「オーレン小屋のビランジ」
一昨日、信州茅野市の蓼科高原に2泊して「硫黄岳」に登った。「八ヶ岳」連峰は8月に登った南端の「阿弥陀岳」でほぼすべての山々を制覇したのだけれど、「山小屋」のなかで名前が気になる「オーレン小屋」に行ってみたかった。周辺に咲く「オウレン」はキンポウゲ科の小さな白い花でそれが小屋の名前になった、という。
「硫黄岳」登山口の「桜平」に駐車して、登り始めて90分ほどで小屋に近づいた頃、もう枯れてはいるけど「オウレン」の仲間をいくつも見つけた。葉の形が様々で「セリバオウレン」か「ミツバオウレン」かもしれない。登山者でにぎわう「オーレン小屋」の玄関先に鮮やかなピンク色の「ビランジ」が咲き乱れていてドッキリ・・・
3年生のSU君は「比較構文」で慣用語法not so much A as B 「AというよりむしろBのほうだ」を勉強した。AとBには名詞でも形容詞でも動詞でもよい。直訳すれば「Bと比べるとA の方はそんなに多くない」だから、結局「Aが少なくてBが多い」ということだ。「実践女子大」の英文和訳「知覚の働き」について、We do not so much believe what we see as see what we believe.が難しかったね。「私たちは見えるものを(ぜんぶ)信じる、というよりむしろ、信じているもの(だけ)を見ているのだ。」と訳せるとよかった。
OB君は「仮定法・現在」を勉強した。主文にSuggest(提案する)、insist(主張する)demand(要求する)のような動詞やIt’s necessary thatで始まる「要求」の表現の後にはthat SV で「原形」の動詞が使われる。It is essential that you be responsible for the decision. 「その決定には君が責任をとるのが大事だ。」も「これからやるべきこと」だからyou areじゃなくて「原形」のyou beが使ってあるんだ。OB君はあす定期テストがあるので他の科目のために早めに帰宅した。
今日から入会した卒業生のKA君はまず、文法の総復習で「文の種類」をやった。高校一年で学習した基礎的な事が入試にかかわることが多い。「部分否定」も中学でやったnot always〜「いつも〜するとは限らない」だけではない。necessarily(必ず)やcompletely(完全に)、quite(全く)も似たような訳し方をしないといけない。なぜだろう?これらの意味は共通して「100%」だよね。そういう時だけ「否定文」で使うと結果的に「100%じゃないんだよ」という、つまり「20〜30%は違うよ」という意味だから「部分否定」と呼ぶ。しかし、実は、notがalwaysや次の動詞を否定するんじゃなくて、残りの文全部を「否定」して、「いつも〜する、ということじゃないんだ。」という意味だから、「全文否定のnot」という方が適切だろうね。 尾上
(追記)「ビランジ」は美しいナデシコの仲間で絶滅危惧種、めったに出会うことがない。似たような花で「タカネビランジ」には横浜の友人AO君と12年前、南アルプスの「鳳凰三山」に登った時に「地蔵岳」の山頂で初めて出会って感動した。ガクが長い筒状になっていて群生して咲く珍しい花だ。季節が終わっているのによくこの小屋の前でまだ咲いていてくれたな。
この日は「オーレン小屋」を出発して2時間で「硫黄岳」の山頂2755mに着いた。ガレキだらけの砂漠のような厳しい環境で、高山植物の女王ともいわれるコマクサだけが一面に咲く光景は見事なんだ。2007年の8月、AO君と「赤岳」から「横岳」を縦走してきたときに遭遇して感動したなあ。「八ヶ岳」は展望のすばらしさはもとより、名にしおう「花の名山」だと思う。
