「スカイツリーと隅田川」
あたたかな秋日和の昨日、大学時代のロシア語仲間4人で東京の下町を歩いた。浅草「雷門」に集合して「上野公園」、「東大」構内から「後楽園球場」まで8キロを4時間、すごく楽しかった!約束より1時間も早く着いたので「隅田川」の川岸を散策した。大学時代にこの川を4人乗りのボートでさかのぼったなあ。ボート部の私たち1年生が「早慶レガッタ」に貸し出した一隻を引き取りに行き、「吾妻橋」「言問橋」をくぐって「荒川」に出て「戸田橋」の川口ボートコースにある大学の艇庫まで回送したのだった。
言問橋に行くと、「スカイツリー」が見上げる位置で目の前に迫ってきた。角の小さな「ブラシ屋」の店先に老人が立っているので話しかけた。この辺りは昔「蟻の街」といわれて50年前には靴や履物の店がずらっと並んでいた。その靴磨きのブラシを売る店で100年も続いている老舗だった。92歳になるという老人が笑顔で昔話をしてくれた。「東京大空襲」(1945年3月10日)の時は中学生で、「ここも対岸の向島も火の海で橋が渡れず、近所の人がおおぜい目の前で死にすぐそこに埋葬されました・・・
3年生のSI君は前回「九州大」の「嗅覚の記憶」を読んで下線部訳をやった。What value smelling may have once had for us faded when we began walking upright and looking around. 文頭のwhatはwhateverと同じ意味で「どんな〜でも」。動詞はmay have hadとfaded、beganの三つ。「嗅覚がかつて私たちのために持っていたのかもしれないどんな価値ある力も、私たちが直立歩行して目で見まわすようになってからは消えてしまった」。今日は「仮定法」のおさらい。The committee expressed the wish for your resignation. (委員会は貴殿の辞職への要望を表明しました)は、要望や要求、主張を表すときに「動詞の原形」を使うのだったね。The committee expressed the wish that you resign. これはアメリカに残る古い語法で「仮定法現在」と言われている。本国のイギリスではshould resign (辞職すべきだ)のように変わって「仮定法」ではなくすっきりしている。
TU君は前回「和歌山大」の和訳が難しかった。Whatever they decide on, they are troubled by the feeling that something else would have been pleasanter. 「何に決めたとしても、ほかの方がもっと楽しかったのではないだろうかという思いに悩まされる。」後半が「仮定法過去完了」になっていることに注意。今日は「動名詞」のおさらい。I regret saying that you were in the wrong. (君が間違っているといったのを後悔している)は「動名詞」だから「昔」のこと。もしregret to sayだったらどうか。「不定詞」は原則「未来」の内容を指すんだったね。だから、「君が間違っていたと言わねばならないのが悔やまれる」の意味だ。I am sorry to say・・・と同じ。
1年生のMUさんは前回並べ替え問題で「今日の私があるのは、あなたの支援のおかげです」は構文owe A to B(AはBのおかげ)を使う。oweは「負う」だから「BにAの借りがある」の意味。I owe what I am to your assistance. このwhatは「姿」と訳すといい。今日は文法・作文で、新しいシリーズを始めた。「目的・結果」を表す表現をまとめてみよう、という趣旨で「不定詞」だけでなく、「前置詞句」や「副詞節」でも同じような意味を表現できるんだ。「〜するために」は、to〜、in order to〜、so as to〜でもいいし、with a view to -ingとかfor the sake of〜、あるいは名詞・代名詞の前なら一語でfor〜もいい。so that S may V・・のような「節」で表現する方がいい場合がある。今日はさらにNo2のプリントで新たに文法をスタートに戻って復習することにした。まずは第1課で「文型」をやった。どうも苦手な項目らしいね。じっくり勉強しよう。 尾上
(追記)「こととい橋」は、「在原の業平」が詠んだ「名にし負はば いざこと問はむ都鳥 わが想ふ人はありやなしやと」から名付けられたという。河岸の緑地公園「隅田川テラス」を歩いていると「正岡子規」の句碑を見つけた。「雪の日の 隅田は青し 都鳥」しかし私たちがボートを漕いだころは青じゃなくて汚染で真っ黒だった。上流で荒川の本流に入ったとたんに澄み切った川の水になって、夕焼け空を見ながら水音を立てないように静かにオールを漕いで進んで行ったのは忘れがたい風景だ。
さて、「雷門」の赤い大提灯の下には客待ちの人力車と大勢の観光客。定刻前には同窓の4人が集まり案内役のKA君の音頭で出発だ。東大の大学院に進学した後に「国会図書館」に勤務中、グループで「江戸城下町歩き」を始め今も続けている。北海道の出身だけど江戸にはめっぽう詳しい。今日の行程も詳細はKA君の提案だ。「さあ、上野公園まで歩く途中、合羽橋の道具街を見て行こうよ」。私が毎日使っている「マイ包丁」は横浜の姪にここで買ってもらったもの。「敏起」の銘入りだよ。









