裾野文化センターが「市民芸術祭」で1週間貸し切りのため使用できず、こちらで裾野クラスを実施することになった。しかし6人中たった一人、3年のSさんだけが出席。T君は修学旅行中。Y君は明日の登山の準備で学校に居残り。Yさんは明日東京で「模擬国連コンテスト」(?)に参加するための準備。1年のSさんは明日のフェンシング大会に備えて強化練習。というわけで唯一M君が三島の高校帰りに寄ってくれるかと期待したが8時過ぎてもなかなか現れない。ひょっとして裾野のセンターに行ってるのではないかな、と思い電話したら案の定だった。お父様が「今送り届けたところです」とのこと。時すでに遅し。会場や期日の変更は、本人だけでなく送迎してくださるご家族にも連絡しないといけない、というのが今日の教訓。このブログ日記を利用する方法もあるが、もっともいいのは前日か当日に電話しておくこと、かな。
1対1の勉強会になって、Sさんとたっぷり話す時間がもてた。聖心女子大教育学部に合格内定しているらしい(?)ことを今日初めて確認。おめでとう。「進学後もこのUG会にきてもいいですか?」と。(えっ、本心で?大学生に英語学・言語学を教える機会ができて、本当に来てくれたら大歓迎です。一緒にNewsweek などを読むのもいいね。10年ほど前、近所の女子で高校時代に英語を教えた縁で、北里大学の4年生の時進学のため私の教室で勉強。原書で Nature を一緒に読んでいたら希望の東京医科歯科大大学院に合格してしまったよ。恐ろしいほどの難関をよくクリアしたよね。)SさんはTOEFLを受験してアメリカ留学の資格を是非とりたいと言っている。1回検定料250ドルは親の負担でも少々大変。過去問の問題集をたくさん買い込んだようだから、今からコツコツ準備して、自信が持てる頃受験するといいね。
3年の今日のテーマは「無生物主語」。The extra money will make repairs possible.(その余分のお金で、修理が可能になるよ。) のように、使役の make が「原因・手段・条件」を主語にし、「結果」を目的語にとる構文。日本語では「人」が「人」に何かを「させる」のだが、使役動詞 make は「人」ではなくて「物や事=つまり無生物」でも「人」に働きかけるので、「無生物主語の構文」という名前を日本人の文法家がつけた。英語学では原因・結果の文なので「結果構文」と呼ぶ。 make のほかにも cause, enable, prevent, remind, drive, fail, lead, bring, take など、たくさんの他動詞の意味と用法に注意しよう。
ちなみに see もこの構文に使われて New York saw its first new Year’s ball drop in 1907. (ニューヨーク市では、新年の(ガラス)玉が落とされたのは1907年のことだった。)となる。これは私の修士論文のテーマになったもの。2001年、東大駒場の「日本英語学会」大会で研究発表したちょっと自慢の思い出。面白い題材が一杯だよ。「言語研究」のおもしろさ。 尾上
(追記)真っ白な冠雪が美しい富士山5合目に行った。11月に入って不安定な天気ばかりで予定が立てにくいけれど、朝の内だけは昨日に続いて真っ青な空。1500mの登山口「太郎坊」駐車場から2000mの「双子山」まで90分ほど。柔らかな風と陽射しのおかげで汗をかくくらいの登山びより。「富士山」の左に「宝永山」「上双子山」「下双子山」と青空の下に山が4つ並ぶのが面白い。まだ雪は8合目あたりまでだけど、このあたりも日陰には雪だまりができて凍っている。やはり冬だね。ここから見ると駿河湾が大きな池のようにキラキラ光って見える。山頂はさすが強風がきついので早々に下山して、景勝地「幕岩」を通るコースに回る。「宝永山」噴火の時の溶岩が渓谷のように固まって、岩の壁と河床になっている。雪解けの時には滝のように水が流れるかもしれない。案内板がリニューアルされて英語も添えられている。「世界遺産」に登録された恩恵かもしれない。双子山分岐のあたりで、遠足中の裾野の中学生の行列に出会った。100人以上の若者たちが笑い声もたてずおしゃべりもせず全くの無音で軍隊のように整然と登っていく姿に唖然。これじゃ、山登りの楽しみを覚えないね。「山なんか大嫌い!」と思い込む生徒を作ってしまうよ、引率の先生たち!カラマツの葉もすっかり散って、すでに冬景色になった明るい樹林をどんどん下っていくと登山口に戻る。
