2014年2月7日(金)裾野市民文化センターにて。
立春過ぎなのにまた厳冬に逆戻りして西日本から大雪の情報。明日予定していた大学仲間との湘南トレッキングは延期した。
SUさん、YAさんがお休みで、今日は2年生の男子二人だったのでのどかな教室。TA君は95課「There構文」の勉強。A wonderful coach goes over there. をThereで始めると、 There goes a wonderful coach over there.と倒置構文になる。主語をいきなり言い始めずに、意味のない there(ホラ!)と言ってから動詞の後に主語をいう構文のこと。進行形や受身形の文でもよく見られる。英文和訳では明治学院の過去問をやってみた。新単語の意味だけでなく、Vに対するSの見分け方、カンマの使い方など勉強すべき事はたくさん。96課と文法作文は次回10日(月)にやろう。
YU君は97課「To one’s 感情の名詞」、98課「再帰代名詞」。文法・作文は「関係詞(1)」。どれもよく理解できた。今日は東北大の長文理解をやった。なかなか難しい。冬の講習で「前の文(A)と後ろの文(B)の関係」について触れたのを思い出してほしい。2文をつなぐのには、A,and B (そして)、A,but B (だけど)、A,or B (すなわち)、A,for B (なぜなら)、A,so B(だから)の5つの等位接続詞があればよい。その中で、orと for については、発言しないことがほとんどだ。つまり、2文のあいだに上記の接続詞やそれに変わる副詞moreover, however, then, otherwise, が無いときには orや forの省略とみてよい。安易にand の省略だと片付けてはいけない。「後の文は前の文の言い換え、具体例、理由」であることが普通なのだ。ピリオドだけでなく、カンマ、コロン、セミコロン、ダッシュでつながる2文の時も「説明、理由」になることが多いから気をつけてみていくことだ。 尾上
(追記)ひさびさに東京に出て「理論言語学」の公開講座に出席した。会場は新宿西口から青梅街道を15分ほど歩いて行った所。40代の頃「言語学」の勉強に再挑戦とばかり、10年も私が毎週通ったナイトスクールのあるビル。今日は「言語学」の周辺の研究にも目を向けようという趣旨だ。岩波新書「科学の目、科学のこころ」、ジュニア新書「進化とはなんだろうか」の著者で講師の長谷川眞理子博士はチンパンジーの研究者で「行動生態学」が専門。演題は「言語の進化を可能にした生物学的基盤」。人類はどのようなことばから話し始めたのだろう? ダーウィンの進化論に従えば、60万年前にチンパンジーと枝分かれした人類は進化の過程でだんだんにことばを持ったはず。先生はそれを「プロト言語」と説明された。・・・ヒトは「心の共有」が心地よい、「快」と感じることでよりますます高度なコミュニケーション手段を発展させていったようだ。ところがヒトに最も近いチンパンジーを長年研究してみると、かれらのコミュニケーションは「要求」するばかりで本質的に相手と「しゃべりたい」とは思っていないらしい、そこがことばを進化させたヒトとの大きな違いでしょう、と長谷川先生は言う。・・・この講座の仕掛け人でもあるチョムスキー理論の大津由起夫先生が最後に質問に立って、耳慣れない「プロト言語」とは具体的にどんなものかを尋ねたが、その具体像を明らかにするのはあなたがた言語学者の仕事でしょう、となったがその通りだ。米国MITのチョムスキー博士が60年代から一貫して唱導する「UG理論」(普遍文法)はその方向で言語の原始の姿を解明しようとしている。それは世界の6千種類の言語が共通の1つの文法からできあがっているという仮説です。神によって「バベルの塔」を破壊されて以来互いに通じないのだ、と「神話」で考えていた世界の諸言語がもとは同じだと信じて、日本でも多くの大学で研究が盛んにつづけられているのです。私たちの「UG会」の名称はここから生まれたのです。
