高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

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そもそも日本語には「現在」とか「過去」という時制がない
そもそも日本語には「現在」とか「過去」という時制がない
2019年12月12日(木)裾野市民文化センター
「樹空の森」
 青空の日が多くなって富士山が真っ白に冠雪した姿が毎日見られる。日曜日はよく御殿場市内の印野にある「樹空の森」という公園に出かける。家内のリハビリにつきあって芝生の大きな広場をゆっくりと一周した。たくさんのファミリーがボール投げやバドミントを楽しんで、子供たちの相手を一生懸命やっているお父さんたちの姿にこちらも安らぎを感ずる。大きな屋根のついた野外ステージもあって、雨の日でもスポーツが楽しめそうだ。
 バラ園を拡張する計画らしく、自衛隊のヘリコプター展示場の周りが工事中だった。天候が1年中不安定で園芸がむずかしい御殿場でも、市民のバラに対する愛情は強い。リハビリ散歩が終わると、家内と二人で真っ白な建物に入って「図書室」に行く。ここは「マンガ文庫」なんだ。2面の壁と窓際いっぱいに古今の人気漫画がずらっと勢ぞろい。元祖「鉄腕アトム」から始まり、「手塚治虫」のほぼ全作品が勝手に手に取って読めるんだよ・・・。

 3年生のYAさんは前回「福岡大」の文法問題をやった。He is the kind of man who I suspect would do anything for money.の関係詞whoが難しかった。「彼はお金のためなら何でもやるだろう、と私が思うような種類の人間だ。」I suspect he would do〜のheを関係詞のwhoに置き換え、先行詞のすぐ後にwhoが飛び越えて「移動」したのだ。I suspectの「挿入」ではないよ。今日は「否定」の整序と作文をやってほぼすべて正解だった。和文英訳では動詞の「〜た」に注意。日本語では「完了」の意味で必ずしも「過去」とは限らない。そもそも日本語には「現在」とか「過去」という時制がない、という話をしたら驚いていたね。外人に日本語を教育する時には、「動詞」は「タ形」「ル形」「テイル形」と説明する。「五段活用」とか「上一段」とか必要ないのだ。
 MAさんは前回「動名詞」の慣用用法を使う英文を和訳した。「福島大」の「米国南西部の自然」が難しかった。I have visited〜・・but never without seeing some evidence of human activity which had diminished or destroyed things I had come to enjoy.「私は何度も訪れたことがある。しかしそのたびに必ず、私が以前に楽しみに行った自然を削ったり破壊してしまった人間の活動の痕跡を発見するのだった。」では、「二重否定の文」never〜without -ingを覚えていたかな?「〜せずには〜しない」は肯定で言い換えると、「〜すると必ず〜する」だったね。今日は「比較」の整序と作文をやった。「比較」は日本語とずれがあって日本人になかなか難しい。
 受験生のINさんは、「鳥取大」の英文が難しかった。Americans believe that if a child is taught to reason well and to research well, he will be able to find out whatever facts he needs throughout the rest of his life. 「子供はしっかり推理し探求するように教えられれば、その後の人生で必要とするどんな事実でも見つけることができるようになる、とアメリカ人は信じている。」接続詞のif からwellまでがthat とheの間に「挿入」されていて、読みにくかったかな。the restは「残りの部分」の意味。whatever facts・・・はany facts that・・・のこと。「複合関係代名詞」だね。今日は「完了形」の整序と作文をやった。「3年ぶりだね」は英語では長々とIt has been three years since we met last.(以前に会って以来3年になる)という。It is 〜でもいい。日本語は短くていいね。
 御殿場教室のARさんは前回、英文和訳でWhen we read the lives of great men we cannot but be struck by the manner in which all kinds of experiences that might in themselves seem to be random are utilized in the long run. が難しかった。「私たちは偉人の伝記を読むとき」で始まり。「本来バラバラだと思われるかもしれないあらゆる経験が、最後にはいかされていくというやり方に感銘を受けざるを得ない。」in which はin the manner(そういうやり方で)のことだね。今日は「関係詞」の整序と作文をやった。「とにかく心に浮かんだことを言いなさい」は、Just say whatever comes into your heart. で、「〜したどんなことでも」はanything which 〜だから 一語でwhateverが使える。
 2年生のADさんは「助動詞」+完了形、つまりshould have kept(保つべきだったのに)やneed not have worked(働く必要なかったのに)を勉強した。過去のことで相手を非難したり残念な気持ちを表す。You ought to have sent the package by special delivery.(その荷物は速達で送るべきだったのに)はうまく訳せたね。ought toはshouldと同じ意味だが「否定」ならought not to〜というよ。 今日は早めに帰宅した。
 OB君は「動名詞」の慣用表現を2つ学んだ。It is no use crying over spilt milk.(こぼれたミルクを嘆いても無駄だ。→覆水盆に返らず。)とThere is no accounting for tastes.(好みを説明することはできない。→たで食う虫も好き好き。)はともに英語の大事なことわざ。英文和訳では「挿入語句」の扱いを勉強した。Research has shown, however, that you can learn much more・・・「しかし、研究によって・・・ならばもっとずっとたくさんのことを学べるということが分かった。」カンマカンマはカッコのこと。だから、それを文頭に移動しておけば、SVOの文型が見えてくる。
 今日は修学旅行でハワイに行ってきたOB君から素敵なおみやげ。貴重なコナコーヒーのブレンドだった。コナは最高級なんだよ。楽しみ。 尾上


(追記)私は前回の続きで横山光輝の「チンギス・ハーン」の最終第5巻を引っ張り出す。成吉思汗が息子たちに未来を託して死んでいく場面だ。家内には長谷川町子の「いじわるばあさん」を2・3冊引き抜いてあげた。クック、クックと声を抑えて笑っている。この棚には「三国志」もなん十冊かシリーズで並んでいるから、次回の楽しみにしよう。この文庫には古い漫画なら何でもありそうだ。
 御殿場市内で「マンガ喫茶」を経営していた人が、閉店したのですべての本をここに寄贈したらしい。私が小学校4・5年の頃の愛読書は月刊雑誌の「少年」で、お目当ては「手塚治虫」の連載マンガ「鉄腕アトム」だった。まだテレビもなくて娯楽といえばNHKラジオで夕方放送される子供番組の「笛吹童子」とか「紅孔雀」だったなあ。中学生になったころ我が家にもやっと白黒テレビがはいった。
2019/12/12 (Thu) 23:38


 no more than 1000 yen(わずか千円)とnot more than 1000 yen(せいぜい千円)の違いは?
 no more than 1000 yen(わずか千円)とnot more than 1000 yen(せいぜい千円)の違いは?
2019年12月9日(月)三島商工会議所にて 
「京都の喫茶店」
 NHKテレビの「美の壺」は大好きな番組だ。草刈正雄がおもしろい案内人を演じているね。最近放映した「京都の喫茶店」では、老舗の茶房をいくつか紹介していて実にタイムリーで楽しかった。広い店内に中庭のある「イノダ」は教師時代に修学旅行するとよく訪れた店。中高生が自由に外出してお土産を買う「新京極」にも近い。番組で紹介された四条河原町のクラシックな調度品の「フランソワ」や東山・清水寺近くの京町家を利用した「市川屋」も行ってみたいカフェだ。
 それで先週の京都旅行では、名神高速を京都東ICで下りるとまずは東山の「円山公園」の中にある「長楽館」に寄ってみた。テレビで紹介されていたように、明治期のタバコで財を成した「村井吉兵衛」が迎賓館として洋館風に立てたもので、アールデコ調の窓・床・階段・ソファなど100年前にタイムスリップできそうで「鹿鳴館」のような風雅な佇まいだった。ステンドグラスの窓ぎわの席に家内と案内されふかふかのソファーに座ると、ケーキとともにふくよかな香りのコーヒーが運ばれてきた・・・。

 3年生のNAさんは前回「東京理科大」の英文「民主主義」が難しかった。The people of a country have to be ready for democracy in order to make it work. They must be educated・・・第1文は「一国の国民は、民主主義をうまく機能させるためにその準備をしていなくてはいけない。」で、make it work(それを働かせる)が難しかったね。そしてその次の文には「接続詞」がないね。ということは前の文をもう一度具体的に「説明」しているのであって、「追加」ではないよ。「つまり・・・を教育しないといけない」と訳しておこう。英文の流れでとても大切な注意点だ。今日は「分詞」の整序と作文をやった。ほとんど正しく書けているけれど、「単数・複数」や冠詞a、theの使い分けが難しかったね。特定の物を指すならthe、「スポーツ・食事・学問」には無冠詞など、残念なミスが多かった。
 2年生のYAさんは、今週学校で発表するスピーチの原稿を書いたのでアドバイスを求めてきた。プリントは「比較」の文法・作文をやった。高校生が一番難しいと思う表現は、no more than 1000 yen(わずか千円)とnot more than 1000 yen(せいぜい千円) の違い。じつはカンタン!noは形容詞ですぐ次の単語だけを否定する。more(たくさん)の否定だから「わずか」でしょ。notは副詞で、そのあと全部を否定するから字面通り「千円より多いということはない」、つまり「せいぜい千円」となる。反対に、no less than(千円も)とnot less than(少なくとも千円)の違いも同じ理屈だから覚えやすいはずだ。A whale is no more a fish than a horse is.(クジラは魚じゃないよ、馬と同じさ。)は「クジラの公式」と呼ばれる受験生必修の構文。ここにもno moreがあるけど、次回にゆっくり説明するね。
 1年生のMA君は昨日、長文で「対話相手との間隔」を読んでしっかり内容理解できていた。下線部訳ではWe try to maintain a certain physical distance between ourselves and others.(私たちは自分と相手との間にある一定の物理的な距離を維持しようとする。)で、a certainは「ある特定の」の意味。It is certain that・・なら「・・・は確かだ」と訳すけどね。今日は続けて「仮定法」の(2)に進んだ。「直説法」で書いた普通の文を「裏返し」にして、「仮定法」で言い換える問題が難しかったね。He wore glasses, so I couldn't recognize him.(彼は眼鏡をかけていた。だから私は彼だと分からなかった。)を「仮定法」の動詞に置き換えると、「昔」の内容なのでIf he had not worn glasses, I could have recognized him.(もし眼鏡をかけていなかったら、わかっただろうに。)とすればいいでしょ。 尾上

(追記)カフェを出て、愛車は古い友人のIMさんの新居に向けて走った。「八坂神社」の前を通って北上し左折すると「京都御所」の前だった。古くからある狭い「西洞院通り」で左折して下って行った。住所も「二条下ル」となっていて、古い京町家が両側に続く中に黒い色で統一したIMさんの洋風のお宅を発見。「デザイナー」としてニューヨークのダウンタウンに住んでいたIMさんは、この古都で新たなオフィスを始めたのだった。家の中に入るとコンクリートの打ち抜きでエレベーターをもつすばらしい現代建築だった。
 御主人も同じ米国イエール大学出身のアーティストで、故郷のカナダ・オタワ市にアトリエを持っている。IMさんのお父さんは大阪・堺市の著名な彫刻家で、彼女も最近母校「京都市立芸術大学」の講師に招かれて教え始めたところ。ここに新居を構えたけれどしばらくはNYとカナダを行き来することになっている。私の家内が箱根の「彫刻の森美術館」に勤務したことがあって、20年も親しくお付き合いしている好人物のご夫婦なんだ。「新築祝い」に嵯峨野・嵐山の「鮎料理」で有名な「平野屋」にご招待した。
2019/12/09 (Mon) 23:57


「動物に当てはまることは人間にも当てはまる。」What is true of animals is true of people.
「動物に当てはまることは人間にも当てはまる。」What is true of animals is true of people.
2019年12月8日(日)御殿場市民会館にて 
「明智光秀の亀山城」
 先週の京都旅行は車で丹波地方にまで足を延ばし、「明智光秀」が織田信長の命で築いた「亀山城」に行ってきたよ。新年から始まるNHKの大河ドラマ「麒麟が来る」にゆかりのある土地らしいと訪問してわかった。その主人公は「明智光秀」で、その誕生から「本能寺の変」までの人生が描かれるらしい。信長の妻「濃姫」の役で撮影中の人気女優が麻薬所持で逮捕されるといういわくつきのテレビドラマだね。正月早々放送できるのかな。
 御殿場から新東名と新名神を走って行ったけど、JR「山陰線」で京都から30分くらい北の「亀岡駅」に着くと、駅前にそびえているのが「亀山城」だ。正面に「光秀公」の像が立っているがしかし美しい石垣の上には天守閣もなく、お堀から城内すべてが「大本教」という宗教団体の本山になっていた。明治政府の「廃城令」で荒れ放題だった公用地の城跡を買い取ったのが「大本教」で、信者の手で石垣の整備などに尽力して美しい環境を維持しているとのこと。観光というよりは見学として敷地を一部散策させてもらった。紅葉が真っ赤に染まって実に美しい・・・。

 3年生TUさんは前回「岩手大」の英文「蒸気機関の発明」を和訳した。James Watt did make steam do mighty things. 「ジェームズワットは蒸気に力仕事をやらせることが本当にできた。」は助動詞のdidに注意。前文でhe could make it do〜(〜できるだろうが)と「仮定法」で言っているから、それを受けているね。今日は「受動態」の作文をほぼ正しく書けた。和訳では「新潟大」の「英国人が天気の話題を好むわけ」で苦労した。Serious conversation can become an intrusion on one's privacy and therefore unwanted. 「まじめな会話は人のプライバシーの侵害になって、そのために望まれないものになることがある」。「A and A'のルール」で言うと、過去分詞形のunwantedと何が並列かを考える。an intrusion(名詞)しかないね。品詞が異なるけどcan become の後に続けられるからOKなのだ。
 ARさんはお母様が一緒にご挨拶に見えて、「推薦で獨協大学の英語専攻に合格しました」、と喜びの報告があった。私もよく知る外国語教育の歴史ある名門校で、実に素晴らしい快挙だね。おめでとう。「でも、最後までこのUG 会を続けます」と言ってくれた。今日は「前置詞」の整序と作文をやった。前回は「大谷大」の英作文をやった。「親は自分の子供がほかの人たちに迷惑をかけないように、公共の場所でのふるまい方を教えるべきである。」が難しかった。 Parents have to teach their children how to behave in public placesまではほぼ書けていた。teachはgiveの仲間でSVOOになるよ。「お行儀よくしなさい!」は、behave yourself!だね。続けてso that they won't trouble other people. 「迷惑をかける」はイディオムならgive trouble反意語なら save troubleだよ。
 裾野教室のMAさんは前回「学習院大」の英文「鳥のさえずり」の和訳が難しかった。I generally rise from bed about that indistinct interval, which, properly speaking, is neither night or day; for this is the moment of the most universal vocal choir.「わたしはたいていそういうはっきりしない時間帯、はっきり言えば、夜でも昼でもない時間帯に寝床から起き上がるよ。なぜかというと、この時間が世界中どこでも聞ける合唱団の瞬間だからね。」今日は「関係詞」の整序と作文をやった。「海外旅行中様々な文化や習慣に接しましたが、中にはとても面白いなと思うものがありましたよ。」はDuring my trip abroad I experienced diverse cultures and customs,の後に、I found some of them quite interestingというSVOCの文型が続けばいいから、themを関係詞のwhichに置き換えて, some of which I found quite interesting.とつなぐことができる。
 受験生のINさんは前回「A and A'のルール」を学んだ。接続詞のandやorを見つけたら△マークで囲って、その直後の語句を見て考える。これが何と並列しているのか、前方をたどっていって同じ仲間の語句を探すのだ。名詞、形容詞だったら似たような名詞、形容詞。to〜だったらto〜、-ingだったら-ingを探す。SVだったら前のSVと単純につながっているということなんだ。長い英文を読むときに一番ネックになるのがこの「A and A'のルール」なんだよ。今日は「基本時制」の整序と作文をやった。「学習院大」の「この手紙がロンドンに着くまでにどのくらい時間がかかりますか。」はHow long will it take this letter to get to London?で、It takes 人 時間 to〜の構文を覚えよう。「意味上の主語」がtakeの目的語になっているよ。「お金」の場合もそっくりでIt costs 人 many dollars to〜(人が〜するのに何ドルもかかる)のように言う。
 1年生のTU君は前回、長文問題で「太陽エネルギー」を読んで全問正解だった。和文英訳もよくできていたが、「弘前大」の「動物に当てはまることは人間にも当てはまる。」が難しかった。What is true of animals is true of people.で、「〜に当てはまる」のイディオムIt is true of〜を覚えよう。It is the case with〜というのもある。今日は「比較表現」の(2)をやった。作文で「誰も彼ほど高く飛ぶことはできない。」はNo one can jump as high as he. が正解。なぜhimでないか?それはas he can jump high の省略したかたちだから。このasは接続詞で「〜とくらべて」の意味。ところが前のasは副詞で「同じくらい」の意味なんだ。
 三島教室のMA君は、「仮定法」の(1)をやった。初めての項目だけど、解説文を読んでほぼ理解出来てしまったね。「今」か「昔」の事実を、そのまま素直に述べるのはこれまでの「直説法形」の普通の動詞なのに対して、裏返しの言い方をする動詞が「仮定法形」なんだ。「今」と逆のことは「過去形」で、「昔」と逆のことは「過去完了形」でいう。例えば英訳問題で、「もし僕が彼女の立場なら、それを受け取らないだろうに」は、If I were in her place, I would not accept it. のように言う。If I am〜ではないし、I will not〜でもない。どれにもほぼ正解が出せた。 尾上

(追記)7年ぶりの「京都旅行」の第一目的は、二条城の近くに新居を建てたIMさん夫妻にお会いして「新築祝い」を申し上げること。第2の目的は、紅葉ベストシーズンの「保津川下り」を初体験。しかし家内の不自由な足では河原に下りたり乗船したりは無理なので、船ではなくて川沿いを走る「トロッコ」に乗ってみることにした。旧国鉄「山陰線」の廃線を再利用して、渓谷沿いに「嵯峨野」の嵐山まで観光用のトロッコを走らせていることを発見したんだ。
 前夜宿泊地を京都市内ではなくて、亀岡市郊外のホテルにしたのは出発地の「トロッコ亀岡駅」に近かったから。5両連結のトロッコは日本人よりも中国人などの外人のほうが多いくらいで超満員。ネットで予約してチケットを買っておいてよかった。崖の上から保津川の渓流を右手に左手に見下ろしながら紅葉の中をゴトンゴトンと進んでいく。「川下り」の船の客たちが列車に向かって手を振っているよ。(つづく)
2019/12/08 (Sun) 23:46


「後置の分詞構文」は同時進行「〜しながら」の意味
「後置の分詞構文」は同時進行「〜しながら」の意味
2019年12月5日(木)裾野市民文化センター
「除草剤の恐ろしさ」
 今年、米国西部のある老人夫妻がこの除草剤「ラウンドアップ」を40年間庭に撒いてガンになった、と裁判所に「モンサント社」を訴えて勝訴したそうだ。賠償金がなんと一人11億ドルだよ。二人で2200億円!それでカリフォルニア州では販売禁止になった。カナダとフランスでも使用禁止だ。しかるになぜ、日本の政府・農水省はだまって許可しているのだろう。一部の国会議員が問題視して産経新聞には載ったようだけどほかのマスコミは今のところ騒いでいないね。
 御殿場で農協支所の売店に行くと、棚の一番目立つところに「ラウンドアップ」がたくさん並んでいて目立つ。これでは農家の人はつい買ってしまうよね。農協で推奨し売っているのだから。スーパーでは日本の会社がブランド名を変えて売っているヤツもある。成分表示をよく見て発がん性のあるという「グリホサート」やその他の薬害をチェックしましょう。「無農薬野菜」は草取りの手間がかかって値段も高いから、逆に安いものや見かけのいい野菜や果物は危険が一杯ということかもしれないよ・・・。

 3年生のYAさんは前回「動名詞」の慣用表現を使う英文を和訳してどれもほぼ正確に和訳できた。「玉川大」のWhenever you feel like criticizing anyone, just remember that all the people in the world haven't had the advantages that you've had.が難しかった。「お前が誰かを批判したくなったらいつでも、自分が持っているような長所を世間のすべての人が持っているわけではないんだ、と思い出しなさい。」All〜notはnot〜allと同様に「部分否定」になることがあったね。文の最後を「半疑問」のように上げ調子で(⤴)言うんだけど。今日は「比較」の整序と作文問題をやった。どれもよくできていたが、「日本女子大」の「今では父親も以前より育児に参加している。」は、「より〜」が書いてないので「より熱心に」か「より何度も」か、あるいは「よりたくさんの父親が」なのか、を考えよう。better(より上手に)ではないね。
 受験生のINさんは、月曜日の御殿場教室に加えて、こちらの裾野教室にも参加することになった。今日は「不定詞」の整序問題でかなり正解が出せた。「彼はそのことと何の関係もない。」は、He has nothing to do with the case.が正解。大いに関係があればhas much to do with〜(〜と関係するものをたくさん持っている)のように言う。英文和訳では「分詞構文」を含む文が訳しにくかった。「東京理科大」のThey also must work for democracy, keeping themselves informed of important issues and exercising their right to vote so that they will keep effective control of government. 「国民はさらに、民主主義のために行動しないといけない。重要な問題にはいつも耳を傾け、政府を上手に制御できるように選挙権を行使しながら。」のように、「後置の分詞構文」は「〜しながら」と同時進行のように解釈するといい。
 2年生のADさんは「助動詞」のused to〜とwould often〜が「むかし〜したものだ」という「過去の習慣」を表すことを学んだ。「昭和女子大」の英文ではHuman beings used to feed themselves by hunting wild animals and gathering plants.「人間は野生動物を狩猟したり、植物を採集したりして昔は食事をしていたものだ。」と訳せるとよかった。by –ing〜は「〜することによって」となる。ここのandはhunting〜とgathering〜を並列しているね。期末試験の対策で早めに帰宅した。 尾上

(追記)ネット販売ではどんな除草剤が売れ筋なのか調べてみた。「楽天市場」で見てみると、次の4つの商品が宣伝されていた。・・・・1、「ラウンドアップ」(日産化学)・・・成分、グリホサート48%。散布の注意事項なし。 2、「カダン除草王」(フマキラー)・・・成分、グリホサート0.86%。注意事項、農作物には使用しない。 3、草退治「メガロンシャワー」(住友化学)・・・成分、ヘキサジノン。注意事項、樹木や水田には不可。 4、「ネコソギ・トップ」(レインボー薬品)・・・成分明記せず。注意事項、花壇・水田・畑など不可。
 宣伝文句ばかりの「ラウンドアップ」に比べて、ほかは一応注意書きがあって良心的だ。「散布する時には周辺の住民に断るように」とか、同じグリホサート使用でも「フマキラー除草王」のほうは、散布にはマスク・手袋・長ズボン・長そでシャツを着用、などと丁寧に注意書きしてある。よほどの劇薬なんだね。ほかにも商品がまだまだあるかもしれないし、「スーパー」や「百円均一ショップ」にはもっと手軽に手に入る除草剤が売られている可能性がある。草は手で取るしかないね。私たち畑仲間の会長YAさんは「雑草にはテデトール」がイチバン!と言っている。
2019/12/05 (Thu) 23:29


英語と日本語は「鏡像関係」
英語と日本語は「鏡像関係」
2019年12月2日(月)三島商工会議所にて 
「青空の下で収穫祭」
 前夜の冷え込みで「富士山」が全山すっぽりと白い衣に包まれた朝、7人の畑の仲間が集まって今年もやっと「収穫祭パーティー」がやれた。皆で育てたサトイモ、聖護院カブ、ハクサイなどでTAさんはみそ汁を作る。田植えから稲刈り・脱穀まで共同作業で収穫したコシヒカリを尾上が圧力鍋でふっくら炊いた。少し若いTA君とKA君はBBQの係だが炭火をおこすのはなかなか難しい。今日の肉は牛カルビとホルモン。ノンアルコールのビールでまず乾杯!
 KAさんは液晶製品の修理が得意な現役の技術者で、中国人の奥様が手作りの焼き菓子持参で登場した。「ニーハオ!」と声を掛け合う。畑の真ん中で中国語が飛び交っているよ。昔小山の「セイコーU」でKAさんと同僚だったOKさんも中国語ができる。電子工学の世界は中国が大きな市場のようで理系の人も語学力が必要になるんだ。OKさんは全粒粉でパンを焼いてきてくれた。畑で育てたルバーブの茎でジャムも作ってきたよ・・・。

 今日は3人とも試験前の対策を自宅でやるということであったけど、何か質問しに現れるかもしれないと思って、いつも通り6:20から三島会場の会議室で9:00まで待機したけど、結局出席者ゼロだった。でも、その間に今日はいよいよ、愛読書の山岡荘八「徳川家康」最後の第18巻(講談社)を読み終えた。
 筆者が敗戦後の昭和25年に「日本人とは何か?」をテーマに17年にわたって書き続けた人気の新聞の連載小説だった。今でも現代の経済界や政界のリーダーにある人たちの必読書だといわれている。私は英語塾「UG会」の毎回3時間の間で、生徒たちがプリントに取り組む間の待機時間にこの名作を少しずつ読んできたから5〜6年ずっと読んでいたのかな。こんな読みごたえのある小説はめったにない。家康の大ファンになってしまった。 
 昨日は英文の流れが、第1文に対して第2文が「なぜなら」や「すなわち」で受け継がれることが多い、という話をしたね。英文の論理は、一つのパラグラフの中では第1文が筆者のテーマで、それ以降はその説明や理由が続くということだ。もちろん「追加」「結果」や「逆接」もあるけど、その時にはきちんと「接続詞」を明記する。
 こういう論理が英文の文型にも当然現れて、SVOCMMMのような流れになるでしょ。大事なものから先に言って、枝葉末節がそのあとに続くよね。主語Sは文の支柱のようなもので、日本語でも最初に言うことが多いけれど、Sを除けば日本語は逆に(S)MMMCOVのように並べるのが普通だ。つまり、「枝葉末節」から言い始めて、最後に「〜と思うよ」で終わる。
 例えば「昔々、駿河の国の三保の浜に、一人の漁師がおったとさ。」は、「静岡の民話」の冒頭の一文。最後の「〜とさ」は、英語ならIt is said that〜で文頭に来る。時の「昔々」はa long time agoで文尾に書く。場所は英語では「時」の前に書くのが普通なんだ。実に鏡のようにぴったり逆順になるから、英語の仲間と日本語の仲間は、「鏡像関係Mirror Relationにある」と説明されるよ。そういう並べ方が世界の6000言語のうちの90%以上を占めているんだ。さらにうれしいことに、日本語などの語順のほうが少し多くて46%くらいだそうだ。本当だよ。 尾上

(追記)私たちの会長をずっとやってくれているのはYAさん。元自衛官で皆の畑から一番近い所に住んでいる。近所に自分独自の農園も借りていろいろな作物を育ててJAの「ファーマーズ」という直販店に出品してはお小遣いを稼いでいる。千葉の農家で生まれたから農作業の厳しさも楽しさもよく知っている。「長男だけど畑仕事が嫌で逃げて自衛隊に入ったんだ。ところが退官したらまたやりたくなって・・」だって。
 「その共同農園の隣の人が、畑に除草剤の『ラウンドアップ』をバンバン撒くんだよ。それでファーマーズにどんどん出荷してくるものだから困ってるよ・・」。実は、この『ラウンドアップ』は米国の「モンサント」という種苗会社の製品で、「遺伝子組み換え」の種子販売で有名な会社。調べたら「べトちゃんドクちゃん」という奇形児を生んだあの「ベトナム戦争」で、米国が使用した有名な「枯葉剤」はこの「モンサント社」が作ったそうだ。一応「墓地」や「道路・公園」などの除草用で、作物のない所に使用するように、と小さな字で注意書きがあるけどね。(つづく)
2019/12/02 (Mon) 23:33


 think of A as B 「AをBだと考える」
 think of A as B 「AをBだと考える」
2019年12月1日(日)御殿場市民会館にて 
「奥多摩湖ハイキング」
 きのうはひさしぶりのトレッキング例会になった。9月にポーランドを訪問してきたON君、モスクワ出張から戻ったばかりのTA君もとても元気に駆けつけて、JR「青梅線」の終点「奥多摩駅」に集まった4人は「奥多摩むかし道」という人気のハイキングコースに出発した。「多摩川」の渓谷を見下ろしながら国道411号と並行してゆっくりと狭い「旧青梅街道」を登っていく。「大菩薩峠」を越えて甲府まで通じているから「甲州街道」の裏道でもあるよ。
 今日は「奥多摩湖」まで8キロの登りだ。昔ながらの集落をいくつも通り抜け、「羽黒神社」「白髭神社」などにお参りする。道すがら「むし歯地蔵」、「縁結び地蔵」、「耳神様」などもこの土地の風習が垣間見れて面白い。「牛頭観音」や「馬の水飲み場」はこの狭い山道を牛馬が往来していたことの証拠だ。今日は期待以上に紅葉がすばらしかった。名所の「惣岳渓谷」では「いろは楓」の巨木にビックリ。真っ赤に紅葉したこんな大きなカエデははじめてだ・・・。

 先週の授業を見学に参加した受験生のINさんが今日から正式に入会してくれた。センター試験の「長文問題」4・5・6番が苦手で、模試でもミスをたくさんしてしまうそうだ。英文の流れがうまくつかめなくて正解につながらないという。高校では一文ずつを正確に和訳できればOKになるけれど、パラグラフで読み取る練習をやってくれないから文の流れがつかめない生徒が多い。
 UG会では大学入試問題の難易度が中〜上の良問ばかりを選んで、4〜8文くらいのまとまったパラグラフを全訳する練習が中心だ。文と文の関係を理解するため、つまり全体の内容理解には大切な練習だ。5つの重要な「接続詞」の中で、and(さらに),so(だから)は日本語と違って省略できない。しかしor(すなわち)やfor(なぜなら)は、よく省略される。だから、接続詞が書いてなければ第2文は第1文の「説明」や「理由」の場合が多いから、「つまり」とか「なぜなら」を補ってみると素晴らしい訳文になるんだ。
 INさん、今日は最初に「京都産業大」の「テレビが持つ力」を和訳した。I do not think of television as a totally negative influence. As a tool for educating, informing, and entertaining it has unlimited potential. 「私はテレビを全く悪影響のものとは思わない。」という第1文に対して、次の文「教育、情報、娯楽のための手段として、テレビは無限の可能性を持っている。」はどういう関係なんだろう。「接続詞」を補うとすれば「理由」だね。「なぜなら・・・から」と付け加えるととても良い和訳になるでしょ。
 ほかの3人は「期末試験」などの準備でお休みしたから、今日は新会員のINさん一人きりだった。 尾上

(追記)時折足元にトロッコの古いレールが見える。頭上にトンネルや白い橋脚もある。あれはなんだ?今から70年前、東京都の「水がめ」として巨大な貯水池の建設計画がやっと実行された。「小河内村」と山梨県の「丹波山村」「小菅村」が水没することになり住民の反対もあったけど、「多摩川」をせき止めて大きなダム湖「奥多摩湖」が10年の歳月をかけて完成した。レールはその時に「奥多摩駅」から延長して建設用資材を運ぶためのトロッコを走らせた跡だ、と駅2階のレストランで店主から教わった。
 7・8キロの道のりだけど話しながらゆっくり歩いたのでゴールまで5時間もかかった。本当は「小河内貯水池」という広大な「奥多摩湖」に着いてまず「水と緑のふれあい館」に入ってみた。水没してしまった「小河内村」6000人の人々の昔の暮らしぶりや風俗を紹介している。人形の展示では「獅子舞」「鹿島踊り」「お神楽」などの民芸も盛んだったようだ。ここの村民は水没後山梨県の北杜市に移住して、今の「清里」の開拓や発展に寄与したそうだよ。
2019/12/01 (Sun) 23:55


 I have never visited without seeing some evidence of human activity・・「訪れるたびに必ず・・の人間活動の証拠(自然破壊)を発見するのであった。」
 I have never visited without seeing some evidence of human activity・・「訪れるたびに必ず・・の人間活動の証拠(自然破壊)を発見するのであった。」
2019年11月28日(木)裾野市民文化センター
「外語祭と各国料理店」
 先週末は久しぶりに母校を訪れて、伝統の「外語祭」4日目を楽しんだ。ロシア料理の模擬店でピロシキを注文すると、2人の男子学生が目の前で揚げてくれた。府中市に昨年開店した「ペーチカ」というロシア料理店でゼロから指導を受けたそうだ。50年前の私たちは新宿のデパートから完成品を買ってきて売っただけなのに。店先にずらっと並んでいるウォッカのラベルには「スタリーチナヤ」と書いてある。そうだ、昔と同じだよ。
 雨宿りに飛び込んだ「図書館」の1階は新しく「文書館」(Archives)となって、明治以来の東京外国語大学の来歴が写真や資料でわかりやすく展示してあった。久しぶりに訪れた卒業生には若き日を思い出すいい場所だ。私たちが学んだ北区西ヶ原の「旧キャンパス」の正面や空からの写真も懐かしい。ロシア語科の大先輩で明治の文豪「二葉亭四迷」が「長谷川辰之助」の本名で級友や恩師と並んでいる記念写真も・・・。

 3年生のYAさんは前回「関西大」の英文「一年の最初の日の決め方」を読んですべての設問に正解が出せた。今日は「関係詞」の整序と作文をやって、ほぼ全問に正解が出せた。英文和訳では「福島大」の「自然破壊」を読んだ。Some of them I have visited again and again during the course of twenty years but never without seeing some evidence of human activity・・「その美しい土地には20年の間に何度も訪れたけれど、でも訪れるたびに必ず・・の人間活動の証拠(自然破壊)を発見するのであった。」butの後はI have never visited without・・・の略で「二重否定」の構文なので、「肯定」で和訳するとよかった。
 MAさんは「前置詞」の整序と作文をやった。「そういう風にして彼に喫煙をやめさせたのですか?」はIs that how you stopped him from smoking?で、The typhoon prevented us from going on a hike.と似た用法で前置詞のfromが必要だ。「中央大」の英作文で、「これらの週刊誌はあまり読書に時間を費やさない若い人たちに人気があります」は、These weekly magazines are popular with young people, who don't spend so much time reading.で、ほぼ正しく書けたね。
 2年生のADさんは前回「法政大」の英文を和訳した。 He announced that he must have left it in his other suit.は、「きっと別のスーツの中に鍵を入れたに違いないとはっきり言った。」で、「助動詞+完了形」が「過去への推量」を表すのだ。今日は難しい「助動詞」のmay well(〜するのも当然だ)とmay as well(〜したほうがいい)の用法を勉強した。よく似ていてややこしいけど、as(同じくらい)に注意して和訳しよう。
 SU君は前回「不定詞」の整序と作文をやった。「兄のベッドは寝心地が良い」は、My brother’s bed is comfortable の後にto lie on (そこに寝るには)が欲しかった。今日は「助動詞」のhave toとhave only to(〜するだけでよい)を覚えて、be supposed to とbe expected toが「〜と期待されている」、つまり「〜するべきだ」の意味でshouldのように使われることを勉強した。「岩手大」の英文「学校での主要な教育は?」が難しかった。
 OB君は「動名詞の意味上の主語」を勉強した。整序問題ではI’m afraid of your believing the rumor.「あなたがその噂を信じていることが心配だ。」がI’m afraid that you believe the rumor.を「動名詞」を使って書き換えたものなんだね。プリント2枚目は新たな英作文問題の第1課で「5文型」をやった。「私たちは新任の数学の先生が神経質だとわかった。」は、We found the new math teacher nervous.のようにSVOC(第5文型)でうまく書けた。 尾上

(追記)手元にある「同窓生名簿」を開くと、二葉亭四迷の親友で同じクラスにもう一人「小牧重五郎」という学生がいた。Wikipediaによれば、東大の受験に失敗して外語のロシア語科に入り、さらに「高等商業学校」(今の一橋大)にも学んだ後は「三井物産」に入社して成功した実業家だ。婿に行って「太田黒重五郎」となり「東芝」の専務として大きな功労があった。さらに、我が国初の水力発電でも功績をあげ「東京電力」や「九州電力」の草創期の立役者だ。
 今年4月のことだけど、大学の同窓SU君の案内で彼の住む杉並区荻窪の静かな住宅街を一緒に散策した。そのとき訪れた「区立太田黒公園」で偶然発見した事実に驚いて、その時のUG会ブログにも書いた。この公園は昭和の音楽評論家でNHKのラジオで人気だった「太田黒元雄」の大きな屋敷あとで、死後杉並区に寄贈されたものだった。そう、彼はわれらが先輩「重五郎」の一人息子だったのだ。
 公園の記念館には彼の愛用したピアノも展示してあって、そこにある解説書に、父親と二葉亭四迷がともに外語のロシア語科で同級生だった、と書いてあったのだ。これには驚いた。きっと誰も知らないぞ。同窓の仲間たちにも教えてあげようか。「外語ロシア会」の同窓会報にも寄稿したらどうだろう?SU君も私もすこし興奮気味になった。
2019/11/28 (Thu) 23:52


Be it so humble, there is no place like home. (どんなに貧しくても我が家にまさるところはない。)
Be it so humble, there is no place like home. (どんなに貧しくても我が家にまさるところはない。)
2019年11月27日(水)三島商工会議所にて 
「外語祭とロシア語劇」
 23日の土曜日、2年ぶりに母校を訪れた。中央線の「武蔵境」で「西武線」に乗り換えて2つ目。「多磨駅」で下りると東京外語大は目の前だ。4色のTUFS(Tokyo University of Foreign Studies)の大きな彫刻が出迎えてくれる。広い道路に面して塀もないしゲートもないのがすごく開放的でいい。あいにく朝から雨だったけれど、ここ府中市は「武蔵野」の面影がまだ残っていて、赤や黄色のもみじが散って雨に濡れている風情も晩秋らしくていい。
 お目当ての「ロシア語劇」を見ようと「プロメテウス・ホール」に行くとなんと長蛇の列。500の座席が足りなくなりそうな盛況ぶり。ほかにも28もの語科があって5日間に各6ステージに割り振るから、土日のゴールデンタイムにロシア科が上演できるのは久しぶりのようだ。演目はプーシキン原作の「大尉の娘」だった。18世紀「帝政ロシア時代」の貴族と庶民の姿を描いた傑作を、独自に劇化して上演した。ステージも照明もホールもすべて50年前の私たちのとは雲泥の差で立派だったけど、かなり早口で一本調子で抑揚もないセリフまわしは昔のままだな・・・。

 3年生のNAさんは前回「信州大」の英文「英語の本の読み方」で、I don't advise you to read too slowly. 「読み方があまりゆっくり過ぎるのはお勧めしない。」が著者の趣旨だ。なぜならその後の文が理由になって、「あまり真剣に読んでいると途中で挫折するから」と書いてある。今日は「不定詞」の整序と作文をやった。「福岡大」の「母はいつも話し相手がなくてとても寂しがっています。」は、My mother feels very lonely の後は「理由」だからbecause she has no one to talk to. もいいし、「感情の原因」の不定詞で to have no one to talk to. とも言える。今日の英文和訳は「分詞」の形容詞的用法と副詞的用法(分詞構文)の文が中心で、どれも正確に訳せていた。
 2年生のYAさんは明日の試験のためにその対策に専念した。入試の頻出問題で、「語彙と語法」の勉強だった。自分でミスした問題の解説をしてあげた。それでもうしっかり定着したはずだ。Be it so humble, there is no place like home. (どんなに貧しくても我が家にまさるところはない。)は前半が「倒置」の文で、Even if it is so humble, と言い換えられる古い表現だ。However humble it is, とも言える。
 今回は25日(月)に会場が取れなくて今日に変更になりました。 尾上

(追記)この「プロメテウス・ホール」は国の予算で建てた特別の構造物で、大きな舞台や照明など演劇上演に特化していて全国でもユニークなものだ。戦後新制大学として発足して70年、この間積み重ねてきた「外国語劇」の伝統が高く評価された結果、ギャラリーやカフェも併設した「アゴラグローバル」という施設の一部として完成して実に羨ましい。20年前、この府中キャンパスに移転する前、北区西ヶ原のキャンパスで私たちは学んだ。各語科共1学年がほぼ1クラスで、高校のようなこじんまりとした大学だった。
 50年前の私たちの頃は男子と女子の比率が7:3だった。ロシア語科は40人でそのうち女子は10人しかいなかった。その後女子の大学進学率の高まりとともにその比率が逆転してどの語科も3:7で今や「女子大化」している。したがって文化祭の様相も変わって、各国料理の模擬店の数が増え、女子学生のバレエ・インドネシア舞踊・フラメンコ・ベリーダンスなどがどこも大盛況だった。昼食に「ロシア料理」の模擬店でピロシキを注文したらアツアツ揚げたてのプロの味だったよ。(つづく)
2019/11/27 (Wed) 22:48


 「私は彼女にやさしくしなかったことを恥じている」I am ashamed of not having been kind to her.
 「私は彼女にやさしくしなかったことを恥じている」I am ashamed of not having been kind to her.
2019年11月24日(日)御殿場市民会館にて 
「時の栖でYAHOOの会」
 20年も前「沼津東高校」で同僚だったYA先生とHO先生とONOEの仲良し3人組が夫人同伴でまた「忘年会」をやった。3人のイニシャルをつなげて「YAHOOの会」。ヤフーじゃなくてヤッホーと呼ぶよ。YA先生の「還暦祝い」が最初だったからもう20年近い年中行事だ。毎年6人のうち誰かが「還暦」になってお祝いする。私の家内が一番年下で、その翌年にはまたYA先生が70歳の「古希」を迎えるという具合。
 箱根や横浜まで遠出したこともあるけれど、最近は近場でたいてい御殿場「時の栖」が会場だ。夕方「高原ホテル」のロビーで待ち合わせ、夕食の前にコーヒー一杯で談笑と近況報告。来年は「傘寿」を迎えるYA先生は今も仲間とテニスを続けて実に若々しい。今回はHO先生の77歳「喜寿」の祝いだったので小さなブーケを贈った。HO先生は空手をまだ近所の子供たちに教えている。東高や韮山高校で空手部を長年指導して「平3総体」を成功に導いた。英語の先生なのにプロの技をもつ・・・・。

 3年生ARさんは前回「聖心女子大」の英文「英国人のティータイム」を和訳した。Now, how delicious is the soft yet penetrating odour which floats into my study, with the appearance of the teapot! は「感嘆文」だけど主語がずいぶん長いね。「さて、ティーポットの登場とともに、私の書斎に漂ってくる柔らかな、しかしツーンとくる香りのなんとふくよかなこと!」日本語と英語の言葉の流れ方がちょうど逆になることに注意すればうまく和訳できるよ。the soft odourに yet penetrating(しかし突き刺すような)が付け加えられている。今日は「動名詞」の整序と作文をやった。「私は彼女にやさしくしなかったことを恥じている」は、I am ashamed that I was not kind to her.でいいのだけど、that節を動名詞句に書き換えるには「時制」に注意したい。I am ashamed of not having been kind to her. と「完了形」にして否定のnotもhaving の前に出るよ。
 裾野教室の3年生MAさんが出席した。前回「野口英世」を和訳して難しかったのは、Hideyo Noguchi's perseverance, diligence, strong will and the rest of his personality were probably inherited from his mother. で、「彼の性格の残り」とは前述の「辛抱強さ、まじめさ、意志の強さ」以外のすべての特徴のこと。The restはthe other part(そのほかの部分)と考えよう。「〜は多分母親譲りだったのだろう」。今日は「動名詞」の整序と作文で、「関西学院大」の「私たちは世間の出来事を知るには新聞やテレビに頼らざるを得ません。」は前半が難しかった。We can't help depending upon newspapers or televisionに続けて、(in order)to know what is happening in the world.(世間に起こっていることを知るためには)と書ける。
 1年生のTU君は「比較構文」を勉強した。高校ではもう習ったそうだけど、どうも大事なことが落ちていた。つまり、I study math as hard as English.は簡単だけど2つのasがどういう働きなのかわかるかな?切れ目を入れて読むにはどこがいい?I study math as hard (同じくらい一生懸命に数学を勉強する)が主文で、as I study English hard. (英語の場合と比べると)の従節が続いている。繰り返しを避けているだけ。前のasは副詞、後のasは接続詞(〜と比べて)だ。同様にI feel much better than yesterday.も接続詞のthan(〜と比べて)から後が節で、than I felt well yesterday (昨日の気分と比べると)のことなんだ。
 今日は一人、新しい受験生がお母様と出席し授業を体験した。「助動詞」の整序と作文、see 人 -ing (人が〜している様子を見る)を使う英文を和訳してもらった。かなり力のある生徒だったがセンター試験の「読解問題」が苦手だそうだ。そのレベルの英文を読んでマーク式に回答するやり方では何度やっても真の実力がつかないし得点もアップしない。二次試験の筆記問題で和訳と英訳をいくつも回答し添削してもらう方法が本当の実力アップにつながるんだ。センターまであと2か月を切ったけどこの「UG会」で頑張ってみる価値はあります。
 ご父兄様・・・明日25日(月)の「三島教室」は、27日(水)に変更になっております。送迎よろしくお願いいたします。 尾上

(追記)高原ホテルを出て、昔からの桜並木を飾り付けた人気の高いイルミネーションの長いトンネルを抜けそぞろ歩き。その先には昼間見た「台湾ランタン」の飾りつけも灯が入って美しい。園内の一番奥にある和食処「茶目」を今年もまた会場にした。日帰り入浴の「茶目湯殿」とつながるこのレストランは、築200年という福井の豪商の持ち家を移築・再現したもの。太い梁がむき出しの高い天井で、床もすべてツルツルの木材なのがとてもいい。
 「てんぷら」や「さしみ」を選ぶ人もいるけど「スッポンの粥と湯葉」も珍しい。家内はいつものようにそれにして私はサイコロステーキ。6人もいると一年ぶりだから話題が尽きない。HO先生の奥様は評判の高い「女性コーラス」のメンバーで、あるコンテストの受賞記念に来年春80人で渡米して、ニューヨークの伝統ある「カーネギーホール」でコンサートを開くとのこと、すごいね。私も27年前の12月に長男と一緒にNY旅行して、そこで「クリスマスイヴ」にコンサートを聞いたなあ。
2019/11/24 (Sun) 23:57


He need not have worked so hard.(そんなに頑張る必要はなかったのに。)
He need not have worked so hard.(そんなに頑張る必要はなかったのに。)
2019年11月21日(木)裾野市民文化センター
「内浦漁港から長浜城へ」
 ポカポカ陽気の秋の午後、沼津・内浦の海岸を自転車で走った。富士山もくっきりと姿を見せて雲一つない秋晴れのサイクリング日和だ。「淡島」の先のコンビニでレイチェルを組み立てて出発。風もなく穏やかな海で対岸の山の上に「長井崎中学」の校舎が見える。昔あの体育館で「駿河フィル」の仲間と出張コンサートをやったなあ。聴衆はパラパラだったけどいい思い出だ。
 内浦漁協の突堤のたくさんのロープをまたいで通り抜け、車道を避けて古い家並みの道を走ってみた。三津の「来迎寺」の石段を登ると鐘つき堂から内浦の港がよく見える。石垣のツワブキの黄色い花には癒されたなあ。「三津シーパラダイス」の前は丘になって、車道のトンネルを通らなくても「水族館」の脇にある狭い坂道を行くとアシカたちの元気な声が響いてきた・・・。
 
 3年生のYAさんは前回「中央大」の長文「子供のすぐれた感性」を読んですべての問題に正解が出せた。「早稲田大」のイディオムの問題が難しかった。for good(永遠に)at best(最善でも)in full(完全に)as follows(次のように)など。今日は「前置詞」の整序と作文をやった。「彼女はその帽子を箱に入れ白い紙で包んだ。」はShe put the hat in the box and wrapped it in white paper. この「紙で」はwith〜とは言わない。今日の英文和訳8題は「動名詞」の慣用用法が使われていてどれもほぼ正確に和訳できていた。かなり上達したね。
 MAさんは前回「早稲田大」の英文「水分摂取」を和訳した。Personal needs vary from one individual to the next, depending upon how much water is lost as urine, sweat, and tears.「人が必要とする量は個人個人で異なる。それは尿や汗や涙としてどれだけの水分が失われるかに依存する。」後置の「分詞構文」は単にand they depend〜と言い換えできる。動詞varyはchangeとほぼ同じ。various(様々な)variety(種類)variation(変化)などに派生するよ。今日は「分詞」の整序と作文をやった。「人間は道具に囲まれて生きている。」はHumans live surrounded by tools.受動態でare surrounded(囲まれている)のbe動詞を別の動詞に置き換えるだけで意味が追加できる。
 2年生のSU君は前回「助動詞」のUを勉強した。否定のnotをつける場所に注意しよう。You ought not to tell a lie.(嘘をつくべきではない)や You had better not eat snacks late at night (夜遅くお菓子を食べてはいけない).今日は先週に続けて「助動詞+完了形」をやった。He should have told the truth. (本当のことを言うべきだったのに。)やHe need not have worked so hard.(そんなに頑張る必要はなかったのに。)のような、過去に対する「残念」「非難」の気持ちを表す。There was nothing I liked better than going to the movies on a Sunday afternoon when I should have been playing outdoors. 「土曜の午後、外で遊んでいたほうがよかった時に映画に行くのは一番好きなことだった。
 OB君は前回様々な「接続詞」を勉強した。 It was such a boring lesson that I felt sleepy. (とても退屈な授業だったので眠くなりました)は、名詞lessonがあるから、so〜thatではない。 今日は中間テストが近いのでその対策勉強に専念した。
 ご父兄様・・・来週25日(月)の「三島教室」は、27日(水)に変更になっております。送迎よろしくお願いいたします。 尾上

(追記)次の長浜の町も昔からの漁業で栄えたらしく「大川家長屋門」の前に出た。石段の上の大きな表門だ。江戸時代末期の築で沼津市の文化財に指定されている。この漁村の「津元」をやっていた家だそうで大きな前庭に真っ白なお蔵が見える。私の母の実家が「大川」だから他人の家とは思えない。長泉村とはずいぶん離れているけれど。ここから見上げる裏山は「発端丈山」で、昔家内とハイキングに来たなあ。
 ゴールの「長浜城」のある岬に来た。穏やかな入り江で老人が一人釣り糸を垂れていた。何が釣れるのか聞くと「クロダイのつもりだけどここは初めてだから・・・」とバケツの練った撒き餌を投げ込んだ。「伊豆の東海岸ではサザエを撒きますけど・・」と言ってしまった。目の前は大きなヨットハーバーで、戦国時代には「北条氏」の「水軍」の守備拠点だったそうだ。太閤秀吉の軍を迎え撃とうと築城したという。
 さあ、そろそろ三島に戻って「サントムーン」で「マチネの終わりに」を見ましょうか。福山雅治と石田ゆり子がギタリストとジャーナリストに扮しNYとパリを舞台とする映画だそうで楽しみ。今日は突然のスケジュールで、昨夜の「UG会」で会議室に大切な忘れ物をしたので、商工会議所まで受け取りに三島に下りて来たのだった。
2019/11/21 (Thu) 22:59


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