高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

total : 121266
today : 21
yesterday : 25

小中の教員の勤務時間は長すぎ
小中の教員の勤務時間は長すぎ
2025年10月12日(日)
「富士山とオールコック卿」
 明日は第2月曜日で「スポーツの日」ですね。でも季節はずれの台風が立てつづけに接近ししばらく荒れた天気が続きそう。55年前に第1回「東京オリンピック」が開催された10月10日が国民の祝日「体育の日」に採用されたのが機縁で、この日は統計上いちばん晴れる日だという理由だった。。。それで9日、小笠原に台風22号が来るけどこちらは青空も見えるので富士山五合目へ行ってみようと出発した。北海道では紅葉のニュースも聞こえるので、一合目のゲートが冬期閉鎖する前のラストチャンスとして「スカイライン」を車で登って行った。この高さで紅葉する木は少ないけれど道の両側に広がるカラマツ林が緑から黄色に変わっていく景色が美しい。花の季節は終わりかけで出会ったのは樹上のダイモンジソウ、咲き残りのムラサキモメンヅル(壁紙参照)、黄色のフジオウギ、紫色のトリカブトなどわずかな花々だった。
 富士山五合目2400mの富士宮ルート登山口には大岩に外人のレリーフが埋め込まれ、横に「サー・ラザフォード・オールコック富士登山記念碑」の案内柱が立っていた。江戸時代末期に英国領事館の一行が富士登山をした最初の外国人になった。その領事がオールコック卿で、帰国後に出版したThe Capital of the Tycoon (訳書「大君の都」、岩波書店)にその登山記録が詳しく記されている。とても興味深いので、その原書をアメリカの図書館のデータベースで発見して読んでみた。領事館のあった横浜から東海道を西進し箱根を超え、三島・沼津・原・吉原と旅をするが多分ずっと馬で来たのだろう。吉原からは「東海道」を右折し「大渕街道」をあがって「村山神社」から登山を始めている。ここからは最近発見された「村山古道」のルートで「宝永火口」に向かって行ったのだろう。旧暦9月で初雪が降る直前の登山だったが無事成功し、富士山の標高や火口の大きさなどの測定もなしとげて下山したそうだ・・・

 9日のJTの記事では、日本の教育に触れて次のような見出しが目についた。Teachers in Japan still work the longest hours, OECD survey finds (日本の先生が今も一番勤務時間が長い。OECDの調査結果)However, the hours dedicated to teaching were lower in Japan than in other countries, meaning the long work hours were spent on class preparation, administrative duties and extracurricular activities.
(しかし、日本では勤務時間の教室に占める割合が外国より低かった。それは長い勤務時間が授業の準備や担任の仕事、課外活動などに費やされているという意味だった)。カンマの後のmeaningは「分詞構文」でand it meantと言い換えられるね。
 For junior high schools in Japan, 35.6% of principals cited a shortage of teachers, up from 27.5% in the previous survey, and compared to the world average of 23.1%.(日本の中学校では、校長の35.6%が「教員の不足」をあげた。前回6年前の27.5%より高く、世界の平均23.1%と比較してみても高い)。 On information and communication technology, only around 12% of both elementary and junior high school principals said education in the field was lacking — far below the global average.(情報伝達のテクノロジーについて、そういう分野での教育が不足していると述べた校長は、小中共に約12%しかいなかった)。授業でAI(人工知能)を使っていると述べた校長は17.4%で、世界平均の36%よりかなり低い。それで日本はビリから2番だったのだ。 尾上
2025/10/12 (Sun) 0:05


九州の「ばあちゃん喫茶」
九州の「ばあちゃん喫茶」
2025年10月5日(日)
「映画・望郷の鐘」
 先週はこのブログに「馬籠宿」の藤村記念館と「木曽駒ケ岳」の極楽平登山のお話を書きましたが、もう一か所大事な訪問地があったので追加しますね。中央高速の「恵那山トンネル」の岐阜県側の出口に「神坂PA」がありそのETCゲートが新設されて「馬籠宿」からとても近くて便利だった。帰りもトンネルを抜けて長野県側に戻ると「園原IC」があったのでそこで降りて有名な観光地「昼神温泉」に立ち寄った。ここは「阿智村」で、豊橋から辰野まで天竜川に沿ってJR飯田線が通っているがその「飯田駅」から近い、「そのはらスキー場」や「日本一の星空」が人気の村だった。日本百名山の一つ「恵那山」の登山口にあたり、登山の後この温泉に宿泊しようと計画したことがある。「阿智川」の両岸に開けた山間の温泉地だったがこの「阿智村」にはもう一つ、ぜひ訪問しなければいけない施設があった。それが「満蒙開拓平和記念館」だった。
 12年前に開館したこの記念館に入ってみると、「新天地満州ー敗戦逃避行ー引揚げー残留孤児」など8つのコーナーでたくさんの資料や写真が展示されていた。80数年前の太平洋戦争末期に「満州国」に渡った農業開拓団の悲劇を後世に伝え、平和な世界を守ろうという趣旨で建設されたものだ。特に全国27万人の移住者の中でも長野県が3.7万人以上と一番多くの農家が国の甘い誘致に応じ、県内でも南信州の飯田とここ下伊那地区が8千人もいてとびぬけて多かったし帰還できなかった人が半数の4千人もいた。この実話は「望郷の鐘」の題で出版されて2014年に映画化され、その本とビデオを友人から借りて見たのがきっかけ。その著者・山本慈昭さんは「阿智村」のお寺の住職で教師として満州に一家で渡ったが、妻と次女を失い帰国後に国の「中国残留孤児」の帰国支援事業に貢献した人だった。世界のあちこちで戦争がやまない今も、語り継ぐことが一番の方法だろう。広島の「平和記念資料館」や長崎の「原爆資料館」のように・・

 今週特筆すべき新聞記事は‘Grandma’s Cafe’ offers purpose and income for elderly (「ばあちゃん喫茶」は老人たちの生きがいと収入源に)で「英字新聞の会」のLINEに転送した。 A company in Ukiha, Fukuoka Prefecture, is pioneering what it calls a “grandma business” by operating unique eateries where elderly women, some with dementia, welcome guests with homestyle cooking. (福岡県うきは市のある会社は、ユニークな食堂を展開していわゆる「ばあちゃんビジネス」を始めている。そこでは高齢の女性たちが、なかには認知症の人もいてお客を家庭料理でもてなしている)。週一回だけだが、介護施設から80才から93才までの5人のおばあちゃんがバンに乗って10時頃介護士3人と一緒にお店に到着し調理する。メニューは7月トンカツ定食のみ、8月は唐揚げ定食のみで950円くらいで15食を提供する。
 介護施設の引率者は“We encourage them to do as much as they can by themselves, Small accomplishments build their confidence.” (私たちは彼女たちが自分でできるだけのことをやるように応援してます。ちょっとした成功が自信につながるのです)と語る。施設の所長は“I think of older people with dementia as just grannies who are a little forgetful,” 「私は認知症の人たちをちょっと忘れっぽいだけのおばあちゃんだと思っています」と言う。He is convinced that enabling older people to work in their own way not only enriches their lives but also benefits the public finances of welfare and healthcare services. (おばあちゃんたちに自由に働いてもらうことで人生が豊かになるだけでなく福祉サービスにも金銭面の利点があると所長は信じている)。 尾上
2025/10/05 (Sun) 0:13


お彼岸におはぎ
お彼岸におはぎ
2025年9月28日(日)
「藤村記念館」
 25、26日1泊旅行で「木曽駒が岳」2956mに登ろうと計画した。2008年7月下旬以来で3回目。その時は家内とその友人と一緒で、登山口の「しらび平駅」から「千畳敷駅」2640mまではロープウエーで標高差1000mをスイスイ。山頂駅から登り3時間で駒ヶ岳山頂の「頂上小屋」に到着し1泊した。翌日は無謀にもあの急峻な岩山「宝剣岳」に登り、縦走コースで反対側に下って「極楽平」の花畑を満喫し、ロープウエーで下山した思い出は今も鮮明だ。それで、今回は「千畳敷駅」からは逆のコースで、「極楽平」の稜線に上がり「宝剣岳」の下降地点を懐かしみ、目の前にそびえる「三ノ沢岳」2847mに少し近づいてみた。花盛りの季節はとうに過ぎたが、「ヤハズハハコ」「シラタマノキ」「アオノツガザクラ」が咲いていたし、花後のタネが「稚児車」のようだと名付けられた「チングルマ」は一面に白い穂を風になびかせていた。
 その前日は天気予報が悪いので登山を翌日に変更して、中央高速でいちばん長い「恵那山トンネル」を抜けた先の岐阜県の旧中山道「馬籠宿」まで車を飛ばし、「藤村記念館」を訪問してきた。島崎藤村が生れて9才まで育ったお屋敷の跡に記念館が建ち、「まだあげ初めし前髪の林檎のもとに見えしとき・・」で有名な詩の石碑やその「若菜集」の初版本が陳列してある書庫を見学した。藤村の書棚が残っていてトルストイの「戦争と平和」のフランス語訳やポールヴェルレーヌの詩集を見つけて彼の読書量の多さに驚嘆した。小説「夜明け前」には「木曽路はすべて山の中である・・」から始まるように、「馬籠宿」は山間のかなり急な石畳の坂道の両側に家屋が並び、いずれも土産物の売店や外人用のゲストハウスを経営していた。記念館はその中ほどで側溝には澄んだ山水が迸り外人観光客の姿が目立っていた・・・

 昨夕の「英字新聞を読もう」教室は、テキストを書斎に置き忘れもう一度取りに帰って、7時ぎりぎりに着いたら生徒のゆり子さんから手作り「おはぎ」のプレゼント。甘いあんこがたっぷり、帰宅しておいしくいただきました。それは19日の「ジャパンタイムズ」から選んでラインで転送した記事に「おはぎとぼたもちは同じもの」が載っていたのを彼女が読んだからでした。今年のお彼岸は20日〜26日の一週間で23日が「お中日」でしたね。私も小山町の「富士霊園」に行ってコスモスを献花してきました。Celebrating autumn with timeless sticky rice balls (昔ながらのもち米の餅で秋を祝う)という見出しで、あんこ・ごま・きなこの3色のお餅のおいしそうな写真入りだった。記事の後半には「おはぎ」の美味しい作り方のレシピがくわしく書かれていた。
 In Japan, where many culinary practices are linked to the seasons, it’s not surprising that a special sweet is enjoyed during higan. (日本では食文化が四季と多くつながるから、お彼岸に特別のお菓子をいただくのは驚くことではない)春のお彼岸the vernal equinoxに食べるのは「ぼたもち」で、同じあんころ餅なのに秋のお彼岸にはそれを「おはぎ」と呼んでいる。それは、春咲く花「牡丹」と秋咲く花「萩」からついた風流な命名のようだ。おはぎは食べる前によく神棚や仏壇にお供えする。This practice of osonae (ritualistic offering) enables households to show respect to their ancestors while “sharing” the holiday with them. (こういうお供えの習慣で、家族はご先祖様とその期間を一緒に過ごして敬意を示すことができるのです」。 尾上
2025/09/28 (Sun) 1:14


アニメ映画「鬼滅の刃」
アニメ映画「鬼滅の刃」
2025年9月21日(日)
「筑波宇宙センター」
 13日は常磐自動車道を走り、まず日本百名山の「筑波山」に寄り道した。3度目だから今回山頂はあきらめ登山口の「筑波山神社」をガイドの説明付きでゆっくり参拝した。境内で有名な「ガマの油売り」の実演が見られなくて残念!早々と引き上げて第一目的の「筑波大学」に向かった。この日は英文法の学会「MLF」(形態論・語彙論フォーラム)があり、久しぶりに向学心にかられてはるばる出かけてきたのだ。大学院生や若い英語学者の研究発表かと思っていたのに、意外に教授級の学者が演壇に立っていた。「言語学」では米国N・チョムスキーMIT教授の唱える科学的理論が世界の主流となって、「統語論」だけでなく「形態論」にも応用されていて英語学者が日本語の文法研究に取り組む熱気が、私が大学時代に出会った頃から60年後の今も続いていることを知って嬉しかった。
 そのフォーラムの後半はカットして以前から気になっていたJAXAに向かった。「筑波宇宙センター」の展示館「スペースドーム」は無料で予約も不要、大勢の家族連れで熱気にあふれていた。かつて活躍した本物の人工衛星やロケットエンジンだけでなく、今も「国際宇宙ステーション」にドッキングして活躍中の日本実験棟「きぼう」もその巨大な実物模型が展示されていた。JAXAはJapan Aerospace Exploration Agency(日本宇宙航空研究開発機構)の略で2003年からこの筑波学園都市で研究が始まったそうだ。23センチの小さな「ペンシルロケット」から長さ5mのHVロケットまでの模型がずらっと並んでいた。家族連れの子供の後から、私もヘルメットから首だけ出して宇宙服の姿で記念写真を撮ってもらったよ。野外広場には長さ50mの実物ロケットも展示、関西万博以上の迫力に圧倒された・・・

 15日のジャパンタイムズは、いま北米の映画館で日本のアニメ映画が大ヒット中と報じていた。Sony’s ‘Demon Slayer’ sets $70 million anime debut record(ソニー映画「鬼滅の刃」アニメで初、7000万ドルの記録樹立)。コミック雑誌やテレビで放映されていてYouTubeで少し予告編を見てみたが悪魔の戦闘シーンばかりで何も興味が沸かないな。ソニーグループの配給会社はThe film, about a boy who joins an organization that hunts demons after his little sister is turned into one, brought in $70 million from the U.S. and Canada, (この映画は、自分の妹が悪魔に姿を変えられて悪魔狩りをする組織に入った少年の物語で、アメリカとカナダで7千万ドルを稼いだ)、と語った。
 That topped the previous $31 million record set by "Pokemon: The First Movie — Mewtwo Strikes Back" in 1999. (それで1999年の「ポケモン」映画第一作「ミュウツーの逆襲」で立てた3100万ドルの前回記録を抜いた) サンフランシスコのアニメ専門コンサル会社の創始者が語るには、"Demon Slayer is anime at its best, from concept to execution,” 「鬼滅の刃は着想から制作まで最高のアニメだ」。 "While anime itself is no longer counterculture in the U.S. like it was a generation ago, it is still providing a breath of fresh air to fans here.”「アニメ自体はもはや100年前のような米国の対抗文化ではなくて、我が国のファンに今でも新鮮な息吹きを吹き込んでいる」。 尾上
2025/09/21 (Sun) 0:08


世界睡眠デー
世界睡眠デー
2025年9月14日(日)
「日本茶の喫茶店 茶石」
箱根の登山電車「強羅」駅から急な坂をすこし登って狭い路地を入ったところにティールーム「茶石」はあった。ガラス張りの店内は道路からも透けて見えて、L字型のカウンター席に向かって高いスツールが10人分並んでいた。その対面に女主人が客を迎えて、メニューで注文すると目の前で抹茶を泡立ててから黒茶碗を家内の前にそっと置いた。それに小さなお干菓子を添えて。私は「和紅茶」を注文した。ベージュ色の陶器に注いだ紅茶はフルーティでなんともいい香り、毎朝家でコーヒーと交互に飲んでいるリプトンや日東紅茶にはない深い香り、お気に入りのトワイニングのアールグレイよりももっと香り豊かで一度で気に入った。私の隣では外人の男女が緑茶を味わっている。英語で話しかけると、ライン川の都市ケルンから来た若いドイツ人ペアで、昨日は宮城野の「明星岳」に登って明日からは京都と広島に行くという。
 御殿場に引っ越してきてから家内が打ち込んできた「裏千家」の茶道教室は毎週一回のお点前が楽しみだったのに、14年前「脳卒中」をやってから家内は右手が不自由で他のお弟子さんのお点前を見学するだけだった。それでもお仲間とおしゃべりできるのが楽しくて御殿場駅近くの先生のお宅まで私が車で送迎してきた。しかしお茶席に座ることも難しくなって先月退会することになった。どこか代わりに抹茶を楽しめるところはないかネットで探したら、インバウンドにあふれる東京には日本のお茶を体験できる喫茶店がたくさんあることが分かった。そして外人に人気の観光地箱根にも一軒3年前にできたのだ。それが強羅の喫茶店「茶石」で9日にさっそく出かけて行った。母親の美容院を改装して建てたという女主人は地元の趣味人で、息子さんと一緒に瀟洒なお店を経営していた・・・

 2日のジャパンタイムズは「世界睡眠デー」にふれて、日本でも明日9月3日が「睡眠の日」だという。Mark Japan’s Sleep Day by making some lifestyle changes (日本の睡眠の日に注目、ライフスタイルに変化を)という見出しで、「寝ながらスマホ」の女性の写真入りだ。これではイカン!十分な睡眠を!Have you been getting good sleep lately?(最近十分睡眠がとれてますか?)と問いかけているよ。「世界睡眠デー」は毎年「春分の日」( the spring equinox)あたりで、来年は3月13日と「世界睡眠医学協会」が定めた。変動するので日本は3月18日に固定しもう1回秋にも制定した。それが9月3日なのはなぜか?面白いことに「よい睡眠」good sleepが「グッスリ」と聞こえるから、というのだ。語呂合わせ(ことばあそび)wordplayだね。
 休日の夜更かしや寝だめで体内時計が乱れ、社会的な時間と合わない状態を「ソーシャルジェットラグ」(social jet lag)という、「社会的時差ぼけ」だ。それは、It may cause drowsiness during weekday working hours.(平日の仕事中に眠気を引き起こすだろう)。日本の予防医学協会ではヒントとして「平日に数十分でも早寝か早起きをすること」などを提案している。野球の大谷翔平は以前こう言った。“I sleep at least 10 hours every day”.(毎日少なくとも10時間は寝ています)。 Additionally, it has been reported that he carefully selected his bedding and wears a weighted eye mask for better sleep.(さらに、寝具選びには慎重だったし、よい睡眠には加重アイマスクを彼がつけていることが報じられている)。ことわざにthe old sayings go: a sleeping child will grow. (寝る子は育つ)というよね。 尾上
2025/09/14 (Sun) 0:20


インド(バーラト)の月探査機
インド(バーラト)の月探査機
2025年9月7日(日)
「オペラ映画 魔笛」
 東京・東銀座の「東劇」で9月1日の月曜日、朝10時からオペラ映画「魔笛」が始まった。早朝御殿場を出発し渋谷から地下鉄で銀座駅まで3時間。ビル街の異常な暑さの中陽ざしを避けて「歌舞伎座」の前を通りその先の映画館にたどり着いた。開場とともに入った200人ほどの観客は私のようにきっと遠方から来た人も多く、中には飛行機で上京したオペラ好きもいただろうな。「METライブビューイング・アンコール2025」と銘打った「オペラ映画」シリーズが関東は「東劇」だけで9月末まで上映されている。その20の作品のひとつ「魔笛」はモーツアルトが最晩年に作曲した代表作で、森に迷い込んだ王子「タミーノ」が聖人「ザラストロ」の国に行き魔法の笛の力で多くの試練を克服しめでたく隣国の王女「パミーナ」と結ばれる、というおとぎ話で子供も大人も楽しめる舞台だ。
 これはパミーナの母親「夜の女王」や脇役の鳥さし「パパゲーノ」の美しいアリアや合唱曲がふんだんに登場する有名なオペラだ。原曲はドイツ語だけど50年前私が英国ロンドン旅行中には英語版でのステージを見たなあ。我が息子たちも小学生の頃島田市に来た日本語版の舞台を観せに連れて行ったオペラだから実に懐かしい。そして今回の「魔笛」はニューヨークの「METメトロポリタン歌劇場」で2017年に上演された舞台で、その録画したものを一般向けに安価で映画館で見られるようにしたものの再上映だ。米国の東海岸の都市の映画館なら、時差がないからMETで上演中の舞台をライブ映像でみられるそうだ。オペラはドイツ語かイタリア語が多いからいつも英語の字幕subtitleをつけて理解を助けている。日本では日本語の字幕作成に時間がかかるので2〜3か月遅れで上映している。オペラファンの少ない静岡県にはないから私は東京の「新宿ピカデリー」とか湘南の辻堂まで見に行くよ・・・

 今週のジャパンタイムズからはNATIONAL PAVILIONS SHINE BRIGHTLY IN OSAKA (大阪では各国のパビリオンが輝きを増して)を選んで「英字新聞の会」の会員にLINEで送った。As Osaka hosts the world exposition for the second time since 1970, many participating nations are proudly showing off the very best of the technologies, products, art and ideas they have developed in the more than five decades since Expo ’70. (1970年以来大阪万博は2度目になるので、参加国の多くがこの50余年に開発してきた科学技術・製品・芸術・アイデアの最高のものを自信をもって紹介している。)この記事では会場の東西2つのパビリオンを紹介している。ファッションの国らしい展示のフランスと、2023年月探査ミッション「チャンドラヤーン3号」に打ち上げに成功したインドだ。(米・ロ・中に続いて4番目に成功。日本は5番目。)記事の冒頭にその探査モジュールの写真入りだ。(参考までにThe Japan TimesのURLはhttps://www.japantimes.co.jp/
 インド館の建築は4月13日開幕に間に合わず来場者の注目を浴びていたがやっと1か月遅れでオープンした。The whole building is designed to look like a lotus flower with petal arches surrounding it. (全体が蓮の花のようなデザインで、アーチ型の花びらに囲まれている)。A big sign in front proudly displays the word ”Bharat.” (正面の大きな看板は「バーラト」という語を誇らしげに表示している)。This is not only the building’s name, but perhaps a nod to a potential future name change for the country. (これは建築物の名前だけでなくて、インドが将来国名をバーラトに変えることに賛成の意思表示なのかもしれない)。英語式の国名インドを古来のサンスクリット(梵語)による国名のバーラトに変えようという運動が国内で盛んらしい。館内には「月面着陸機と探査車」の模型や「アジャンター石窟群」と夜間はLEDビジョン演出が人気、レストランでは南インド料理が楽しめる、とか。私も6月訪問時に見たかったな。 尾上
2025/09/07 (Sun) 0:03


富士山噴火のAI画像
富士山噴火のAI画像
2025年8月31日(日)
「吉田の火祭り」
 まだまだ異常な暑さが続きそうだけど、夏の終わりを告げる日本三奇祭の「吉田の火祭り」を見てきたよ。篭坂峠を越え山中湖を過ぎれば富士吉田までは高速で30分と意外と近い。これは「鎮火祭」とも言って、霊峰富士を崇め噴火を恐れる人々の祈りが数百年も続く伝統行事になったそうだ。世界文化遺産の一つになった「北口本宮浅間神社」の神様「木花咲耶姫」と、隣の「上吉田諏訪神社」の神様が毎年8月26日に大きな御神輿と真っ赤な富士山模型に乗ってお出ましになる祭だ。夕方、17世紀創建の由緒ある浅間神社の杉林を歩いて本殿に手を合わせた。有名な笹子の「笹一酒造」が拝殿脇でお神酒をふるまっている。他の参拝者と共に玉砂利を踏んで御神輿をかつぐ賑やかな勢子たちの後を追いかけた。古い石灯籠が両側に並ぶ参道には3mの高さの篝火の塔が立ち並び点火を待っている。
 SNSで知ったらしい外人たちもおおぜい押しかけで歩行者天国の車道は見物客にあふれていた。街並みの向こうに見えた夕暮れの富士にカメラを向ける人々。シンボルの「金鳥居」に向かって御神輿が、御師の家がいくつも両側に残る商店街の坂を下っていくと、そのあとから道路の中央に篝火の塔がいくつも立てられ点火され始めた。ゴールは坂の中ほどにある「御旅所」の提灯がさがる広場だった。コミセンの大きな建物に拝殿が設けられ御神輿の到着を祝い、おおぜいの神官が白い行衣を着た富士講などの登山関係者たちにお祓いを授けている。するとその隣に設けた舞台では緑の装束の神官による「御神楽の舞い」が始まった。笛や太鼓の楽の音が添えられて古い伝統が偲ばれうっとりと。暗闇の中人垣をかき分けて駐車場に戻る道すがら明るく照らされた露店が立ち並び、行列を待って買って食べた「広島焼」がうまかった・・・

 26日のジャパンタイムズは東京都が作成した「富士山噴火」の防災ビデオがYouTubeにポストされた事を報じた。(吉田の火祭り「鎮火祭」と同じ日とは偶然かな?)新宿の高層ビル街の向こうにキノコ雲を噴き出す富士山が大写しだ。Tokyo releases AI-generated video of Mount Fuji eruptingという見出しで、最近の人工知能AI(Artificial Intelligence)がチャットボットchatbotの対話能力だけでなく、実にリアルな画像を生成できることに驚く。このビデオを見た東京人はかなりの恐怖心に襲われるだろうな。This was the first time for AI to be used to encourage further understanding of a potential Mount Fuji eruption and to call for better preparation among Tokyoites.(予想される富士山噴火をより深く理解して、東京都民にさらなる準備をしてもらえるようAIが今回初めて活用された)。for AI はto be usedと主語・動詞の関係。Tokyoiteは東京都民、Israeliteはイスラエル国民。地名の語尾に-iteをつけて「〜人」を表す珍しい例だ。
 If the volcano erupts, it is projected that ash will begin falling in Tokyo around one to two hours after the initial eruption, with between 2 and 10 centimeters projected to accumulate.(富士山がもし噴火すれば、最初の噴火から1〜2時間後には火山灰が東京に降り始め、2〜10センチ積もると予想される。) with以下は「付帯状況」の構文でand〜are projectedのこと。When the volcano last erupted in 1707, the explosion and subsequent ashfall lasted for two weeks.(前回1707年の噴火では(宝永噴火)、噴火とそれに続く降灰が2週間続いた)。“Volcanic ash is made up of fine, jagged particles,” the video states. “Its unique qualities pose many hazards to health and society.”(「火山灰は細かなざらざらした砂=スコリアでできていて、その特質のため人々の健康や社会に多くの被害をもたらす」、とビデオが語っている)。 尾上
2025/08/31 (Sun) 0:07


映画「国宝」大ヒット
映画「国宝」大ヒット
2025年8月24日(日)
「トラキチラン」
 木曜日は早起きして長野県の「八ヶ岳」まで車を飛ばした。山麓の森の中に咲きだしたという情報で、幻の花「トラキチラン」を探しに(会いに)行ったのだ。白い花弁に紅色が美しいこの花の奇妙な名前は、明治時代に栃木県で発見した神山虎吉にちなんで植物学者「牧野富太郎」が命名したものだ。静岡県にはゼロ、山梨県でも富士山麓の一カ所にしかないというほどの絶滅危惧種なんだ。ラン科の特徴は大きなカトレヤやコチョウ蘭のように一見6枚の花びらだけど、実は3枚のガクの中に3枚の花弁がある。そのうちの一枚は「唇弁」といって大きく華やかな色合いのものが多いのは昆虫を寄せつけるためだ。このトラキチランもピンク色の斑入りの筒状の唇弁が特徴だ。緑の葉がないし高さ10センチほどの小さな花で落ち葉や枯れ枝にまぎれて見つけにくいが、それだけに発見した時の感激はひとしおだよ。
 「八ヶ岳」2899mは山頂に花々が咲く大好きな山だ。定年退職して山歩きを始めた20年前からなんども登ってきた。最高峰の「赤岳」の山小屋に泊まってウルップソウの咲く「横岳」、コマクサの大群落の「硫黄岳」など8つの山すべて踏破したよ。初めてトラキチランに出会ったのは2年前、別荘地から「阿弥陀岳」へのコースをたどり「御小屋山」2137mに登った時のこと。ピンク色のイブキジャコウソウや高貴なリンネソウに出会えて感激したな。舟山十字路からは周回ルートで谷に降りて登山道を下ってくると逆からきた山梨の花友グループに偶然出会って案内してもらえたのがトラキチラン。山水の細い流れに沿って1本、また1本と見つけては美しい姿をスマホで撮りまくる。真っ白なシャクジョウソウもトリカブトに似たレイジンソウも咲いてるよ、ここはなんという花の桃源郷だ・・・

 19日のジャパンタイムズは'Kokuho' rakes in over 10 billion yen at the box office という見出しで、今大ヒット中の日本映画「国宝」が興行収入100億円を超えて、22年ぶりにベスト3に入ったことを報じていた。rakes inはレーキ(掃除の熊手)で「かき集める」の意味だ。About the turbulent life of a kabuki actor, the movie stars Ryo Yoshizawa as the protagonist who dedicates himself to traditional Japanese performing arts. Ryusei Yokohama plays the role of his rival. (1人の歌舞伎役者の波乱に満ちた人生について、この映画は日本の伝統芸能に身をささげた主人公に「吉沢亮」を起用している。「横浜流星」がそのライバルを演じている。)6月6日の公開というので検索したら、その日の本紙に'Kokuho' illuminates the high price of becoming a national treasure (映画「国宝」は人間国宝になることの大きな代償を描いている)と紹介されていた。
 Japan's ningen kokuho (living national treasures) are a select group of artisans and performers who are recognized for mastery of their craft. (日本の人間国宝とは、その技能の完成度を評価された工芸家や芸能人の一団)。毎年116人が選ばれて200万円の助成金がもらえるらしい。Shuichi Yoshida's 2018 novel "Kokuho" traces the life of one such individual, an orphan from a yakuza clan adopted into a family of kabuki stars, whose tumultuous journey through the world of classical Japanese theater leads to the top — but at a price. (吉田修一の小説「国宝」(2018年)はそのようなひとりの人物の人生を追跡する。ヤクザ一家の孤児が歌舞伎役者の家庭に養われて、日本の伝統芸能の世界での波乱の人生を経て(しかし多くの対価を払って)最高点に到達するというストーリーだ。今年5月「カンヌ映画祭」で「国宝」は公式上映され、3人の出演者と李相日監督が招かれて絶賛の拍手と歓声に浴したそうだ。 尾上
2025/08/24 (Sun) 0:15


小倉と門司
小倉と門司
2025年8月17日(日)
「立秋の尾瀬へ」
 8月11日は「山の日」。しかし天気予報は10日からしばらく雨、まるで梅雨の戻りのようだ。それで3連休初日の9日(土)久しぶりに「尾瀬」に行ってみようかと、渋滞を覚悟で東名から関越自動車道を群馬県の「沼田IC」まで走っていった。早朝なのにお盆の帰省が始まったらしく埼玉県を抜けるまでやはりノロノロ運転の連続だったが、奥日光に通じる「沼田街道」に入ってからは快調な走りで御殿場から300キロを6時間かけて「尾瀬」の入り口に着いた。しかし、あれ?ここではないぞ。マイカー規制が7年前から始まっていてシャトルバスに乗り換えて30分でやっと懐かしの「鳩待峠」1600mだ。見慣れた三角屋根の「休憩所」は閉鎖されてその隣に新たな山小屋「LUCY尾瀬鳩待」が建っているではないか。ホテルチェーン「星野リゾート」による「鳩待プラザ」という新たな休憩所も隣接して、軽食や飲み物が買えた。
 今回は日帰りだから「至仏山」に登るマネだけして大露天風呂のある「宝川温泉」に急ごうか。この尾瀬には15年前2010年の8月初旬、大学同期のいつもの3人を誘い「沼田駅」で待ち合わせ、私の車で家内も一緒に「鳩待峠」に行って、そこからは歩いて「尾瀬ヶ原」1400mに下り「山の鼻小屋」に一泊したのだった。男3人で夕暮れの散歩に出かけたら木道の先の茂みの中にゴソゴソ動く気配、「クマだよっ!」、目の前で小熊がミズバショウの実を食べていた。すると飛騨の山奥で育ったTA君、何を考えたのか演歌を口ずさんだ。するとその熊は一目散に逃げていったよ、「よかったあ!演歌がクマよけの効果あるのかね?」。翌朝は5人、元気な家内を先頭に花の百名山「至仏山」2228mの山頂に向かって「蛇紋岩」で有名な斜面を登っていった。紫色のヒメシャジンや純白のミネウスユキソウ、ピンクのタカネナデシコなど花々を愛でながら・・・

 そういうわけで8月9日は11時頃駐車場から「鳩待峠」に向かうシャトルバスに乗ったら、車内のラジオで「長崎平和祈念式典」が中継され鈴木市長の力強い平和宣言が聞こえてきた。帰宅後この日のジャパンタイムズをチェックしたらA walk through Kokura, the city spared nuclear destruction (原爆投下を免れた町「小倉」を散策)という記事と明治時代のレトロな西洋建築の写真に眼が行った。これ6月の関西九州旅行で訪れた門司港にあったなあ。それは「旧大阪商船」支店ビルだった。滞在していた「下関」から船に乗って10分で対岸に渡ると目の前に「門司港駅」のレトロな建物を見つけた。ここはアジアの各地に向けて輸出入の重要な窓口だったし日本帝国の「植民地化」政策に大きな役割を果たしたのだ。
 Now part of the city of Kitakyushu, the former castle town of Kokura, its collection of retro architecture and many of its inhabitants were once targeted for atomic catastrophe that eventually befell the population of Nagasaki to the south. (今は北九州市の区の一つだけど、昔の城下町「小倉」はレトロな建築群と住民の多くと共に一度は原子爆弾の大惨事になる標的になったのだ。結局それは南方の長崎市民に降りかかったのだが)。Like most Japanese cities, Kokura suffered its fair share of conventional aerial bombing during World War II, but the near-miss of the second atomic bomb led to a popular saying in the postwar period about a disaster unknowingly averted. (たいていの日本の都市と同様、小倉も戦争で従来の空爆被害を受けていたが、2回目の原爆がミアミスだったおかげで、「知らぬ間に大災害を免れた」という戦後にはやった言葉(小倉の運がある)が生れた。 尾上
2025/08/17 (Sun) 0:10


映画:木の上の軍隊
映画:木の上の軍隊
2025年8月10日(日)
「No more Hiroshima !」
 8月6日はあの日と同じ厳しい真夏の太陽の下、広島市平和記念公園で「原爆投下80年、平和記念式典」が挙行されその様子をテレビ中継で見ていた。広島市長の核廃絶への真摯なアピールの次に、こども代表の2人が世界に向けて原爆被害のむごさと平和の尊さを力強く訴えていた。1万人の市内小学校の生徒の中から選ばれた20人を代表した男女2人で、男子は英会話が得意な佐々木君、小6ながら英検準一級をもち平和記念公園で外人訪問客向けのボランティアガイドを実践している姿をYouTubeで見た。戦争を知らない世代に私もなにか言葉が残せるだろうかと考えた。
 昭和20年のこの日8時15分、広島市で10万人以上の老若男女が被爆したこの時間に私は何をしていただろう。その5か月前、3月10日の「東京大空襲」で新宿千駄ヶ谷の我が家は焼夷弾で焼かれていたから、疎開していた長泉村本宿の母の実家で2才の私と生れて4か月の弟はこの日の朝もご飯を食べていただろうか?その1か月前、7月17日の「沼津大空襲」では市内の軍需工場がB29の爆撃を受け市街地の90%が壊滅したという。私の家族がいた「黄瀬川」の東側には及ばなかったが、「空襲警報」のサイレンがなるたびに「ボーキー、ボーキー」と叫んで防空頭巾を母にかぶせてもらい裏庭の「防空壕」に1人でよちよち潜っていったし、弟は女学生の叔母に抱っこされて一緒に逃げていった、と聞いたな・・・

 今週のジャパンタイムズは「文化」欄で戦争映画をとりあげた。'Army on the Tree': World War II film leans into absurdist theater (映画「木の上の軍隊」、太平洋戦争が不条理劇に)の見出しで、二人の兵士がガジュマルの木の上に隠れている写真に注目した。実はこの日立ち寄った御殿場図書館に掲示されていた大きなポスターもこの映画だった。7月25日から全国公開されて三島の映画館「サントムーン」でもまだ上映中だ。広島に原爆が投下されて80年のこの日にLINEのトークで友人たちにこのポスターの写真を送った。高校時代のある友人からの返事は、「その映画の話は以前こまつ座の舞台で見たよ。大尉役の山西淳の熱演を今もおぼえてる。原作を読んでから映画も見てみたい」と。
 現地の若い兵士a local soldierと上官にあたる大尉a lieutenantとの二人芝居で、暗くなると木から降りて食糧を漁りウジ虫を食べるmaggot eating場面もある。戦争の終結を知らずに沖縄「伊江島」のガジュマルの木の上に2年間も隠れていた兵士の実話がベースになっている。井上ひさしは2013年の舞台初演の3年前に病死しているので彼の原案に基づいて上演された。he remained adamant throughout his life that ordinary Japanese people shared responsibility for what had happened. (井上は死ぬまで、起きてしまったこと(戦争)に普通の日本人が責任があると頑固に主張した)。新宿の「紀伊国屋書店」のホールで上演される「こまつ座」の舞台をまだ見たことはないけれど、井上ひさしの代表作「父と暮らせば」を始めほとんどの名作が書籍化され、図書館にあるものはすべて借りて読んでしまった。一貫して「戦争責任」がテーマで興味深い。 尾上
2025/08/10 (Sun) 0:10


total : 121266
today : 21
yesterday : 25