高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

total : 111905
today : 97
yesterday : 54

接続詞(関係詞)の as は曲者だ
接続詞(関係詞)の as は曲者だ
2014年11月17日(月)三島商工会議所にて  「SL・D52」
 ピンクのプリントで12月・1月の予定表を配布した。年末・年始は三島も裾野も閉館なので各1回お休みにします。UG会が休みにするのは年に1回この日だけです。
 裾野のEC君が初めてこちらに参加した。人数が多いから個人指導の時間が比較的少なめになるけどね。前回やりきれなかった英訳の難問をやってみた。A, B, C or Dを読み取ることが大切。「orの後を見る」とDがCと並列であることが分かる。しかしその前にさらにカンマがいくつもあってB もAもすべてor でつながっていることに気付いて欲しい。
 TACさんは接続詞asの特別用法。As far as〜「〜である限り」と様態のas「〜のように」を勉強した。as if〜「まるで〜のように」,as they are「〜ありのままに」など大切なイデイオムだ。Any book will do as long as it is interesting and helpful.「面白くてためになるならどんな本でもいいよ。」as long asは接続詞ifと同じ働きだ。will doはdo good「役に立つ」と似た意味。「ためにならない、害になる」はdo harmというね。
 TAYさんは関係代名詞whatとasの特別用法。whatはsomething whichに置き換えられる「先行詞」を含む関係代名詞。「〜もの」「〜こと」と訳すがwhat Japan isは「日本の今日のすがた」と訳すと良い。Leaves are to the plant what lungs are to the animal.「肺が動物に大切であるように葉は植物にとって大切なものだ。」のように、whatが「大切なもの」という意味を持たせている。参考書などの通説になっている、「葉の植物に対する関係は、肺の動物に対する関係と同じである。」という和訳はわかりにくくてイヤだね。「だから何だって言うの?」と聞き返したくなるよ。
 3年MA君は前回の和訳を見直した。We go on a journey chiefly to be free of all impediments and of all inconveniences; to leave ourselves behind, much more to get rid of others.「私たちが旅に出るのは主にあらゆる障害から逃れるためだしあらゆる不都合なことから逃れるためだ。つまり自分を捨てていくためで、ましてや他人からのがれるためであることはなおさらだ。」セミコロンの後の不定詞to leaveとto getはともに前述の不定詞to be freeの説明をしているから「〜のため」と訳を補っておきたいね。
 TA君はシリーズ最後の第20課「動詞の語法」を勉強した。「〜すること」で動名詞 -ing だけを取る動詞のまとめ。全部で55題もあったがまだまだ覚えることがたくさんあるね。
 1年TAMさんは「まとめ問題」をやった。使役動詞のhaveをつかって「人に〜してもらう」はhave+人+原形/have+物+–edと覚えよう。「助動詞+完了形」はほぼ理解できていたね。
 SUさんはTOEFL問題のシリーズ4に入った。「記憶力を高める方法は?」という面白い話題だけど難しかったね。22行の本文はほぼ読めているようだけど、12の設問がどれも紛らわしい。4つの選択肢も表現法を変えているから、仕方なく消去法でダメなものを潰していくしかない。この同じ問題を昨日、米国人大学院生のマシュー君にやってもらった。結果は12問中11問正解だった。アメリカ人なら当然かあ! 尾上

(追記)米国人学生・マシュー君が訪ねてきたので御殿場駅に出迎えて駅前の蒸気機関車D52を見物した。御殿場線の坂道を幾度ものぼったり下ったりした齢70歳の強者だ。
 マシュー君は私の次男が20年前に留学したオハイオ州立大学院の優秀な後輩で、今はカリフォルニア州立大学アーバイン校の院生。「日本の古典文学・文化」が研究テーマで、最近日本人に帰化したドナルド・キーン博士(元NYコロンビア大学教授)と似た分野だ。昨年フルブライト奨学金を取って法政大学の「能楽研究所」に留学し論文を執筆中だ。32歳でまだ博士論文が取れないのが悔しいが来年中にはなんとかなりそう。先日の「笹子・雁ケ腹摺山」ハイクに参加できなかったし、1年半の留学期間が今月末に切れるので帰国の前に旧交を温めにおとづれた。
 その後、市の「馬術競技大会」に行ってみた。この大会は近在の大学馬術部や県内外の愛好家が参加する。美しい姿のサラブレッドThoroughbred(純血種で育てた、の意味)を上手に操って障害を飛び越える。オリンピックの競技にもなっているよね。ところが観客のなんと少ないこと。終了間際に着いたせいもあるけど、1組しか応援していなかった。「競馬」と違ってマイナーの競技なんだね。
 この「馬術センター」から滝ヶ原の「米軍キャンプ」Camp FUJIには近い。兵役に行ったことのないマシュー君にはどうも恐怖の存在らしいが、敷地内の赤い鳥居を珍しがってカメラに収めていた。最近は新型のヘリコプター「オスプレイ」が飛来しているそうで、頭上を飛んでいるとなると私もコワイな。
 さらに富士山の中腹を南に進んで大好きな「オンセン」に連れて行った。「御胎内温泉」で露天風呂に入り将来のことなど語り合った。「九州大学」から講師の依頼があったけど断ったこと。九大の外国人学生に日本の古典文化を英語で教える講座の担当だったらしい。米国の恩師に相談したらドクターを取るまで就職を待て、と言われたらしい。とりあえずカリフォルニアに戻るが、近いうちにきっとまた来日しそうな口ぶりだった。
2014/11/18 (Tue) 0:42


カンマ・カンマは括弧でくくる
カンマ・カンマは括弧でくくる
2014年11月14日(金)裾野生涯学習センターにて 「河口湖紅葉祭」
 裾野市の文化祭が始っていつもの会議室が借りられず、今日は初めてこの会場をお借りした。料金を取るイベントには貸出さないので、「英語の勉強会」の主宰をKI君のお母様にお願いして私はゲスト講師という立場。お世話になりました。来年の1月末にもう一度お願いします。
 YAさんには前回の和訳を解説した。肯定文+much more〜、否定文+much less〜は前文に追加して「ましてや〜ということは当然だ」、「まして〜できないことは当然だ」と訳す。標語A「カンマ・カンマは括弧でくくる」に注意。カッコの中は一旦削除して文を組んでみればいいのだ。徳島大の過去問で ・・that my students knew when they did, or did not, understand something.「生徒が何かをいつ理解しいつ理解していないかがわかっていると・・」。whenは接続詞の「〜時に」と疑問詞の「いつ?」の違いにも注意しよう。
 YU君も標語Aが苦手だ。The soul of a journey is liberty, perfect liberty, to think, feel, do just as one pleases.「旅の真髄は人が好きなように考えたり感じたりやったりできる自由、完璧な自由だ。」ここの不定詞はlibertyを修飾する形容詞用法だ。高知大の We should not, therefore, attempt to abolish competition, but only to see to it that it takes forms which are not too injurious.では標語@ A but A’ と標語Aが含まれているね。butの後のto seeが 前のto abolishと並列だと見破れなくちゃ。「だから、競争を廃止しようとするのでなく、その競争がさほど大きな害にならないような形をとるように気をつけるように努力するべきだと思う。」
 TA君は進路決定の学力テストが終わってひさびさに出席した。心配だった結果判定も合格となって一安心。よかったね。あとは希望の学部学科に決まるかどうか。まだしばらくは油断せずに学習時間を増やしていこう。今日は18課「時・条件」をやった。「〜するやいなや・・」を表す構文がいくつもあるからしっかり整理しておこう。
 2年のKI君は前回学校の遠足の後もがんばって出席した。49課50課で「譲歩文」を勉強し「高知大」の和訳もよくできた。短時間だったので残りの和訳、英訳のプリントをやってもらった。いつもは時間不足でやり残している3、4枚目の和訳、英訳にチャレンジしてその難しさを実感したようだった。「習うより慣れろ」というように、たっぷり時間をさいて考える習慣をつけよう。
 EC君も重要構文で「譲歩構文」をやった。譲歩の節には助動詞のmay がしばしば使われる。You should try again even though you may fail.「たとえ失敗しても・・」のように。和歌山大の Advertisements are one of the most important cultural factors, reflecting and even forming our lives today.「広告というのはもっとも重要な文化の要素のひとつで、今日の私たちの生活を反映しているし作り上げてもいる。」カンマ以降は分詞構文。and がformingとreflectingを並列していて目的語にour livesをとっていることに気づくといいね。 尾上

(追記)私の住む「二の岡」地区にもいよいよカラーの観光案内「東山・二の岡お散歩マップ」ができた。近所に最近できたおいしいパン屋「KUKKA」でも無料配布している。この地区は「秩父宮記念公園」を中心に「桜並木」が夜間ライトアップされるので最近人気が高まった。古くは「椿並木」の防風林が特徴だったというが、色彩豊かなマップを見るのも楽しい。ハムの「二の岡フーズ」はかなり昔からあったけど、いつのまにかカフェやらレストランがすごく増えたなあ!私たちのお気にいりの「とらや工房」では老舗の羊羹・和菓子を店内の工房で作っていて、日本庭園を見ながら美味しいお煎茶と共にいただける。
 箱根に登っていくR138をはさんで北側を「東山」、南側を「二の岡」と呼んでいる。南北に走る御殿場線の箱根側は「東名御殿場IC」を中心にこの40年で随分変わった。東山地区では「秩父宮邸」が市に移管されて「記念公園」を開設したり、「東山旧岸邸」として岸信介元首相の屋敷も市の管理になって一般に解放されている。
 私たちが島田市から引っ越してこの御殿場市にきた頃は静かな郊外の別荘地で、「東山地区」の中心は「東山湖」と「YMCA東山荘」と「ゴルフ場」で「二の岡地区」の中心は「仏舎利塔」と「二の岡神社」と「アメリカ村」だけ。私の今住むあたりも大正時代に「西の軽井沢」として三井不動産が開発した別荘地だった。もちろん東名高速もなく御殿場駅が「東海道本線」の最高所で蒸気機関車が走っていた時代のことだ。
 横浜の人が別荘にしていた家を30数年前に買い取って2階建を増築して以来ずっと住んでいる。大岡にある「矢崎計器」が内外の来賓の接待に使用している研修所「一休荘」の裏門の前に立っている。高い並木に囲まれて夜は真っ暗、犬を連れて散歩する人も多い。近所には家内が世話になった「前田脳神経外科」だけでなく「歯科クリニック」や「小児科医院」も新たにできたし、多くの別荘地が分譲されて静かな市民の住宅街に変貌を遂げてきた。
 人気のスポット「高原ビール・時の栖」と「プレミアム・アウトレット」を結ぶシャトルバスが我が家の表通りをしきりに走っているし、他県ナンバーの車がビュンビュンと通過していく別世界になってきた、付近においでの折にはいつでもお立ち寄りください。「UG会」のプレートが下げてあります。
2014/11/14 (Fri) 22:31


付帯状況のwith
付帯状況のwith
2014年11月10日(月)三島ゆうゆうホールにて 「イロハカエデ」
 今日も共通テーマはA and A’ になった。一番乗りはTAYさん。前回の和訳を解説した。andには@「と」、「そして」の他にA「そうすれば」、「だから」と訳さねばならない場合もある。It is probably a mistake to assume that whatever little children touch, they will destroy, and that we must therefore keep them from touching anything that is not hers.「小さな子供は触るものは何でも壊してしまう。だから自分のものでないものは触らないように注意していなきゃいけない、と考えるのは多分間違いだ。」ここのandはAだろうね。
 TACさんは27課「目的の節」28課「時間構文」を勉強した。ともに既習でよく理解できていた。名古屋学院の過去問で In Europe, during a short Sunday afternoon’s drive, one might cross a border and need to use a second language.「ヨーロッパでは日曜午後の短時間のドライブの間に、人は国境を越えてもう一つ言語を使う必要がでるかもしれない。」ここではandが後のneed to use〜と前のcross〜を並列していることがわかる。
 3年MA君は高知大の問題でやはりA but A’ の並列を読み取れなかったね。What is wrong in this respect is not that such forms of competition are bad, but that they form too small a part of the lives of ordinary men and women. 「この点で間違っていることは、そのような形式の競争が悪いということではなくて、そういう競争が普通の人々の生活の内のほんのわずかな一部しか形成していないという点である。」いわゆるnot〜 but〜の構文だ。
 NU君は第4課「不定詞」を復習した。All you have to do is press the button.「君はそのボタンを押すだけでいいんだ。」つまりYou have only to press the button.と同じ。文法の4択問題や語句並べ替えはとてもよく出来たね。
 T年のTAMさんは「態」つまり「受け身」の勉強。かなりよく理解出来ていたが、初めての項目がいくつかあったね。cut well (よく切れる)wash well(よく洗える)cut easily(楽に切れる)は他動詞が自動詞のようにつかわれる例だ。イディオムとして覚えておこう。「with+名詞+過去分詞」の形を「付帯状況」の表現と呼ぶ。He sat at the table with his arms folded.「腕を組んでテーブルに座っていた。」後半をSVを用いてパラフレーズすれば while his arms were foldedとなる。 尾上

(追記)大学時代の仲間4人で「笹子雁ケ腹摺山」1357mに登った。「がんがはらすりやま」とは変な名前の山だが由来は、渡り鳥の雁が山にぶつかりそうになって飛ぶさまが腹を摺るくらいだから、という文字通りの説がある。この大月市近辺には同じ名前の山が3つもあって今回は一番低いものにした。この展望のよい山頂は中央自動車道の「笹子トンネル」のほぼ真上に当たる。
 9名の死者が出た「天井板落下事故」が起きたのはここ。12月でもう2年になるが記憶に新しい。笹子峠は江戸・新宿から甲府に至る甲州街道の最大の難所。この山の下には、JR中央線と国道20号が走り、わざわざこの旧道の峠を越える車は滅多にない。この峠にもトンネルがあって「笹子隧道」という。有形文化財に登録されたレンガづくりのいい風情がある。昭和13年に完成して20年間、幹線道路として笹子から西側の甲斐大和(昔は初鹿野)までくねくねしたつづら折れの山道を抜けていった。日光の「いろは坂」に負けないくらい紅葉の美しい山道だ。
 山を降りたあといつもは皆で温泉に入って打ち上げなのだが、この日はお勉強。大月市郊外にある「山梨県立リニア見学センター」に閉館間際に立ち寄った。実際の走行試験は15時までなので見れなかったが、新しい駅のできる甲府を中心にしたジオラマや「中央新幹線」の未来図を見たり、磁気で浮かんで走る一人乗りのミニリニアモーターカーに乗ったりして大いに楽しんだ。1時間少々で品川から大阪まで行けてしまうというが、実際に完成して営業が始まるのは20年も先だから、その頃にはお互い生きてはいないだろうね。
2014/11/11 (Tue) 0:26


and、or、but の後を見よ(標語改訂版)
and、or、but の後を見よ(標語改訂版)
2014年11月7日(金)裾野市民文化センターにて 「ポプラ」
 KI君はセンターにはだいぶ遅れて到着した。高校の遠足で「鎌倉」に行って現地で自由解散だったから長めに楽しんだらしい。EC君も同じく遠足だったがとうとう欠席した。2年生は「譲歩構文」の勉強。Even if(たとえ〜でも)、It is true〜 but(確かに〜だけど・・)形容詞as SV,(〜だけれど、・・)など、国語の文法では「逆接」とよぶもの。
 YAさんに前回の和訳添削を解説した。一橋大の過去問でA man may take to drink because he feels himself to be a failure, and then fail all the more completely because he drinks.「ひとは自分が失敗したと感じるから酒にひたるのかもしれない。そして酒を飲むからそれだけますます完璧に失敗してしまうのかもしれない。」が難しかった。助動詞のmayは文全体にたいして「〜かもしれない」と推量しているので「〜するのかも・・」と訳す。「〜するかも・・」では推量がbecause以下まで及ばないからダメなのだ。「の」がつくかつかぬかの違いで、英語より日本語の方が優れている例のひとつ。「〜だ」と「〜なのだ」の違いは日本語研究の大事なテーマなのだ。
 YU君も同じ箇所で、標語@「andの後を見よ」を忘れていたね。ここではfail(fails ではなく動詞の原形)がtakeと並列であることに気がつかないといけない。つまりmayがここにも及んでいる。上智大のThe effort, marred by both political and scientific differences, has none the less had its triumphs・・「その努力は、政治上の違いや科学上の違いのために妨害されたけど、それでもなお西欧としての成果を生んだ、・・」現在完了has hadがnone the lessで否定されている。(妨害されたからそれだけ少ないということはなかった・・)ということは「the 比較級 because・・」(・・だからその分だけいっそう〜)という大事な構文から考える。
 SUさんはTOEFLの練習問題に取り組んだ。・・・19世紀末、南北戦争が終わって数十年経つのにまだアメリカでは南部でいっそう人種差別が進んでいた。全ての人の投票権を主張したアフリカ系アメリカ人の(つまり黒人の)B.T.ワシントンは「貧しい白人には投票権を許しながら、同じ状況の黒人には投票所に行かせないような慣例に強く反対の運動をした。」しかし、「われわれは指と同様互いに離れているけど、進歩に不可欠なことをやる時の手としては一つにまとまることができる。」と言った。・・・面白いけど、難しい英文だったね。接続詞のbutの後ろがkeptだからその主語はheではなくてwhich、つまりallowedと並列しているのだ。上記の標語@を「and、or、butの後を見よ」と言い変えようか。「A and A’ 、A or A’、 A but A’に注意せよ。」が英文和訳の最重要テーマだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回11月14日(金)はこの会場が使用不可のため、沼津側に隣接の「生涯学習センター」をお借りします。30分早めて18:00開始、21:00終了です。UG会の名称が使えないので、KI君のお母様にお願いして「英語の勉強会」という形式で借用します。送迎よろしくお願いいたします。 尾上

(追記)新田次郎の「八甲田山死の彷徨」(新潮社1971年)を読んだ。後に「陸奥の吹雪」と語られ歌われた猛吹雪の凄まじさ、マイナス20度の想像を絶する寒さ、兵士たちが凍死にいたる描写のスゴさはほかに例のないものだろう。明治35年、ロシアとの戦争に備えていた時代のことで史実に基づく小説だけど、200人もの犠牲者を出した山岳遭難事故は世界でも例がない。さる9月末の「御嶽山噴火」による犠牲者が60名を超えて、自然の猛威に身震いを感じたものだが、これは山岳事故としては未曾有の大惨事だったのだ。新田はもと富士山頂の観測所職員で「富士山気象レーダー」建設の主任もつとめた人で、極寒状況を経験しているからこそこんなすごい小説が書けたのだ。
 40年くらい前、「八甲田山」という題名で北大路欣也主演で映画化もされた。高倉健・三國連太郎・加山雄三、栗原小巻も共演。最近テレビ放映されたものを見たのがきっかけになって古本で読んでみたのです。(この映画は当時評判が高くて、翌年にはTBSテレビでも新たに制作して放映されたそうだけど、当時はテレビを買わない主義だったので見た覚えがない。)
 最近NHKテレビが松下奈緒主演で放映したけど、テレビドラマ化された山岳小説の「芙蓉の人」も新田次郎の著書で、富士山頂に観測所を建設した夫婦の話だった。さらに「強力伝」は富士山の歩荷(ぼっか:登山案内や荷揚げをする人)だった小山の小宮山正が、北アルプスの「白馬岳」の山頂に100キロから200キロもある石碑(展望図指示盤)を4つも担ぎ上げた様を描いた。私も4年前に登ってその石碑を見てきたが、それを背負ってあの危険な「白馬大雪渓」を何度も往復したとは!
 81歳の今も、金時山頂の「元祖金時小屋」をきりもみする「金時娘」の妙子さんは強力・小宮山正の娘。先日、95回目の登山で山小屋に行った時そのお父さんの話を聞いた。妙子さんは15の春から「おさげ髪、もんぺ姿」で金時茶屋の「金時娘」として今も同じスタイルで有名だが、一方お姉さんは大学・大学院まで行って、その後福島県に嫁いで今も健在だそう。その娘の学費を稼ぐために父親の正は身を粉にして働き、「白馬岳」のようなきつい仕事も引受け、その過労がもとで早死にしたんですよ、と小屋で手伝う孫の秀峰氏が語ってくれた。新田とは観測所職員時代に一緒に仕事をした間柄だったという。
2014/11/08 (Sat) 0:04


文化の日
文化の日
2014年11月3日(月・祝)三島ゆうゆうホールにて 「ダイモンジソウ」
 3連休も文化の日になってやっと青空になった。さわやかな秋の夕暮れ、三島に着くと大ホールで上演した「韮山代官・江川太郎左衛門」のオペラがちょうど終わって、ぞろぞろと大勢の観客が玄関を降りてくる所だった。韮山には「時代劇場」という歌舞伎の花道のあるユニークな文化センターがある。伊豆の国市民で女優の藤田弓子さんが中心になって演劇やオペラの活動が盛んな町だ。昔、「源頼朝」の創作オペラを見に行ったなあ。その伝統が今も脈々と続いているらしい。
 NU君は日体大希望。センター試験と2月の本試験めざして頑張る。今日は第3課「助動詞」を勉強した。助動詞は「動詞を助ける」オマケ(?)ではなくて、文全体に「話者(その文を読んだり書いたりしている人)の判断」を加える大切な働き。たとえばmustは「(100%)・・しなきゃだめだよ」とか「(100%)・・・に違いないよ」と(文には登場しないけど)「話者」(I)が言っている。must notは「・・・してはダメだよ」と、100%の禁止なのだ。
 MA君は和訳で「一橋大」や「上智大」をやってみた。比較表現のall the more〜because・・(・・なのでそれだけいっそう〜だ)とか,反対にnone the less・・ because(・・だからといってそれだけ〜でない、ということではない⇒・・だけど、それでも〜だ)。比較級の形容詞にthe がつくのは「その分だけ」の意味を持たせているのだ。バートランド・ラッセル卿の「幸福の獲得」も難しかったね。「カンマが多すぎてどこから手をつけたらよいやら・・・」と君はいうけど、根気よくまずはSVを特定することだ。前置詞+〜はすべて修飾語(M)だからカッコにくくっておけば文の骨組みが見えてくるよ。
 YAさんも同じ単元で「中央大」の長文問題を解いた。科学者は「仮説」をたててそれを「証明」するために実験する。ここでは「先生の期待がどのように小学生の成績向上に反映されるか」の実験。その実験プロセスがくわしく説明されている。低学年ほど効果が大きいと、はっきりと数字になって証明されるところが面白い。
 TAYさんは重要構文33課と34課で「形式主語It」の用法を勉強した。Itが長めのto〜不定詞句や〜ing動名詞句の代わりに主語として使われること。that節の代わりや、疑問詞節の代わりにも使用できる。英語学ではこういう形式主語itのことを「虚辞」と呼んでいる。長めの主語が文の後ろに移動したので、その「空き地」を埋めるためだけの働きなのだ。
 1年のTAMさんは前回、文法問題で「助動詞」をやった。説明時間が少なかったので今日返却しながら解説した。未知の助動詞がいくつかあったからマルが少なかったね。文法書で復習してみてください。今日は「動詞の時制」をやったらかなり正解が多かった。得意な単元だったね。明治学院大の過去問にも挑戦。「幼いうちに読書の習慣をつけることが大切。それも最も優れた作品を読ませたい。」という内容。難しいけど中身のある英文に挑戦するのは意欲を駆り立ててくれるね。 尾上

(追記)新しい自転車が宅急便で届いた。「レイチェル」という名のライトブルーの車体で20インチの車輪だから可愛い感じ。目的はリハビリ中の家内の訓練と楽しみ用。だからまずは折りたたんで「山中湖」や「芦ノ湖」まで車で移動できるもの。御殿場はどこも坂だらけだから座ったままで上り坂も楽に走れるよう電動アシストのついたもの。ヤマハのPASにも折りたたみはないのでネットで探したら、大阪のオオトモという会社から製造直売で販売されていた。
 さっそく説明書を見たけど組立がとても難しそうなので市内の自転車屋に依頼することにした。馴染みの専門店は高齢化のため廃業しているし、「うちで買ってもらわないと組立だけでは受けません」という店もある中で、やっと旧御殿場の伴野輪店がOK。看板も目立たない小さな店だけれど店主は人の良さそうなおじいさんで奥さんの呉服屋と店内で併存している。「夕方までに出来ると思います。」
 3時間後には電話があって家内と一緒に受け取りに行った。「餅は餅屋」で特に大ベテランのおじいさんだから仕上げはバッチリ。なまじっか手を出さずに、梱包のままお願いして正解だった。仕様書を見て自分で組み立てる方式だけど、とりわけ不器用を自認する私ならきっとあちこちで行き詰っていたと思う。
 広い場所で試運転してみようと、近所の御殿場南高のグラウンドに行った。家内は色も形も大きさも気に入って何度も練習してみた。電動アシストをONにしたら急にペダルが軽くなってスイスイとじつに楽に走る。これにしてよかったね。

 実はこういう自転車で山に登ったことがある。4年前の夏、「利尻・礼文・サロベツ」のツアーに参加したとき、深夜ひとり念願の日本百名山「利尻山」1719mに向かった。「ホテル利尻」のレンタサイクルでアシスト付きを借りて、真っ暗な自動車道をグングン登って行った。1時間かけて予備バッテリー2本も使い切る頃、夜が白々と明けてやっと5合目の登山口(470m)のある「見返り台園地」についた。ちょうど沼津の海岸と御殿場の我が家の標高差を登りきったのだ。電動アシストの威力だね。今は黄色の「利尻ヒナゲシ」が咲いているという山頂はガスで見えなかったけれど、眼下に「沓形」の半島と対岸の「礼文島」が見えたから念願達成。ホテルでの朝食に間に合うように戻らなきゃ、帰りはたった15分でスイスイと風を切って滑り下りていったよ。
2014/11/04 (Tue) 0:35


and の後を見よ(その3)
and の後を見よ(その3)
2014年10月31日(金)裾野市民文化センターにて  「モミジ」 
 英文和訳で「andの後を見よ」と、多分みんなには耳にタコができるくらい私の念仏になっているけどなかなか徹底しないね。どうしたらいいか考えてA and B というより A and A’とすることにした。or やbutでも同じことだ。「A’の前に同じ種類の語句Aを発見せよ」ということ。
 2年のEC君は桃山学院の過去問・・it may be meaningless in another culture or even have a completely opposite meaning.で、接続詞orは次の動詞の原形haveが同じ種類のbeと並列していると気づかねばいけない。「ある身振り言語がほかの文化では無意味であったり、さらには全く反対の意味をもつこともあるのだ。」
 KI君は関西学院の問題で ・・because people there leave them alone and let them do what they want to do.がむずかしい。接続詞andは動詞のletが前方の動詞leaveと並列だと見抜き「街の人々は自分をほっといてくれるし、やりたいことをやらせてくれるから、・・」
 3年YU君も前回秋田大の問題でもっと明確に和訳できるとよかったね。Adult standards have been imposed upon him with too great an effect and to the detriment of his whole life.でandがto以下の副詞句と前方のwith以下の副詞句とを並列していると見るのだ。ともに動詞を修飾しているから、「大人の基準が子供に効きすぎるほどに、さらに子供の一生を台無しにしてしまうほどまでに押し付けられてきた。」
 TA君は日大推薦入試が間近になって今日は過去問の勉強に専念した。センター試験よりも難問が多いね。志望校の過去問はトコトン徹底して研究すべし、だ。何度もやり直して記憶してしまうほどになるといい。
 11月14日(金)はこの会場が使用不可のため、沼津側に隣接の「生涯学習センター」をお借りします。30分早めて18:00開始、21:00終了です。UG会の名称が使えないので、KI君のお母様にお願いして「英語の勉強会」という形式で借用します。送迎よろしくお願いいたします。 尾上

(追記)「紅葉祭り」の始まった山中湖へドライブした。標高1000mの湖岸には真っ赤に染まったモミジ、ナナカマドや黄色鮮やかなイチョウの高木がキラキラ光る湖面に映えて、正面にそびえる富士山も雲一つなく頂上に雪をかぶって美しかった。旧山中湖ホテルの跡地には洒落たガーデン・レストランとハンモック・カフェができて高原リゾートの静かないい雰囲気だった。
 この日の遠出はもう1つ目的があって自作のモミを「精米」してもらうこと。静岡県内の自動精米機は農協でもスーパーでも玄米からのものだから、モミからの精米機は特別で隣の山梨県や長野県に行かないとみつからないのだ。忍野の集落まで足を伸ばして製粉もやってくれるという「後藤米店」を訪ねた。「ゴミが多いねえ。機械が止まっちゃうよ。乾燥もうまくできてないね。」15%以下でないといけないのに、計器で調べたら19%あった。
 そうか!今年も刈り取った稲穂30束を天日で干したけれど、どうも1週間では短かったらしい。途中で2・3日雨の日もあったりで乾燥が足りなかったようだ。プロの農家がコンバインで刈り取ったばかりのモミをトラックで直接「農協」に運び込み、貯蔵と人工乾燥を依頼していることがやはり確実で効率的なプロセスであることを納得した。コメ作りの難しさを実感!
 籾摺りまでやってくれて5キロの玄米になったが、あまりに少量なので精米は隣の富士吉田の米屋を紹介された。「北口本宮浅間神社」近くに「三枝米穀店」を発見して精米をお願いした。「あまりよく乾燥できてませんね。精米できるかなあ。」と心配されたように、擦りあわせた米が一部粉のタンゴ状になって排出口につまり、とうとう精米機をストップさせてしまった。お店のご主人も怒りきれない様子だった。ごめんなさい。残った玄米をどうしよう?天日で乾燥しなおせばなんとかなるか?
2014/10/31 (Fri) 23:20


SVが5組もある長い文!
SVが5組もある長い文!
2014年10月27日(月)三島ゆうゆうホールにて 「ツリバナの実」
 1年のTAMさんは「助動詞」上級編の勉強。shouldやwouldの難しい用法をやった。未修の項目が多かったね。might as well・・・as〜「〜するくらいなら・・・したほうがましだ」はぜひ覚えておきたい構文だ。自前の文法書で例文を中心に発展学習してみて。
 2年TAYさんの前回、「茨城大」の和訳は長めの英文ばかりで苦労したね。 It has been said that one of the reasons why the English colonized so much of the world was that whatever the weather conditions they met abroad (were), they had already experienced something like them at home! には動詞が5つもあった。当然5つの主語を特定しなくちゃいけない。特にwasの主語はoneだし、that節の中にさらにwhateverの節が動詞のwereの省略で埋め込まれているから実に大変。「英国人が世界中にあんなにたくさんの国々を植民地化した理由のひとつは、彼らが海外で遭遇する天候状況がどうであろうと、そのようなものは既に本国で経験したことがあるからだった、と言われてきた。」となる。
 TACさんは津田塾大の和訳で「不定詞+前置詞」の用法に苦労した。 Doing your own thing sounds attractive, but it is a hard philosophy to live by.「自分のことは自分でやる、というのは魅力的なひびきだけど、守って生きていくにはなかなか難しい哲学だ。」ここはlive by the philosophyと考える。ちなみにIt is a hard book to be interested inは「それは興味を持ちにくい本だ」となるよね。不定詞がhardを修飾するからeasy to〜(〜しやすい)やhard to〜(〜しにくい)は「tough構文」という特殊な用法なのだ。
 OSAさんが久しぶりに登場。台風で沼津からこれなかったり、先週は「商工会議所」に変わったことを知らず、この会場が真っ暗で休みだと思って帰ってしまったらしい。毎月第3月曜は休館日なので、向かいの「商工会議所」をお借りしているのです。しかし意欲的に関係詞whatの用法に取り組んだ。Whatは「こと」「もの」だけでなく「姿」「大事なもの」という意味にもなることを勉強した。「沼津市紹介」の自作英作文の添削をしてあげた。
 3年のYAさんは前回「中央大」の和訳「世界は小さくなっている、か?」で難しい箇所があったね。 〜, for (while ・・・,) one is also more aware of how much there is to learn once one arrives.「なぜなら(・・・である一方で、)人は海外に到着するとすぐに、学ぶべきことがいかにたくさんあるかにもさらに気づいている。」ここではhow muchの節が「疑問文」ではなくて「感嘆文」と考えるべき。主節の動詞で決まる。
 MA君は文法のシリーズ最終回で苦手な「動詞の語法」をやった。動名詞をとる動詞vs不定詞をとる動詞。自動詞「上がる」vs他動詞「〜を上げる」、などなど基本事項をもう一度おさらいして欲しい。和訳は構文「the 比較級, the 比較級」(〜すればするほどますます・・)を勉強した。
 SUさんは遅くなったけど東京から戻って駆けつけた。「雨は人間に恵みの雨だけでなく酸性雨などの被害も与える」を読んだ。前回よりずっと読みやすかったね。難易度が高い語彙は前後関係で推測して読むしかないが、文脈が読み取れているから楽しみだ。 尾上

(追記)富士山御殿場口5合目の「太郎坊」に行った。家から30分ほど車で走ればもうそこは標高1500mで10度低い。木々はさまざまな色合いに紅葉まっさかりで逆光がさすと青空を背景にドキッとする美しさだ。トンネルそばの車道はゆっくり歩いてよく見ると花がいっぱいだ。樹林の陰の登山道よりも日がたっぷり射すからね。「山トリカブト」の青、「シロヨメナ」の白と並んで「アケボノソウ」が1本だけ咲き残っていたよ。
 富士登山道の入口はもうバリケードでしっかり閉鎖してある。「登山禁止」の標識の隣に「日本初スキーの地」と書いた立て札を発見した。1910年(100年余前)、オーストリア人のクラッセルがここで日本初のスキーをやったと。私が島田市の高校から転勤してきた30年前にはこの太郎坊に市営のゲレンデがあって、子供たちを連れて度々ソリすべりに来たものだ。簡易のロープ・リフトも一基営業していたが、あまりの強風で何度も倒壊するうちに市ではゲレンデを廃止してしまった。その代わりに裾野市須山登山道の「水ケ塚」の近くに「イエティ」という人工雪のスキー場ができてそこでよく家族で楽しんだものだ。
 シーズンオフだから「太郎坊」の駐車場には観光客の姿がまばらで、中国系のグループが大きな声で叫んでいたけどすぐに消えた。御殿場市の職員が土砂止めの作業をしていた。3・4人のおじさんの中に一人だけ若い女性が長靴はいて一輪車を押している。女性もたくましくなったなあ。富士山特有の「フジアザミ」が盛りを過ぎたけどまだ紫色の巨大な花をうつ向き加減にたくさん咲かせている。雨上がりのあとの午後で雲の流れが早く、「宝永山」の稜線だけが雲間に現れたけど富士にはまだ傘雲がかぶって山頂をなかなか見せてくれない。
 6合目に向かって砂礫の斜面をすこし登ってみた。ノイバラやツリバナの赤い実、カラマツの葉が黄色く色づいてとてもいい風情だ。目の前にタンポポの小さなタネ(?)が舞っている。でも虫のようにも見える。なんだろう?帰り道で偶然カーラジオで聞いたFM放送のDJが「ユキムシ(雪虫)」が北海道で舞う季節になりました、と話していた。初雪の前になると現れる「雪の妖精」で冬の訪れを告げる風物詩らしい。そうか!それだ!初冠雪もあったからこの1500mあたりが北海道の気候に似ているんだな。実はアブラムシが白い綿毛を分泌して風に乗って隣の木に移動するらしい。面白いねえ。
2014/10/27 (Mon) 23:42


意味の拡張
意味の拡張
2014年10月24日(金)裾野市民文化センターにて 「フジアザミ」
 KI君が前回やって提出してくれたものを添削した。立命館大の和訳「報道の仕事は政府・役人を監視すること」をやった。・・from one end of the United States to the other.では the otherの後にendが省略されているから、「アメリカの端から端まで」(東海岸側から西海岸側まで)。endは「終わり」の意味だけではなくて、「末端」の原義から@〜の端A終わりB〜側、面C目的の意味が生まれた。こういうのを言語学では「意味の拡張」と呼んでいるよ。「多義」の単語は語源を知っておくと応用が効くね。たとえばspringといえば「春」と「スプリング」の2つを思い浮かべる。原義は「飛び上がる」だから名詞は@跳躍AバネB泉(水が飛び出す所だから、hot spring温泉)C春(芽が飛び出す季節だから)D思春期(人生の春)と拡張したのだ。使用頻度の高い基本的な単語ほど多義だから辞書で確認してほしい。面白いよ。
 EC君も45課「〜するために」のso that〜mayと46課「〜するとすぐに」no sooner〜thanを勉強した。学習院大の和訳ではearly newspapersを「朝刊」に間違えたね。earlyは「早い時期の」という意味だから「初期の新聞」ということ。和訳の間違いが随分減ってよい解答が書けるようになってきたね。ますます頑張ろう。英作文にも果敢に挑戦してとてもいい。「頭の程度を疑われてもしかたがない」なんていうのは英語に直訳できない。「猫に小判」を直訳してもダメなように、日本文化を背景にした「比喩的表現」(メタファー)は、その原義をつかんで平易に書くことだ。「バカと思われる」と考えて be considered as a foolと書けばいい。
 TA君は前回「程度・目的・結果」の文法作文問題に取り組んで得点は60%だった。難しいけど大切なイディオムはしっかり覚えよう。As far as SV、know better than to〜、To one’s 感情、only to find〜などなど。今日は「無生物主語の文」を勉強した。「原因+make+結果」の構文で「〜のせいで・・となる」と和訳できるといい。Remind(思い出させる)enable(可能にさせる)prevent(させないようにする)などの動詞をしっかリチェック。
 YU君の前回は英作文がとてもよかったのに語句並べ替えが難しくて誤答が多かった。What has become of〜「〜はどうなったの?」〜what it is like to be poor「貧乏であるとはどのようなことなのか・・」。think、believe、imagine、suspect、suppose/ say(思う、言うの仲間)のように「軽い動詞」のあとの「間接疑問文」では疑問詞が文頭に出る場合に注意。What time did you say he was coming here? のように。今日の文法はシリーズ最後で「動詞の語法」55問をマーク式で解答した。47点とれたから85%の正解率。さらにレベルアップ! 
 YAさんはこの週末が高校文化祭。アンサンブルでバイオリンを弾くそうだ。三島教室のTAYさんも吹奏楽でオーボエを吹くらしい。聴きに行けたらいいな。今日はYU君と同じ単元で「動詞の語法」だった。ここはなかなか得点しにくいね。山口大や秋田大の難しい和訳the more SV, the more SVの構文にも熱心に取り組んだ。 尾上

(追記)文化センターに到着したら吹奏楽のなつかしい響きが大ホールから流れてくるじゃん。どこの団体かなと思って掲示板を見ると「福島県立平商業高校吹奏楽部」と書いてある。なぜ福島の高校が裾野でコンサート?さっそく事務所で聞いたら「よそのホールが借りられなかったそうで、あす全国コンクールで名古屋に向かう途中、裾野ICで一旦おりてリハーサルに使用しているのです。・・」と。なるほど、インター近くにホテルもあるし、東名沿いとして絶好のロケーションなんだね。  
 ネットで調べたら、平商業は東北代表の3校のうちのひとつで昨年も出場して銀賞だった。3.11被災地の福島がここでも復興に燃えているね。頑張って欲しい!あす25日が中学の部、26日(日)が高校の部で、「名古屋国際会議場」で開催される吹奏楽の「甲子園」だ。
 私も教員時代たびたび応援や勉強のために訪れた吹奏楽コンクール全国大会は、昔は東京・中野の「普門館」でやっていた。かつてカラヤンが「第9」を指揮したあの5000人収容の巨大ホールが老朽化で使用できなくなったらしい。静岡県は「浜松工業高校」が常連だったがその後は「東海大翔陽高校」が長く全国の代表になった。しかし最近15年は愛知県にお株を奪われて東海支部の代表になれないが。
 実は、私もその「普門館」で御殿場南高校のバンドを指揮したことがあるんだよ。もちろんコンクール出場じゃなくてフェスティバルだったけど。OBも参加して70人の大編成。2000人くらいの聴衆の前でガーシュインの「巴里のアメリカ人」と「ポーギーとベス」を演奏した。もう30年近く前のこと、KI君のお母さんがクラリネットを吹いていたなあ。ステージ写真を今も書斎に飾ってあるよ。

2014/10/25 (Sat) 0:16


教育とは見守ること
教育とは見守ること
2014年10月20日(月)三島商工会議所にて 「初冠雪と茅葺き作業」
 YAさんの実家・宝塚から季節の便り。丹波篠山の黒枝豆を枝付きでいただいた。黒大豆になる前の緑鮮やかなうちに食すもの。パンパンに膨らんだ大きな豆粒ばかりだ。大阪から出たJR福知山線が、例の悲惨な大事故現場の尼崎で分岐し、宝塚と三田を通って篠山に至る。この地を丹波という。大きな甘い実のなる丹波栗でも有名だ。明日は塩茹でしてビールとともにいただきます。
 YAさん、前回の三重大・英文和訳で, and nowhere is the common British respect for living creatures shown more clearly than in the laws for the protection of wild birds. が難しかったね。過去分詞形のshownがisとセットで受動態になっていることに気づかないと。否定語のnowhereが強調で文頭に出たのでSVが倒置(疑問文の語順)になったんだ。こういう少々長めの主語が来ると困るね。「生き物たちに対する英国人共通の敬愛の心は、どこよりも野生動物保護の法律に一番はっきり表現されています。」となる。さらに、比較級の否定文はあえて最上級の肯定文で表現したほうが日本語では明瞭だよ。
 MA君は「疑問文」をやった。学習院大の英作文で「この手紙がロンドンに着くまで、どのくらい時間がかかりますか。」に苦労したね。「着くまで(に)」に着目するとbeforeを使ってHow long will it be before this letter gets to London?だし、「かかりますか」ならtakeを使ってHow long will it take this letter to get to London.となる。どちらか一方、まぜこぜにしてはいけない。
 2年TACさんは複合関係詞のwhateverやwhereverなど。独協大の英文が少々難しかった。Teaching Japanese boys turns out to be a much more agreeable task than I had imagined.動詞turnsの主語はTeaching以下だから「日本人の子供たちを教えるのは、想像していたのよりもっとずっと自分の性にあっているとわかった。」
 TAYさんは茨城大の和訳でIn no country other than England, it has been said, can one experience four seasons in the course of a single day!
が難しかった。「人がわずか一日のうちに4つの季節を経験するのはイギリス以外の国ではどこも不可能だ、といわれてきた。」否定の語句が文頭に出ているから、can one experienceと疑問文のように倒置になっている。, it has been said,のようなカンマで囲まれた挿入語句も文頭に出せばOKだと覚えたね。
 1年のTAMさんは「分詞」をやった。中間テストの前にやっておく予定が台風の接近のために休んだので狂った。独立分詞構文や付帯状況のwithの用法が未消化だったね。
 SUさんは大学1年も後半になり教職単位を取るか否かで考慮中。私:「それは申し込んでおいたほうがいいさ。いつ教師をやりたくなるかわからないし。一生続けられるいい仕事だと思うよ。教える、なんていうより生徒の勉強に寄り添って発見と感動と成長をじっと待つ、というすばらしい仕事だと思う。このUG会のやりかたも同じです。」今日もTOEFLの問題で「法律と社会変革の関係」を読んだ。内容の点でも前回よりずっと難しくてだいぶ間違えてしまった。次の検定12月を目標にこの問題集でいっそう頑張ろう。 尾上

(追記)農作仲間と稲穂からモミをはぎ取る「脱穀作業」をやった。36束をハザ(竹製の物干し台)に逆さまに吊るして1週間ほど天日で干したから、きっと栄養と甘味がモミに詰まっておいしいコシヒカリになったはずだ。さて今年が稲作5年目だが解決できない問題がある。いままで2・3本ずつ軍手をはめて指先でモミをもぎ取るからまさに原始的作業で6人でやっても半日仕事になった。なんとかもっと効率よく作業できないかと考えてきた。今年は飛躍しなきゃ!
 江戸時代は「千歯こぎ」という櫛のオバケのようなもので削ぎとり、明治後半になってから「足踏み式の木製ドラム」にクギがたくさん付いた「脱穀機」になった。農業も機械化の波に乗って、50年前に開発されたトラクター式の「コンバイン」を今の農家はどこも持っている。数百万円もするが使うのは年に1日だけで実にもったいないし手入れも大変だ。これは移動しながら「刈り取り」と「脱穀」の2つの仕事を一度にやってしまうスグレモノで英語ではCombine Harvester(結合収穫機)という。つまりコンビとかコンビネーションの意味で手短に英語でもCombineでOK。
 九州・宮崎県のある農家が全て手作業で稲刈りをやって子供たちに脱穀も体験させている姿を先日テレビで見た。そこで初めて「木製の足踏みドラム」を見てふと閃いた。畑でも何かの動力が使えてモミを弾き飛ばすような工夫をすればいいのだ。私が家にある移動式の動力は何か、考えてみると5つある。「愛車クラウン」、「自転車」、「古い扇風機」、「髭剃りシェーバー」(?)と「草刈り機」。「扇風機」は去年ソバの実から枝やゴミを吹き飛ばすのに使った。そうだ!あの時の「唐箕」(とうみ=中国から伝わった「風扇車」)の手製のダンボール箱が使えるぞ。そこに「草刈り機」の頭を突っ込んで、上部の穴から稲を突っ込めばモミが吹っ飛ばされるじゃん。いつも草刈りには鋼鉄の刃ではなくてピニールの紐で草をなぎ倒しているから、その紐を短めに8本も立てられる。It's a good idea! Marvelous!
 さて、さわやかな秋日和の「脱穀の日」になった。仲間の驚きと半信半疑の眼差しを受けながらも私の思惑どおりにコトは運んだのです。ダイセイコー!いままで3時間以上かかった作業がわずか30分で片付いたのです。「尾上式脱穀機」は6人の仲間の協力と和やかな雰囲気のおかげで大成功。今日は実に楽しい農作業でした。
2014/10/21 (Tue) 0:41


There構文に用心
There構文に用心
2014年10月17日(金)裾野市民文化センターにて「ムラサキセンブリ」
 YAさんは進学先が決まっても気をゆるめることはない。将来に大きな夢を持つ人は一つの壁を乗り越えるとまた次のステージに向かいたくなる。先週の英文和訳では less A than B が難しかったね。「BよりAが少ない」を逆に「AよりBの方が多い」と訳したほうがいいケースが多かった。
 YU君は前回の過去問で Nor would I have known what a strong will to live children have.「子供というのはなんと強い生命力をもつものか、ということもわからなかっただろう。」what以下は間接疑問文じゃなくて「感嘆文」として解釈したほうがいいね。どちらも同じ構文になるから判断は動詞で決まる。
 TA君は「程度・目的・結果」の構文を勉強した。10の例文をまず和訳してもらう。どれも大切な構文やイディオムばかりだから丁寧にやっておこう。
 2年KI君は名詞節のthat「〜ということ」と副詞節のthat「〜なので(結果)、〜するほどに(程度)」を勉強した。和訳では文中にある ,though,や ,for example,などのカッコでとじることのできる挿入語句は、「文頭に出しておけばよい」と覚えたね。センター試験も青学も和訳がとてもよくできていた。
 EC君は前回の英作文を添削して説明した。「〜がある」とか「〜がない」をthere is 〜と書いているが、こういう「存在文」では動詞にhaveを用いたほうが無難だよ。主語には「人」でも「物・事」でも使える便利な動詞だから。実はThere is 〜が特殊な構文であることを知らずに教えてしまう先生やテキストが多い。「〜」には不特定の名詞しか来ないのだ。だからThere is much money in the purse.はOKだが、There is your money in the purse.とは言えない。There is Mt.Fuji in Shizuoka.なんて誤文を中学で教えてないだろうか? There are many mountains in Shizuoka. ならOKだが。
 こういうthere は仮主語のIt と同様に、形式を整えるだけの働きでなんの意味も持たないから「虚辞」といいます。でも文の要素からは主語なんです。その証拠にIt is good for there to be much money in the purse.「財布にたくさんお金があるのはいいことだ。」このthereは不定詞to be の意味上の主語だから。
 この項目は高校生によくある間違いなので、今日の参加者全員黒板に注目して久々の全体講義を聞いてもらった。 尾上

(追記)「ムラサキセンブリ」が今年も見たくて「高座山」(たかざすやま)1304mに登った。富士山北麓の山梨百名山「杓子山」コースで最初に登る三角山だ。山中湖ICを出て観光客で賑わっている「忍野八海」の中を通り抜け、忍野中学校の裏から細い峠道をくねくね上っていくと「鳥居地峠」 1,000mに着く。そこに駐車して初めは緩やかな樹林の中の広い林道を歩く。ひとりで下ってきた男性に、何か花を見ましたか?と聞くと、「ムラサキセンブリがタカザスヤマの頂上近くに咲いてますよ!」と興奮気味に教えてくれた。ああ、コウザと読むのではなかったんだ。途中から尾根道に入るとすぐに足元が色とりどりの草花で囲まれる。青い「ヤマトリカブト」、白い「サラシナショウマ」、赤い「ヤマラッキョウ」や紅葉した「ヤマウルシ」に続いて、明るい斜面の草叢には「リンドウ」と「オヤマボクチ」がここにもあそこにも。
 すばらしい展望だよ。台風一過の澄み切った青空に、富士山から三国山系へなだらかな稜線がくっきりと正面に見渡せる。山頂のすぐ手前にくると階段がほしいほどのツルツルの急斜面で、ロープを頼りによじ登っていくとそこに咲いていたよ、小さな「ムラサキセンブリ」(紫千振)が1本、2本・・・22本。ストライプの入った5枚の花弁を星の形に広げて、そのうす紫のなんと上品な色合いよ!昨年この山で偶然見つけたのだけど、すれ違った女性たちのグループに「秘密にしておきましょうね!」と言って名前を教えてもらった。薬用になる普通の「センブリ」は白い花に紫の立縞が入っていて、先日「越前岳」のすすき原の斜面で見たように日当たりのよい高原ならよく見かけるが、この美しい紫のものはいかにも珍しい花で準絶滅危惧種らしい。石灰質を好むのでこの山以外では遠く秋吉台まで見にでかける人もいるのよ、と言っていたなあ。
 センブリは古来、可愛い白い花のゲンノショウコや臭いドクダミとともに3大民間薬とされて、センブリの名前の由来は「千回振出してもまだ苦い」ということからつけられたらしい。「当薬」という名前の生薬で「良薬口に苦し」の代表格になっているが、実際はたいして効能がないらしい。そうそう、「トウヤクリンドウ」といえば南アルプスの「北岳」や「仙丈岳」に登った時に3000mの山頂付近で見かけた高山植物の清純な白い花のことを思い出すが、このセンブリと同じリンドウ科でともに苦くて生薬になるからこの名になったらしい。
2014/10/18 (Sat) 0:08


total : 111905
today : 97
yesterday : 54