どの高校も冬休みに入った。クリスマスも間近でなにかと落ち着かない季節だね。しかし1年も2年も休み中の課題がたくさんでているでしょう。勉強の習慣や意識が続いている今の内に片付けておくと良いよ。年末年始はどうしても一人で勉強部屋にこもっていられないでしょ。休み明けのテスト対策でもう一度短時間の復習ができるようにしよう。来週29日(月)はお休み。ホールが年末の夜間休館だから。次回は1月5日(月)です。年末年始は是非「冬期講習」に参加して午前だけでも頭が錆び付かないようにしよう。
3年生はセンター試験まであと4週間を切ったね。平常心でまんべんなく必要科目に取り組んでおくのがいいね。弱点科目に集中するあまり得意な科目が怪しくなっては大変。人間の頭はコンピューターと同じように「記憶」と「演算」の2装置からなっている。記憶のいい人も演算となるとすぐにあやしくなる。ほかの科目と違って「英語と数学」はシンボル(記号)による抽象概念の学問だからブランクに弱いんだ。2.3日も触れない日が続くともう演算、つまり記号を具現化する力が怪しくなるんだ。恐るべし、だよ。
TA君から嬉しい知らせ。日大の生物資源学科に合格した、とのこと。第一希望が通ってよかった。なんか実感の湧かないような報告の仕方だったけどまずはおめでとう。今日は前回のプリントの続きで、京都女子大の長めの英文「日本人の和の思想」を読んだ。ほぼ正確に読み取れていたね。
MA君は横浜市立の和訳がほぼ正解だったけど、早稲田の2問はマルがつかなかった。コロン、セミコロンは「前文」の説明や理由を述べるから「すなわち」と訳すのだ、と覚えてくれたね。だけど特にダッシュの時は前出の「語句」を説明する事が多いから「即ち、その〜は」となるよ。問1でも「即ち、その1日約130ドルというのは・・・」と訳すのです。
YAさんも同じプリントでMA君と同じ箇所が難しかった。同志社大もちょっと難しかったね。Oseibo, the bigger of Japan’s two annual lively spells of gift-giving hospitality, rises to a peak 〜「カンマ、カンマはカッコのこと」だったから「お歳暮」の追加説明と考えるのだ。「お歳暮は、年に2回進物で気持ちを示す日本の活発な時期のうち大きな方だが、〜に頂点に達する。」となるね。最後にある ・・except July, the lesser gift-giving month. のカンマは「即ち、7月とは」となって「小さい方の進物の月」となる。the lesserは前出のthe biggerとの「対比」で読み取ることが大切だ。可愛い「レッサーパンダ」知ってるでしょ。知ってたはずのsinceを「〜以来」と訳しているのは、英語の勉強が少々手抜きになっているんじゃない?だれでもそうだけど、冬休みになって授業がないと頭が錆びついてくるんだよね。「言語」は毎日30分でも必ず読み書きすることだ。英語で日記とか私にE・メールとかも有効だよ。自分に課題を課して英語の勉強を続けるといいね。
2年TACさんは53課「特殊な接続詞」を終えて「仮定法構文」に入った。学習院大の英文 All we have to do is wait for the guests to come. は大切な構文。All が主語で isが動詞。「私たちがやる必要のあることすべてはお客様が来るのを待つことだ。」だから、「〜待っていさえすればいいのだ。」と訳せるようにしよう。イディオムのWe have only to wait 〜. と同じ意味になる。
TAYさんの和訳を添削した。どれにも全力で取り組んでいる様子。上達がとても楽しみだ。京大「科学の機能」、早稲田「現代人の読書」、明治「喫煙のマナー」と難しい英文の連続だったね。マルがあまりつかなかった。その他の大学のより1ランク上の感じだね。therebyという単語は副詞で、前にのべた事をうけて「そのことによって」という意味。, by which と同じ。in companyは「仲間の中で→人前で」の意味。イディオムで無冠詞の company は抽象名詞。 a や the がついていれば普通名詞で「会社、劇団」の意味になる。たとえばkindnessは「親切さ」で数えられないけれどa kindnessは数えられるから「親切な行為」となる。今回も公式 A and A’をしっかり見破ることに失敗したね。
1年TAMさんは学校の冬休みの宿題に専念した。馴れていない自由作文に少々苦労していたね。さほど真剣に考える必要はないよ。英文を構成する練習だから多少フィクションでも構わない。まずは簡潔に文を羅列すればいい。
SUさんはTOEFLの過去問で「白熱灯より優れた蛍光灯」を読んだ。科学技術の話だが、前回の「素粒子論」よりは語彙がつかみやすかったね。こういう問題は苦手の人が多いだろうなあ。平均点を下げるための難問だろうね。最近のBBCから「子供の映画には死の場面があふれてる」と、ニューズウイークから「音楽をやると学業成績が上がる」をプリントしたので読んでみて。 尾上
(追記)YAさんにおいしいクッキーを今年もいただいた。学校でクリスマス会があって自分で焼いたそうだ。赤い箱には幼子イエスの誕生を両親が祝福している姿が描いてある。出席した皆にもお裾分け。学校では「ハレルヤコーラス」を皆で歌ってお祝いしたそうだ。YAさんは得意のバイオリンで参加した。ヘンデル作曲の「メサイア」の一節だが、今年始めて自分たちのオーケストラの伴奏で歌ってとてもよかったとか。
わたしも「メサイア」全曲をチェロで弾いた覚えがあるよ。30年前、静岡の常葉短大の学生による特別コンサートがあって、「駿河フィルハーモニー」の一員としてゲスト出演して楽しかった。このチェロはドイツのフランクフルトで買い求めた物。前回のブログに書いたように大学時代のチェロ弾きの先輩の紹介だった。勿論ストラディバリウスとかガルネリとかのイタリアの名器ではないが、ドイツの工房の作で優しい音色が気に入っていた。弓はフランス製でFrench bowといってとても評価が高い。
中学時代以来、トランペット・サキソフォーン・ホルンと管楽器ばかりやってきて弦楽器のチェロはほとんど自己流。静岡大学の松下教授に何度か御指南を受けたけれど。御殿場に転居してから三島のオーケストラに入団して仲間からいろいろ教わった。難しいところのゴマかしかたとか。とても弾けそうもないパッセージがあったら「5ミリ上を弾いて!」とアドバイス。「上?」、それは「弓を弦から浮かせること」だ。要するに「弾いてるフリをしてね」という意味?! 6人(3プルト)も8人(4プルト)も一緒にやるから誰の音かわからない。邪魔しないで得意な人におまかせ、ということだ。なんと!
オーケストラの練習は木屋町の「善教寺」というお寺の本堂だった。毎週水曜の夜はご本尊様の扉を閉めさせて頂いて、指揮者が尻を向けて大音響で合奏した。和尚さんがこの楽団の顧問で、音楽大学出身のその弟さんがホルンと事務局を担当していた。韮山高校・数学の故花本先生とずっと並んでチェロを弾いたなあ。御殿場・富士病院の若林院長がコンサートマスターでとても上手だった。いつ練習するんだろうと不思議だった。
出張して「子供の音楽教室」もやった。東伊豆・稲取の公民館や下田小学校の体育館、西伊豆・土肥小学校などに合宿を兼ねて泊まりがけで出かけた。有名な小品の演奏には口が動くし、見慣れない楽器にさわらせると子供たちの眼が好奇心で輝いていたなあ。
84年、85年には静岡のオペラ協会に頼まれて「椿姫」と「セビリアの理髪師」と2年連続して演奏した。舞台下のオーケストラ・ピットに入ってヴェルディやロッシーニを全曲演奏したのもいい思い出だよ。
ピアノの清水和音、神谷郁代、花房晴美をゲストに協演したのも楽しい思い出だ。チェロの藤原眞理とも大好きなドヴォルザークをやった。気さくな美人さんでお話が面白かった。バイオリンには漆原啓子、徳永二男、佐藤陽子を招いた。熱海に住んでいた佐藤陽子が出演の時は、ご主人の彫刻家・池田満寿夫氏が仲良くいつも一緒だった。いつものボサボサ頭で世界的バイオリニストの付き人のようだった。演奏会の打ち上げ会に伊豆多賀の満寿夫さんの工房に招待されて、伊勢エビの豪華バーベキューをやったのが最後の思い出。転倒事故で急逝されてもう20年近くなるなあ。
「メサイア」も有名だけど、年末には恒例の「第九」が演奏されるよね。駿河フィルでもよく演奏した。ベートーヴェンはチェロもとても難しいが。82年、83年には沼津・三島・伊東・御殿場で5回連続して演奏した。三島の「ゆうゆうホール」開館3周年記念にやった「第九」の大きな舞台写真が今も大ホール・ロビーに飾ってあるので機会があったら私の姿を探してみて。そのチェロも弾かなくなって15年になる。ロンドン旅行で世話になった大学の後輩が最近ファゴットからチェロに転向したので使ってもらっている。甲陽学院高校でも私の後輩だけど、70の手習いとは素晴らしい!
