2年のYさんがアメリカ旅行から帰国して2週間ぶりに顔を見せてくれた。高校から派遣されてミズーリ州セントルイスでホームステイを体験したそうだ。大河ミシシッピのかなり上流に位置して、有名な「ルート66」がここを通ってイリノイ州の大都市シカゴに至る。アメ車の名門クライスラーの工場も含めて自動車産業の町だ。「セントルイス・ブルース」といえばサッチモ、黒人歌手のルイ・アームストロングとトランペットを思い出す。黒人、つまりアフリカン・アメリカンが今や半数を超えていて、白人つまりコケイジャンCaucasian(原意はコーカサス人のことで、ヨーロッパ系白人はみなロシアのコーカサス(カフカスとも言う)地方がルーツと信じられている。)の方が少数派。ここではBlack&Whiteは禁句なのだ。市民の対日感情はとてもよくて、多くの日本人留学生を積極的に受け入れホストするそうだ。Yさんのホストファミリーは地味な田舎の人たちで口数も少なくて、話すチャンスをつくるのに苦労したようだ。
2年生M君は「目的」のso that 〜節、「時間構文」を学び、難しい英作文に苦労した。S君、Yさんは遅れている分、前回、前々回のプリントに取り組んだ。3年生Yさんは第2課「時制」の復習。動詞の形態はほぼ完璧に判別できてすばらしい。語句整序や英訳も悪くないよ。1年Tさんは「分詞構文」の復習。主語が残っている独立分詞構文や、with を用いたものなどが少々難しかったようだ。 尾上
(追記)先生へのおみやげに、と言ってYさんから手紙入り封筒2通とトムソーヤーの絵葉書をいただいた。作者のマークトエインはこのミズーリ州の生まれとか。封筒の中身はトマス・ジェファソン大統領第3代大統領の「独立宣言(1776)」の抜粋などが記録されたもの、および英語の教科書にもよく登場する人種差別撤廃運動の旗手、マーチン・ルター・キング牧師のリンカーン記念道での演説 “I Have A Dream “の全文を、古い油紙に似せたものに顔写真とともに印刷したもの。とても嬉しいプレゼントだ。ありがとう。私も20数年前、長男とワシントンDCに旅行したときにこれと似たような封筒を自分のみやげに買って今も大事にしているし、Yさんやその他の生徒たちにも見せたことがある。南北戦争中リンカーン16代大統領が激戦地ゲティスバーグで発した演説の全文を古紙風の便せんに書いたものだ。あのリンカーン記念堂の内壁にも大きな文字で全文が彫ってあるのを発見した。「人民の人民による人民のための政治」という有名な誤訳(!)の文章だ。本当は「(英国のように王とか君主ではなくて)人民が人民のためになるよう、人民を統治する政治体制」と訳さねばいけないのに。さらに「・・はこの地上から決して滅ぼしてはならない。」とつづく名文なのです。

