裾野市民文化センターにて
「黄花のショウキラン」
古代からの富士登山道である「村山古道」を少しだけ歩いた。山梨市の花友AMさんから得た情報をもとに珍しいラン科の花を求めて、「富士山スカイライン」の横断地点から歩き始めた。何しろ登山道からだいぶ外れるし、苔むした大木の5m上に咲いているはず、というので私のデジカメではきっと写らないし、そもそも目が悪いからきっと見つからないだろう、そう思って箱根の山友KAさんを誘った。環境省ビジターセンターの元職員で花にも鳥にも詳しく200ミリの素晴らしい望遠レンズを持っているから。
カエデやブナの深い森の中の苔むした古代の道を2人で登って行った。このあたりかなと見当をつけて、溶岩の沢を越えた。足元に珍しいショウキランを見つけた。花が五月人形の「鍾馗様」に見えるけどやっぱりラン科の花だ。まあ無理だろう、と期待しないでいたのにKAさんが「あ、あれ何ですか?」と通過した後から私に呼びかけて、古木のずっと上の方を見上げると、小さなピンクの花が2か所ホテイシダの中に埋もれて咲いていた。「あった!あれだよ、ヒナチドリ。よく見つけたね!・・・
2年生のKA君は前回英文「言語を2つ以上話すのが普通」を和訳した。more than oneは記号で>1のこと。(≧1ではないから)「2つ以上」だよ。They speak one language at home or with their neighbors and another when they go to school or go shopping. は接続詞andの後にあるanotherは前のoneに対応しているでしょ。だからand they speak another language・・のことなんだ。「家や近所の人とは一つの言語で話し、学校や買い物に行くときには別の言語で話す」と、日本語では省略を補って訳す方がいい。今日は「強調構文」It is 〜that・・を勉強した。Computers had existed for years, but it was during the 1980s that “the age of the computer” really arrived. 「コンピューター(電子計算機)は何年も前から存在していたが、『コンピューター時代』が本当に到来したのは1980年代のことだった」。
ICさんは前回too〜to・・構文の英文を和訳した。「・・するにはあまりに〜すぎる」と、前半〜の「程度」を強調する訳し方もあるけれど、The problem of saving the forests is too important to leave only to the environmentalists. 「森林保護という問題はあまりに重要で、環境問題専門家だけにまかせておくことはできない。」のように、ここでは不定詞以下が「結果」になるように訳すとよかった。今日は特殊構文で「省略」を勉強した。City monkeys prefer living in the cities to the forest. 「都会のサルは森の中に住むより都会に住む方が好きだ」と訳す。prefer A to B (BよりAを好む)の構文だからBは living in the forestと省略語句を補って和訳したほうがいい日本語だ。
YAさんは前回「岡山大」の英文を和訳した。Technology tends to develop by its own laws and principles, and these are very different from those of human nature or of living nature in general. はカンマandで2文が単純に並列しているね。しかし後のorが難しい。直後のof〜が前のof〜と並列しているから共にthose(それら=法則と原理)を修飾するよ。「科学技術は独自の法則と原理に従って発展する傾向がある。それは人間性の法則とか自然界一般の法則とはきわめて異なるものだ」。今日は「倒置構文」を勉強した。下線部訳で難しかったのはNever before in the history of mankind has a country had so many older people as the United States will have. で、not so〜as・・「・・ほど〜なものはない」で、後の動詞は未来形のwill haveで前の動詞が「現在完了」のhas hadだからさらに難しい。a country has had のSVが「倒置」になったのは「否定語句」Not before〜(人類の歴史上今まで一度もない)が文頭にでて強調されているためなんだ。「将来のアメリカほどたくさんの老人を一国が抱えたことは・・・ない」。
ご父兄の皆様へ・・・17日(火)から始まる「UG会夏期講習」には2年生3名、1年生1名が希望してくれましたので、合計4名のクラスで実施することになりました。「裾野市民文化センター」で夜間、19:00〜21:30の150分です。和文英訳、英文和訳を軸として、日ごろの教室では扱いにくい教材にも触れようと思います。「英検」などの希望があればご連絡ください。 尾上
(追記)予想以上の嬉しい出会いに感謝して、村山古道を下っていくと逆に登ってくる男性がいる。これから富士登山だという。福岡県の人で初めてだけど、どうせなら海抜ゼロメートルから山頂3776mまでを登ってやれ、とばかり吉原の海辺「田子の浦ゆ、打ち出でてみれば真白にぞ・・・」からスタートして「村山浅間神社」まで登ってきて宿泊し今日は2日目だという。今夜は六合目の「雲海荘」2500mに宿泊し、明朝山頂を目指すという。すごいなあ、こんな人が本当にいるんだね。
そんな登山、私には真似ができないけど、畠堀操八という藤沢市の人が書いた「富士山・村山古道を歩く」(風濤社2013)という本がある。この本に感化されて海抜ゼロから富士登山に抗戦する人がいるらしい。50年前に富士宮から自動車道「富士山スカイライン」が開通して五合目からのスタートが普通になって廃れていたのに、この村山古道も含めて信仰の痕跡の残る登山道が8年前「世界文化遺産」に登録されて急に脚光を浴びだしたらしい。著書もその年に出版されている。
