうまく訳せたね。ought toはshouldと同じ意味だが「否定」ならought not to〜というよ。 今日は早めに帰宅した。
OB君は「動名詞」の慣用表現を2つ学んだ。It is no use crying over spilt milk.(こぼれたミルクを嘆いても無駄だ。→覆水盆に返らず。)とThere is no accounting for tastes.(好みを説明することはできない。→たで食う虫も好き好き。)はともに英語の大事なことわざ。英文和訳では「挿入語句」の扱いを勉強した。Research has shown, however, that you can learn much more・・・「しかし、研究によって・・・ならばもっとずっとたくさんのことを学べるということが分かった。」カンマカンマはカッコのこと。だから、それを文頭に移動しておけば、SVOの文型が見えてくる。
今日は修学旅行でハワイに行ってきたOB君から素敵なおみやげ。貴重なコナコーヒーのブレンドだった。コナは最高級なんだよ。楽しみ。 尾上
(追記)私は前回の続きで横山光輝の「チンギス・ハーン」の最終第5巻を引っ張り出す。成吉思汗が息子たちに未来を託して死んでいく場面だ。家内には長谷川町子の「いじわるばあさん」を2・3冊引き抜いてあげた。クック、クックと声を抑えて笑っている。この棚には「三国志」もなん十冊かシリーズで並んでいるから、次回の楽しみにしよう。この文庫には古い漫画なら何でもありそうだ。
御殿場市内で「マンガ喫茶」を経営していた人が、閉店したのですべての本をここに寄贈したらしい。私が小学校4・5年の頃の愛読書は月刊雑誌の「少年」で、お目当ては「手塚治虫」の連載マンガ「鉄腕アトム」だった。まだテレビもなくて娯楽といえばNHKラジオで夕方放送される子供番組の「笛吹童子」とか「紅孔雀」だったなあ。中学生になったころ我が家にもやっと白黒テレビがはいった。









