高校英語UG会 三島・裾野・御殿場


”disconcerted” はconcert の「ダジャレ」(pun)?
”disconcerted” はconcert の「ダジャレ」(pun)?
2023年2月5日(日)
裾野市民文化センター
「芦ノ湖で節分豆まき」
 3日は「節分」。今年も箱根神社では「節分会追儺式」が開催されるというので見に行った。午前中に式が終わって参加者がぞろぞろと「芦ノ湖船着き場」へ移動しているところだった。「神社から逃げ出した赤鬼青鬼がまだ芦ノ湖で暴れている。皆さんで退治に行きましょう!」という趣旨で、数百人が観光船に乗り豆の入った大きな升を持って舟のデッキで待ち構える。そこにボートに乗った赤鬼と青鬼が近づいて人を脅かすから観光船から福男や福女が「鬼は外!福は内!」と大声で叫んで豆を投げつける‼️水上スキーで迫ってくる鬼がさらに4匹も。
 湖岸のベンチに腰かけて持参した双眼鏡で見てみると、対岸の赤鳥居の舞台に並んで神官など追儺式の主催者たちも豆まきをしている。その前に登場する鬼たちはみなスキーが上手くて、失敗して転倒し湖水にドボン!が残念ながら今年はなかった。彼らは大学生のアルバイトらしくサークル活動で日ごろ鍛えているのだろう。鬼退治が終わると最後に白装束の神官もスキーに乗って颯爽と登場、湖面をお祓いしお清め。この神官もアルバイトらしく、いつだかドボンしてびしょ濡れになった年があったなぁ・・・
  
 3年生のICさんは前回、「同志社大」の長文「動物の感情」を読んだ。In animals studied so far, including humans, emotions seem to arise from ancient parts of the brain, regions that have been saved across many species throughout evolution. 「これまでに研究された動物では、人間も含めて、いくつかの感情が大脳の旧皮質から生まれているように思われる。そこは進化の過程で多くの種類の動物に共通して残された領域なのだ」。カンマは直前のancient partsを説明するための「すなわち」。
今日は「命令文+and」を勉強した。和訳でAll you have to do is put the parts together, add some paint or varnish, and you will have made a fine piece of furniture. 「部品を組立てペンキやニスを塗るだけでいい。そうすれば立派な家具が出来上がっているよ」がうまくできた。someの後が複数なら「いくつかの」単数なら量的に「いくらかの」となる。All you have to do is〜はYou have only to〜と言い換えられたね。後半の「未来完了」(〜してしまっているだろう)に注意が欲しかった。
 WAさんは前回、志望校の過去問で英作文を解答したので添削して解説してあげた。似たような出題傾向で「英検一級」の英作文は与えられた「トピック」について200語で書くのだが、この大学は語数の指定はない。50〜100語、つまり4〜5文くらいでさらりと書けばいいようだ。エッセイ風のかたい表現だと行きづまってしまうので、テーマをできるだけ自分の身近な例に引き寄せて「ひとつのこと」で語るようにすると安心だ。本番までまだ間に合うから大いに練習しましょう。添削お手伝いするよ。今日は「仮定法」をやった。If you attended a concert and found each of them playing their musical instruments, dressed in informal clothes of their choice, you’d be “disconcerted.”「もしコンサートに行って、楽器演奏の人たちが自分の好きな私服を着ているのを見たら、コンサート(一致、協力)を感じないだろう」。“disconcerted.”(不安に思う)は「引用符」が付いているから、concertとの「ダジャレ」のようだ。uncomfortableの意味だね。
 ちなみに、ダジャレを英語ではpunというよ。concertに「演奏会」と「協力」の二つの意味があるから面白い。そもそも英語のconcertはイタリア語のconcertoで「コンチェルト」(協奏曲)というから同じ語源だね。 尾上
2023/02/05 (Sun) 23:43


「これは長すぎる話なので一時間で話すことはできない。」This is too long a story to tell in an hour.
「これは長すぎる話なので一時間で話すことはできない。」This is too long a story to tell in an hour.
2023年2月2日(木)
御殿場市民会館にて 
「明神ケ岳」
 箱根「明神ケ岳」に登るのは久しぶりだ。最高峰の「神山」を中心に内輪山のすべて、盆地のような「仙石原」をとり囲む外輪山のすべてを一望のもとに展望できる素晴らしい山頂だったよ。標準90分のコースを150分もかかって登ってきた道を振り返ると、広大なササ海の中にまっすぐ登山道が「矢倉沢峠」まで下っていく。そこからさらに伸びあがった頂上が「金時山」だ。その向こうに真っ白に雪化粧した富士山がそびえているよ。3つの山頂がほぼ一直線につながっている、素晴らしいなあ。「金時山」ばかりに気を取られてこんな身近な所にある最高の山を忘れていた。
 また今日もトレーニングで「金時山」に登ってこようか、と「矢倉沢峠」に駐車して歩き始めた。いつもの「明神ケ岳分岐」を通り過ぎてから、ふと気が変わった。昨年夏に300回を越えたからもう「金時山」には月に2回くらいにしてもっとほかの山に行こうかと。さて登り始めるとまず外人男性が一人、しばらく行くと外人二人連れとすれ違った。さらに若い女性もひとり下ってきた。日本人より外人の方が多いよ。私とは逆コースで反対側の「宮城野」から登ってきたらしい。ここは昔「箱根外輪山半周」のトレランが実施されたこともあって「知る人ぞ知る」の魅力あふれるコースだったのだ・・・

 2月になったので「UG会予定表2〜3月」を配布しました。3年生は期末試験も終わり卒業式まで1か月は自宅学習の期間です。すでに私立大学の入試も始まり国公立前期試験が3週間後に迫りました。体調に十分注意してここまで培った実力をいかんなく発揮できますよう祈っております。
 2年生のMUさんは前回「文の書き換え」をやった。All this resulted from your negligence.はYouを主語にするとresult(結果)⇔cause(原因)だから、You caused all this through your negligence.となる。今日はたくさんの「否定表現」の中でfar from〜とfree from〜をしっかり覚えた。Your offer is far from acceptable.(あなたの申し出は受け入れがたい)はfar from being acceptableの略で「受け入れできることからかけ離れている」となるからneverに置き換えられる。一方、His English composition is quite free from mistakes.は「彼の英作文は全く間違いがない」で、has no mistakes(〜をもっていない)の意味。tax-freeは「税金がかからない」、barrier-freeは「バリアがない」でしょ。
 IKさんは前回長文で「長生きの意味」を読んでほぼ正解が出せた。My students would roll their eyes as if to say, “What’s so great about life?”「人生で何がそんない素晴らしいの?とまるで言いたいかのように、私の生徒たちは呆れた顔をしたものだ。」 eye-rollingとは「眼球だけ回して上に向ける動作」で、反対や軽蔑の表情をさすよ。wouldは「過去の習慣」でwould oftenということが多い。as if he wanted to say〜を省略した言い方も覚えておこう。今日は「否定」の表現をたくさん覚えた。「これは長すぎる話なので一時間で話すことはできない。」はThis is too long a story to tell in an hour. A very long storyは強調のtooを使うとaの位置が名詞の前に移るよ。so(それほど)as(同じくらい)も副詞だから同じだ。
 3年生のWAさんは前回、「この店には素敵なセーターがたくさんありすぎて、どれを選んだらよいのか迷っています」は、まずThey have so many beautiful sweaters at this shopで始める。主語は「店」じゃなくて「店の人」にしないといけない。so〜thatの構文で後半はthat I’m at a loss which one to choose.と書けていたね。今日は「無生物主語の文」で、「物prevent人from 〜ing」(物のせいで人は〜できない)の仲間をいくつか覚えた。和訳しにくかったのはThe glass roof allows the sun’s rays to enter the greenhouse but prevents the heat from escaping. で、前半は「物allow人to〜」(物のおかげで〜できる)だから、「ガラスの屋根のおかげで、太陽光線が温室の中に入ることができるが、そのせいで熱が逃げることができない」、と訳せばいい。 尾上
2023/02/02 (Thu) 23:30


I am no more a poet than you are a scientist. これも「鯨の公式」
I am no more a poet than you are a scientist. これも「鯨の公式」
2023年1月29日(日)
裾野市民文化センター
「雪見茶会」
 前日の夕方から降り始めた雪が大したことなく、昨日の朝は青空が広がって窓の外はうっすらと積もった雪で銀世界だった。裏千家の茶道をずっと昔から習っている家内が、「秩父宮記念公園」の茅葺の母屋をお借りして師匠が開催する「お茶会」があり、出席したいというので、滑りそうな路面に注意しながら乗せていった。家から2キロもないので早めに到着してどうも最初の客になったようだ。
 亡き宮様ご夫妻が長年過ごされた母屋の中で、日頃は見学者も立ち入り禁止の南向きの一番いい和室でのお茶会だった。家内の杖代わりに送り届けただけなのに、「どうぞどうぞ」と正客(しょうきゃく)の席に招かれて正座をすることになってしまった。真ん中に炉が切ってあって、廊下のガラス窓越しに真っ白な富士山が一幅の絵のように天にそびえている。森に囲まれた庭園も木々も真っ白で、はからずも「雪見」のお茶会になってすごく得した気分・・・
 
 今日はWAさんが大学受験に行ったので一人だけの授業になった。3年生のICさんは「仮定法未来」を勉強した。If the earth were to collide with the moon, I would never break my word.(たとえ地球が月と衝突するようなことがあっても決して約束を破りません)は助動詞のwere toが「将来ありえないこと」を仮定する文で、前後の関係から「譲歩」の意味で「たとえ〜でも」と訳すとよい。このifはeven ifのことだね。Ifを省略するとWere the earth to〜のように倒置されることも大事だった。次の文法作文は「比較」をやった。「私が詩人でないのは君が科学者でないのと同じだ」は、ふつうに接続詞のas(〜のように)を使ってI am not a poet as you are not a scientist.でいいのだが、「〜と比べて大差ないよ」の難しい表現を思い出そう。そうだ!「鯨の公式」no more〜than〜だね。A whale is no more a fish than a horse (is a fish).(鯨が魚というのは、馬が魚というのと大差ない)を参考にすれば、I am no more a poet than you are a scientist. となるね。このことは前回のブログでも触れているから参考にしてください。 尾上
2023/01/29 (Sun) 23:11


「鯨の公式」を見直せば・・
「鯨の公式」を見直せば・・
2023年1月26日(木)
御殿場市民会館にて 
「箱根登山ケーブルカー100周年」
 コロナはもちろん、このところ風邪もひいたことないから健康維持には手軽な「山登り」が一番だと信じている。でも一人きりも寂しいから天気が悪いときには箱根の観光地「強羅」に行くことが多い。先日も宮城野の街中を流れる早川のほとりに駐車して、車道に並行する急な階段を強羅駅に向かって登って行った。この道は「早雲山」の登山道に通じているよ。今日は標高400mから750mのケーブルの終点まで登ることにした。20分ほどで強羅の駅舎に着くと、湯本から登山電車で到着した観光客で今日もにぎわっていた。スイスアルプスの登山電車と姉妹関係らしい。外人グループも増えてコロナ前に戻ってきたなあ。
 ここからたいていの観光客は「ケーブルカー」と「ロープウエー」を乗り継いで「大涌谷」をめざすのだが、私は「強羅公園」と次の「箱根美術館」を左手に見ながら「ケーブルカー」と並行する直線の急な坂を登って足腰を鍛えるのだ。「中強羅」「上強羅」の駅を過ぎると終点「早雲山」だ。新装なった駅舎の二階に上がると素晴らしい「展望テラス」に出る。ここに無料の「足湯」ができたのもうれしい。子供連れの家族や若い二人連れらと一緒に裸足になって、冷たい脚と手を温泉につけながら谷の向こうにそびえる「明神岳」を展望するのは最高の気分・・・
 
 2年生のMUさんは前回、入試の英作文がどれも難しかった。日本文の(述語)動詞を中心にSVOを組み立て、修飾語(M)は普通文尾につける。余計なものから述べる日本語とまさに逆順であることを忘れないでね。今日は「青山学院大」の「環境汚染」が難しかった。・・・than to wait until increasing damage to the atmosphere results in problems we cannot now predict. 「大気汚染がますます増えることで今は予言できないような諸問題が生まれるその日まで待っているよりは・・・」で、result in〜(〜という結果になる)はcause(〜を引き起こす)とかlead to〜(〜に通じる、〜を生む)とおなじ意味だね。
 IKさんは前回長文で「子供の教育、日米の差」を読んだ。日本の先生は理解できない生徒にできるまで頑張らせるから、その生徒はHe spends the rest of the class there, his work on display. 「その授業が終わるまで黒板の前に出て、答えを皆にみせるようにする」。the restとは「残りの部分」の意味で、the rest of the worldは「世界のほかの国々」、the rest of her lifeは「これからの人生」。今日は「比較」、高校生の一番苦手な構文をやった。特に「鯨の公式」A whale is no more a fish than a horse is.(鯨は馬と同様で魚ではない)をその代表として覚えておこう。thanは「〜より」じゃなくて「〜と比べると」の接続詞。no moreはa little more(ちょっと上)に対して「少しも上じゃない、同じことだ)と分かれば、「鯨は魚だ、といえば馬が魚だというのと差がないよ、同じだよ」と訳せる。煎じ詰めれば「昔からの定番の訳」になるけど「面白くない」訳し方だね。
 3年生のWAさんは前回、長文で「子供の成長」を読んだ。The difficulties must not be so great as to cause discouragement, or so small as not to stimulate effort.は、must notで「禁止」を表し、not so〜as to・・は「・・するほど〜ではない」の意味だから、「(子供が挑戦する)困難さは、失望させるほど大きなものでもいけないし、努力を刺激しないほど小さなものでもいけない」。A and A’のルールを覚えているかな。「and」の直後と同じ仲間を前方に見つければいいんだね。A or A’でも同じことで、orの直後のso small が前のso greatと並列だとわかればもっとうまく和訳できのに。今日は「会話」の試験問題をいくつか解いてから、「前置詞+動名詞」の構文をたくさん勉強した。be used to 〜ing(〜することに慣れている)、on 〜ing(〜するとすぐに)、in 〜ing(〜した時に)など。 尾上 
2023/01/26 (Thu) 23:26


知の世界は有限、無知の世界は無限。
知の世界は有限、無知の世界は無限。
2023年1月23日(月)
裾野市民文化センター
「月光天文台」
 高校時代の友人が、会員になっているゴルフ場の写真をLINEでアップした。富士山が遠望できる箱根の斜面で「函南スプリングス」という。クラブレストランのメニューが評判高いというので、家内の喜寿の祝いにそこでランチを食べてみようと出かけた。「熱函道路」を左折してJR函南駅に立ち寄り、「観光案内」の看板を見たら付近にはたくさんの名所が紹介されていた。三つ目のアーチ型が珍しいJRの「桑原川橋梁」、頼朝と文覚上人ゆかりの「高源寺」、丹那断層の「火雷神社」や、以前から興味深かった「月光天文台」はぜひ見学することにしてまずは「スプリングスCC」に到着。赤レンガ造りの瀟洒なホテルとゴルフクラブが山頂にあって眺めは最高、食事もうまかった!
 「月光天文台」の白いドームがこのゴルフ場の片隅から谷の向こうに見える。到着するとすぐに「プラネタリウム」の映写が始まった。星空の解説が聞けるのかと思っていたのに、「生命進化の歴史」が長々と続いて残念。終わって2階に上がった。この「ジオワールド」が今日のお目当て。ここは地学展示室でアンモナイトや恐竜の骨、国内外の鉱石、貴石などがびっしり。とくに最近興味を持っている火成岩の「カンラン岩」と「蛇紋岩」が見たいと係員に尋ねたら探し出して実に詳しく説明してくれた。最後に4階に上がって口径が50センチの巨大な「反射望遠鏡」を見た。「太陽望遠鏡」もあって、太陽光の投影像をライブで見せてくれた。「黒点」がはっきりと・・・
 
 昨日の裾野教室は会場が予約できなかったので、一日ずれて今日月曜日になった。
 3年生のICさんは「仮定法」のas ifを勉強した。He talked about the accident as if he had seen it.(その事故をまるで見てきたかのように話した)は、「過去完了形」がtalkedより「以前」のこと。The woman kept smoking as though she didn’t see the nonsmoking sign.(禁煙の注意書きが見えないかのようにその女はタバコを吸い続けた)は、「過去形」のdidn’t seeがkeptと「同時」であること。以上2通りに分類できる。今日は「千葉大」の長文で「無知の発見」を読んだ。かつて「ソクラテスの偉大さは、自分の無知を知っていたこと」という一文を読んだことがあるでしょ。ここでも「知の世界は有限、無知の世界は無限だ」と述べている。最後にNow we can claim with optimism that we know both more and less than we knew at the beginning of the last century. と結んでいる。「前世紀の始めと比べると、今は楽観的に知識がより増えたとも言えるし、より減ったともいえる。」
 WAさんは前半は入試で出そうな「会話表現」を集中的にやった。相手の発話に対して、I hope so. / I hope not.(そう思う、そうでないと思う) は「良い内容」の時に、「悪い内容」にはI‘m afraid so./I’m afraid not.というよ。一般にはI think so.やI suppose not.でいい。The thought came to me that he might be in trouble. (彼が困っているんじゃないかという思いが浮かんだ)はThe idea occurred to me. というのと同じだね。that以下が主語のthe thoughtと同格になっている。後半は「助動詞+完了形」の構文を勉強した。They ought to have been more appreciative of your help. 「彼らは君の尽力をもっと高く評価すべきだったのに」のように、「昔」のことに対して非難や残念な気持ちを表すのだったね。 尾上
2023/01/23 (Mon) 23:44


コペルニクス的転回
コペルニクス的転回
2023年1月19日(木)
御殿場市民会館にて 
「ラーゲリより愛を込めて」
 今全国で上映中のこの映画が評判だよ、と「UG会」のLINEに書いたら、「見ました。感動の涙が止まらなかった」と法政大のTU君のコメント。私はまだ見ていないし、人一倍涙もろいから原作を読むだけにしておこう。かつてテレビでも紹介されたというこの話は、「辺見じゅん」という女性作家が実話に基づいて書いた「収容所から来た遺書」で1989年の出版だ。太平洋戦争末期に、満州で兵役についていた主人公の山本が1945年の終戦とともにソ連軍の捕虜となって、シベリアの収容所(ラーゲリ)で9年も苦役に従事してとうとう帰国(ダモイ)がかなわず妻や子供たちへの遺書を残して病死したのだ。
 御殿場図書館で先月このポスターを見つけ、気になってすぐに原作を借りだした。すると主人公はロシア語が堪能で、なんと東京外語のロシア語科出身、私たちの大先輩だったとわかった!卒業後、南満州鉄道の「満鉄調査部」に勤務して多才ぶりを発揮し、「北東アジアの諸民族」という論文を書いて出版もされていた。(国会図書館のデジタルライブラリーで無料ダウンロードできる)。大学のロシア科の同窓たちにもこの話をLINEで伝えたらすぐに反響があって、「正月に映画見てきたよ、あふれる涙なしには観れなかった。観客に若者が多くておどろいた」と。ラーゲリの仲間たちは山本の書いた遺書をそのまま持ち帰ることが禁止され、皆で分担して頭に記憶して帰還し遺族のもとに届けた、という実話・・・
  
 2年生のMUさんは前回、長文「優れた翻訳」の和訳が難しかった。A good translation is perhaps one in which the translator handles the building blocks provided in a very natural way. このoneは主語と同じ「翻訳」のこと。provided(与えられた)は直前の語を修飾して、「よい翻訳とは、たぶん翻訳者が与えられた建築材をきわめて自然な形で扱っているような翻訳のことだ」。今日は「日米の教育の違い」を読んだ。In a U.S. school, a child subjected to such treatment might well burst into tears and the teacher would be considered harsh. 「アメリカの学校では、そのような扱いに従わされた生徒ならいきなり泣き出すのも当然だろうし、その先生も厳しすぎると考えられてしまうだろう」。「仮定法」のmight well〜やwould〜に注意しよう。
 IKさんは文法で「関係詞」を勉強した。The man whom I thought to be your brother proved to be an utter stranger.(君の弟だと私が思った人はまったくの他人だった。)は第2文にI thought him to be your〜を再現すればhimがwhomに置き換わったと考えればいい。一方、The man who I thought was your〜の方は、I thought (that)he was your〜が第2文だからheをwhoに変えて「先行詞」の後に移動する。つまり「関係代名詞」とは、つなげられる「代名詞」なんだ。he、his、himをwho、whose、whomに置き換え、it、its、itをwhich、whose、whichに置き換えればいい。「関係副詞」は同じく「つなげる副詞」なんだね。thereをwhereにthenをwhenに。教科書や学校の先生が単に「つなげるもの」という教え方がまずい。接続詞じゃないんだから。
 3年生のWAさんが久しぶりに出席。先週の「共通テスト」を戦い抜いていよいよ私立、国立の試験に向かって最後の踏ん張りどころだ。今日は「動名詞」の慣用用法でThere is no 〜ing(〜するのは不可能だ)を勉強した。As was true of Copernicus’s observation 500 years ago that the earth orbits the sun, there is no telling how far the effects of a new scientific theory may extend.で後半の主文は「新しい科学理論の影響がどこまで広がるかはわからない。」で、we cannot tell〜と同じ意味だね。冒頭のAsはwhichと同じようにその文を受ける「関係代名詞」(そのことは)なんだ。ふつう主文の後におくのだけれど。だから前半は「地球が太陽のまわりを回っている、というコペルニクスの500年前の観察もその通りだったように」と訳せるでしょ。 尾上 
2023/01/19 (Thu) 23:48


英語教育が求める4技能
英語教育が求める4技能
2023年1月15日(日)
裾野市民文化センター
「箱根で初詣」
 正月明けの3連休、芦ノ湖畔の「箱根園」に駐車して自転車をおろし、箱根神社に向かってサイクリング。和風建築の旅館「竜宮殿」を過ぎて右下に湖岸が見えるようになると「つつじ庭園」で人気の「山のホテル」に来る。そのすぐ先が「箱根神社」だ。駐車場に向かう自家用車の渋滞を横目に、急な石段を登って拝殿の前に出たら大変な人込み。もう9日というのにまだ初詣の参拝者が長い列をなしていたので恐れをなして遠くから手を合わせてすませた。仙石原の「長安寺」でもお参りできたからよしとしよう・・・
 
 「大学入試共通テスト」が昨日の文系科目と今日の理系科目で実施され2日間の全日程を終えた。「共通一次試験」、「センター試験」などで英語は様々な改変を加えられ、これで3回目になる「共通テスト」は困った問題点が多すぎる。いちどは民間の「英検」などの検定試験で代用させようとしたけれど、高校教育サイドや受験生からの反対が多くてとん挫したのだ。やはり「入試」となれば「公平・公正」でないといけない。
 経済界や政界から求められて、高校の英語は「実用英語」に舵を切ったようだ。「リーデイング」は発音・語彙・語法・文法・作文が削られて、すべて読解問題ばかりになった。それも200点から100点へ半減。「リスニング」は50点から100点へ倍増。その結果、英語教育が求める4技能のうち「読む」「聞く」しか試験していないよ。「書く」「話す」は無視していいの?この現状を憂える声が大きくなって、せめて「センター試験」のようなオールラウンドに授業や学習の成果を見る試験に変えてほしいものだ。

 文系なので早めに試験場を出られた3年生のICさんが「UG会」に一人出席した。今日は文法で、「要求・提案・主張の内容は動詞の原形」を勉強した。This uncivilized environment demanded that every person share in developing it and in fighting for their own survival.の動詞はdemand(要求する)だから、「こういう未開の環境で求められたことは、」の内容にshare(分担する)の「原形」が使われているね。「すべての人がその環境の開発と、自分たちの生存のための戦いに参加してほしい、ということだった」。読解では「中央大」の「脳死」が難しかった。1000語もある長文で、第1文Natural and inevitable though it may be, death confuses us nowadays.がまず理解しにくい。英文エッセイではしばしば冒頭の一文が「主題」とか「要旨」になっている。だからしばらく読み進めてから第1文に戻ってみると理解できることが多いよ。第2文には「死は決定しにくい問題を多く含む不可解な経過のように思われる」とあるから、「今日、自然でさけられないものだけれど死には困惑させられる。」と和訳できる。Though it may be natural and inevitable,のような「譲歩文」は「補語」を接続詞thoughの前に移動できるし、それがasに置き換わることもあるのだったね。 尾上
2023/01/16 (Mon) 0:16


Do it at once.の受動態は Let it be done at once.
Do it at once.の受動態は Let it be done at once.
2023年1月12日(木)
御殿場市民会館にて 
「赤富士、逆さ富士、パール富士」
 1月7日の夜は満月で寝室にさしこむ月光がこうこうと明るかった。そして次の朝、市内塚原に住む花友のHAKOさんがインスタに「パール富士」の見事な写真を投稿していた。「よし!私も一枚!」と9日早朝、車で「東山湖」に行きスマホで撮った写真がこれ。風がないと湖面が鏡のようになって「逆さ富士」が見られ、高い樹の上に巣を作るアオサギが20〜30羽も夜明けの空に舞い上がり、山頂にご来光がさす直前の6:50、山も空も赤く染まって「赤富士」になったよ、なんと美しい!願わくばあの満月が富士山頂に着地すれば「パール富士」。日没の「ダイヤモンド富士」が山中湖の名物なら、夜明けの「パール富士」は登山口御殿場ならではの珍らしい現象で、市の新しいHP「奥深き御殿場」のカバーに紹介されているよ。
 前回ふれた亡き友人一杉真城のことをもう少し語ろう。沼津「ヒトスギ塾」の経営にとどまらず、中高生の海外留学や文化交流にも意欲的で、国内外の著名な学者たちを招いては次の世代の育成に東奔西走していた。30年前、5年計画で実施した「理論言語学講座」には関東や関西の英語学の若い教師や教授が「沼津」に集まり、「UG理論」を提唱する米国MIT(マサチューセッツ工科大学)N,チョムスキー博士の門下生にあたる著名な教授たちがかわるがわる来日、西沢田の「大中寺」で夏休み4日間の合宿生活を体験したのだ。午前・午後の難解な講座を毎年聴講した私は、学生時代以来ずっと続けてきた「英語学」に対する意欲がこの沼津のお寺で深まり、参加した仲間のアドバイスに励まされて「大学院」進学を決意したのだった。定年まであと5年・・・ 
 
 2年生のMUさんは前回英作文で、「いくらたくさん読んでも、注意して読まなければ、なんにもなりません」が難しかった。No matter how many books you readで始めて、「全く役に立たないだろう」といかえてIt will be useless at all.と書ければいい。最後にif you don’t do so carefully.を加えればOKだった。今日は文法で「不定詞、分詞、動名詞」の復習問題をやった。Rome is a city worth visiting.(ローマは訪れる価値のある町だ)は「動名詞」の代わりに「不定詞」を使って言い換えるとIt is worth while to visit Rome.(ローマを訪問するのは価値がある」でほぼ同じ意味になる。for a while(しばらくの間)のように、whileはもともと「時間」の意味で、「(訪れるのに)時間をかけるだけの価値がある」と考えよう。
 IKさんは冬休み中のプリントで「態」をやった。Do it at once.を「受動態」に直すのが難しい。「命令文」を維持するにはLet it be done at once.(それがすぐになされるようにせよ)のようにLetで始めないといけない。今日は「命令文+and」の構文で、Follow the simple rules above, and the waste will be greatly decreased and the world will remain a more natural one for our children ad grandchildren. の和訳をやった。aboveは副詞でwhich are mentioned above(上で述べた)の略だったんだね。「上で述べたような簡単な規則を守りなさい。そうすればゴミがおおいに減ってこの社会が子供や孫たちのためにもっと自然豊かな社会にいつまでもいられるでしょう。」 尾上
2023/01/12 (Thu) 23:30


「物+lead+人」は「無生物主語構文」
「物+lead+人」は「無生物主語構文」
2023年1月8日(日)
裾野市民文化センター
「千本松原サイクリング」
 海辺を自転車で走りたくなって沼津の海に行った。旧国道の片浜から「千本松原」を抜けて防波堤にでてみると駿河湾の大きな海に水平線が広がっていた。湖のように波も静かで伊豆半島がシルエットになって先端の大瀬崎のあたりがまぶしく光り輝いているよ。磯釣りをする人の姿もちらほら、のどかな景色だなあ!ピューっと鳴いてトンビが群れをなして頭上を海風に乗って旋回している。持参のレイチェルを組み立てて、延々と続く防波堤の上を走ってみよう。西の方は「田子の浦」、その先がきっと三保の松原と清水港だろう。今日は東に向かって「千本公園」まで往復してこようか。潮風がちょっぴり冷たくて気持ち良い日だ。
 この日千本の片浜に行ったのは、海近くの友人宅をご焼香に訪問するためだった。私も数年講師を依頼されたが、沼津で有名な「ヒトスギ塾」の創業者の一杉真城さんが先月77才で亡くなった。急性白血病で突然の訃報であった。奥様のお話では、「直前まで三島楽寿園での大きな野外コンサートの企画で走り回っておりましたのに、、」と。教育や文化の国際交流で大きなプロジェクトをいくつも成功させマスコミにも報道された人物で、一杉さんとの交友は私が沼津東高に転勤した30年前に始まった。世界の最先端を行く言語学者をアメリカから招いて、沼津西沢田の「大中寺」本堂を借りて3泊4日の合宿セミナーを開催する、と聞いて私は真っ先に申し込んだ、、、
 
 3年生のICさんは前回、「会話表現」の入試問題をやってみたらほとんど正解が出せた。How soon will we get to the theater?(あとどれくらいで?)の答えはIn half an hour.だね。今日は「If〜のない仮定法の文」をやった。A slight slip of the doctor’s hand would have meant paralysis or death for the patient.で動詞が「仮定法」だと分かればその主語に「条件」をこめて、「その医者の手がちょっと滑ったとしたら、それはその患者にとって麻痺か死を意味しただろう。」と訳せればOKだ。次の読解問題では「青山学院大」の900語の長文で「遺伝子研究の功罪」を読んだ。第一文のThe natural curiosity of scientists has often led them into controversial areas.が難しいけど、第2文以下に詳しく説明があるので、もう一度戻ってから和訳してみるといい。これは「物+lead+人」の「無生物主語構文」だね。だから「人」を主語にして訳そう。「生来の好奇心のために科学者たちはしばしば論争の場に投げ込まれてきた」。実例として、「クローン人間」「遺伝子医療」「遺伝子組み換え作物」が取り上げてあったね。健康や倫理の問題点に関わるからじっくり読んでおきたいエッセイだ。 尾上
2023/01/08 (Sun) 23:18


Your watch needs repairing. (修理が必要だ)
Your watch needs repairing. (修理が必要だ)
2023年1月5日(木)
御殿場市民会館にて 
「金時山の記念バッジ」
 元日は金時山の山頂で真っ赤な神々しいご来光を拝み、みんなで「バンザイ!」を叫んだあと、いつものように「初登頂」記念に箱根町から絵馬がプレゼントされた。今年は干支の「兎」の絵入り。これで10年分くらいたまったかな。山頂が県境になっているので小山町の職員もこの日は登ってきて記念品を配ってくれるはず。毎年デザインが一新され楽しみのバッジはしかし配布なしだった。理由を聞くと、足柄峠からの登山道が2年前の大雨で崩壊したあとまだ復旧せず、登山禁止になっているためだそうだ。私も含めみなさん仮設のルートで実際は登ってきているんだけどなあ、残念!
 金時茶屋に入ってみると初登山の客で満員で、6000回を越えたという老人も来て紹介された。ここはテレビなどで有名になった「なめこ味噌汁」が一番人気だ。私は腹ペコなので餅入りの「おしるこ」を注文して店主の秀峰さんと新年のごあいさつ。お母さんの「金時娘」(87才)は入院中だそうで、年末にまた転倒し今度は反対側の大腿部も骨折をしたという。孫の翼君がかいがいしく働いていた。彼は小山高校の吹奏楽部出身で私の英語塾にも顔を見せたことがある。小山町のバッジがないので、秀峰さんが金時茶屋のオリジナルバッジに2023.1.1の日付を刻印して、「先生に!」とプレゼントしてくれたよ・・・

 2年生のMUさんは前回英作文で「今こそ国際化の真の意味について真剣に議論することが求められている」は、Now it is required to argue seriously about the true meaning of internationalization.と直訳でいいけど、about以下はwhat internationalization really means.(国際化が本当は何を意味するのか)のようにSVを使うのもいいね。今日は文法で「動名詞」をやった。You must have your watch repaired.(時計を修理してもらわないといけない)はYour watchを主語にして書き変えたら「〜は修理の必要がある」の意味になるから,〜needs repairingとかwants repairingと言えばいい。cleaning(掃除)やwashing(洗濯)などもこの仲間だ。It is believed that he died in Italy. はit seems that・・の書き換えと同じで「不定詞」に直して、He Is believed to have died〜のように「完了形」を使うことに注意。
 IKさんは「複合関係詞」でwhatever(〜するものは何でも)やwhenever(〜するときはいつでも)などを勉強した。言い換えればanything which〜やany time when〜のように「先行詞+関係詞」any-+wh-でも言えるのを一語にしたものだね。この文型は途中にカンマで切れていないことに注意。つまり一文の中で主語や目的語、修飾語などの働きをしている。10単元後で学ぶ「譲歩構文」との違いを既に学んで知っているようだったね。You can take whatever you like.「好きなものなら何でも取っていいよ」は目的語で「複合関係詞」。ところがカンマで切れたWhatever you like, you can take it.は「譲歩構文」で、「何が好きだとしても、それを取っていいよ」。whateverはno matter whatで言い換えができるからwhatは「疑問詞」で、前半が「副詞節」になっているね。 尾上
2023/01/05 (Thu) 23:01


total : 96791
today : 18
yesterday : 16