高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

total : 104060
today : 18
yesterday : 70

文法、作文はバイリンガルの為のすべての基本
文法、作文はバイリンガルの為のすべての基本
2021年4月8日(木) 
裾野市民文化センターにて
「花の坪山に登った」
 山梨県東北部の「坪山」1102mには今回が2度目だ。前回は11年前の4月下旬だったからその間に地球温暖化のせいか開花の時期がずいぶん早くなった。登山口の「びりゅう館」に問い合わせて、初めの計画よりも1週間早めて実施して正解だった。お目当てのイワウチワのピンクの可憐な姿にたっぷり浸ることができただけでなく、急傾斜のせまい尾根道には右も左も日陰ツツジが海のように広がって薄いクリーム色の上品な花を一杯に咲かせて「花道」になっていた。
 今回もいつもの山仲間3人を誘ってみたけれど、コロナワクチンが未接種だから辞退しますとのこと。東京や千葉からでは乗り物がやはり心配なんだね。昨年の2月の例会以来で結局私一人の登攀になったこの日、登りの2時間半に出会ったのは下ってきた夫婦が一組だけ。「ツボヤマ」の名のごとく10坪ほどの狭い山頂では、5人ほどの男女が南側の「富士山」に向かってお弁当を広げていた。遠くに「雲取山」を見ながらおむすびをほおばっている私の横にはヒカゲツツジの黄色の花が一面に咲いていたよ・・・

 2年生のKA君は春休みの課題テストの対策に集中して勉強した。文法項目を「助動詞」から「否定」までほぼすべて網羅するような範囲だそうだ。それにしても今年から始まった「共通試験」では全6問が「英文解釈」ばかりで、「発音」や「アクセント」も問わないし、「文法」の力を問う問題がなくなり、英文を組み立てる問題も消えた。リスニングはあっても「英会話」が聞き取れて4択で正解がマークできればいい。これではますます英文が書けない生徒、英語が話せない生徒を作るだけではないか。「民間試験のTOEICと同じレベルではないか?」との厳しい評価もあるよ。教育現場の努力が反映される内容にしてほしいものだ。
 ICさんがお休みしたので今日はKA君一人きり。質問がなければ特にやることもないので、私は1Fの「図書室」で借りた「サンデー毎日」で国公立大学の出身校別合格者数一覧を見ていた。私が最後に勤務した「沼津東高」からは東大7人,京大4人で今年もまあまあだ。東京外語大にも2人受かった。昨年はUG会のYAさんが受かった。加藤学園から九州大学に一人入った。それもUG会のKA君だよ。すばらしいね!私の母校は兵庫県西宮市の「甲陽学院」で、東大に31人、京大に56人。昔よりずっと頑張っているなあ。 尾上

(追記) 外語大ロシア科の同窓とトレッキングの会を始めたのは15年前のこと。それぞれが定年退職後で健康増進のためにも遊び仲間が欲しかったからなんだ。不思議なことにゴルフをやろうとは誰も言わなかった。流山市の元出版社編集長ON君、東京北区と横浜市在住の元商社マンTA君、AO君と元高校教師の私の4人が常連でずいぶんたくさんの山に登った。3人以上参加すれば例会成立としたら昨年2月の「富士山太郎坊」でなんと116回を記録したよ。ほぼ月に1回のペースだったんだ。
 その間に体調を崩して手術や入院をした人もいる。ドクターストップがかかって登山禁止を宣告された人や私のように家内の闘病生活で参加できないこともあった。それでも皆それぞれ元気になって復帰してきた。赤城山、榛名山、雲取山、両神山など「日本百名山」にも果敢に挑戦したなあ。山梨の山も皆大好きだった。今回の「坪山」や「八重山」「要害山」は中央線「上野原駅」起点で日帰りの便が良く何度も訪れた。下山の後は4人で露天風呂にザッブーン。湯上りの一杯が最高だったよ。
2021/04/08 (Thu) 23:24


Rumor has it that・・(うわさによると・・だそうだ)
Rumor has it that・・(うわさによると・・だそうだ)
2021年4月4日(日) 
御殿場市民会館にて
「イワウチワに惚れぼれ」
 先月20日にオープンした箱根仙石原の「湿生花園」に行ってみた。水の豊富な仙石原湿原の一画にあって、カタクリやイカリソウが真っ盛りの丘の向こうに広がる湿地帯にミズバショウが見渡す限り広がってちょうど見ごろになっていた。淡い緑色の大きな葉の中から伸びあがる真っ白な苞が目にまぶしい。その中にある緑色の芯が本当の花で、黄色の雄しべが見える。このブログ画面の「壁紙」でよくわかるでしょ。
 最近の異常気象で、年々温度上昇が早まってきて3月の内に関東で夏日になったとは信じがたい。昔の「入学式」ではなく「卒業式」で満開のサクラに祝福されるような季節感になってしまったね。雪解けとともに咲き始める花には、ショウジョウバカマやユキワリソウ、様々なスミレがこの花園でも咲きだすので毎春楽しみなんだ。特に私が大好きな淡いピンク色のイワウチワが薄暗い樹林の中に今年も美しく咲いていた。女の子のフリルのついたスカートのようで実にチャーミングだ・・・
 
 新3年生のSI君は前回「同格関係」を勉強した。和訳で難しかったのは、What you want to say are・・・―almost everything, indeed, that makes you what you are. 「あなたの言いたいことは・・・など、つまり、あなたを今の姿にさせている実にほとんどすべてのことなのです。」カンマで挿入したindeedをカッコに入れれば、thatはeverythingにかかる関係代名詞だとわかるでしょう?今日から新年度で文法・作文は新しい教材に入った。まずは「代名詞Itを含む構文」で、たくさんの難しい入試問題から選んだものだ。See to it that・・(命令文で)(・・になるように注意してね)やRumor has it that・・(うわさによると・・だそうだ)は共に、itがthat以下の節を受ける「形式目的語」なんだ。
 TU君は前回「仮定法」の語句整序と英作文問題で正しく答えることができた。今日は「省略」と「挿入」のような特殊な文を勉強してどの文も上手く和訳できた。There are, if I am right, ten oranges in the box.は「挿入」の例で、If I am rightを文頭で言わずに焦点のten〜の直前において「正しければ10個」と述べることで注釈をつけることができる。一方、The earth we are living on is, as it were, a ship sailing in space.「我々の住んでいる地球は、いわば宇宙を航行する船なんだ。」は、注釈としてa ship〜の直前に置くしかない。発話の時にはイントネーションを上げ調子にすればすぐわかる。活字では二つのカンマで区切られているからカッコで囲ってみるとわかりやすいよ。 尾上

(追記)栃木県の山奥にもイワウチワの群生地があって日本一のようだが、大勢観光客が押しかけて入場料を払ってみるようなのは嫌だ。もっと近くに自然のままのイワウチワが見られたはずと思い出し、昨日土曜日にお隣り山梨県の「坪山」に向かって早朝出発した。「上野原」の市街地をぬけて北方「小菅」の山奥に向かって20キロも走ると谷あいの「西原地区」に着く。地元の物産を売る「びりゅう館」がスタート地点だ。大きな水車が回る川の土手はサクラと桃の花盛り。まさに桃源郷だったよ。
 登山口まで歩くと川を渡ってすぐに急斜面になった。紫色の可愛いカタクリが足元に点々と、花弁を思い切り反り返らせて咲いている。さらにその先は両側が急な崖になった「ヤセ尾根」伝いに登っていく。薄いクリーム色のヒカゲツツジが右にも左にも出現し、その根元には白やピンク色のイワウチワが二つ、三つ、四つ、と群れを成して出現したよ。団扇のような丸い形をした葉の緑が、花弁のピンクと対照をなして実に美しい。全く自然のままの山だからこの「坪山」こそイワウチワ日本一だと思う。
2021/04/04 (Sun) 23:37


新年度の始まり
新年度の始まり
2021年4月1日(木) 
裾野市民文化センターにて
「三島北高を訪ねて」
 遺品の一つ、お琴を母の出身校である三島北高の「筝曲部」に寄贈することにした。それで顧問の先生にお電話して納入を受諾いただいた。先日高校を訪ねる前に三島市内にある琴・三味線の老舗「吉田屋」に立ち寄り、使用が可能かどうか状態を見てもらった。するとどうだろう。「これは練習用ですね。25年以上経っているから買い取るなら1000円です。」と言われてビックリ!インターネットで調べたら、新品なら練習用の15万円から演奏会用の100万円以上するものまであるのに、さて中古となると!
 母は御殿場に引っ越してきて私たちの隣に住むようになって趣味に「お琴」をはじめた。もう40年前に購入したものだからその価値がいかほどのものかわからないけど、隣からお琴の調べが聞こえたことがないから、たいして身を入れて練習したわけではなさそうだ。この日北高の前庭に並ぶ満開の大島桜の古木に迎えられて、「紫苑」という別館まで顧問の先生の案内でお琴を運び込み、2Fの練習場を見せていただいた。伝統の黒のセーラー服の女生徒が20人くらいお琴に向かって合奏の真っ最中だったよ・・・
 
 新2年生のKA君は前回「接続詞」once(いったん〜すれば)を使う文が難しかった。Once the man sets up the computer to solve a problem, the computer can solve thousands of problems in less time than it would take a man to solve just one. 問題文では途中のカンマがついていなかったから余計に難しかった。最後はjust one problemのこと。「いったんその人が問題を解こうとコンピューターをセットすれば、一人の人が一つだけ問題を解くのにかかりそうな時間よりもわずかな時間で、コンピューターは数千もの問題を解くことができるのだ」。wouldは「仮定法」で「〜だろうが」の意味。今日から次のステップに入った。定評ある「101重要構文」のテキストで英文法を整理しつつ入試対策まで進めようと思います。まずは高校生の苦手な「否定構文」から「部分否定」を勉強しなおした。
 同じく2年生になったICさんは前回「病気の告白」を読んでほぼ正解が出せた。I would feel so depressed that I could never get over it. はso〜that・・構文だね。これには二つの解釈があって、後半の文が「結果」になるように「とても〜のために、・・になった」という中学以来の訳し方。もう一つは前半の「程度」を修飾するように「・・するほど〜だった」の訳もぜひ覚えておこう。ここではwouldとcouldが「仮定法」で使われているから、「失恋を乗り越えることができないほどに落ち込んだ気分になってしまうだろう」がいい。今日は「春休み課題テスト」の対策に専念した。
 ご父兄の皆様へ・・・今日から令和3年度の始まりです。先月は4人の卒業生をそれぞれ希望通りの名門大学に送り出すことができ実に感慨ひとしおです。県立高校を定年退職後15年、個人塾の英語の講師を続けてきて本当によかったと思います。現今の新型コロナ感染という困難な状況をなんとか乗り越えて、さらにUG会を前進させていきたい。4月になって新たな会員がもっと増えて、御殿場教室も裾野教室も元気な真摯な高校生の学習の場になればいいなと思います。どうぞお知り合いへの口コミやご紹介をよろしくお願いいたします。 尾上

(追記)80年以上も前、母が学んだ頃の「三島高等女学校」は「沼津高女」「吉原高女」「大仁高女」と並ぶ県立の名門女学校だった。昔は「楽寿園」の近くにあって、長泉町(村)本宿の実家から2キロ先の学校まで歩いて通ったらしい。終戦後「三島北高」としてしばらくの間は男女共学になったこともある。三島のオーケストラ仲間だったWAさんはその珍しい卒業生の一人。しかし再び女子校になって50年たち、現在の男女共学にもどったのは17年前からだ。英語教育に特に力を入れて人気が高まり、御殿場からも希望して通う生徒が多いようだ。
 「UG会」で学んだ北高生では5年前のMIさんが東京外語大、TAさんが浜松文芸大に進学した。3年前には英検準一級を取ったEN君も立教大に、MIさんの妹も北高から津田塾大に、2年前にはTAさんが同じく津田塾大に、昨年はNAさんが明治大に進学している。いずれも英語がとても得意で教えるのも楽しみだった。校門のすぐ横に数年前大きな「秀英予備校」ができたから、そのあおりで「UG会三島教室」には生徒が集まらなくなり昨年から休業中だ。英語だけの塾の弱みかな。
2021/04/01 (Thu) 23:08


疑問詞・関係詞の移動
疑問詞・関係詞の移動
2021年3月27日(土)御殿場市民会館にて
「東山観音堂のしだれ桜」
 今年もサクラの開花が早いね。恒例の「桜まつり」は昨年に引き続き中止になって市からのお知らせもないけれど、「そろそろ咲いたかな」とカンを頼りに「秩父宮記念公園」に行ってみた。門前に近づくと車道の桜並木はもうすっかり開花して薄いピンクのトンネルだったよ。提灯もライトアップの照明もなく露天商のテントもなくて静かなお花見シーズンが始まっていた。
 小高い丘の上に立つ茅葺の「母屋」は「霞か雲か」と歌にあるように、ピンク色の見事なシダレザクラですっぽりと覆われている。そよ風にサクラの細い枝がゆらゆらと揺れる姿が玄関扉のガラス窓に写っているのもいいね。樹齢が100年を超えるような太い枝ぶりの古木がこの玄関前と裏庭に見事な花を咲かせ、全員マスクをつけた子供連れの家族がスマホのカメラを向けていたよ・・・

 2年生のSI君は前回、英文「入社試験」を和訳した。We would rather accept this evidence than take the more difficult step of trying to find out for ourselves what the applicant is really like and what is their potential. 「その志願者が本当はどんな人物かとかその潜在能力がどんなものかを、自分で見つけようという比較的難しい段階を踏むよりは、こういう出身校や成績証明を受け入れる方がいいと思っている。」What is your father?は「職業」を聞く場合、What is your father like?は「人物」について聞く場合に使うんだったね。
 今日は「101重要構文」の最終回で「移動」と「省略」をやった。テキストの文法説明がdo you thinkの「挿入」となっていて明らかな誤りであるので、「疑問詞・関係詞の移動」に書き替えて説明した。この方が実にすっきりする。どの参考書も古い教え方のままで困ったものだ。Do you know what will happen next?「次に何が起こるか知ってる」 とWhat do you think will happen next? 「次に何が起こると思う」は共に「間接疑問文」だけど、疑問詞whatの位置が違う。「思う、言う」のような「意味の軽い」動詞の時は、Yes-Noで答える疑問文ではないので「疑問詞」が文頭に「移動」してくるのだ。
 TU君は前回「比較」の語句整序の問題をやった。「どうしたらこのカネを最も有効に使えるか、何かいい考えがありませんか」はHave you any good ideas as to how we can make best use of the money? このas toは「疑問詞節」の前で「〜について」の意味。今日は「倒置」を勉強した。2種類あって、第1文型のSVMがMVSに、第2文型のSVCがCVSに、第3文型のSVOがOSVに、のように「倒置」できるものがある。さらに、「否定語」を強調するためにそれを文頭に移動したとき、SVが「疑問文」のように「倒置」になるものもある。Never、Little、Hardly、No sooner、Not a soundなどの「否定語句」が文頭にある時に注意が必要。Only when he visited me(彼が私に会いに来たときしか・・〜しない)のonlyも否定の意味に近いのでその仲間にしておこう。
 ご父兄の皆様へ・・・御殿場教室を今日に変更したのは、2年生二人とも明日の日曜日に別の予備校の「春期講習」があるためでした。「UG会」の4月春期講習は希望者がいないようなので中止にしようと思います。今日市民会館1Fの事務所にある「広報コーナー」を見たら、「UG会・新入会生徒募集」の案内プリントを好意で掲示してくれてありました。とてもありがたいことで館長さんに感謝申し上げました。多くの人の目に触れることがあればいいのですが・・・尾上

(追記)もう一つ、私の好きな桜の隠れた名所は「東山観音堂」なんだ。「旧岸邸」と庭園喫茶の「とらや工房」に隣接して、最近オープンした仏料理の「メゾン・ケイ」も向かい側だ。真っ赤な欄干のかわいい本堂と鐘撞堂をバックに、小ぶりのシダレザクラがここでも満開に近い美しさだった。戦時中ここに疎開していた女優の「東山千栄子」が、この本堂を使って東京から集まった仲間と舞台稽古を続けていたという話を聞いたよ。
 私の10歳下の従妹が東京で「俳句の会」に入っていて、時々フェイスブック上で作品の報告をしてくれる。昨日は嬉しいニュース「芭蕉翁からの贈り物」。「三重県伊賀市上野の菩提寺に亡父の納骨に行った翌日、上野城の松尾芭蕉の記念館に立ち寄ってホイ、と応募箱に気楽に投句したものが入選して作品集と記念品が届きました。」とのこと。私たちの祖母と芭蕉は同じ伊賀の生まれだから、ひょっとして従妹にその血が少し受け継がれたのかな?最近は私たちの祖父の姓にちなんで「おのえ・すい」の俳号で詠んでいる。「父の骨 小さく小さく納む夏  東京都・尾上翠」
2021/03/27 (Sat) 23:28


次回「御殿場教室」は27日(土)
次回「御殿場教室」は27日(土)
2021年3月25日(木)裾野市民文化センターにて
「県内唯一のミズバショウ」
 市内深沢にある「トンボ池」に行ってみた。やっぱり咲いてるよ!棚田のような傾斜地に植えた数百本のミズバショウがほんの一部だけど咲き始めていた。初々しいい緑の大きな葉の中から純白の苞がヨットのように伸びあがって春の訪れを喜んでいるようだ。しかしどれも背中を向けていて、緑の花の部分が中に隠れて見えないよ。湿地の中だから踏み込むこともできないし。
 ミズバショウと言えば群馬県の尾瀬が原を思い浮かべるね。私は2〜3度仲間や家内と旅行して歩いたことがあるよ。その尾瀬からこの深沢地区の愛好家グループが10数年前に取り寄せて育ててきたミズバショウが今年も咲き始めたんだ。鮎沢川の急流と御殿場線が並行する崖の上にあった小さな休耕田を利用したそうだ。正面に「東名高速」の赤い陸橋がかかって車の騒音が激しいけれど、「トンボ池」の周りの本来の静かな「桃源郷」の姿は残っている・・・

 3年生のOB君は前回「比較」の作文で、「2人の候補者の中では彼の方がいい」はHe is the better of the two candidates. のようにthe best of the threeと同じ形式でtheが必要。今日は体調悪く出席できなかったが、終了後会場に駆けつけてくれてお母様と一緒に最後のご挨拶を頂いた。部活がハードだったけどよく両立させてUG会に通って頑張りましたね。今日のプリントを回答して郵送してください。春休み中に肝心な英語を忘れてしまわないようにね。
 YAさんは前回「専修大」の英文を和訳した。Only when we combine them to make words do they become meaningful units. のdoの用法が疑問だったね。「them(音)をつないで単語を作った時にしか、意味をもつ単位にならないんだ」。Only〜は「〜でしかない」で「否定的な意味」。だからHardly had I left home・・・でも覚えたように、「倒置構文」つまり、「疑問文」の語順になるんだった。今日は最後に「否定語を含まない否定表現」をやってよく理解できていた。英文和訳もすべて添削が必要ないくらいに丁寧に書けていた。終了後お母様がご挨拶に見えておいしいお菓子を頂いた。
 卒業生のKA君は前回「神戸外語大」の英文が難しかった。The decline of ties with the relatives deprived the wife of much external help which had previously been available to her in the difficult tasks of adjusting to life with a husband. 「親戚とのつながりが減少したために、夫との生活に合わせる難しい問題で、昔は受けることができた外部の援助を妻は奪われてしまった。」も「無生物主語」の文と見破って、目的語の「妻」を主語にして和訳するとよかった。今日は「関係詞」の難しい問題をほぼすべて正解した。The same〜as、such〜as、no〜but、more〜thanのように、whoやwhichの代わりに、本来「接続詞」のas、but、thanが「関係詞」として働く特殊な例をいくつか学んだ。
 1年生のKA君は前回「仮定法」で作文をやった。「もしあの薬がなかったら私は今頃死んでいただろう」は、前半が「昔」の事実に反する仮定だからIf it had not been for that medicine, と「過去完了形」にする。後半は「今」だから「助動詞+原形」でI would be dead now. が正解。今日は1年生最後のテキストで和文英訳をやった。「私は当然、あなたが助けて下さるものと思っていました」は、I took it for granted that you would help me. とする。このtake A for Bは「AをBだと考える」でitはthat以下をさす形式目的語。grantedは「天から与えられたもの」→「当たり前のもの」の意味で、よく使われるイディオムとして覚えておこう。
 ICさんは前回、語句整序の問題が難しかった。「非常に多くの人々がエネルギーを消費しているので、じきになくなってしまうだろう。」は、Because so many people waste energy, we’ll run out of it soon. と普通に書いてもいいが、前半を「付帯状況」のwithで書き替えることができれば正解だった。With so many people wasting energy,のように。今日は「受動態」の整序問題をやった。「彼がよく森の中を歩きながらその詩を朗唱するのが聞こえた」は、We often heard him recite〜を「受動態」に言い換えるから、He was heard to recite〜のように不定詞のtoが復活するよ。
 ご父兄の皆様・・・今日はプリントを3色で3枚配りました。黄色は4〜5月のUG会予定表。赤い紙は「春期講習」のご案内。緑色は新入会員募集の案内と「入会申込書」です。新型コロナ渦で困難なこの春休みはいつもの「新聞折り込み広告」をやめようと思いますので、ぜひ皆様のクチコミをお願いしたいと思います。4月から「御殿場教室」は3年生が2名、「裾野教室」は2年生が2名でちょっと寂しいですね。切磋琢磨する環境が望ましいので是非ご友人へのご紹介をいただき、それぞれ4〜5人のクラスになるといいなと願っております。
 今日はOB君、YAさん、KA君の最後の授業でした。たゆまぬ努力が実ってみな名門大学に進学することになりました。それぞれ東洋大学、上智大学、九州大学で知性を磨き人間性を高めてくれることと期待しております。まことにおめでとうございます。
 (緊急)次回「御殿場教室」は参加生徒の都合により前の日、27日(土)に変更しました。 尾上

(追記)深沢の「トンボ池」の名を知ったのはインターネットだった。群馬まで行かなくてもミズバショウが見られる近くのスポットがないかな、と探していたら山梨県は笛吹市の境川にあったけれど規模が小さくて残念。長野市の郊外で「戸隠スキー場」のあたりにはもっと広く自然のままのミズバショウが生育しているらしいよ。静岡県にも一つだけ生育地があって、それがわが御殿場の「トンボ池」だと知って驚いた。群馬や長野・新潟のような大雪の地方だけかと思っていたのに。
 箱根の「湿生花園」では3月20日の春の開園と同時に咲きだすのが水辺のザゼンソウ(座禅草)とミズバショウ(水芭蕉)なんだ。箱根はせいぜい標高が600mくらいで大した雪も降らないので、その雪の代わりに冬期スタッフが枯葉を一面にかぶせ冬眠させるらしい。この「トンボ池」でも何か工夫していると思うよ。白い苞と花が終わると葉の部分がどんどん大きくなってまさに芭蕉の葉のようになる。
2021/03/25 (Thu) 23:48


新しい会員を募集しています
新しい会員を募集しています
2021年3月21日(日)御殿場市民会館にて
「ユキワリソウがいっぱい」
 近所の「秩父宮記念公園」にランチを食べに行った。「母屋」と「記念館」の手前に立つあずまや風の「うぐいす亭」では、喫茶のほかパスタやピラフなどの軽食もできるのでお気に入りなんだ。窓の外には「ロックガーデン」の上に覆いかぶさるような大きな枝垂桜が見える。おいしい食事に満足したので園内の散策と家内のリハビリに出かけるとしようか。母屋のサクラのつぼみが大きく膨らんでもうすぐ開花しそう。まだ卒業式の季節なのに。
 ユキワリソウの花が増えたかなと期待して母屋の裏手に回った。竹林の小山の下には「防空壕」が今でも記念に保存されていて、昭和20年御殿場駅周辺の空襲の時に宮様が一度使用されたという。私が親から聞いた話では、疎開していた長泉村の母の実家にも裏庭に防空壕があって、まだ2歳くらいの私も沼津市街地の空襲の時には防空頭巾をかぶってよちよち一人で歩いて行って穴の中に隠れたそうだ・・・

 2年生のSI君は前回、「鹿児島大」の英文を読んで和訳が難しかった。We can refer to a unicorn and make ourselves understood even though nobody has ever seen one except in paintings. このandは直後のmakeと前のrefer(共に動詞の原形)をつないで一つの行為だと見抜くとよかった。oneはunicornのことだから、「絵の中以外では誰も見たことがないとしても、一角獣というものに言及して理解してもらうことができる。」今日は「挿入」を勉強した。普通は文頭に置くhoweverやfor exampleなどを文中、動詞の前にカンマで切って割り込ませることがよくある。和訳する時にはその部分をカッコに入れて文頭に移動して、文をひとまとまりにつなげないといけない。
 TU君は前回 「否定」で英作文をやった。「大学の勉強が社会に出てすぐ役に立つとは限らない。」 not everything・・だと「すべてが・・であるわけではない」だから不適。ここでは「いつも‥とは限らない」だから、What you have studied at college doesn’t always help you in the world soon after you finish it. 「部分否定」に使うのは形容詞のevery、both、allと副詞のalways、necessarily、completelyなど、つまり100%の意味の語だけだったね。今日は「強調構文」It is〜that・・を勉強してよく理解できていた。It is the student himself who must do the learning. (学習をやらねばならないのは生徒自身である)のように、「人」が強調される時はthatの代わりにwhoを使ってもよい。 尾上

(追記)ピンク色のハナダイコンと黄色のリュウキンカが一面に咲く林の中に、大きな三角の葉から立ち上がるユキワリソウ(正式にはミスミソウ)もピンク・赤・白・紫と色とりどりに咲き誇っていた。大きなレンズのカメラを胸に下げた女性がいたので話しかけたら、この公園が大好きで横浜の家から何度か尋ねて来ているそうだ。「お近くに住んでいらしていいですねえ。相模原にある城山カタクリの里が近いし有名だけど、こちらの方が自然が豊かですね。ユキワリソウが素晴らしいです。」といって撮った写真を見せてくれた。
 野草園に進んでみると木道の下にシュンランの長細い葉が茂っている。その葉をかき分けると白い蕾がいくつか隠れていた。あ、一本だけもう咲いているよ。緑色のガクの中に下向きで花が咲くので見つけにくいんだ。そして母屋の下にはカタクリがもう咲きだしていた。ピンクの花弁を反り返るほどに開く姿が美しい。そうだ、深沢の「トンボ池」にもカタクリが一面に咲く山があったな。先月その斜面には黄金色のフクジュソウが一杯だった。昨日は「春分の日」で、もうそろそろミズバショウも咲き始めるころだ。
2021/03/21 (Sun) 22:38


カンマカンマはカッコに入れて
カンマカンマはカッコに入れて
2021年3月18日(木)  
裾野市民文化センターにて
「佐野川温泉」
 ポカポカ陽気の朝「十里木高原」を越えて富士宮市に向かった。遠く南アルプスの「白根三山」が白銀に輝いて実に美しい。芝川町に入り富士川を越えると、小川に沿ってのどかな集落を抜けていく。土手の桜の古木がもう満開の花を咲かせて予期せぬ「お花見」になった。さらに一つ山を越えて山梨県南部町の「佐野川温泉」に着いた。ここは富士川にそそぐ支流の奥にある秘湯で、身延線「十島」駅から送迎があり日帰り客にも人気のスポットだ。
 ここは私の2歳下の弟が義父から受け継いで50年、家族経営している「源泉かけ流し」の温泉旅館なんだ。有名な女優さんがプライベートで宿泊したり、テレビ局が取材に来てインタビューされたこともあるそうだ。久しぶりに弟夫婦に歓迎を受けて、周囲を山に囲まれた露天の岩風呂にさっそく浸った。ぬる湯だけど硫黄の香りがぷーんと漂って肌にぬるっとした湯だから効能がいろいろ期待できる。平日で客は2〜3人しかいないからコロナ感染予防も完ぺきでゆったりと・・・

 3年生のOB君は前回、He does not know English, to say nothing of French. (彼は英語を知らない、フランス語は言うまでもなく。)の後半を書き替える問題が難しかった。「否定」の内容なのでmuch less French (フランス語はいっそうだめだ。)というよ。still lessでもいい。今日は「無生物主語構文」をやった。Learning another language is important, because it enables us to communicate with people in a different country and to learn more about that culture. はenables(可能にさせる)の主語itが「もう一つの言語を学ぶこと」のなので、それを理由にして「人」を主語に置き換える方が自然な訳し方だ。「そうすることで、私たちは違った国の人たちと話をし、その国の文化をもっとたくさん学ぶことができる」。
 YAさんは前回、「早稲田大」の英文「バードウォッチング」が難しかった。”One little brown bird,” as Jefferies said, “at a casual glance is so much like another little brown bird.” 「ジェフェリーズが言ったように」が、カンマカンマで引用文の中に挿入されているのでカッコで切り取って文頭に移動してしまえばいい。「なにげなくちらっと見た時の茶色の小鳥は、もう一羽の茶色の小鳥とそっくりなんだ」。今日はIt was not until yesterday that I met her.(彼女に会ったのは昨日になってからだ→昨日初めて彼女に会った)は「強調構文」 It was〜that・・で、文の一部を強調する表現だ。一方、It won’t be long before the next election begins. (次の選挙が始まるまでもうすぐだ)で主語のitは「時間」を表すだけ。
 卒業生のKA君は前回、「法政大」の英文でThe progress of civilization depends upon a small minority of enterprising individuals, the ‘adventure seekers’. 「文明の進歩はほんの少数の進取の気性を持つ個人、つまり冒険家たちに依存しているのだ。」このカンマは間をあけて読むから直前の語句の説明になるんだ。今日は「動名詞」の用法で、He insisted that I should pay the money back to him. (彼は私にその金を返すように主張した。)を書き替える問題をやった。payを動名詞payingに変えて意味上の主語my(又はme)をつければよかった。He insisted on my paying the money back to him. のように。
 1年生のKA君は前回「接続詞」をいろいろ学んだ。As far as I’m concerned, I have no interest in such a thing. 「私に関する限り、そんなことに興味はありません」。この文頭の接続詞はAs far as I know (私の知る限りは)と同じように、関係や知識の「範囲」を表すからas long asではまずい。今日は「副詞節」を勉強した。「接続詞+S+V〜」が時・理由・条件などを表して、主文を修飾する働きだ。Pass me the butter, if you please. 「もしよければ、そのバターを回してください」は単にplease一語が普通だ。「どうぞ」の意味だけを中学で教えるのは間違い。If you likeと同じだから文頭につけてもいい。丁寧にお願いしているだけなんだ。 尾上

(追記)昨年秋に私の母が大往生したのでその遺品の一つ「お琴」をどうしようかと弟と相談した。弟には孫がたくさんいるので誰か女の子が希望してくれればいいが、と思いこの温泉に運んでもらいしばらく預けておいた。しかし誰も欲しくはないようなので今日はお琴を引き取るのも目的のひとつだった。母の出身である三島高女、つまり三島北高校では「筝曲部」が全国大会に出場するような活発な活動をやっているようなので、そこに寄付するのがよさそうだ。
 夕食の時間になったので主人の長男が得意のピッツアを焼いてくれた。東京のレストランで覚えたそうで、生地が柔らくとても美味い。この宿の評判を高めているメニューのひとつで、さらに父親は「鰻重」を昔から得意料理にしているんだ。生きたウナギを仕入れて自前のタレで焼く。今日は突然の訪問で用意できなかったけどね。東京理科大を出て業界新聞の記者をやっていた弟が180度の大転換人生。山梨の彼女と結婚して調理師の資格を取ったというわけ。
2021/03/18 (Thu) 23:51


A and A‘ のルール
A and A‘ のルール
2021年3月14日(日) 
御殿場市民会館にて
「小田原城へ」
 ポカポカ陽気に誘われて箱根を越えて「小田原」に下って行った。「松永記念館」という小田原市の「郷土文化館」に着いてみると、日本庭園の工事中で残念ながら6月まで閉館だった。明治時代に「電力王」と呼ばれ、数寄茶人としても高名の「松永安左ヱ門」が収集した古美術品が展示されていて見てみたかった。昔ここの館長を私の知人が務めたことがあるというので気になってもいたのだ。
 小田原城までわずかな距離なので久しぶりに城のお堀端に車を停めた。高い石垣に囲まれた「常盤木門」をくぐると松の古木が30mの高さで、満開の河津桜と並んで聳え立っている。本丸の広場には60年前に再建されたものだけれど真っ白な天守閣がそびえて見上げると感動する。秀吉の「一夜城」作戦で滅ぼされ、北条氏から徳川家の手にうつり明治維新の廃藩置県で解体させられたそうだ・・・

 2年生のSI君は英文「言語の役割」を和訳した。As we grow older, we become members of other groups outside our home and learn to use language as a way of fitting in with them and taking part in their activities. の長い一文で難しかったが、それはandが二度もあるからだ。大切なA and A‘ のルールを思い出してほしい。動詞現在形のlearnは前のbecomeとつながるし、動名詞のtakingは前のfittingと並列しているね。だから、「家庭の外のいろいろなグループの一員になって、彼らに溶け込みその活動に参加する方法として言語を使うようになるのだ」。
 TU君は前回「関係詞」で英作文をやった。「外国語を学ぶ最良の方法はその国語が話されている国へ行くことです」は、主語は「不定詞」を使ってThe best way to learn a foreign languageを主語にする。後半に「関係副詞」whereを使えば、〜is to go to the country where it is spoken. とつづく。今日は「無生物主語」の構文を勉強した。「物事」が「人」に対して「〜させる」という文は日本語にはまれなので和訳では、「物事」によって「人」が「〜となる」とする方が自然だ。This confidence explained to him his reputation as a wise man. で、「説得」は人が他人にする行為だから、その他人が説得されたことになる。つまり、「こういう確信のおかげで、彼は自分が賢人だという評判に納得したのだ」。
 今夜は終了間際にTU君のお姉さんが駆けつけて懐かしい姿を見せてくれた。昨年春「UG会」から名門「津田塾大」の英文科に進んだ人。地方の国公立も受けたけれど首都圏の大学にしてよかった、という。アルバイトにしても友人関係にしても選択幅がとても広くて、まだ対面授業は一度もないけれど充実した学習環境がリモートでもできているそうだ。至近距離に「一橋大」「学芸大」「外語大」や「ICU」もあるから、他大学の講座を聴講するチャンスがあるし、サークルも大学枠を超えた活動ができるんだね。
 昔「外語大」4年生の時に、私も「早稲田」や「青山学院」の授業にもぐりこんだことがある。4年生の時は渋谷駅前の「東急ビル」で夜間の「言語学講座」が1年間無料で開設されて、東大、早稲田、慶応の有名な教授から直接少人数指導を受ける機会に恵まれたよ。「音声学」や「社会言語学」などに加えてUG(普遍文法)や「生成文法」の手ほどきを受け、その創始者MIT(米国・マサチューセッツ工科大学)のN・チョムスキー博士が来日し夏期講座を開催した時には1週間受講に通って刺激を受けたよ。
 東京は学習や研究の環境が充実しているね。キャンパスの中にも外にもアンテナを高くして学問をおおいに楽しんでください。また機会があったらお話を聞かせてください。 尾上

(追記)「松永記念館」の館長だったというその知人は、40年前に亡くなっていて実際にお会いしたことはなかったが、私の亡父や兄弟が幼少時代に東京で仲良くしていただいた娘さんのお父様、「田山方南」という名前の文部官僚で古書文献の有名な学者だった。伊賀の上野中学から金沢の四高、そして東大文学部へとエリートコースを順調に上り詰めた秀才だ。先々週、私が三重県の伊賀市に母の納骨で出かけた折、お寺の墓がお隣りどうしだった。
 親戚ではないが「田山家」とは祖父母が長年親しくしていただいたようだ。先日93歳になる長女の迪子さんに電話をしてみた。父の納骨でお会いして以来23年ぶりで、家業の製薬会社の社長を長男に譲って、今は伊賀市の特別老人ホームで悠々と過ごしておられた。「おなたの祖母たねさんは、原宿の千駄ヶ谷小学校のまえの自宅で文房具屋をやってたのよ。杉並区の家から私が遊びに行くとよくお店番をまかされて面白かったわ。」
 自分の生まれた家がどこか知らなかった。8歳の頃祖父がその跡地に連れて行ってくれた覚えがあるけど。Google Mapではっきりその場所を確認し、ストリート・ビューで現在の様子も分かった。なんだかとても懐かしい。「でも昭和20年3月の東京大空襲では、我が家も尾上さんの家も焼かれてしまったわね。私は女学校に入っていて苦労したけど東京にとどまって薬科大まで進みました」と。記憶も言語も実に達者でとても93歳とは信じられない女性だ。
2021/03/14 (Sun) 23:22


3・11あの未曽有の大震災を忘れない
3・11あの未曽有の大震災を忘れない
2021年3月11日(木)  
裾野市民文化センターにて
「水辺の佐川美術館」
 天気予報が当たって2日の朝は雨。ホテルのレンタサイクルでもう一度「琵琶湖疎水」を走ってみようと計画していたのに。昨日見た「第一トンネル」の出口が京都の山科地区にあるので、朝飯前にそこに向かって車を出した。「国道1号線」に入ったらそこはかの「逢坂山」の峠道で朝の大渋滞の最中だった。「名にし負わば逢坂山のさねかづら・・・」と百人一首に読まれた旧東海道最後の関所だ。「・・・知るも知らぬも逢坂の関」もある。この渋滞ではホテルの朝食に間に合わないので山科探訪をあきらめUターン。
 37階のレストランから琵琶湖の展望もぼんやり。こんな雨の日は「美術館めぐり」にしようか。家内のおすすめで私が「佐川美術館」に行こうと提案したら弟夫婦も賛成してくれた。20数年前に宅急便の「佐川急便」の社長が「琵琶湖大橋」のたもとに作ったモダンな建築で、楽家15代の吉右衛門(直入)の国宝級の陶器が見られるという。水辺に浮かぶようなユニークなお茶室があって見学したり「茶会」も出席できるらしい・・・

 3年生のYAさんは前回、「助動詞」で語句整序も作文もとてもよくできていた。needの文法問題が難しかったのは「助動詞」と「動詞」の両方に使えるからだ。Since we’ve finished our job, we (      ) to work tomorrow. (明日は仕事に来る必要がない)に入るのは、need not come かdon’t need to come のどちらかだね。それぞれを助動詞shouldと動詞wantに置き換えてみればわかりやすい。今日は「二重否定」の文をやった。We never watch television without being influenced by it. をそのまま訳せば「テレビは影響を受けずに見ることはない」で、二重に否定しているね。そのままでも悪くないけど、「肯定」でいい直して「テレビは見ると必ず影響を受ける。」の意味にとらえる方が多いよ。
 1年生のKA君は前回「関係詞」の構文で作文問題をやった。「彼にはよくあることだが、また約束を破った」は、He broke his promise again. とIt is often the case with him. を一文につなぐときに前文を受けるItをwhichに変えるのではなく、asを使って「〜にはよくあるように」の意味にするんだ。この問題のように、関係詞のas以下をそっくり文の初めに移動してAs is often the case with him, he broke his promise again.としてもいい。今日は「名詞節」の語句整序をやった。「大事なのは全力を尽くすか否かだ、」は、主語のWhat matters はWhat is important の意味で、mattersが動詞なんだ。〜is whether you do your best or not. となる。
 ICさんは前回、「無生物主語の文」で語句整序の難しい問題をやった。「うっかり口を滑らせると、思わぬ結果を招くことが多い」は、「舌が滑ること」を主語にして「〜という予期せぬ結果に私達を導く」のように言い換えできるね。A slip of tongue will often lead us to unexpected results. 「〜が多い」は助動詞のwill oftenでwould oftenのように「習性」をあらわすよ。今日は「助動詞」の語句整序と作文をやった。「できましたら、あなたの切手の収集を見たいものです。」は、動詞lookを熟語でhave a lookと言える。「できましたら・・・」とへりくだってお願しているからwant to〜よりも「ていねい」なwould like to〜がいい、と中学でも習った。wouldは「仮定法」の助動詞で、「もし許されれば〜するのだが」の意味なんだ。I would like to have a look at your collection of stamps. となる。
 卒業生のKA君が出席した。明日12日は国立大学の後期試験なので欠席かと思っていたら、「九州大学に合格しました! 先生の御指導のおかげです!」の声。えっ!あの難関大学に受かったって?と半信半疑の私。このUG会からも初合格の大学だ。「おめでとう!一年浪人した甲斐があったね。私も本当にうれしい。大学が始まるまでよかったらあと数回ここで勉強を続けてください。」
 前回は「明治大」の英文「ガラス」を和訳した。Such an experiment would almost certainly destroy a similar cube of practically any other material. 「そのような実験をすれば、似たような立方体のほかの物質はほとんどどれでも壊れてしまうだろうが。」と訳せる。助動詞のwouldが「仮定法」だとわかれば、ifをどこかに感ずるような訳をするといい。今日は「分詞」で書き換え問題をやった。As I was not tired, I went on working late.は、前半を分詞構文に置き換えて、Not being tired, とやればいい。「受身形」の時はbeingを省略してNot tiredでもいい。接続詞+S+V〜の「節」を、「ケス、ケス、ING」と覚えて「句」にするわけだ。こうすれば「複文」が「単文」に変わる。 尾上

(追記)霧雨で煙る「琵琶湖」の東岸を30分ほど走って、殺風景な湿地帯にそのユニークな「佐川美術館」をみつけた。3棟の建築の四方をすべて池で囲って茶室はその池の真ん中に屋根をもたげていた。地下道で通じているらしい。最初の棟には日本画家「平山郁夫」の作品が大作4点を中心に圧巻だった。私の好きな「シルクロード」も美しい作品だった。地下に降りて「楽直入」の焼き物は素晴らしかったが、ここでもコロナ対策が厳重で残念ながら「水辺の茶室」は見学もできなかった。
 隣の棟は彫刻の展示室で私の好きな「佐藤忠良」のブロンズ像が所せましと並んでいた。自分の教え子をモデルに制作した「帽子・夏」など若い女性像は高く評価されている。昔私が大学生の頃、映画「若者たち」に登場した佐藤オリエは吉永小百合と並ぶわれらがマドンナだった。それが佐藤忠良の娘さんだったんだ。総ガラス張りの廊下の向こうには池の中に立つ少女の像が雨に打たれていた。
2021/03/11 (Thu) 23:56


英作文にもっと時間をかけよう
英作文にもっと時間をかけよう
2021年3月7日(日) 
御殿場市民会館にて
「琵琶湖の水を京都へ」
 「琵琶湖」のホテルにチェックインする前に、大津市内の古刹「園城寺・三井寺」に寄ってみた。もう夕方の閉門時間だけど家康の寄進による堂々たる山門と室町時代の「仁王像」が見られて初めての弟も感動していた。私の今回のお目当てはこの「長等山」の山裾を貫通している隧道(トンネル)だった。それは明治23年(1890年)に5年の工事で完成した「琵琶湖疎水」の入口なんだ。
 レンガ造りのアーチ形の入口は鉄の扉で閉ざされ、水も流れていなくてまだ冬枯れの寂しい風景だった。堰堤には桜の木が一面に植えられて市内で一番の「花見」の名所らしい。もうすぐ桜の季節になれば湖畔の「閘門」が開いて、この疎水に「琵琶湖」から水が流れだすのだ。3年前に復活した観光用の「疎水船」は6人乗りの小さなボートで、この「三井寺」の乗船場から京都「蹴上」の下船場まで3つもトンネルを抜け、満開のサクラを眺めながら8キロを下って行くことができるという・・・

 2年生のSI君は前回「強調構文」It is〜that・・を勉強した。Paper was not made in southern Europe until about the year 1100. の文末の「時」を強調するとIt was not until about the year 1100 that paper was made in southern Europe. が正解だ。notは「文否定」の語で、until以下にその焦点があるからnot until〜「〜以前ではない」つまり「〜以後のこと」を強調している。どちらの文も「1100年になってやっとヨーロッパ南部で紙が作られた」と肯定で訳した方がいい。今日は「無生物主語の文」をやった。「物」が「人」に〜させる、の文型なので逆に、「物」によって「人」が〜になる、と和訳したほうが自然になるね。
 TU君は前回「代名詞」で語句整序の難しい問題をやった。「新年の祝い方は国によって異なる。」は、動詞differsを使え、だから述語はdiffers from one country to another.(国ごとに異なる)でfrom〜to〜を使う。主語はHow people celebrate New Year's dayのように「関係副詞」のhow(〜の方法)+SVで書けばいい。how to celebrate〜 は「どうやって祝うべきか」の意味だからおかしい。今日は「名詞構文」の勉強で、People's lives have been changed because of the immediate spread of news.がうまく和訳できた。後半はspreadが名詞用法なので「名詞構文」の一種なんだ。元の動詞に戻すとbecause news spreads immediately(ニュースが即座に広まるので)という節と同じ意味になるんだね。
 今日は裾野教室の1年生ICさんが参加してまず「完了形」の英作文をやった。「ジョンは日本に来て3週間になるが、こちらの生活様式にすぐになれるだろう」は、この「が」は逆接のbutじゃなくて単純にandくらいでいい。切って2文に分けた方がすっきりする。「来て・・」は「来て以来・・」の意味だから接続詞sinceでつないでIt is three weeks since John came to Japan. 後半はHe will get used to the lifestyle here soon. あるいはsoon の代わりにIt will not be long before he gets used〜もよく見る構文だ。英作文がちゃんとかければ英語で話すのも簡単だ。自分の考えが発信できなきゃ英会話が上達したとは言えない。学校でやるALTの授業が、1対40ではせいぜい「聞き取る」練習しかできない。高校でもっと英作文を書かせる授業をやってほしいなあ。 尾上

(追記)最近NYから帰国して京都の街中に移り住んだ友人夫妻が、昨年春この「疎水船」に乗ってきました、とメールにあった。その話に刺激されて私も実は11月末の紅葉の季節に乗船したいと思い、船の空席を見つけて予約してGo Toも利用して「琵琶湖」の旅行計画を立ててあったのだ。小説「京都インクライン物語」も読んで関心を深めていた。ところが母の突然の大往生があってキャンセルしてしまった。
 比叡山に登った豊臣秀吉が「この琵琶湖の水を都に引けたなら・・・」と嘆息したという。その16世紀の夢を19世紀の終わりに、東京の工部大学(後の東大工学部)を出たばかりの田辺朔朗が建設主任に抜擢されて日本人だけの力で完成させたものだ。米国で始まったばかりの水力発電を視察して導入し、日本最初の発電所をトンネル出口の「蹴上」に作ったのも田辺なんだ。京都市内の電車や工場の電力に利用され、水運や灌漑用水など多目的に大いに活用された。(つづく)
2021/03/07 (Sun) 23:51


total : 104060
today : 18
yesterday : 70