高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

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関係代名詞の二重限定?
関係代名詞の二重限定?
2014年10月13日(月)三島ゆうゆうホールにて 「サラシナショウマ」
 またまた台風の上陸だ。早々と大雨警報が出たけどまだ関西にいるらしいから強風が吹かなければ大丈夫だろうと、会議室の窓から「楽寿園」の木々の動きに注意していた。用心して休んだ人もいたけど4人が出席して、風雨がひどくならないうちに帰宅させられてホッとしている。
 TAYさんは沼津から車で送ってもらって参加。難しい入試の英文和訳をいくつもこなした。特に関係代名詞が2つ連続する場合は初見だったね。The few children (whom) we know of who grew up without human contact grew up almost wholly mute.「われわれが知っているわずかな子供で、人間との接触なしに育ったような子供は・・・」は二重限定と呼ぶ。「〜で、なおかつ〜であるような・・」と和訳できるように。Go first to those who you are sure will help you.「自分を助けてくれる、と信じることの出来る人たちのところにまず行きなさい。」はwho will help you の文の中にyou are sureの挿入と見るとよい。
 TACさんは「カンマ+関係代名詞/関係副詞」。つまり前出の「先行詞」を説明する用法を勉強した。「非制限的用法」とも言って、先行詞を修飾せずに「接続詞のand/butと代名詞/副詞の組み合わせ」に置き換えて考えると適切な和訳になる。whichは関係代名詞だから「接続詞+代名詞」に置きかえてand ・・it、whereは「接続詞+副詞」に置きかえてand・・thereにパラフレーズしてみるとよい。
 NU君は第2課「時制」。文法のマーク問題も並べ替えも90%近い正解率だった。すばらしい!いよいよ勉強に熱が入ってきたね。英作文はまだ難しくて、少々込み入った日本語は分析ができないと英文が組み立てられない。日本文の中にSVOをしっかり発見しよう。
 MA君はまず前回の和訳の添削結果を見てもらった。A and Bの接続にもっと注意が払えれば誤訳がなくなるのに。筆者の意図を見抜くことがいかに大切か。第18課「時と条件」をやった。No sooner ・・than〜「・・するやいなや〜」の構文を受験界では「時間構文」と呼んでいる。 尾上

(追記)言語学セミナーに出席のため東京に出た。車で行ったのも数ヶ月ぶりだから道路がまたまた変わっている。東名厚木では圏央道が完成してジャンクションになっているし、首都高速に入ったら渋谷の手前に「大橋ジャンクション」がやっと完成して、ラセン状のスロープをグルグル回って地下に潜ってから「山手通り」をグングン走る。予備知識を仕入れてないし、私の中古クラウンのナビは10年前のデータだから嘘ばかり。新宿の出口はどこかなあ、と考えているうちにいつのまにか「池袋IC」まで行き過ぎてしまった。セミナー会場は青梅街道の「成子坂下」の付近なので、もう一度首都高に入り直して「中野長者橋」という聞きなれないICに出たら正解だった。
 この青梅街道をすこし西に行くと「鍋屋横丁」という奇妙な名の交差点があって、小学校2年の頃毎日ここで乗り換えたことを思い出した。昭和26年の秋、渋谷区南平台の社員住宅から杉並区高円寺の新居に引っ越ししたのだけど、すぐには転校しないで翌年3月まで渋谷の常磐松小学校に通った。家の前の「蚕糸試験場」という停留所から新宿西口行きの路面電車が走っていた。その黄色いチンチン電車で「鍋屋横丁」まで行き、そこでバスに乗り換えて渋谷駅まで行き、あとは歩いて通ったのです。この頃から一人で乗り物で出かけるのが大好きで、三島の叔父の家にも夏休みに東海道線に乗って遊びに行ったなあ。あの「三丁目の夕日」の世界だね。
 この日のセミナーは「日本語の敬語とコミュニケーション」の演題で早稲田大の教授が講演した。日本語の敬語のゆたかさは実にユニークで十分に研究の対象になる。話者の他者に対する「意識や態度」が複雑に表現されていて、現代人にはだんだん使用しづらくなってきているね。「談話論」という言語学の一分野で英語でディスコースと呼んでいる。
2014/10/14 (Tue) 0:07


時事英語も大切
時事英語も大切
2014年10月10日(金)裾野市民文化センターにて「ヤマラッキョウ」
 今年のノーベル物理学賞に3人の日本人が決定した。「ブラヴィー!」(伊語でブラボーの複数形)とても嬉しい。それもいつもの京都大学関係でなく名古屋大と徳島大の出身者で、なかでも我らが静岡県・浜松出身の天野教授には快哉を叫びたい!
 ちなみに、磐田南高出身の天野先生は東京外語の後輩でスペイン語専攻だった。御殿場南高校時代空き時間に彼からスペイン語も教わったし、一緒に「チョムスキー言語学」を勉強して新宿まで小田急バスで夜間講座に通ったっけなあ。血縁関係があるのかどうか聞いてみたい。
 YU君には米Newsweekと英BBC放送の「日本人にノーベル物理学賞」の記事コピーを渡してすこし読んでもらった。大学ではそろそろ来年の入試問題を作成中だからこういう時事英語Current Englishが出題されることが往々考えられる。ちょこっと目を通しておきたいね。LED(発光ダイオード)はLight Emitting Diodeの略だし、半導体はsemi-conductor、青色発光の原石は窒化ガリウムGallium nitride。そして電球はlight bulb、ノーベル賞受賞者はNobel laureateという。(栄誉の月桂冠ローレルを頭にのせた人、の意味。)
 2年EC君は「複合関係詞」whatever、whereverなどを勉強した。独協大の英文がとてもうまく和訳できていた。ずいぶん力がついてきた感じがする。英作文はまだまだ語彙・イディオムが不足で高い得点に結びつかないが構文はしっかりしているから根気よく楽しみながら書く練習を続けることだね。KI君も同じ単元と「命令文+and/or」を勉強した。英文SVOMで、Mが「前置詞+名詞」の場合、直前の名詞を修飾する「形容詞句」なのか、動詞を修飾する「副詞句」なのか判別が難しいね。I can’t imagine life without reading.では前者。I write it upon the blackboard with chalk.は後者でしょ。書いた日本語の不自然さに気づくようになるといいね。
 3年のYAさんが3ヶ月ぶりに復帰。「上智大の入試に合格しました!」と嬉しい報告をしてくれた。念願の法学部・国際法とはなんとすばらしい!米国に留学中のお姉さんと同じ大学・同じ学科とのこと。上智大と英検が共同開発したあらたな英語能力判定試験TEAPにむけて頑張った甲斐があったね。UG会でも春期講習を含めて何回か練習してみたけれど、かなり難易度の高い問題ばかりで合格点になかなか達していなかったのに。この夏の過ごし方がよかったんだね。大学入学後の講座に向けてさらに英語力をつけたいということなので私も楽しみです。ほかの受験生の入試レベルで一緒に頑張って、「国際法」に関する新聞記事なんかも英語で読んでいこう。 尾上

(追記)台風一過だけど天気のはっきりしない午後、人の顔が見たくて箱根の「大湧谷」に行った。ロープウエー終点の駐車場から、箱根最高峰「神山」へのハイキングなら「ゲート」をくぐって噴煙の立ち上るなかを登っていくが、たいていの観光客が製造直売の「黒たまご」を求めて「冠が岳」中腹に見える黄色い小屋に次々と向かっている。この5分たらずの緩やかな上りの遊歩道はいわば「国際通り」なのだ。上下1列ずつですれ違うようなせまい道だから下ってくる人々の顔や衣服や靴などが観察できるし、人種や年齢を想像するのも面白い。もちろん観光旅行に来ているから子供連れや夫婦、恋人同士は楽しそうによくおしゃべりしている。台湾か中国本土か香港かはわからないけど中国語が大きな声で一番よく聞こえる。この日はハングルは聞こえず、売店横の噴煙立ち上る「湯釜」の周りで「黒たまご」をむいて食べている人、記念写真を撮りっこしている大勢の人の中からスペイン語が聞こえてきた。富士山はもちろん金時山も今日は残念ながら雲の中だけど。
 元の道を下りかけて、老年のかっぷくのよい夫婦らしき2人を追い越したら話し声が聞こえた。「あれ、ロシア語かな?」と思って振り返り Вы говорите по русски? (ロシア語で話しているの?)と話しかけてみた。2人はニコッと愛想よく笑ってДа.ダー(そうよ)。私に「ロシア人なの?」と聞く。(すごい褒め言葉だなあ。シベリアに行くと私のようなアジア系の顔はいくらでもいるからね。ロシア語を喋る日本人と出会うとは予想もしなかったらしい。)私:日本人ですよ。どこから来たんですか?――「イスラエルから。昔はモスクワに住んでいたけどね。あなたロシア語上手ね。どこで勉強したの?Зачем(何のために)?」私:Спосибо! スパシーバ(ありがとう)。東京の大学でもう50年も前のこと。ロシア貿易の仕事をするためでした。あなたは団体旅行ですか?――「25人のグループで東京に来てこれからバスで京都・大阪に行ってそこから飛行機でイスラエルに帰るのよ。」――200mほどの短い「国際通り」だからそれでおしまい。Очень приятно! 「お会いできてよかった!」とお互いにあいさつしてわかれた。ロシア系のユダヤ人たちはニューヨークにも大勢いたけど、祖国イスラエルに戻ったひとも多いんだな。今日は予期せぬ楽しい出会いだった。
 帰り際、仙石原・台ヶ岳のススキが原の湿原脇で停車。私の秘密の一角がピンク色の絨毯だよ。双眼鏡で覗いたら「ヤマラッキョウ」の大群落じゃないか!散りばめられた白い点々は?「ウメバチソウ」の清楚な姿にまた出会えた!
 
2014/10/10 (Fri) 23:27


中間テスト始まる
中間テスト始まる
2014年10月6日(月)三島ゆうゆうホールにて  「イネカリ」
 台風18号は注意報、警報がはずれてわずかな被害だけで早足で通過していった。御殿場でも小中が休校になって、昼前から青空が戻ったから子供たちが自転車で遊ぶ姿が珍しかった。近所で人気の「KUKKA」でパンを買いがてら裏山に家内と歩いて登って行ったら雲間に富士山がちょっぴり見えた。広大な「日曜菜園」のあるこの丘からは富士の裾野を支えるように愛鷹山系、三国山系、丹沢山系まで180度のパノラマだ。風が強まらなくて安心した。
 興津の崖崩れでJRが不通となりTAYさんは沼津からバスで往復。重要構文は27課「助動詞」を勉強した。may well、may as well やused to、 wouldなど。英文和訳は「関係詞の注意すべき用法」。関係詞節の中にI think、they feelなどを挿入した表現。Go first to those who you are sure will help you.(助けてくれる、とあなたが信じられるような人の所へいきなさい。)はwho のあとにyou are sureが割り込んでいる、と考えてよい。本当はYou are sure they will help you. のthey がwho に変わってyou の前、つまりYou are sureを飛び越えて先行詞thoseのすぐ後についたものだけどね。TACさんは中間テスト対策で自習した。話法・時制の一致、仮定法など範囲が広くて大変。
 1年TAMさんは中級の語法・文法が終わったので今日から「上級」に進んだ。第1日「動詞」は文法に関して新しいことはないが、単語・熟語のレベルがかなり高くなってとても勉強になる。辞書でよく調べて正解が出せたね。英文和訳は「桜美林大」の過去問を解いてみた。「つい現代まで読み書きが出来る人はほんのわずかだった、なぜなら・・」と、分かりやすい内容だったね。
 3年NU君は重要構文が終わって、今日から「入試の英文法・英作文演習」を始めた。第1課「It構文」ではイディオムになった表現をいくつか覚えなきゃいけない。Take it for granted that・・(〜を当然だと考える)や、強調構文It was not until 1945 that ・・(1945年になって始めて・・)など。長文問題は「世界のキスの習慣」を読んだ。 MA君は第17課「無生物主語」。SVOCの文型で、「原因」が「結果」を作り出す。だから使役動詞のmake「〜のようにさせる」が基本。remind(思い出させる)enable(可能にさせる)prevent(不可能にさせる)などバラエティに富む。英文和訳は「大阪府大」「神戸外語」などに取り組んで短時間で仕上げたがこのところ難問が続くね。もっと正確に訳せるように頑張ろう。この10月は毎週末、外部模試が続くそうだ。着実に力を伸ばしてください。 尾上

(追記)快晴の日の午後、みんなで稲刈りをやった。印野の共同田畑に集まった「JA農業大学校」の卒業生仲間6人。前会長・池田さんが大阪・高槻に引越して、後任に推奨された最長老の山口さんは元自衛隊員。千葉県大多喜の農家の出身。「農業がイヤでイヤで飛び出したのに、またこんなことやってるとはなあ。」と自嘲しているが、昔取った杵柄は見事なもの。くわの振り方ひとつ無駄な動きがない。職人のコテのように美しい畝を作る。稲刈りにも手順があって、カマで刈った稲穂をひと握りづつX字に重ねていって4束を麻紐で一つに縛る。これを干し竿に順に吊るしていく。さりげなく手本を見せてくれる。仲間と一緒にやる農作業は楽しいね、と。
 休職中の自衛隊員夫妻、精密機械メーカーの元社員夫妻、「アケビ蔓の編みカゴ」が得意な山口会長と私の6人で刈り取ったら、あっという間に切り株だけのさっぱりした畑になった。合計26束の刈穂を「干し竿」に吊るした。三島や裾野でこういう風景を見かけたことある?「モネ」の名画「積みわら」のような美しい景色も今はないね。
 どの農家も人手不足と米の需要不足のために、コンバインで収穫後袋詰めもしないでモミのままトラックにぶちまけて農協の倉庫に直行してしまうから半日仕事だ。オール機械化で田んぼにはモミも稲ワラも残らないからミレーの「落穂拾い」の風景もない。これじゃ「スズメ」の群がる姿を最近見かけないわけだね。モミは天日で干すのが一番なのに、農協の「カントリーエレベーター」という高い塔のような貯蔵庫で機械乾燥させるのだ。それもほかの農家が収穫したものとごちゃ混ぜにして。これじゃ自作のコメに愛着もわかないねえ。
 私が言い出しっぺで5年目になる「米つくり」もみんなの年中行事になった。今まではよその田植えで余った「苗」をタダで頂いては植えていたのだけど、今年は専業農家に教わって自分でモミから育てたから愛着ひとしおだ。10度以下では発芽しないから4月のまだ寒い頃、毎夕家の中に取り込んでは保温に気をつけて発芽させたんだよ。台風18号の接近が心配だったけどいい天気が続くことを祈って1週間天日干し。来週は皆でシートを敷いて共同作業だ。脱穀機もないから手作業で数本づつ稲穂からモミを引きちぎるのですよ。
2014/10/07 (Tue) 0:08


記憶装置と演算装置
記憶装置と演算装置
2014年10月3日(金)裾野市民文化センターにて 「ウメバチソウ」
 「YU君、数学に時間をとられついつい家庭学習の時間を英語に割けない日が続いたりするんじゃないの・・?」添削しているとそういう学力のアップダウンが手に取るように見える。人間の脳はコンピュータと同様に「記憶」と「演算」からなる。とりわけ英・数は国・理・社に比べて「演算装置」に油を指しておかないとすぐ錆びる。「思考のプロセス」をいつも磨いていないとすぐにもプッツンするらしい。今日の英文和訳はなかなか良くできてホッとした。TA君は前回の続きで「原因・理由」の英文完成と英作文をやった。SVが2組つながる複文の組立が苦手だね。
 2年EC君は「カンマ+関係詞」の働きを学んだ。「カンマはキル!」といつも言っているように、追加説明として上手に接続させなければいけない。KI君も同じ単元で「関係副詞whyと howの慣用用法」も覚えた。This is why S V「これが・・の理由だ」はたいていfor this reason「こういう理由で・・」と訳す方が自然だ。同様に That is how S Vも「それが・・のやり方だ」ではなくin that way「そういう風に・・」のパラフレーズが出来るとよい。What we call〜も「〜と呼んでいるもの」と訳さずに「いわゆる〜」と訳すよね。
 SUさんが今日も大学帰りに参加した。東京から新幹線で戻ってきてすぐ裾野まで。ほんとによく頑張るなあ!「先生聞いて!スペイン語の前期成績がトップだったよ!」SUさんは1年生でトルコ語、ロシア語、英語をあわせ4カ国語を同時学習中なのです。それぞれがユニークだからぜんぜん混乱しないらしい。多言語学習の教室「ヒッポクラブ」を主宰する榊原さんによると「子供たちはことばの天才で、7カ国語まで同時にこなせるんですよ・・。」らしい。榊原さんは50年前、日本に始めてノーム・チョムスキー博士を招いた。博士はUG理論を唱えるMITの言語学者で、2度お会いしたがわたしには雲の上の人。 尾上

(追記)今日は「登山の日」とか。10・3だから確かにそう読めるね。しかし、先週の御嶽山噴火では犠牲者が47名にふくれあがり、さらにまだ16人が行方不明だとのこと。戦後最大の山岳事故となり搜索も大変困難なようだ。今日は「登山を考える日」としようか。私の好きな箱根も富士山もいつ噴火するかしれない危険な山だ。草津・白根山のような「シェルター」(防空壕)はゼロだから、危険な時はしっかり警報を出して欲しいと思う。
 今週は富士山の小富士から尾根続きになる三国連山に登った。須走から山中湖に向かう国道が県境をまたぐあたりが「篭坂峠」。ここから「大洞山」「三国山」などを縦走して「三國峠」や「パノラマ台」に下るコースはハイカーにとても人気がある。東京や神奈川からバスでやってくる団体にもよく出会う。美しいブナの古木の自然林の中をゆるやかにアップダウンするトレイルは広々として歩きやすく私のお気にいりのコース。中間点の「ズナ峠」は昔、武田信玄が御殿場・深沢城の北条方を攻撃するのに山越えしたという。「棒道」といって、信玄は道なきところに直線でどんどん道を作らせたという。小山町の「富士霊園」に下って行けるらしいが未整備のため通行禁止になっている。初夏には「ヨゴレネコノメ」や「ヤマシャクヤク」も発見したし、つい2か月前には「三国峠」の方から登って、ここで「バイケイソウ」の大群落に巡りあった。
 この日は「篭坂峠」の墓地に駐車して「アザミ平」1300mに向かった。墓地の空き地には「フジアザミ」が何株か咲いている。富士山の火山灰でできた砂地の歩きやすい林間の道を歩くと、「アケビ」の実や「ニシキギ」の紅葉や真っ赤なモミジの落ち葉に秋の気配が溢れている。名にしおう「アザミ平」にはいっぱいフジアザミが咲いているはず、と思って楽しみに登ってきたのにアテはずれだ。1株も見あたらないじゃん。1週間前に富士山須走口五合目2000mで一面の見事なフジアザミを見たのにね。ここはもう終わったのか、それとも鹿の被害ですっかり食べられてしまったのか。このあたりだけは森林がまったく切れて山中湖を見下ろすことのできる砂礫地帯だから富士山の砂漠地帯に似た環境だ。おかしいな。そのかわりにピンクの「ナデシコ」、青紫の「トリカブト」と清楚な「ウメバチソウ」を予期せず発見。広い草原一杯に咲き誇っていて「来た甲斐あったー!」
2014/10/03 (Fri) 23:38


御嶽山噴火
御嶽山噴火
2014年9月29日(月)三島ゆうゆうホールにて 「アケボノソウ」
 大学生のSUさんがひさびさに出席。1ヶ月ぶりだから海外留学にでも行ったのか、夏休み中なにか悪いことでも起きたのかと心配していた。が、杞憂であった。7月末の前期試験の成績表を見せてくれた。すごいよ!スペイン語もロシア語もトルコ語も全てAAかA+で80%〜90%以上の高成績だった。入学して半年、気を緩めずにしっかり頑張っているね。ところが英語は最上位クラスにいるのにCとは!「テストはかなりいい点を取ったはずなのに・・・、理不尽だわ・・」、と。今日もロシア語の質問のあとでTOEFLテストの過去問を読んだ。「ハワイの地熱エネルギー利用」。語彙レベルが高くて読みきれない文が多いがすこしのアドバイスでぐっと理解が高まったね。NewsweekのコピーからのAPPLE社来年の新製品「腕時計型のスマホ」のニュースは面白いよ、読んでみて。
 1年のTAMさんは前回時間が取れなかった「時制の一致・話法」を添削・解説した。少々のミスを除けばとてもよく理解できている。今日は「倒置・強調」を勉強した。未修の項目だったので解説をした。否定語のNever, Hardly, Little, Onlyなどが強調されて文頭に出るとSVの語順が疑問文のように助動詞が前に出て「倒置」となることや、疑問詞が強調されてIt is〜 that・・・に変形するとWh- is it that・・となること、など。入試の英文和訳にも挑戦した。「カンマ・カンマ」をカッコでくくる、と覚えておこう。
 2年TACさんは「関係代名詞」。whatとasの特殊な用法を学んだ。whatは「こと」「もの」に加えて「すがた」と「重要なもの」という意味も覚えておきたい。TAYさんは中間テスト前でお休みした。
 3年TA君は前回のプリント「原因・理由」の続きをやった。「語句並べ替え」は少々のミスでも得点にならないから細心の注意が大切。MA君は「程度・目的・結果」の構文。基礎文法がすこし怪しかったね。忘れかけの部分を補強しておいてね。 尾上

(追記)快晴の27日午後、富士山・富士宮口6合目2500mに登った。雲海の上に出て風もないし最高の登山日和だった。驚いたことにその2時間ほど前に、木曽の「御嶽山」3067mでは突然の大噴火が起こっていたとは気づかずに!10・11月のような空気がもっと澄み切っている時ならきっとここから噴煙が見えたかもしれない。実は私も木曽福島の「開田高原」に旅行し、早朝の雨の中8合目の「女人堂」まで登ったのがつい昨年7月のことだからゾオーっとする。富士山だって噴火が噂されているから、いつ災難に会うかしれず楽しい山も実は怖いのだ。翌日2人の友人から安否の電話をもらった。登山好きの私だからひょっとして巻き込まれてはいないかと心配してくれた。久々の好天気で週末だし紅葉が始まった「御嶽山」を目指した登山者も大勢いて、数百人が被災し31人もの山仲間が犠牲になったようだ。合掌。
 富士宮口は4つあるどの5合目登山口よりも高い位置にあって、駐車場がすでに2400mもあるから6合目までは標高差わずか100m。往復1時間ほどを歩いてみたら小さな子供を連れた若いファミリーにたくさん出会った。ほとんどが街中のシューズやサンダルばかりでたまにスニーカーに出会うくらい。ゆるい布や革の靴では岩のゴツゴツした下り道で足の指先を痛めてしまう。帰宅したら指の爪が内出血、ということもあるから注意が必要。私の登山靴はイタリア製のがっちりしたもので、重いけれど足を傷めないようしっかり仕立てられている。イタリアの革製品は定評があるし、背後にアルプスを抱えて登山の盛んな国のようだ。
 6合目には「雲海荘」と「宝永山荘」という2軒の山小屋があって、シーズンオフの今そこから先の登山道はすでにバリケードで閉鎖されている。だからほとんどのグループが「宝永山」の火口をめざして下っていく観光客だ。それでも脇道から登山道に入っていく登山者がいて私も一緒に登ってみた。下ってくる2人連れとすれ違い山頂の様子を聞いた。「今日はいい天気で風もなく、暖かで15度くらいありましたよ。」・・「それじゃ5合目の気温と変らないですねえ。」10月の初旬にはいつも初冠雪があるから、夜間はきっと氷点下でしょう。ここはすっかり晩秋の装いで「深山オトコヨモギ」「紫モメンヅル」「富士ハタザオ」「岩ツメクサ」がわずかに咲き残り、「尾上イタドリ」が枯れ花になって黄色い葉に囲まれていた。ここからは駿河湾の海岸線と富士市と富士宮市が双眼鏡でよく見える。愛鷹山から東はほとんど雲の中で、真っ白な雲海の上に「宝永山」の山頂2700mがそびえている。
 車で下山の途中、道路際に停めて歩いてみたら紫の「ヤマトリカブト」の隣に「アケボノソウ」を数株発見。満天の星のような紫の水玉を散りばめた白い小さな花が咲き始めたていた。
2014/09/29 (Mon) 23:49


asがwho,whichの代わりの関係詞
asがwho,whichの代わりの関係詞
2014年9月26日(金)裾野市民文化センターにて 「イワシャジン」
 今日は久しぶりにスッキリと晴れ渡り汗ばむほどの暑い一日だった。こんないい日にEC君は球技大会だったそうで、早々と到着したのにお疲れの様子でペンがあまり進まない。37課「関係代名詞what」と38課「関係代名詞as」を勉強した。Leaves are to the plant what lungs are to the animal.は難しい。A is to B what C is to Dの構文として受験生の必修項目だがこのwhatはなんだろう?パラフレーズすると、Leaves are important to the plant just as lungs are important to the animal.和訳は「動物に肺がたいせつであるように、植物には葉が大切なものだ。」で、後半は自明の「たとえ」となってるね。ここでwhat はimportant「大切なもの」に相当する関係代名詞と考えるとよい。KI君も同じ単元をやった。There are such people as want a university education・・で、people をうけるから関係詞who というべきところ、suchがあるのでasとなっている。「・・のようなそのような人々がいる。」となる。短時間で重要構文を2課分こなすことができた。
 TA君は15課「原因・理由」に取り組んだ。まず重要表現の10の例文を和訳してしっかり復習したら4択問題は80%正解だった。先週とは大違いだ。こういう基礎問題を確実にモノにしていくことで実力は高まる。しっかり復習しておいてね。YU君には前回の長文問題を添削して解説した。U.F.O.は未確認飛行物体、つまりUnidentified Flying Objectの略。Identifyとは「(AとBが同一物だ)と証明する」の意味。IDカードとは「身分証明書」のこと。下線部訳が少々不正確だったね。今日は7題の英文和訳に取り組んでほぼ正解ができた。カンマの後の部分が前の文とどういう関係になっているかを判別できればもっと正しい解釈になる。 尾上

(追記)秋分の日の午後、このセンターで脚本家・倉本聰の講演会があったので家内と聞きに行った。「あなたは文明に麻痺していませんか?ー真の文明とは?」というタイトルだった。「将来、第4次世界大戦があったとしたらその時の武器はなんだろう?」という問いに、アインシュタインは「それは石だ」と答えたという。「第3次世界大戦はきっと核戦争になるだろうから、人類がほぼ滅亡してそのあとはまた石器時代が来る、」ということらしい。
 3年前の大津波による福島の原発事故被災地をつぶさに見て、倉本聰氏はさまざまな取り組みを続け、現代の危うい文明社会に警鐘を鳴らし続けておられる。今回はその全国ツアーの一貫だった。スマホもコンビニも車も、こんな文明のスピードに人間のマインド(心、アタマ)がついていけない、と。「富良野塾」の主宰者で26年間、若い役者と脚本家を育ててきた人だ。
 氏の脚本になる有名な映画「北の国から」はまだちゃんと見ていないが、ビデオで見た「風のガーデン」はいい映画だった。このドラマの撮影のために「ガーデン」と「ハウス」が「新富良野プリンスホテル」のゴルフ場跡地を利用して造成された。そこがよく手入れされ観光客に解放されたので昨年6月、家内と北海道旅行で富良野に一泊したとき訪問して、数え切れないほどの美しい花々を楽しんだことを思い出す。
 「富良野自然塾」も倉本聰氏が主宰で、別のプリンスホテル裏のゴルフ場跡地に「46億年地球の道」と称する460mほどの道が丘の上に通じている。早朝の散歩がてらそこも一人で歩いてみた。地球の歴史に比べると人類の歴史はその山頂の手前のたった10センチ分にしか相当しない、それほど短いという。美しい自然を文明という名の破壊から守り続けなくてはいけない、と訴えている。
 3.11のあとしばらくは県東部でも計画停電があって大変な苦労をしたし、コンビニも節電につとめて全体に暗かったよね。つい3年前だけど君たちが中学の頃の貴重な体験は将来きっと生きてくると思うよ。電気がない生活がどんなものか。テレビもエアコンもつかないし、懐中電灯やローソクの明かりで本を読んだなんて・・・。

 講演会のあとは車で箱根に向かった。「深良用水」沿いの山道を行くとスカイラインに出る。「湖尻峠」の草地でマツムシソウの大群落を見た。薄紫色の上品な美しさで家内も大好きだ。お気に入りの花の寺「長安寺」にも立ち寄ったら白と紫のつりがね形のイワシャジンが真っ盛りだった。
2014/09/26 (Fri) 23:46


もうすぐセンター試験の出願
もうすぐセンター試験の出願
2014年9月22日(月)三島ゆうゆうホールにて 「ヒガンバナ」
 次のUG会予定表プリントを書斎に置き忘れてしまった。三島教室の皆さんには次回29日にお渡しします。今夕大ホールでは「こまつ座」のお芝居がかかって、伊豆市民劇場の会員で近在の好事家たちがおおぜい集まってきていた。このような県東部の文化の殿堂の片隅をお借りして、英語の勉強会が開けることはとても名誉なことだね。
 TACさんは35課「形式目的語のit」と36課「前置詞+関係代名詞」を勉強した。take it for granted that〜「〜を当然のことと考える」は重要表現だ。Take A for Bは「AをBだと考える、とりちがえる」の意味。このtakeはmistakeと言い換えても良い。OSAさんも同じ単元。和訳が正確にできるようになってきたね。
 TAYさんは前回の和訳の残りをしあげた。関係副詞のwhereは前にある「先行詞」を修飾する働きで日本語には訳語がない。We cannot imagine a life, at least a civilized life, where there is no paper. 「紙のないような生活は想像できない。それが少なくとも文化的な生活なら。」カンマカンマはカッコのこと、だったよね。だから、その挿入部分を切り取ってあとで付け加えればいいんだよ。
 3年MA君は15課「原因・理由」。意味は同じでも前置詞+名詞(句)と接続詞+S+V(節)の違いが明瞭でなかったね。TA君は前回の残り。14課「譲歩構文」の語句並べ替えと英作文をやった。接続詞+S+Vの構造にすこし注意が向けられるようになった。NU君は101構文が今日「全文修飾の副詞-ly」で完成、ゴールに到着した。センター試験まであと4ヶ月。志望大学の過去問題集を2度・3度やってみて、要領よくレベルアップして欲しい。 尾上

(追記)ひさびさに車で横浜に出た。お目当てはマリアージュの紅茶「マルコポーロ」。それは新宿「小田急」か横浜「そごう」の地下に行かないと手に入らない。同じフランスものでフォーションなら近くの「アウトレット」の中に店舗があるけど味も香りもものたりない。昔、ロンドン駐在中の後輩夫婦に頂いたFM(フォートナム&メイソン)の味はいまでも忘れられない。英国の皇室御用達だけのことはあるし高価だ。それも二子玉川の「高島屋」に行かないと買えない。わたしは毎朝パン食なので時々は好みの紅茶かコーヒーがほしいのです。
 横浜「そごう」の海側から小型定期船「シーバス」に乗ると10分で「みなとみらい」に着く。ベイブリッジを見ながら船で海を渡るのはなんとも楽しい。地下鉄やバスよりずっといいね。ここに来ると片道だけはたいてい船旅にする。この横浜なら世界一周の「飛鳥U」や「Q・エリザベス」に出会うこともあるし、乗ったような気分をちょっぴり味わえるんだ。
 昼食は家内の念願だった「ラ・メール・プラール」(母鶏の意味?)の巨大な「オムレツ・ランチ」。オムレツというより卵でくるんだスープという感じであっさりとしておいしかった。その「マーキズ」というビルの5Fで珍獣「ミーアキャット」が見れるというので気になって食事のあと上ってみた。なんと8mx40mという巨大画面いっぱいに駆け回って、砂漠のコブラと戦うミーアキャトたちの勇敢な姿が映写されていた。
 それは60年も昔に流行っていた「シネラマ」と同じ原理で3台の映写機を使って横長のスクリーンに映し出すもの。中学生の頃、大阪の「OS劇場」で見た「これがシネラマだ!」を思い出した。これは玩具の「セガ」が1年前に始めた体験ゾーンで、実物大の象やゴリラを3Dメガネをかけて目の前にリアルに再現してくれる。観客の座席をガタガタ振動させたり、霧を噴出させたりして「ユニバーサルスタジオ」のような恐怖体験をさせる。英国の放送局BBCに特注した映像だそうで、その撮影隊の苦労も紹介されていて面白かった。
2014/09/22 (Mon) 23:48


よい和訳とは自分で組み立て直すもの
よい和訳とは自分で組み立て直すもの
2014年9月19日(金)裾野市民文化センターにて 「マツムシソウ」
 赤色のプリントで10〜11月の予定表を配った。備考に「冬期講習」の案内と「センター試験」注意事項を書き添えた。来年1月のセンター試験の出願がいよいよ10日後、10月1日からだ。3年生は今月中に志望大学を決め、受験科目も届けなければいけない。私立大学もセンター利用が多いから、推薦やOA入試の人も含めてほとんどが受験することになる。未定の人もとりあえず出願だけはしておいて欲しい。
 YU君の高校ではほぼ全員がセンター受験だから自動的だ。担任から願書が配布され、一斉に志望校や受験科目を書かされ、受験料納付済の証明書を添付して提出するだけ。TA君の高校のようにセンター利用者が少ない場合は「自分の判断で」担任や進路課の先生に申し込まなくてはいけない。現役生は所属高校がやってくれるけど、実はここから社会人の第一歩が始まる。大学受験は個人の選択であり戦いだ。まごまごしていると、行き先未定のままで卒業してしまうよ。浪人生なら願書の取り寄せから自分ひとりでやるのだ。
 TA君は14課「譲歩」だが、4択の文法問題が10題中で正解が2問だった。意味は同じでも 接続詞+S+V(節)と 前置詞+名詞(句)の違いを見分けなくては。 Although she is wealthy と Despite her wealthのように。 
 YU君は今日も英文和訳で大阪府立大の過去問に苦戦。構文の捉え方、単語・熟語の意味・用法がよくわかっているのだけれど、どうも「日本語」になっていない。読んでみるとコンピュータの翻訳のようでわかりにくい。特に長めの英文はくせもので、そのままでは日本語にならない。内容を理解してからそれを「自分の」日本語で組み立て直さねばいけないのだ。それは和文英訳でも同じこと。日本文を理解した上で英語を組み立てる。英和も和英も、いわゆる逐語訳ではいけないのだ。
 2年EC君は35課「形式目的語のIt」をやった。She seems to take it for granted /that doors open automatically.「ドアが自動で空くことを彼女は当然だと考えているらしい」。ここでit はthat以下をさす。接続詞thatの前の文と後の節をスラッシュで切って考えると簡単。
 KI君も同じ課と36課「前置詞+関係詞」。He wrote a sentence /the meaning of which I couldn’t understand.「わたしにその意味が理解できないような文を彼は書いた。」 節にスラッシュを入れてみれば、後半をI couldn’t understand the meaning of the sentence.と復元できる力が必要だ。 尾上

(追記)アメリカ人で大学院生のマシュー君が遊びに来たので御殿場駅に出迎えた。背も高いが横幅もすごい。34歳にして堂々たる体躯の持ち主だ。前回、須走の温泉「天恵」に入ったときはレンタルパンツが超特大であっても履くのに苦労して「オノエさーん!」と泣き顔だった。彼の研究テーマは「源氏物語」や「能舞台」を中心に日本の古典文化や芸術の研究だ。オハイオ州立大学院の日本人教授のもとで優秀な成績を収めて修士の学位をとり、「日米文化交流奨学金」も獲得した第1号受賞者。
 アメリカ東海岸のコネチカット州の出身で、かつて学部時代に応募して日本のALT(英会話助手)の一員に選ばれ、京都府の京田辺市の中学で教えたこともある日本通だ。私の次男と同じオハイオ州立の大学院を出た後日本に留学し、横浜の研究所で「源氏物語」を研究。帰国後はワシントンDCの日本大使館に就職した。文化広報部に所属したが、雑用ばかりで忙しく将来性もなく好きな勉強もできないので早々と退職。今はカルフォルニアの大学院に籍を置きPhD(文学博士)を目指している。昨年超難関といわれる「フルブライト」奨学生16人のひとりに選ばれて来日。日本で唯一という法政大学「能楽研究所」で論文作成に精出している。すごく優秀なんだなあ。
 温泉大好きなマシュー君の希望で、箱根桃源台にある「高原ホテル」で立ち寄り湯を味わった。庭園の中の広い露天風呂につかりじっくりと長話ができた。「あと2ヶ月で帰国なんだけどまだ研究がまとまらない。就職口も見つけないといけない・・」などと悩みを打ち明けるのでいくつかアドバイスしてあげた。
 風呂上がりに湖尻峠に上って芦ノ湖と駿河湾を展望し、草地に咲き乱れるマツムシソウや「秋の七草」のハギ、ススキ、オミナエシを教えてあげた。
2014/09/20 (Sat) 0:04


長い英文はただ「節」の積み重ね
長い英文はただ「節」の積み重ね
2014年9月15日(月)三島商工会議所にて 「ヤマホトトギス」
「敬老の日」だから私も主人公のひとりなのです。昨年は母親に2人分が届いて何の間違いかとしばらく考えたっけなあ。今年も二の岡組から和菓子の詰め合わせとお祝い金をいただいた。あの珍しい樋口一葉のピン札ではなかったが。
 MA君に前回の添削を返して説明した。京都府大の和訳で最後の一文には接続詞が3つ(+省略1つ)もある長く複雑な文だったね。では、そこにスラッシュで節を切ってみよう。And I earnestly urge all young people contemplating their careers to keep in mind /that nothing in work is finally rewarding /unless it is work/(that) you would be willing to do for nothing /if you could afford to. 5つのSV節を順に見ていくと@「自分の一生の職業を考えている若い人たちのすべてに、〜と覚えておくように心から願います」(urge人to〜に注意。)A「最終的にはどんな仕事の中身でも報われることはないということ」B「〜という仕事でない限り」C「タダであってもすすんでやろうとする〜」for nothingはfor freeともいう。ここではfor no payということ。)D「もしそうする余裕があるなら」(toの後の省略は当然do for nothingだよね。)これを逆順に並べれば和訳の出来上がり。今日の英訳は名大、梨大でこれもなかなか難しいとネをあげてたね。根気よくじっくりやろう。やりがいあるよ。
 TA君は前回の「仮定法」の2枚目。並べ替えをやったが一つもマルがもらえなかった。スランプかな。If の省略、as if、I wishなどもう一度文法参考書で調べておいてね。英作文も「接続詞+S+V」という英文の基本単位に注意が払われていないのが残念。電通大の長文問題「五感が特別発達したアボリジニ」も読めてなかった。今日のプリントを持ち帰って忘れぬうちにじっく復習しよう。明日のために。
 TAMさんにも前回の和訳入試問題を添削してあげた。東京女子大が難しかったね。でも1年生でここまで読めれば将来有望だよ。「水は直接に人間の飲用だけでなく、間接的に水で生きる生物、魚や野菜も人間の大事な食料源になっている。」セミコロン(;)はほとんど「すなわち」と訳しておけばOK。
 TAYさんは重要構文「動名詞」の前に、英文和訳の難問7題に取り組んだ。関係詞の特別な用法に注意しよう。直前の文や節・句を先行詞とするwhichや、カンマの後にwho, whichをつけて追加説明するだけで先行詞を修飾するのではない場合もある。熊本大の「成功する人の条件」は難しかったね。What is not apparent is the perseverance it takes following each defeat to keep you on the road.「(ほかの人に」はっきり見えないのは、毎回失敗したあとでその道に踏みとどまるのに必要とする忍耐力なのだ。」It takes(人)精力to〜「(人が)〜するのに精力が必要だ」の構文がわかっていればできたかな。following each defeatは挿入だからその前後にカンマがあればいいのにね。
 TACさんは家の法事でお休みした。もうすぐお彼岸だね。真っ赤な彼岸花(曼珠沙華)を今日田んぼの土手に発見したよ。 尾上

(追記)久々に青空が戻ったので、少し遠出して丹沢山系の「犬越路」1060mに登った。箱根の友人にも、横浜の大学同窓にも電話で断られたった一人で。我が家から35kmだから1時間少々で到着。「西丹沢自然教室」に立ち寄って「登山者カード」を提出。愛想の良い初老の係員は自分では歩いていないようで、今日のお目当ての「シラヒゲソウ」の情報を尋ねたが「用木沢出合」周辺らしいというだけ。しかたなく自分で見当をつけて湿った岩場に注目しながら「犬越路」コースを登っていく。
 丸木橋を渡り透き通った山水がゆたかに流れ下る美しい渓流を歩くと、その対岸が切り立った崖になってそこに何やら白いものが・・。双眼鏡を取り出して見てみたら、あった!7株も群落になって咲いているシラヒゲソウが。花とキノコのカンがよく働くなあ。岩をつたって近づきたいが水と苔でツルツル。ええい!こうなったら裸足になろう。山水の冷涼な感覚も心地いい。崖に伸び上がって花のギリギリ手前で接写できたよ。おお、すばらしい!ヒゲの一本一本、雌しべ・雄しべの色も形も美しい。こんな群落に出会えるなんてなんという幸運。
 鉄製の立派な橋や桟(かけはし)を渡り土砂止めの堰堤(えんてい)をいくつも越えて行くと今度はすぐ足元に発見!ここにもシラヒゲソウが2輪咲いている。つぼみもまだ30株くらいあるじゃん。さっきすれ違った二人連れは「花が何もなくてガッカリでした・・」といって私を心配させたが、気づかずに通り過ごしたのだろう。下山の時は足元ばかり気になって花に気を配る余裕がないんだね。ほらほら、「ヤマホトトギス」が3株も咲いている。白いドレスにピンクの水玉を散りばめたおしゃれな花だね。1株に花1輪だけだから、庭に咲く紫色のホトトギスとは別で「ヤマ」がつく。登山口から2.5KMも歩くとかなりの急傾斜が続いて3時間もかかってやっと「犬越路」という尾根に出た。立派な木造の無人の山小屋が建っている。ここは相模原市との境で西は「大室山」、東はあと3時間で「檜洞丸」に通じる。5月に登った時には山頂が五葉つつじ(シロヤシオ)の大群落で真っ白なトンネルがずっと続いていたなあ。その急傾斜の登山道を双眼鏡でながめ思い出にふけってから今日は下山にした。
2014/09/15 (Mon) 23:52


and の後を見よ・再考
and の後を見よ・再考
2014年9月12日(金)裾野市民文化センターにて 「ウメバチソウ」
 YU君は英文和訳から始めた。接続詞So long as〜、Provided that〜が「〜する限り」という限定条件を表す英文の問題が6題も。名大、慶応、お茶大など、なかなか難解な過去問だ。構文の把握がとてもしっかりして脈略は掴めているからマルを上げてもいいのだが、まだ日本語での表現が不完全だから一重マルだ。採点者に読んでもらうにはもっと適切な訳語、正しい「テニオハ」(助詞)の使用、代名詞に具体的名詞をあてはめる、カンマを飛び越えて和訳が前に戻らないこと、など注意が必要だ。
 TA君は「仮定法」。If onlyが I wishと同じく「願望」(〜であればなあ)の意味で後の文を導き、as ifが「まるで〜のように」の意味の接続詞であること。「仮定法未来」は、将来ありえないことに逆の仮定を込めて「万一〜なら」とか「仮に〜とすれば」の表現で動詞の前にshouldまたはwere toを用いること、など。文法も作文も50%の出来だったね。もう一歩、二歩前進!
 EC君は「to〜や〜ingと、that節やwh-節を受ける形式主語 It の働き」を復習した。特にwh-節の場合に注意。It is amazing to Americans how Parisians get around without any difficulty.「パリ人がどうしてなんの苦労もなく歩き回れるのかがアメリカ人には驚きだ。」
 KI君も同じ33,34課を勉強した。時間不足で和訳と英作文のプリントまで届かなかったが重要構文を2つこなしてくれたからOK。2年生は二人共今日も長めの英文和訳で苦労した。その理由は未知の単語・熟語でもなく難しい文法の問題でもない。いつものアレ、「and の後を見よ」だ。こんな基本的なことはどの文法書にも書いてない。英文和訳を丁寧にやってみるうちに体得する法則なのだね。「A and B」でBと同じカテゴリー(種類)のAを見つけること。 A, B and C ならこのカンマはand のこと。「だいたいわかった」ではなくて「はっきりわかった」という和訳を目指そう。 尾上

(追記)先日家内と一緒に箱根の「湿生花園」に行ったら「ウメバチソウ」が咲いていたので写真をとってきた。前回の「シラヒゲソウ」と姉妹とは想像もつかないでしょうが、よく見ると軸から下はまったく同じで鉢の形をした丸い葉が層をなして連なっている。つぼみが開くまでどちらか区別がつかない。共にユキノシタ科ウメバチソウ属なのです。

 英語の問題集・参考書には何がいいですか?とよく聞かれる。まずは出版社の名前で判断すればよい。出版社のビジネスを超えた教育現場への熱意がその良し悪しの尺度になる。大手の予備校「駿台」「河合」「東進」や通信添削の「Z会」「ベネッセ」などの教材はさすがによくできていて、「旺文社」・「研究社」・「日栄社」・「文英堂」「桐原書店」などと同様に解答付きで店頭販売もしているから、個人で買うならそれら出版社のものがおすすめだ。
 しかし学校で採用となると事情が異なる。解答付きでは授業がやりにくい。学習参考書(学参)の出版社の中には解答・解説を別冊にして先生にしか渡さない、というルールで販売するものがありこちらを採用する場合が多い。授業で使う小テストまでおまけにつけてくれる。厚めの文法参考書とセットの問題集にすればビジネス上もメリットが多い。京都の「エスト出版」「山口書店」「美誠社」、東京の「数研出版」「研数書院」、九州の「啓隆社」などが教育現場をよく研究していて比較的よかった。
 教員時代には学参の出版社から高校の英語科あてに毎年かってに見本をダンボール箱で送ってきた。熱心な出版社は専属のセールスマンを高校に派遣し、新出版物の見本を献本して宣伝をしていく。アポなしでいきなり訪ねてくるからその時授業が空いている先生が応対するが、たいていの先生は面倒くさくて避けようとする。が、わたしは変わり者でこの役をすすんで買って出た。会ってみると中には熱心で面白い人がいる。東京や関西の出版社から泊りがけで出張セールスに来て、近隣の高校にも回ってきたばかりだから、ライバル校が何を選択してどんな風に使っているか、授業用か家の課題用か、という情報が入る。さらに他県の高校の状況もわかる。例えばお隣・愛知県の県立岡崎高校がどうして毎年、東大合格者30名、京都に20名も送り出すことができるのか、カリキュラムとか教材・教師の様子なども聞くこともできる。そういう質問に業者もとても喜んで話し相手になってくれる。
 ただし同じセールスマンでも、編集や経営にまで関わっている人は少ない。他教科の教材も同時にセールスに来ているからただ杓子定規にパンフレットにあるようなことだけを述べ立てて、具体的な英語の質問に答えられない人がほとんどだ。私が会った人の中では「エスト出版」のK氏が面白かった。英語の素養も十分にあり、京都の英語専門の学参「山口書店」で活躍後に新たに創業した人物で、「こんな教材が欲しい」というと「編集部に伝えます」と実現の約束までしてくれた。
2014/09/12 (Fri) 23:37


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