高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

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Osaka Expo 2025
Osaka Expo 2025
2025年2月9日(日)
「新東名高速・松田事業PR館」
 新東名高速道路は全線開通まであと3年かかるそうだ。当初の計画では2024年春の開業だったが、予期せぬ難工事のため新秦野ー新御殿場間25キロがいまだ建設中なのだ。それで先週6日(木)鉄橋建設現場の一つ松田町高松山の「中津川橋」に行ってみた。「高松トンネル」を出てすぐに「萱沼トンネル」に入るまで300mの長さの鉄橋で、谷底から60mの高さに巨大な赤いクレーンが何本も稼働して重そうな機材を持ち上げていた。ここに「NEXCO中日本」が建設工事の進捗状況を開示してくれる「PR館」があることを知ったのは偶然だった。NHKテレビの「ウルトラ重機」とかいう番組で、「山北」の河内川にかける鉄橋の建設現場が放送されて、先月「夕日の滝」見物の後その現場に立ち寄って車から見上げて驚いていたのだ。
 事前にネットで予約しないと参加できないのだけれど、この朝電話してみたら幸運にもキャンセルがあって11時の回に5人の1人になることができた。中年女性の野中さんの解説が丁寧で質問にもわかりやすく答えてくれて1時間たっぷりと聞き入ってしまった。後半はVR(Virtual Reality)のゴーグルを顔に装着して、鉄橋を上空から左右からドローンが飛ぶ鳥のように観察し内部にまで進入して行くのだから少々めまいを起こしてしまう、人生はじめての体験に興奮した。次回は「山北」の現場にもPR館があるというので是非行ってみよう。。。この日は中津川の上流、松田町「寄(やどろぎ)地区」で開催されている「ロウバイ祭」に行く計画でその途中であった。3日の立春をすぎて「祭」は観光客で大賑わい。集落の急斜面に地元の中学生が植えた最初のロウバイが20年で3000本にも増えていい香り・・・

 「大阪万博」Osaka Expo 2025がテレビでもあまり話題にならないが、4日のJapan Timesの記事を「英字新聞の会」に転送した。Excitement for the Osaka Expo is low. Can organizers build hype?(大阪万博人気上がらず。回復できるのか?)という見出しで、あと2か月後の4月13日大阪「夢洲」で開幕予定の万博会場の準備状況をリポートしている。Whether it was the display of a rock from the moon, the unusual Tower of the Sun or early showcases for cell phones and maglev trains, the 1970 Osaka Expo was met with much fanfare and enthusiasm as nearly 65 million people passed through the gates over a six-month span.(月の石であれ、太陽の塔、携帯電話、リニアであれ、1970年の前回「大阪万博」はファンファーレと熱気にあふれ、会期6か月で約6千5百万人の入場者だった。) 冒頭のwhether 〜or〜は「譲歩構文」で「〜であろうと〜であろうと」。
 しかし、人気は今一つでチケットの前売りが遅れていて心配するむきもあるようだが会場のシンボルとなるGrand Ringを写真で見た。高さ20m周囲2キロの巨大な木製のリング状の構造物が完成している。「夢洲」の会場まで鉄道も延長され稼働しているし各国のパビリオンも最後の仕上げにかかっている。 Similar to the lead-up to the opening of the Osaka Expo this year, the Milan Expo in 2015 was met with protests over costs and concerns about the potential for poor attendance. In the end, over 20 million people visited as criticism turned to curiosity, with ticket sales peaking in the final weeks of its six-month run.(今年の大阪万博までの準備と同様に、2015年の「ミラノ万博」も建設コスト反対と入場者の見込み薄の心配があった。しかし最後には批判が好奇心に変わって2千万人を越える来場者があった。会期最後の数週間で売り上げがピークに達したのだ。) 尾上
2025/02/09 (Sun) 0:10


山梨のグルメツアー
山梨のグルメツアー
2025年2月2日(日)
「フジアザミラインでそり滑り」
 須走の「富士浅間神社」では今日「節分祭」が予定され、厄年になる年男・年女の「豆まき・福餅まき」が前日の1日にあると聞いたので行ってみた。しかし駐車場はガラガラ、境内にも人気が少ない。15:30より、のチラシを見てがっかり。待ってはいられないので本殿にお参りだけして社務所で「あまざけ」を頂いた。境内を歩いてみると「富士講」にまつわる石碑があちこちにたくさん残されている。東京の麻布にあった江戸時代からの大きな「富士塚」が取り壊されて、そこに建っていたたくさんの石碑がこの神社境内に移されている。当時の江戸の富士講登山者は山梨側の「吉田口」から登って、帰りは「砂走り」で早めに「須走口」に下山するのが習わしで、目を凝らして読んでみると33回・66回などと祈願成就の記念碑を自前で作って誇りにしたらしいものがたくさんあった。
 また、須走登山道は野鳥の宝庫、36種類の野鳥が観察され神社の案内板に写真で紹介されている。それで鳥の鳴き声が聞きたくなって、「フジアザミライン」を少し走ってみると「第1回探鳥会会場跡」の石碑が立っていた。昭和9年に日本最初の探鳥会が開催され、昨年が90周年記念で先週26日にも記念大会がこの神社で開催されたそうだ。しかしここでは鳥の声も姿も見えないのでさらに登っていくとゲートで冬期閉鎖なので、駐車して雪の残る車道を歩いて登って行った。(下りは滑ってこられるようにプラスチックのソリを手に)。1時間ほどで「馬返し」に来た。標高は1370mで、五合目登山口2000mまであと3.3キロとある。ここは2年ほど前に観光バスが下りでブレーキが効かずに横転し、死者を出す大事故が起きた現場だったな・・・

 先週「英字新聞を読む会」に送った記事はOf sake and spirits: Indulging in Yamanashi’s best(酒と精霊、山梨の最高に浸って)で、キンバリー記者が「山梨のお酒(と小淵沢のミソギ神社参拝)ツアー」に参加した体験を語っている。最初に立ち寄ったのは甲州市勝沼のGrace Wineという有名なワイナリーでブドウは今も手摘みだそうだ。勝沼は日本最初のブドウ栽培地で, with a history dating back some 150 years and local production accounting for around a third of the domestic total(山梨県はブドウの歴史が150年ほどさかのぼり、県内生産は国内全体の約三分の一を占めている)。However, never before had I ventured into the deep mountainscapes of the prefecture’s far west,(甲府市に来たことあるけれど、この県の最西端の山間の奥深い地域には今まで来たことがなかった)。普通はI had never before venturedで、「否定語」never beforeを強調するとこのように「倒置」の語順になるよ。 
 so it was with considerable anticipation in late November that I joined a gastronomy-themed tour centered on one primal force: Yamanashi’s pristine source waters and the rich cuisine and liquors they help produce.(だから去年の11月、このグルメをテーマにしたツアーに参加したのはかなりの期待を抱いてのことだった。それは山梨の清らかな源泉とそれが生みだす豊かな料理や酒、という大きな魅力に焦点をあてた旅だった。) ここのIt was〜that・・は「強調構文」(・・なのは〜だ)でしたね。強調したい語句を文頭に出すから英語学では「分裂文」Cleft Sentenceと言います。次の訪問地は北杜市の「サントリー白州醸造所」で、Replete with colors and sounds, the high-tech installation features explanations for each segment in the five-step process of mashing, fermenting, distilling, maturing and blending. (色彩と音響にあふれ、ハイテクを駆使した装置で醸造工程各部門の説明をしてくれた。それは「攪拌、発酵、蒸留、熟成、配合」の5段階だ。) 尾上
2025/02/02 (Sun) 0:11


寄せ鍋、おにぎりはユニーク!
寄せ鍋、おにぎりはユニーク!
2025年1月26日(日)
「地蔵堂・夕日の滝」
 「金時山」の隣の「矢倉岳」の登山口の一つ「夕日の滝」に行ってみた。キャンプ場から奥に進むと豪快な水音が聞こえてくる。滝つぼの上23mの高さのオーバーハングした岩の合間から透明の幅広い水が帯状にまっすぐに流れ落ちる様は豪快で美しい。この時期に夕日が半円形の滝口にかかって美しいからついた名前らしい。最寄りのバス停「地蔵堂」は南足柄市の矢倉沢地区にあって、足柄峠の「万葉公園」から小山町に下る県道と、矢倉沢トンネルの「金時見晴らしパーキング」を抜けて仙石原に下る昔の林道との分岐点だ。一週間前に「足柄峠」に駐車して最短距離で「矢倉岳」に登った時、出会ったハイカーから「地蔵堂」の「万葉うどん」がおいしかった、と聞いていたのでそれを味わいたいのも目的の一つだった。
 地蔵堂の「地蔵尊」に参拝してからその隣にある田舎風の茶店に入った。看板には「足柄古道・万葉うどん」とありカレーうどんを注文したら美味しいこと。セルフの竹串のおでんにも手が伸びてウマイ!登山者だけでなく一般の観光客も次々と入店してきた。「夕日の滝」は「金時山」の登山口でもあって、足柄峠コースの途中にある「猪鼻砦」に直接取りつくことができるそうだ。いつかそのコースでも登ってみたい。。。帰り道に山北の豆腐屋「絹華」に立ち寄って「湯葉」と油あげを購入。30年も前、東京の大学院に通っていた時帰り道に東名の松田ICで下りてここに立ちよったなあ。ここの店主は研究熱心で古来の「黄檗豆腐」を復活させている。京都の「黄檗宗万福寺」で作っていた秘伝の豆腐で、大豆の濃厚な味わいが楽しめるそうだ・・・

 「英字新聞を読む会」に送った19日の「ジャパンタイムズ」はFor kids, Japanese food ‘is a doorway to exploration’(子供たちには、日本料理が探検の入り口)。LAに住む日系人ナオコ・タケイは「寄せ鍋」の料理本を全米に広めた作家で昨年11月に’A very Asian Guide to Japanese Food’を出版した。そこにはレシピが2つ紹介されている。One recipe is for Japan’s favorite comfort food — onigiri (rice balls) — and the other is for yose-nabe, a style of hot pot where strict adherence to culinary rules pales in comparison to the addition of your favorite ingredients. (一つは大好きな癒しの食べ物ーオニギリ。もう一つは「寄せ鍋」で、自分の好きな具材を加えられて料理法にあまり縛られないですむ料理だ)。
 アメリカの家庭に韓国料理やマレーシア料理の紹介する企画で始まった「アジアの料理案内」シリーズの第6回目がこの「日本料理」で、静岡出身でオレゴン州のイラストレーターYoko Baumとの合作だ。 The resulting book is a wonderful introduction for youngsters and everyone around the world looking to deepen their knowledge of a cuisine they may not know much about, to Japanese kids themselves in need of some emphasis on what is so special about homegrown cuisine that they may otherwise take for granted.(世界中の人々に未知の料理を紹介し、日本の子供たちには当然と思っている自国の食べ物に特別の意味を教えることができる素晴らしい入門書だ。)著者は最後にBut it is really the food that opens up that door to expand your curiosity.”(その扉を開けて好奇心を刺激するのはそういう食べ物だ)と結んでいる。 尾上
2025/01/26 (Sun) 0:49


どら焼きの起源は?
どら焼きの起源は?
2025年1月19日(日)
「ディズニーを連弾で」
 先週の「ひろがり学習教室」の「ピアノ弾こう会」は皆さんとても楽しかったようだ。御殿場市民会館の視聴覚室にはピアノが1台と電子ピアノが3台並んでいて、一人一台使って4人で一つの曲を合奏できたんだよ。昨年10月にこの会を始めたときにはこんな想定はしてなかった。昔習ったけどもう何十年も弾いたことがない人たちに、「猫ふんじゃった」などの易しい曲を弾いて遊ぼうかと呼びかけてたちあげたグループで、NHKテレビの「街角ピアノ」を見てあこがれていた。しかしピアノは左右2本の手で弾くものでそれがなかなか難しい。特に左手は動きにくいし楽譜の高音と低音の2段を同時に弾くには10本の指に覚えさせないといけない。そうだ!右手だけで楽しめる方法があるぞ。連弾用の曲なら4段で書いてあるから、4人の右手で分担して合奏すればいいんだ!
 年末のクリスマス会で「ジングルベル」などをそのスタイルでやってみたらうまくいって「合奏」の楽しさを味わうことができた。それで今回はYAMAHAの「ピアノ連弾曲集」の「ディズニー名曲集」から選んで4人で合奏したら楽しいこと!第1ピアノの高音はNORIさん、低音はMIEさん、第2ピアノの高音はMIEKOさん、低音はHIROさんが休みなので私が担当。先月みなさんの希望をとったらまずやりたいのはIt’s a small worldで決まり。「東京ディズニーランド」で船に乗ってそのアトラクションを見た事あるかな?子供たちが「世界は一つ、小さな世界」と歌っている。ディズニーが「平和と絆」を祈って考案したものだ。。。郵送が面倒なのでスマホで楽譜の写真を撮ってそれをLINEで送っておいた。皆さんはその写真をコンビニのネットプリントでプリントして自宅で練習してきてくれたよ。便利な時代になったな・・・

 17日の「英字新聞の会」に送った「ジャパンタイムズ」の記事は‘Dorayaki’ creators say flavors trump the dessert’s murky origins (どら焼きはおぼろな起源よりも風味が大事)で、美味しそうなどら焼きの写真に眼が惹きつけられた。この記事を書いた英国人はUsed to the much sweeter treats of the United Kingdom, I was so confused by the mild sweetness of the anko (red bean paste) sandwiched between two pancakes that it was years before I came to appreciate the classic — or so I thought — treat.(母国のもっと甘いお菓子に慣れていたので、二枚の皮に包まれたアンコ(小豆の練りもの)の程よい甘さがわからなくて、その古風な(と思われる)お菓子が好きになるまで数年かかった)。文頭は「分詞構文」でAs I was used to〜と同じ意味です。さらにso〜that・・の構文「とても〜なので」にも注意しよう。
 記者は東京日本橋の人気甘味処「うさぎや」を訪問しインタビユーすると、江戸時代から伝わる老舗「梅花亭」を紹介される。御殿場にも支店のある和菓子の「とらや」など、「東都のれん会」に加盟するのは東京で100年以上暖簾を守っている老舗で、今でも2300軒もあるそうだ。米国で成功した金融業を捨てて帰国し、7代目の老母を手伝っている「梅花亭」の女主人の話では Baikatei’s original location was by the Sumida River, where Tokugawa Ieyasu, the unifier of Japan in the 16th century, and his fleet would sail, using a gong called a dora to row in time. This gong may have been the inspiration for the dorayaki’s shape and name, with a single layer of thin batter. (梅花亭の発祥地は隅田川河畔で、徳川家康の艦船がドラを鳴らして往来していた。このドラが薄皮と共に「どらやき」の形と名前のヒントになったのかもしれませんね。) 尾上
2025/01/19 (Sun) 0:12


手帳がブーム?
手帳がブーム?
2025年1月12日(日)
「六本木で新年会」
 高校の同窓会幹事が恒例の「新年会」をやろう、というので東名高速を走って行った。この日は一番の親友だった藤本君の顔で貸し切りの「住友会館」だ。日本板硝子で大出世して社長・会長を歴任した「住友グループ」のCEOなので、ここは特定の地位の人だけの会合場所だそうだ。(いなか教師の入れる所ではないな)。六本木ヒルズの有名な「森ビル」に囲まれた「泉ガーデンタワー」に到着し、ガラス張りエレベーターで最上階の42Fまで上がると急に展望がひらけた!眼前に真っ赤な東京タワー、東京湾とレインボーブリッジ、西に目を転ずれば大山・丹沢山系の向こうに白銀の富士山もくっきりと見えるよ。さてそろそろ集まりだしてぴったり正午に昼食会が始まった。
 西宮市の「甲陽学院」を昭和37年に卒業した180人のうち、東京近郊在住者が17人参加し私も含めて5人は夫人同伴だった。こういう同窓会も珍しいだろうが「甲陽イズム」とでもいおうか、家族的な長いお付き合いが信条なんだ。私と小谷、水上君は高校から編入した30人の内だが他はみな中学からの6年一貫だ。坊主頭の男ばかりで高校3年間は同じクラス、同じ担任だったから実に仲が良いし兄弟のようなものだ。宴たけなわとなり各人のスピーチが始まった。「阪神タイガース」の私設応援団長をやっていた藤本君の自慢話、ヒートショックで急死した女優の話など。私は「英字新聞の会」と「ピアノ弾こう会」をたちあげて、生涯学習の講師を楽しんでいます、と報告した・・・

 1月10日(金)の「ジャパンタイムズ」から、American stationery nerds are fueling a Japanese notebook boom (アメリカ人の文具オタクが生んだ日本の手帳ブーム)を選んでLINEでメンバーに転送した。40年前、バブルの時代には「黒革の手帳」がサラリーマンの理想だったらしい。“It was said that a man who had a system techo could do his job well, and that a man who could do his job well had a system techo,”(システム手帳を持つ人は仕事のできる人、仕事のできる人はシステム手帳を持っていると言われた)が、1998年、糸井重里がたちあげたサイト「ほぼ日新聞」Almost daily Itoi Shimbunに推薦文を投稿してから「ほぼにち」製品が画期的な売り上げになったらしい。
 No longer the sedate sign of a productive businessman, the techo has become a fashion item beloved by hobbyists. (手帳はもはや意欲的なビジネスマンの隠れた象徴ではなく、趣味人たちにお気に入りの流行アイテムになったのだ。) And rather than a work tool used for meetings and reminders, it’s now just as commonly used as a record of memories and a means of self expression. (そして、会合や覚書用のツールというよりは、記憶の整理や自己表現の手段として今では普通に使われています)。こういう手帳ブームはソーシャルメディアやクチコミ(word of mouth)によるもので、日本だけでなくアメリカやその他の国にもみられる。The U.S. community is now spreading the good word of the Bible-size notebooks, touting their attention to detail, high-quality paper and general cuteness. (アメリカ社会も今は聖書サイズの手帳の評判を広め、上質紙やかわいらしさなど細かな点に注目している)。 尾上
2025/01/12 (Sun) 0:10


All roads lead to Rome.「すべての道はローマに通ず」
All roads lead to Rome.「すべての道はローマに通ず」
2025年1月5日(日)
「新年明けましておめでとうございます」
 昨年は元日の「能登半島大地震」ではじまり、4年続いた「コロナ渦」がやっと終息して日本も世界も平常の生活に戻った一年でしたね。この間に「望露会トレック」という大学ロシア語科同窓4人の山登りグループも15年続いたのに、2020年2月の「富士山・太郎坊」以来企画できずにいます。箱根の麓に住む私一人が元気に飛び回っているけれど、東京・千葉・横浜の友人たちはまったく出不精になってしまった。それで私が東京に出て行って山登りの代わりに、「都内トレック」の名で街歩き・旧街道歩きに誘っている。母校のキャンパスがあった巣鴨から日本橋まで「中山道」を歩いたし、皇居の内堀を一周もした。
 昨年は5月に皇居の「半蔵門」から「四谷」までの「甲州街道」を仲間と歩いたので、「忘年会」を兼ねた12月はその続きで「四谷見附」の石垣や外堀跡を見学し、最初の宿場「内藤新宿」までを3人でのんびり歩いた。「甲州街道」は新宿からさらに府中・八王子・大月・甲府などを抜け諏訪湖で「中山道」に合流するまでの200キロの街道で国道20号の交通量の多い大通りだけど、歩いてみるとそこかしこに昔の街道の面影が残っていて実に楽しい。内藤新宿は実は私の生家があった町だったけど、1945年3月の「東京大空襲」で消失してしまった。トレックの途中立ち寄った「新宿区立歴史博物館」でその被害地図を発見、「千駄ヶ谷駅」近くにあった我が家を探した・・・

 今年最初に「英字新聞の会」に送ったテキストは、1月3日の「ジャパンタイムズ」の記事から、Start the new year with a fresh approach to teaching Japanese (新年のスタート、日本語指導の新たな取り組み)で、デジタル化の時代になって多くのAI(人工知能)を活用した教育ツールが生れているけれど、、、と語る。In this course, students write essays and prepare interview scripts for the Japanese job market. They follow a structured process: First, write original text; then input specific prompts into ChatGPT; submit ChatGPT's revised version of the text; reflect on the corrections; and then produce a final version. (この授業で、生徒はエッセイを書いて日本の職場に出す面接原稿を用意します。ある決まった手順に従って、最初に原稿を書いて、「チャットGPT」に特別の要望を入力、改訂版に直してもらい、それを修正箇所に反映させ、最終原稿を作ります。)
 However, I make sure to emphasize to my classes that while AI is efficient, overreliance can lead to monotony and a loss of individuality:(しかし、生徒たちには必ずこう強調しています。AIは有効だけれど頼り過ぎると単調さや没個性につながります、と。) lead to〜は諺にAll roads lead to Rome.というのがある。「すべての道はローマに通ず」、つまりどの道を行ってもローマ(ローマ帝国の中心、日本なら東京)に通じているから失敗を恐れるな、という励ましの言葉だね。日本語教師の筆者は最後にこう締めくくっています。Above all, it is important to motivate and inspire learners).(なによりも、生徒の意欲を高めてやる気を起こさせるのが大事だと思います。) 尾上
2025/01/05 (Sun) 0:12


「シルクうなぎ」
「シルクうなぎ」
2024年12月29日(日)
「富士山に初登頂した外国人」
 岩波文庫の「大君の都」を読んだ。幕末の英国領事館のオールコック卿が日本滞在中に書き留めた上下2巻本の記録The Capial of the Tycoonを歴史学者山口光朔が和訳した上中下の三冊本だ。大君Tycoonは最後の将軍徳川慶喜のことで都とは江戸のこと。その第20章に「富士山への巡礼旅」が、スケッチも上手かった著者のイラスト入りで詳しく描かれている。「気象研究、標高の調査」などの理由で幕府の登山許可をようやくもらった英国人たちは1860年、警備の幕府役人とともに江戸を馬で出発し箱根を越え三島の宿に到着。さらに東海道を西へ、原から吉原へと進む。右折して富士宮(大宮)に向い、そこから正式な富士登山口になる「村山浅間神社」に着き宿泊する。当時の登山道「村山古道」を馬返しまで行き、そのあとは自力で登り、初冠雪の直前に外国人初の富士登山が成功する記録だ。
 この文庫本をヤフオクで見つけ1000円で購入した。原書は古書店で8万円もするし、都立大や立命館大などの図書館にはあるらしいが東京の国会図書館にもない。ネットで調べたら米国カリフォルニアの大学図書館が写真版をネットで公開していて驚いた。それをダウンロードしてみたらなんと、自動的に文書に変換してくれるとはすごい時代なんだね。英文のこの原書で「富士登山」のくだりを自分で和訳してみようと思い立ったのには訳がある。。。今年7月10日、その「村山浅間神社」で恒例の「開山祭」があったので初めて参加した。(7月14日のブログ参照)。最初に「オールコック卿」の新しい胸像の前で顕彰式があった。その横には大きな石碑が立って、卿の自著の一節が刻まれさらに山口氏の訳文も添えられていた。英語の先生(私)はしっかり読んだ、ありゃ、「森山」ってどこ?Mooriyamaは「村山」の間違いでしょ!・・・ 

 昨日の「英字新聞を読もう」講座には4人が出席した。先月から読み始めている記事「八ヶ岳のイタリアン料理店」 Into the Yatsugatake mountainsの3回目だ。Since the Edo Period (1603-1868), eels have been harvested in Okaya, which was also known as the center of Japan’s raw silk industry during the Meiji Era (1868-1912). (江戸時代以来岡谷ではウナギが獲れて、明治時代には日本の絹産業の中心としても知られていた)。戦前は長野や山梨だけでなく私の生れた長泉村の母の実家でも、屋根裏部屋に蚕室があり、桑の葉を一晩中食べる音が聞こえたそうだ。当時は養蚕が日本の大事な産業だったんだね。カイコが育ってマユ(コクーンcocoon)の絹糸を剝がされた後に残るのは蛾になる前のサナギ。このサナギが岡谷では最近ウナギの餌として利用されたらしい。
 But it wasn’t until 2020 that Kankoso, an enterprising unagi restaurant, came up with a novel way to combine the two by feeding young eels dried silkworm pupae, thereby establishing the Silk Unagi brand.(岡谷市で繁盛する鰻料理店「観光荘」が、ウナギの稚魚に乾燥サナギ(英語読み:ピュペイ)を与えてこの二つの素材を合体させた新たな方法を始めたのはつい2020年のこと。それで「シルクうなぎ」ブランドが生れたのだ。) It wasn’t until 2020 that・・・は「2020年以前ではない」を強調する構文で、「2020年になってからやっと」の意味。その「観光荘」のHPを見てみると、昨年の宇宙飛行にこの「シルクうなぎ」のレトルトパックが同行し、古川飛行士が宇宙船で食べて有名になったとか。 尾上
2024/12/29 (Sun) 0:10


Glass half full「もう半分になった」「期待できるぞ」
Glass half full「もう半分になった」「期待できるぞ」
2024年12月22日(日)
「新宿で忘年会」
 昨日は東名バスで東京へ。新宿の「焼肉トラジ」は冬の忘年会にぴったりの会場だった。高島屋タイムズスクエアの14Fはレストラン街で、週末はどこの店も店外に長い行列だったから、ここを早めに予約しておいてよかった。窓外の展望がすばらしく丹沢の山並みが夕陽に赤く染まっていたし、真下はイルミネーションが美しいJRの新宿駅で、南口改札が改装されて町の中心が甲州街道側に移ってきた感がある。60年前、外語大でロシア語を学んだ5人の同窓が集まって旧交を温めた。5月の浅草・スカイツリーの夕食会以来の再会だ。一緒に卒業した1クラス40人のうち元気な生き残りはこの男3人、女2人になったなあ!少しずつ病気を抱えながらも、出かけてきて友人との会話を楽しむ前向きな生き方がすばらしい。
 この日はいつものように「都内トレック」も計画してあった。足腰丈夫な男3人でJR四ツ谷駅から甲州街道(R20)を4キロ歩いたのだ。江戸城の外堀跡にかかる「四ツ谷見附橋」は昔は甲州方面からの外敵を押さえる関所「四谷見附」だった。その歴史探訪から3人のトレッキングが始まった。女子の名門高・雙葉学園の7階建ての校舎や上智大学の前の外堀の土手が緑の濃い公園になって、真下にJR常磐線の往来が見渡せる。明治時代に外堀の水を干拓してそこに鉄道が敷かれ、「甲武鉄道」という名の線路に蒸気機関車が走っていた、という写真付きの案内板に見入ってしまった・・・

 15日のThe Japan Timesは、Glass half full: Japan’s sake industry celebrates a brighter 2024(希望にあふれる日本酒業界、明るい一年)が面白い。見出しのGlass half fullは「グラスが半分注がれた」は消極的に「まだ半分」なのか積極的に「もう半分」なのか両方に解釈できる表現だけど、この文脈では「さらに希望が持てる」という良い意味に解釈するといいね。As the number of overseas visitors to Japan continues to skyrocket, the country’s cuisine is in the spotlight, and sake-focused experiences are very much in demand.(海外からのインバウンドの数字がうなぎ上りを続けるにつれ、日本の食生活が注目され、日本酒などの体験に需要が高まっている。)
 While sake knowledge among most overseas drinkers might be surface-deep, breweries around Japan are seizing on domestic and international interest, leveraging it to encourage regional tourism. (海外では日本酒の知識がまだ希薄かもしれないが、日本の醸造業は国内外での興味関心に注目し、それをテコにして地方の旅行熱を高めようとしている。)岩手の「南部美人酒造」では試飲室や酒蔵ツアー、杜氏の体験やボトルのラベルに自分の写真を貼るサービスなどを始めた。銘酒「風の森」で知られる奈良県御所市の老舗「油長酒造」では、米農家が酒蔵で醸造してもらった日本酒を直接顧客に販売するという画期的な流通経路を実験し始めたという。日本酒の製造は室町時代、この奈良の寺院で始まったそうだ。つまり奈良は日本酒発祥の地なんだね。 尾上
2024/12/22 (Sun) 8:05


「マニュアル敬語」と「二重敬語」
「マニュアル敬語」と「二重敬語」
2024年12月15日(日)
「ピアノ弾こう会」
 「ピアノ弾こう会3回目」の当日朝、市民会館から電話で「とつぜんですが全館が停電で今日は使えません」という。さあどうしよう、会場の視聴覚室は窓がないから真っ暗だろうし、懐中電灯があれば2台のピアノは使えても、予定の電子ピアノもテレビも使えない。日程変更も難しいので3人の参加者にはとりあえず市民会館に集まってもらった。修理にはまだ時間がかかりそうだ。電気が来ないから暖房もトイレもだめらしい。幸い陽ざしがそそぐ明るい会議室に移動できて、私が持参したロールアップピアノを長机に広げた。これは紙の鍵盤じゃなくプラスチック製の電子機器で、くるくると巻き上げ式の鍵盤を開くと88鍵が本物のように現れる。スマホの充電器につなげば音が出るから屋外でも演奏できるし演奏者がステージの前に指の運動をするのにもいい。この講座を始めるにあたってこんな便利なおもちゃを買っておいて正解!
 「英字新聞を読もう」に加えて、生涯学習の講座の一つに立ち上げた「ピアノ弾こう会」は、最近テレビで見ると海外の駅や空港、日本でも商店街で見かける「街角ピアノ」Street Pianoをこの地方都市でもやれたらなあ、音楽文化をこの北駿地域にも広めたいなあ、との思いからだ。子供の頃習っていたけどピアノが埃をかぶっている人、まったく初めてピアノに触る人でもいい。下手な私がこれしか弾けない「猫ふんじゃった」という会の別称も添えて募集したらすぐに高齢の女性が4人も参加してくれた。「3か月でマスターするピアノ」という放送中のNHK番組も大いに刺激になって今日は3回目だ。クリスマスが近いので「クリスマスソング」の連弾用の楽譜を仕入れ、2人で弾く曲を4人の右手だけで一緒に合奏できるように考えた。「せーの!」で頭をそろえて「ジングルベル」「赤鼻のトナカイ」・・・

 韓国では戒厳令をだした大統領が逮捕されそう、という国際政治の記事がジャパンタイムズ(JT)を読んでみても一面に出ている。しかしLIFE欄やEnvironment欄をめくれば、外国人読者が日本人や日本文化を見る目についての記事に興味をひかれる。6日のJTから選んだトピックは日本語の「敬語」。Japan's honorific language can be challenging for native speakers, too (日本の敬語は日本人にも難しいらしい) While in English you tend to add words when you want to be polite — would you mind, possibly, please, thank you — Japanese has a whole other language for hierarchy, 敬語 (keigo)。(英語では丁寧に言いたいときは付け加える語句があるのだが、日本語には上下関係を表すのに、敬語という完全に別の言い方がある)
 「文化庁」発行の指針ビデオによると、「マニュアル敬語」と「二重敬語」という大きな問題が紹介されている。まず「マニュアル敬語」(manual honorifics)がレストランやコンビニで働くアルバイトの若者に間違って使われているそうだ。「ご注文の品はおそろいになりましたでしょうか」は、品物に「お、〜になる」とつけるのがおかしいと。「二重敬語」(double honorifics)は例えば「お読みになられる」で、「お〜」と「なられる」を並べるのがおかしい、と述べている。しかし、An English idiom posits that there’s an “exception to every rule”. (英語のイディオムでは「すべてのルールに例外あり」と仮定している)ように、動詞の「お召し上がりになる」は最高敬語で、when speaking to the emperor and empress of Japan(天皇皇后両陛下に奏上する時)は例外になる。 尾上
2024/12/15 (Sun) 0:10


every other〜「ひとつおきに」
every other〜「ひとつおきに」
2024年12月8日(日)
「新雪の茶臼岳に登る」
 やっと秋らしい空になったら紅葉はもう里に下りてしまい、少々遅いけれど前から計画していた「那須高原」へ山登りに出かけた。夜明け前に御殿場を出発して9時には山麓駅1390mに着いた。「那須岳」の三山のうち「茶臼岳」1915mはシーズン最終日のロープウエーで1684mまで5分で登れた。その山頂駅を出てみるとビックリ!昨夜の悪天候で真っ白な銀世界だ。アイゼンを忘れてきたのでいつもの長靴で登山開始。滑りやすい岩ばかりの道を慎重に歩いて、標準50分のコースを2倍近くかけてやっと山頂へ。昨夜かなりの強風が吹いたようで枯れ木には樹氷、ロープには真っ白な「海老のしっぽ」がびっしりと。山頂の岩場に鎮座する奥宮の社に手をあわせた。
 陽ざしも暖かく風も弱くてまさに登山日和だ。岩だらけの山頂からは遠くまで展望がよく、北側に福島県の「安達太良山」、南側に「日光白根山」と「男体山」、西側には「会津駒ケ岳」の白い山頂が見えた。目の前に連なる「朝日岳」と「三本槍岳」をめぐるコースにも行きたいけれど、雪の中では歩きづらいので早めの下山になった。ロープウエーの山麓駅に着くと、今夜の「板室温泉」の宿に行くにはまだ余裕があるので「那須高原」に下って、たくさんある美術館の一つ「ステンドグラス美術館」に寄ってみた。石造の教会や礼拝堂の窓に美しいステンドグラスがはめ込まれ、NYのティファニー工房出身の作家による豪華なランプが随所に配置されていた。礼拝堂でパイプオルガンの演奏が始まり、クリスマスの曲が演奏されおごそかな気分に満たされて・・・

 先週「英字新聞の会」に転送したのは25日のジャパンタイムズから、How a solo yoga teacher built a wellness community in the Japanese Alps (アルプスの麓に健康志向の会を作った1人のヨガ教師)で、オーストラリア・メルボルン出身の女性が5年前に長野県の「野沢温泉」に住みついて、地域の人々にヨガを教えている記事。The 35-year-old has lived in Japan for five years and has built not just a business but a community in a rural place.(35才のその女性は日本に来て5年、ビジネスに加えてこの田舎町にコミュニティも作った。) “I saw an opportunity here to provide a service that wasn’t really being offered, and I felt I’d have been stupid not to chase it,” she says.(ここではまだ提供されてないサービスをやるチャンスがあった。それを追求しないとしたら愚かだったでしょうね。) would have beenは「仮定法」の動詞。not to以下は「愚か」の理由でI’m happy to see you.の不定詞と同じ用法だ。
 Back in Australia, the health and wellness market is over-saturated. Yoga studios and avocado toasts advertised on every other street corner of Melbourne’s business district.(故郷のオーストラリアでは健康志向の市場が飽和状態で、メルボルンのビジネス街には街路一つおきの角々に「ヨガ道場」の広告がありアボカド・トーストの宣伝があった)。every other〜は「1つおきに」でevery four yearsは「4年ごとに」つまり「3年おきに」、オリンピックや米国大統領選挙のことだ。I thought of myself as just a yogi, not a business-orientated, Excel-spreadsheet mastermind.(私は自分のことをただのヨガ教師だと思っていた。ビジネス志向のエクセル表計算の天才だとは思いません。) think of A as Bまたはconsider A as Bは 「AをBだと考える」。regard A as Bやsee A as B 「A をBとみなす」も同じだね。 尾上
2024/12/08 (Sun) 0:10


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