2014年7月18日(金)裾野市民文化センターにて
今日はどこも1学期の終業式で明日から夏休み。とはいえ、高校野球の応援やら特別講習やらで今月いっぱいは登校という人が多い。2期制の高校は9月に前期のテストがあるから油断出来ない。時間数確保のために始まった「2期制」も止めてしまった高校が多いね。どうも夏休みに入る前に成績処理をして区切りをつける方が収まりがいいのだね。大学もいまでは7月末には試験をして前期を終えてしまう。8・9月をたっぷり夏休みにして、後期はなんと10月からだよ。大学の授業は休みが多くて年間52週の内の半分もやってない。前期・後期で計20週くらいだ。だから意欲ある学生はこの間に「短期留学」が出来るね。8週間もあれば英語がぺらぺらになって帰ってこれるよ。
YU君に前回の和訳を添削して返却した。「同格」の節を従える接続詞thatや、in that〜(〜と言う点で)、see to it that〜(〜するように気をつける)のようなイディオムが難しかったね。関係代名詞のthatとの違いをマスターしてほしい。それは先行詞を修飾する形容詞の働きだ。先行詞が直前にないことも多いから注意しなきゃ。
2年EC君は「動名詞」を用いた慣用表現It is no use 〜ing、worth 〜ing、be used to 〜ingなどを勉強した。筑波大の過去問、〜,this can be very unsettling.でthisは「これ」ではなくて「このこと」と訳す。前に述べた名詞を指すのではなくて、前文の「内容」を指すから。同様にthatも「そのこと」と訳す。もう一つ注意点:前文と後文が接続詞なしでつながっていたら、ピリオドであってもそこには「すなわち」(説明)とか「なぜなら」(理由)が省略されていると考えよう。カンマでつながる文の場合も同じで、The princess said she would like to taste the wine of Africa, of which she had heard so much.「カンマはキル!乗り越えて前方につないではいけない。」(王女はアフリカのワインを味わいたいと言った。なぜなら、そのワインの話を前からたびたび聞いていたから。)後半はshe had heard so much of the wine.の変形だ。
KI君も和訳で苦労した。 Generally speaking, we cannot talk 〜 without talking 〜・・, for they are inseparable.で前半は例の「二重否定の文」。肯定で言い直して「〜すれば必ず〜する」と訳す。後半は「カンマでキル!」(なぜならば、その両者は分けることができないから。)ここでもカンマの後ろが前の文の「理由」になっているね。カンマやダッシュ、セミコロンなど、文と文の間に「無音」のポーズを作ることで前の文を「すなわち」と言い直したり、「なぜなら」と理由を述べたりするのだ。それを日本語で明瞭に和訳することが大切だ。 尾上
(追記)箱根ビジターセンターの知人に「キヨスミウツボ」が咲いてますよ、と教えられ初耳なので興味津津。さっそく駒ヶ岳の麓「精進池」から「お玉ケ池」まで歩いてみた。旧東海道の石畳の風情が残る樹林の道で、まだ小さな白いつぼみの「タマアジサイ」に注意しながら石段を下っていくと、その根元に隠れるように寄生して咲く白い筒型の花が四カ所ほどで見つかった。千葉の「清澄山」で発見された靫(弓矢を入れる筒)の形の花だから「キヨスミウツボ」。咲くとすぐに黄ばみ始めるので美しい白色を見つけるにはタイミングが大事。しかしこれは、私がいくつも紹介してきたランの仲間でありません。今庭で咲いているクガイソウや、先週「愛鷹山」で見たイワタバコや、「白馬岳」に咲いていた幻のウルップソウと同じ仲間のゴマノハグサ科でした。また花の名前をひとつ覚えたぞ。
小山高校のM先生が学芸大の大学院出身である、と以前書いたね。高学歴化がすすんで、高校教師も大学院出身者が多くなってきた。修士号(マスター)をとるために、大卒と比べると教員採用が少なくとも2年遅れるのだが、それでも採用の条件として悪くない。教育委員会も後押しして、教員の一部を上越教育大(新潟県上越市)などの大学院に2年間内地留学させ、将来の指導的立場になれる教師作りに励んでいる。さらに高校教員から大学教員にみずから転身する人もいる。経済的には大変な苦労だが、教師を退職して大学院に進学し最低5年間の研究を続けて博士号(ドクター)を目指す。主要な研究論文を5本以上書いて学会で積極的に発表することが不可欠だ。寝る間も惜しまず資料収集と研究と執筆に捧げねばいけない。在学中に博士論文がなかなか通らず「博士課程・単位取得退学」という肩書きだけでマスターのまま卒業という人も多い。そうこうしている内に、出身の大学・大学院の恩師から講師採用のお呼びがかかったり、かからなかったり。全国の大学教員公募に応募してうまく採用される人は運のいい人。公募とは体裁だけで、すでに内輪では採用候補者が決まっているのだ、とも聞く。イヤだねえ。
いよいよ年金支給が60才から65才に引き上げられて、国公立の高校や大学の先生がさらに5年職場に居座っている。少子化と学級減に加えて、新卒の若い教員の採用が少ないのもこれが大いに影響しているらしい。昔でいうと文筆家「小田実」とか「今でしょ!」で最近人気の「林修」など、大手予備校によい人材がどんどん流れていって、あろうことか公立の小中高が塾の教師に出張授業を依頼するような事態になっているよね。
