御殿場市民会館にて
「ラーゲリより愛を込めて」
今全国で上映中のこの映画が評判だよ、と「UG会」のLINEに書いたら、「見ました。感動の涙が止まらなかった」と法政大のTU君のコメント。私はまだ見ていないし、人一倍涙もろいから原作を読むだけにしておこう。かつてテレビでも紹介されたというこの話は、「辺見じゅん」という女性作家が実話に基づいて書いた「収容所から来た遺書」で1989年の出版だ。太平洋戦争末期に、満州で兵役についていた主人公の山本が1945年の終戦とともにソ連軍の捕虜となって、シベリアの収容所(ラーゲリ)で9年も苦役に従事してとうとう帰国(ダモイ)がかなわず妻や子供たちへの遺書を残して病死したのだ。
御殿場図書館で先月このポスターを見つけ、気になってすぐに原作を借りだした。すると主人公はロシア語が堪能で、なんと東京外語のロシア語科出身、私たちの大先輩だったとわかった!卒業後、南満州鉄道の「満鉄調査部」に勤務して多才ぶりを発揮し、「北東アジアの諸民族」という論文を書いて出版もされていた。(国会図書館のデジタルライブラリーで無料ダウンロードできる)。大学のロシア科の同窓たちにもこの話をLINEで伝えたらすぐに反響があって、「正月に映画見てきたよ、あふれる涙なしには観れなかった。観客に若者が多くておどろいた」と。ラーゲリの仲間たちは山本の書いた遺書をそのまま持ち帰ることが禁止され、皆で分担して頭に記憶して帰還し遺族のもとに届けた、という実話・・・
2年生のMUさんは前回、長文「優れた翻訳」の和訳が難しかった。A good translation is perhaps one in which the translator handles the building blocks provided in a very natural way. このoneは主語と同じ「翻訳」のこと。provided(与えられた)は直前の語を修飾して、「よい翻訳とは、たぶん翻訳者が与えられた建築材をきわめて自然な形で扱っているような翻訳のことだ」。今日は「日米の教育の違い」を読んだ。In a U.S. school, a child subjected to such treatment might well burst into tears and the teacher would be considered harsh. 「アメリカの学校では、そのような扱いに従わされた生徒ならいきなり泣き出すのも当然だろうし、その先生も厳しすぎると考えられてしまうだろう」。「仮定法」のmight well〜やwould〜に注意しよう。
IKさんは文法で「関係詞」を勉強した。The man whom I thought to be your brother proved to be an utter stranger.(君の弟だと私が思った人はまったくの他人だった。)は第2文にI thought him to be your〜を再現すればhimがwhomに置き換わったと考えればいい。一方、The man who I thought was your〜の方は、I thought (that)he was your〜が第2文だからheをwhoに変えて「先行詞」の後に移動する。つまり「関係代名詞」とは、つなげられる「代名詞」なんだ。he、his、himをwho、whose、whomに置き換え、it、its、itをwhich、whose、whichに置き換えればいい。「関係副詞」は同じく「つなげる副詞」なんだね。thereをwhereにthenをwhenに。教科書や学校の先生が単に「つなげるもの」という教え方がまずい。接続詞じゃないんだから。
3年生のWAさんが久しぶりに出席。先週の「共通テスト」を戦い抜いていよいよ私立、国立の試験に向かって最後の踏ん張りどころだ。今日は「動名詞」の慣用用法でThere is no 〜ing(〜するのは不可能だ)を勉強した。As was true of Copernicus’s observation 500 years ago that the earth orbits the sun, there is no telling how far the effects of a new scientific theory may extend.で後半の主文は「新しい科学理論の影響がどこまで広がるかはわからない。」で、we cannot tell〜と同じ意味だね。冒頭のAsはwhichと同じようにその文を受ける「関係代名詞」(そのことは)なんだ。ふつう主文の後におくのだけれど。だから前半は「地球が太陽のまわりを回っている、というコペルニクスの500年前の観察もその通りだったように」と訳せるでしょ。 尾上









