「巨大なフジアザミ」
今年はコロナ感染防止対策で「富士登山」も禁止になったね。山小屋は感染の危険があるし山の臨時診療所やトイレも開設できないという理由で。もう9月10日の閉山を過ぎたから危険な状況も減ったので、10月の初冠雪がある前に私は例年のように単独で日帰り登山をやりたいと思っているのだけれど、今年はどうも登れそうもない。富士宮の「富士山スカイライン」も須走の「ふじあざみライン」も1合目のゲートが閉じているから徒歩なら5合目の登山口まで往復するのがやっとなんだ。
雲一つない青空の朝、御殿場口の「太郎坊」下のゲート前から樹林の中を歩いて「双子山」2000mに向かって登っていった。さすがここから見上げる富士山はデカイ。円錐形の「宝永山」と「富士山」も双子のように青空を背景に横たわっている。新六合目の「大石小屋」が見えてくると火山灰だけの砂漠になる。まだ日差しが強いから日陰を選んでズルズル崩れやすい山道を一歩一歩。タデ科の白いオノエイタドリが一面に咲き残り、ヤマホテルブクロ、巨大なピンクのフジアザミに慰められながら急傾斜を一歩一歩・・・
3年生のSU君は前回、「比較構文」の書き換え問題をやった。My father gave me no less than 100 dollars. はnoがless(少ない)を否定するから「たくさん」の意味で「100ドルものお金をくれた」となる。「原級」を使って言い換えればas much as 100 dollarsという。今日はas〜as ever・・・(今まで〜した誰にも劣らぬくらい)とas〜as any・・・(どんな・・にも負けないくらいの〜)などの特殊な構文を勉強した。「原級」だけど結局は「最上級」をつかって言うのと同じ意味になる文だ。It was as terrible a flood as ever occurred in this country. では前のasは「同じくらい、まけないくらい」の副詞だけど、後のasが「関係代名詞」whichの働きを兼ねて先行詞のfloodにかかるんだ。「この国で今までに起こったどの洪水と比べてもまけずにひどい洪水だった。」
今日は卒業生のKA君がひさびさに出席して授業を体験することになった。理系志望だけど英語ももっと磨く必要があるそうだ。短期間で実力アップさせるには弱点を見つけ補強することが大事だ、と思ってまず用意した教材は(1)文法の総復習、(2)英作文に対応する構文力、(3)長文読解と語彙力強化だ。今日取り組んでみた結果、どれも70〜80%くらいの正解率だったからかなりの実力ありと判断した。中学・高校で教わったことを十分記憶しているけど、暗記しているだけでは応用が利かないんだ。I don't want there to be any trouble. 「面倒なことが起こらないでほしい」ではI want you to go there.と同じ「第5文型」で、There is any trouble.という文がI don't wantの後に組み込まれているんだね。 尾上
(追記)スタートから2時間、「双子山」山頂に着いてホッとして弁当を開いたら、急にガスが登ってきて目の前がみるみる真っ白になって見えなくなった。LINEでいつもの山仲間たちに山頂から「実況中継」をしようか、という計画は無理だし急に寒くなってきて雨になりそうなので早めに下山することに決めた。
「宝永山」の裾に回ると「須山登山道」と交わって「四辻」の標識が立っている。ここからまっすぐ「水が塚」に下って行く道だ。噴火の溶岩が滝のようになった「幕岩」まで来ると分岐になっている。「太郎坊」には戻らずに初めて「お胎内」に向かう道を選んだ。昔は盛んに使われた登山道で、美しい森の中を広めの登山道が続く。「お胎内」は数十メートルの洞窟で小さな鳥居がたってお祀りしてあった。須山登山道は「宝永噴火」の後、使用されなくなったのだった。
