裾野市民文化センターにて
「佐野川温泉」
ポカポカ陽気の朝「十里木高原」を越えて富士宮市に向かった。遠く南アルプスの「白根三山」が白銀に輝いて実に美しい。芝川町に入り富士川を越えると、小川に沿ってのどかな集落を抜けていく。土手の桜の古木がもう満開の花を咲かせて予期せぬ「お花見」になった。さらに一つ山を越えて山梨県南部町の「佐野川温泉」に着いた。ここは富士川にそそぐ支流の奥にある秘湯で、身延線「十島」駅から送迎があり日帰り客にも人気のスポットだ。
ここは私の2歳下の弟が義父から受け継いで50年、家族経営している「源泉かけ流し」の温泉旅館なんだ。有名な女優さんがプライベートで宿泊したり、テレビ局が取材に来てインタビューされたこともあるそうだ。久しぶりに弟夫婦に歓迎を受けて、周囲を山に囲まれた露天の岩風呂にさっそく浸った。ぬる湯だけど硫黄の香りがぷーんと漂って肌にぬるっとした湯だから効能がいろいろ期待できる。平日で客は2〜3人しかいないからコロナ感染予防も完ぺきでゆったりと・・・
3年生のOB君は前回、He does not know English, to say nothing of French. (彼は英語を知らない、フランス語は言うまでもなく。)の後半を書き替える問題が難しかった。「否定」の内容なのでmuch less French (フランス語はいっそうだめだ。)というよ。still lessでもいい。今日は「無生物主語構文」をやった。Learning another language is important, because it enables us to communicate with people in a different country and to learn more about that culture. はenables(可能にさせる)の主語itが「もう一つの言語を学ぶこと」のなので、それを理由にして「人」を主語に置き換える方が自然な訳し方だ。「そうすることで、私たちは違った国の人たちと話をし、その国の文化をもっとたくさん学ぶことができる」。
YAさんは前回、「早稲田大」の英文「バードウォッチング」が難しかった。”One little brown bird,” as Jefferies said, “at a casual glance is so much like another little brown bird.” 「ジェフェリーズが言ったように」が、カンマカンマで引用文の中に挿入されているのでカッコで切り取って文頭に移動してしまえばいい。「なにげなくちらっと見た時の茶色の小鳥は、もう一羽の茶色の小鳥とそっくりなんだ」。今日はIt was not until yesterday that I met her.(彼女に会ったのは昨日になってからだ→昨日初めて彼女に会った)は「強調構文」 It was〜that・・で、文の一部を強調する表現だ。一方、It won’t be long before the next election begins. (次の選挙が始まるまでもうすぐだ)で主語のitは「時間」を表すだけ。
卒業生のKA君は前回、「法政大」の英文でThe progress of civilization depends upon a small minority of enterprising individuals, the ‘adventure seekers’. 「文明の進歩はほんの少数の進取の気性を持つ個人、つまり冒険家たちに依存しているのだ。」このカンマは間をあけて読むから直前の語句の説明になるんだ。今日は「動名詞」の用法で、He insisted that I should pay the money back to him. (彼は私にその金を返すように主張した。)を書き替える問題をやった。payを動名詞payingに変えて意味上の主語my(又はme)をつければよかった。He insisted on my paying the money back to him. のように。
1年生のKA君は前回「接続詞」をいろいろ学んだ。As far as I’m concerned, I have no interest in such a thing. 「私に関する限り、そんなことに興味はありません」。この文頭の接続詞はAs far as I know (私の知る限りは)と同じように、関係や知識の「範囲」を表すからas long asではまずい。今日は「副詞節」を勉強した。「接続詞+S+V〜」が時・理由・条件などを表して、主文を修飾する働きだ。Pass me the butter, if you please. 「もしよければ、そのバターを回してください」は単にplease一語が普通だ。「どうぞ」の意味だけを中学で教えるのは間違い。If you likeと同じだから文頭につけてもいい。丁寧にお願いしているだけなんだ。 尾上
(追記)昨年秋に私の母が大往生したのでその遺品の一つ「お琴」をどうしようかと弟と相談した。弟には孫がたくさんいるので誰か女の子が希望してくれればいいが、と思いこの温泉に運んでもらいしばらく預けておいた。しかし誰も欲しくはないようなので今日はお琴を引き取るのも目的のひとつだった。母の出身である三島高女、つまり三島北高校では「筝曲部」が全国大会に出場するような活発な活動をやっているようなので、そこに寄付するのがよさそうだ。
夕食の時間になったので主人の長男が得意のピッツアを焼いてくれた。東京のレストランで覚えたそうで、生地が柔らくとても美味い。この宿の評判を高めているメニューのひとつで、さらに父親は「鰻重」を昔から得意料理にしているんだ。生きたウナギを仕入れて自前のタレで焼く。今日は突然の訪問で用意できなかったけどね。東京理科大を出て業界新聞の記者をやっていた弟が180度の大転換人生。山梨の彼女と結婚して調理師の資格を取ったというわけ。
