「金時山のがけ崩れ」
東京や神奈川だけでなく外国人にも大人気の「金時山」に登るには、4つのコースがある。そのうち地元の人だけが知っている一番短時間で楽に登れるのは「矢倉沢峠」にある駐車場からのコースでわずか45分だ。頂上の金時茶屋の主人「秀ちゃん」はこれを「ずるコース!」と呼ぶ。登山が250回を超えたばかりの私もそうだけど、小屋の天井に「名札」をぶら下げてもらうのが楽しみ。ずらっと並んだ中には3千回とか4千回の強者たちの名札もある。金時神社の頂上奥宮に「お百度参り」の意味もあるそうだ。
毎年1回元日だけは未明に我が家から4時間かけて山頂まで歩きとおしご来光を仰ぐことにしているが、日ごろは週1でほかのもっと短いコースだ。「ずるコース」もよく使う。私は富士山の展望よりは「花探し」が楽しみなので、南側の「仙石原」の別荘地からと北側の「足柄峠」からのコースをほぼ交互に登ると花の種類が異なって面白い。先日はまた「足柄峠」に回って、「立ち入り禁止」の看板を横目に登って行った。昨年秋の大雨で、中腹の急斜面が崩壊しアルミの階段が3本流されてしまったのだ・・・
2年生のICさんは「名詞構文」(2)を勉強した。In spite of her great poverty, she was happy.は「彼女の大きな貧困にも関わらず」でも通じるけど、名詞のpovertyを形容詞のpoorに置き換え「文」に直すといい日本語になる。「彼女はとても貧しいけれど(幸せだった)。」のように。ちなみに、みんなが知っている「人民の人民による・・」が「誤訳」であることを社会科や英語の先生たちさえも知らないし教科書も間違っているんだよ。「人民の政治」と「人民による政治」はどう違うの?同じこと言ってない?と先生に聞いてみるといい。
リンカーン大統領が「南北戦争」の戦場「ゲティスバーグ」で述べた有名な演説・・・government of the people, by the people, for the people shall not perish from the earth.がちょうど「名詞構文」の例で、「名詞」のgovernmentを「動詞」のgovern(統治する)に置き換えてこの冒頭の長い主語を「文」に直すとThe people govern the people for the people「人民のために、人民が人民を統治する(形体は地上から滅びさせてはいけない)」となる。ofは「の」ではなくて目的語の「を」なんだ。
YAさんは前回、英作文で「この仕事は私の手に負えないかもしれませんが、できるだけやってみるつもりです」は、「私がやるには難しすぎる」と言い換えて、This job may be too difficult for me to do.と書けるといいね。be able to〜は「能力がある」だから「人」が主語の時でここでは使えない。後半は「できるだけ一所懸命に」と補って I will try as hard as I can. がいい。今日は「否定構文」で、そのまま直訳してもいいけれど、「肯定」で言い換えたほうが日本語らしい場合がある。It was not until I came to Japan that I saw snow.はIt was 〜 that・・の「強調構文」で、「雪を見たのは日本に来る以前ではなかった」という直訳より、「日本に来て初めて雪を見た」と「肯定」で和訳したほうが優れているでしょ。 尾上
(追記)そこには代わりにロープや梯子をつかって岩場をよじ登るコースが臨時に作られて、地元の皆さんは自己責任でどんどん登っているんだ。前回はその岩場に咲きだしたピンクの「イワカガミ」が楽しめたし、気品あふれるツツジの「シロヤシオ」が満開だった。この日はオレンジ色に燃えるようなヤマツツジが右に左に現れて目を楽しませてくれた。白いウツギ(卯の花)やピンク色のツクバネウツギも真っ盛りだ。山頂に着いたらたくさんの若い人たち、とくに女性が多かった。コロナ渦では登山が息抜きなんだね。
「ずるコース」の出発点「矢倉沢峠」は、仙石原の「金時神社」から南足柄市の矢倉沢地区までの狭い林道の最高地点で、舗装はしてあるけど一般車両は一応通行禁止だった。しばしば利用していたのに拡張工事が始まって2年間使えなかった。先月やっと完成して県道731号に生まれ変わって新名称「はこね金太郎ライン」となったら、すぐにサイクリストたちの新たな注目のコースになっているよ。最高地点の「矢倉沢隧道」脇の駐車スペースは広々した「金時見晴パーキング」に生まれ変わった。
