高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

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冬休みの勉強
冬休みの勉強
2014年12月22日(月)三島ゆうゆうホールにて 「箱根のサンタ」
 どの高校も冬休みに入った。クリスマスも間近でなにかと落ち着かない季節だね。しかし1年も2年も休み中の課題がたくさんでているでしょう。勉強の習慣や意識が続いている今の内に片付けておくと良いよ。年末年始はどうしても一人で勉強部屋にこもっていられないでしょ。休み明けのテスト対策でもう一度短時間の復習ができるようにしよう。来週29日(月)はお休み。ホールが年末の夜間休館だから。次回は1月5日(月)です。年末年始は是非「冬期講習」に参加して午前だけでも頭が錆び付かないようにしよう。
 3年生はセンター試験まであと4週間を切ったね。平常心でまんべんなく必要科目に取り組んでおくのがいいね。弱点科目に集中するあまり得意な科目が怪しくなっては大変。人間の頭はコンピューターと同じように「記憶」と「演算」の2装置からなっている。記憶のいい人も演算となるとすぐにあやしくなる。ほかの科目と違って「英語と数学」はシンボル(記号)による抽象概念の学問だからブランクに弱いんだ。2.3日も触れない日が続くともう演算、つまり記号を具現化する力が怪しくなるんだ。恐るべし、だよ。
 TA君から嬉しい知らせ。日大の生物資源学科に合格した、とのこと。第一希望が通ってよかった。なんか実感の湧かないような報告の仕方だったけどまずはおめでとう。今日は前回のプリントの続きで、京都女子大の長めの英文「日本人の和の思想」を読んだ。ほぼ正確に読み取れていたね。
 MA君は横浜市立の和訳がほぼ正解だったけど、早稲田の2問はマルがつかなかった。コロン、セミコロンは「前文」の説明や理由を述べるから「すなわち」と訳すのだ、と覚えてくれたね。だけど特にダッシュの時は前出の「語句」を説明する事が多いから「即ち、その〜は」となるよ。問1でも「即ち、その1日約130ドルというのは・・・」と訳すのです。
 YAさんも同じプリントでMA君と同じ箇所が難しかった。同志社大もちょっと難しかったね。Oseibo, the bigger of Japan’s two annual lively spells of gift-giving hospitality, rises to a peak 〜「カンマ、カンマはカッコのこと」だったから「お歳暮」の追加説明と考えるのだ。「お歳暮は、年に2回進物で気持ちを示す日本の活発な時期のうち大きな方だが、〜に頂点に達する。」となるね。最後にある ・・except July, the lesser gift-giving month. のカンマは「即ち、7月とは」となって「小さい方の進物の月」となる。the lesserは前出のthe biggerとの「対比」で読み取ることが大切だ。可愛い「レッサーパンダ」知ってるでしょ。知ってたはずのsinceを「〜以来」と訳しているのは、英語の勉強が少々手抜きになっているんじゃない?だれでもそうだけど、冬休みになって授業がないと頭が錆びついてくるんだよね。「言語」は毎日30分でも必ず読み書きすることだ。英語で日記とか私にE・メールとかも有効だよ。自分に課題を課して英語の勉強を続けるといいね。
 2年TACさんは53課「特殊な接続詞」を終えて「仮定法構文」に入った。学習院大の英文   All we have to do is wait for the guests to come. は大切な構文。All が主語で isが動詞。「私たちがやる必要のあることすべてはお客様が来るのを待つことだ。」だから、「〜待っていさえすればいいのだ。」と訳せるようにしよう。イディオムのWe have only to wait 〜. と同じ意味になる。
 TAYさんの和訳を添削した。どれにも全力で取り組んでいる様子。上達がとても楽しみだ。京大「科学の機能」、早稲田「現代人の読書」、明治「喫煙のマナー」と難しい英文の連続だったね。マルがあまりつかなかった。その他の大学のより1ランク上の感じだね。therebyという単語は副詞で、前にのべた事をうけて「そのことによって」という意味。, by which と同じ。in companyは「仲間の中で→人前で」の意味。イディオムで無冠詞の company は抽象名詞。 a や the がついていれば普通名詞で「会社、劇団」の意味になる。たとえばkindnessは「親切さ」で数えられないけれどa kindnessは数えられるから「親切な行為」となる。今回も公式 A and A’をしっかり見破ることに失敗したね。
 1年TAMさんは学校の冬休みの宿題に専念した。馴れていない自由作文に少々苦労していたね。さほど真剣に考える必要はないよ。英文を構成する練習だから多少フィクションでも構わない。まずは簡潔に文を羅列すればいい。
 SUさんはTOEFLの過去問で「白熱灯より優れた蛍光灯」を読んだ。科学技術の話だが、前回の「素粒子論」よりは語彙がつかみやすかったね。こういう問題は苦手の人が多いだろうなあ。平均点を下げるための難問だろうね。最近のBBCから「子供の映画には死の場面があふれてる」と、ニューズウイークから「音楽をやると学業成績が上がる」をプリントしたので読んでみて。 尾上

(追記)YAさんにおいしいクッキーを今年もいただいた。学校でクリスマス会があって自分で焼いたそうだ。赤い箱には幼子イエスの誕生を両親が祝福している姿が描いてある。出席した皆にもお裾分け。学校では「ハレルヤコーラス」を皆で歌ってお祝いしたそうだ。YAさんは得意のバイオリンで参加した。ヘンデル作曲の「メサイア」の一節だが、今年始めて自分たちのオーケストラの伴奏で歌ってとてもよかったとか。
 わたしも「メサイア」全曲をチェロで弾いた覚えがあるよ。30年前、静岡の常葉短大の学生による特別コンサートがあって、「駿河フィルハーモニー」の一員としてゲスト出演して楽しかった。このチェロはドイツのフランクフルトで買い求めた物。前回のブログに書いたように大学時代のチェロ弾きの先輩の紹介だった。勿論ストラディバリウスとかガルネリとかのイタリアの名器ではないが、ドイツの工房の作で優しい音色が気に入っていた。弓はフランス製でFrench bowといってとても評価が高い。
 中学時代以来、トランペット・サキソフォーン・ホルンと管楽器ばかりやってきて弦楽器のチェロはほとんど自己流。静岡大学の松下教授に何度か御指南を受けたけれど。御殿場に転居してから三島のオーケストラに入団して仲間からいろいろ教わった。難しいところのゴマかしかたとか。とても弾けそうもないパッセージがあったら「5ミリ上を弾いて!」とアドバイス。「上?」、それは「弓を弦から浮かせること」だ。要するに「弾いてるフリをしてね」という意味?! 6人(3プルト)も8人(4プルト)も一緒にやるから誰の音かわからない。邪魔しないで得意な人におまかせ、ということだ。なんと!
 オーケストラの練習は木屋町の「善教寺」というお寺の本堂だった。毎週水曜の夜はご本尊様の扉を閉めさせて頂いて、指揮者が尻を向けて大音響で合奏した。和尚さんがこの楽団の顧問で、音楽大学出身のその弟さんがホルンと事務局を担当していた。韮山高校・数学の故花本先生とずっと並んでチェロを弾いたなあ。御殿場・富士病院の若林院長がコンサートマスターでとても上手だった。いつ練習するんだろうと不思議だった。
 出張して「子供の音楽教室」もやった。東伊豆・稲取の公民館や下田小学校の体育館、西伊豆・土肥小学校などに合宿を兼ねて泊まりがけで出かけた。有名な小品の演奏には口が動くし、見慣れない楽器にさわらせると子供たちの眼が好奇心で輝いていたなあ。
 84年、85年には静岡のオペラ協会に頼まれて「椿姫」と「セビリアの理髪師」と2年連続して演奏した。舞台下のオーケストラ・ピットに入ってヴェルディやロッシーニを全曲演奏したのもいい思い出だよ。
 ピアノの清水和音、神谷郁代、花房晴美をゲストに協演したのも楽しい思い出だ。チェロの藤原眞理とも大好きなドヴォルザークをやった。気さくな美人さんでお話が面白かった。バイオリンには漆原啓子、徳永二男、佐藤陽子を招いた。熱海に住んでいた佐藤陽子が出演の時は、ご主人の彫刻家・池田満寿夫氏が仲良くいつも一緒だった。いつものボサボサ頭で世界的バイオリニストの付き人のようだった。演奏会の打ち上げ会に伊豆多賀の満寿夫さんの工房に招待されて、伊勢エビの豪華バーベキューをやったのが最後の思い出。転倒事故で急逝されてもう20年近くなるなあ。
 「メサイア」も有名だけど、年末には恒例の「第九」が演奏されるよね。駿河フィルでもよく演奏した。ベートーヴェンはチェロもとても難しいが。82年、83年には沼津・三島・伊東・御殿場で5回連続して演奏した。三島の「ゆうゆうホール」開館3周年記念にやった「第九」の大きな舞台写真が今も大ホール・ロビーに飾ってあるので機会があったら私の姿を探してみて。そのチェロも弾かなくなって15年になる。ロンドン旅行で世話になった大学の後輩が最近ファゴットからチェロに転向したので使ってもらっている。甲陽学院高校でも私の後輩だけど、70の手習いとは素晴らしい!
2014/12/22 (Mon) 23:35


演繹法と帰納法:発想の違い
演繹法と帰納法:発想の違い
2014年12月19日(金)裾野市民文化センターにて 「時の栖」
 YAさんは前回「金沢大」の英文「文化の維持には敵との出会いが必要だ。」を読んだ。いつも言ってきたように「句読点は意味をもつ」から、セミコロン(;)やコロン(:)やダッシュ(ー)などで後の文が前の文とどういう関係になるかを見極めて和訳を添えなくてはいけない」。ここでは「すなわち(説明」「一方(対比)」「なぜなら(理由」の3通りが出てきたね。つまり等位接続詞で言えば、or、 but、 for、が省略されていると考えて良い。なにも訳さないと日本語の文脈で and「そして(並列)」 so「だから(結果)」の意味に解されてしまうのです。SVO言語の英語が「演繹的」deductive(始めに結論を述べてから理由・説明を加える方法)であるのに、SOV言語の日本語が「帰納的」inductive(理由をいろいろ述べてから結論に至る方法)の故なんだな。接頭辞de-(外)とin-(中)の違いだし、どちらがダメという訳でもない。ここにもチョムスキーのUG理論が潜んでいるよ。
 YU君は「慶応大」の「文中でもっとも強く発音する語」の問題が難しかったね。普通は自立語(動詞、名詞、形容詞、副詞)を強く、付属語(代名詞、前置詞、接続詞、冠詞)を弱く、が原則だけどその原則を破る問題だった。注意すべきは「言葉はナマモノ」だから、「前に言ったこと、言われたことに反対、訂正・追加する部分をフォーカス(焦点)にして強く発音するのだ。aじゃなくてtheということもある。私たちの日本語も同じ事をやっているよ。know him とknow about himは違うよね。「彼の人柄がわかっている」と「彼のうわさを知っている」の違いさ。後者はknow something about himのこと。そのためにaboutを強く発音するのだ。千葉大の和訳は良くできていたね。
 TA君は近畿大のアクセント問題が満点だったが中央大のイディオム完成は難しかった。問題処理をもっとスピードアップしないといけないね。
 2年生EC君、KI君は「仮定法現在」をやってから次の「比較構文」に進んだ。まずはas〜as構文から。中学以来なじんだ「・・と同じくらい〜」だけど、実はそんなに単純ではない。そもそも前のasと後のasは全く性質が違うし品詞も違う。He is as tall as I. は中2でもわかる。 しかしHe is as tall a student here in his new class as anyone is. はどうかな。「彼は新しいクラスでは誰にもまけず背が高い学生だ。」前のasは「同じくらい」の意味の副詞でtallを修飾。後のasは「〜とくらべて」の接続詞なんだ。 だからasとasの間は1語と限らずよく見極める必要があるんだ。中2の文も実はHe is as tall /as I am (tall).と言っても良い。「私の背と比べて同じ背の高さだ。」ちなみに今日の3年生には ,but a household with children is twice as likely to have at least one camera as a household in which there are no children.(名古屋大)がでた。「子供のいる家庭は、カメラを少なくとも1台はもっている件では、子供のいない家庭とくらべて、2倍可能性が高い。」 ただし、As soon as SV, 「〜するとすぐに」や、 as much as〜「数字の強調、〜も」のようなイディオムは別にして。 尾上
  
(追記)アガサ・クリスティ原作のサスペンス「オリエント急行殺人事件」を映画で見たことがある?まだ旅客機のない時代、トルコのイスタンブールを出発してフランスの北岸カレーまで走る国際急行列車がクロアチアの山中で雪崩に遭ってストップし、その間に豪華列車の中で殺人事件が起こる。名探偵ポアロ氏が数人の疑わしい乗客の中から犯人を捜し当てる、というミステリーだ。
 この路線を一部でも走ってみたくて、私33歳のヨーロッパ一人旅の時に乗ったのがパリからロンドン間だった。ドーバー海峡をナイトフェリーで渡った思い出は以前のブログに書いた。ロンドンでは大学の親しい後輩が銀行員で家族と駐在中だったのでそこに居候して観光した。さらにドイツでは同じく親しい先輩がドイツ女性と結婚してフランクフルトに住んでいたのでそこにお世話になった。チェロ弾きの彼の世話で私も一台紹介してもらいおみやげにした。
 ドイツ滞在中ヨーロッパ7カ国の旅に出た。まず列車でミュンヘンまで南下して「ノイシュバン・シュタイン城」を訪れてから、グリンデルワルドで「アイガーの北壁」を展望し、峠を越えるローカル列車に乗ってレマン湖経由でスイス・ジュネーブに行った。フランスのシャモニーからロープウエーを3つ乗り継いでアルプス・モンブラン(4810m)の氷河を越えイタリアのアオスタに抜けた。ここでさらに「オリエント急行」路線を踏破したいと思い、トリノからフィレンツェ、ベニスと観光しながら、国境を越えて旧ユーゴスラビアへ。私が学生の頃留学を夢見た国だ。クロアチアのザグレブを観光した後、セルビアの首都ベオグラードまで列車の旅を続けた。しかし残念ながら時間の都合でここでストップ。残りの路線はブルガリア・ソフィアを通って終着駅トルコ・イスタンブールまであと1,2日の距離だが長年の思いはなんとか達せられた。
 帰路は、あこがれの音楽の都ウイーンとザルツブルグを観光して、ミュンヘンからは「ロマンチック街道・バスの旅」を利用してフランクフルトの先輩宅に戻った。その時の旅行記は赤色の小さなポケット版で今でも大事にしている。幼い息子たちを置き去りにして夏休みに4週間も旅が出来たのは家内の内助の功だ。時折、このブログ日記に書き足していこうと思っている。
 「オリエント急行」は私のヨーロッパ旅行の翌年に廃止されて、有名な車両はタイのバンコックからシンガポールまで観光用に走らせているらしい。日本でもすぐ近くで見られるよ。箱根・仙石原の「ラリック美術館」には「オリエント急行」の豪華な1等サロンカーが展示されていて走らないけど乗ることも出来る。ここにルネ・ラリックの見事なガラスの透かし彫りがはめ込まれていておいしいお茶を頂きながら鑑賞できる。実は、30年ほど前に1回だけパリからモスクワ・北京経由で、香港まで記録的長距離営業で走らせて、さらに船で広島に運び日本国内を縦横に走らせるという観光イベントもあった、とは知らなかった。ここではその時の1両を買い取ったそうだ。
2014/12/19 (Fri) 23:16


「人民の人民による・・」は誤訳
「人民の人民による・・」は誤訳
2014年12月15日(月)三島商工会議所にて 「金時やままつり」
 TACさんからパリみやげにMAXIMのチョコレート詰め合わせをいただいた。ウーン、真っ赤な箱からパリの香りだ。クリスマス前のシャンゼリゼ大通りは並木がライトアップされて実に美しいらしい。グループ研修では生徒だけで自由にランチをとるから、「ノートルダム寺院」の近くでうまくカフェが見つかってフランス語のメニューも理解出来たらしい。今日出席のみんなに一つずつお裾分けした。
 今日の和訳はTACさん、丁度パリから帰ってぴったりの内容だったね。「宮城教育大」の英文 No matter where we go, either to church, school, or to another country, our identity reveals who we are. ・・However, this identity is often challenged when we arrive in a new country. 「教会でも学校でもあるいはよその国でも、どこへ行こうと私たちのアイデンティティ(個性)は自分が何者かをさらけだす。・・しかし、こういう個性はしばしばよその国に行くと挑戦を受けてぐらつくことがある。」identityはidentify、identification(証明)、Identical(同一の) など派生語がたくさんあって、どれも和訳しにくい単語だ。IDカードはIdentification Card(身分証明書、君たちの学生証)だ。添付の写真と同一だよ、と示して本人を立証することだ。
 TAYさんは、試験期間で休んだ分のプリントを郵送しておいたので、家でやってきて今日それを提出した。次回までに添削しておくよ。関西大の問題で Man’s desire for something faster eventually gave birth to jet airlines that travel at nearly the speed of sound, ・・が難しかったね。「人間のなにかもっと早いものへの欲望が・・」という訳よりも「人間がなにかもっと早いものを欲しがる気持ちが結局、ほぼ音速で飛ぶジェット旅客機を誕生させたのだ。」とSVOで訳した方がわかりやすい日本語だよね。
 そこで参加の全員に白板に注目してもらった。「名詞構文」について一気に説明しておこう。「動詞や形容詞から転じた名詞を発見したら、その主語・目的語を見抜いてSVOの英文を組み立てるつもりで和訳しよう。」例えば「リンカーン」の有名な演説「人民の人民による・・」はとんでもない誤訳なのだ。昔の英語の先生は「名詞構文」が理解出来ていなかったんだ。・・・-that this nation, under God, shall have a new birth of freedom-and that government of the people, by the people, for the people shall not perish from the earth. 「人民が人民のために人民を統治する形態をこの地上から滅ぼしてはいけない、ということ・・」 The people govern the people for the peopleという風にSVOで言い換えてみるとofの(目的語をとる)働きが見えてくる。
 1年TAMさんは今日「動名詞」をやった。「意味上の主語」やイディオムで未習のものがいくつかあったね。今日の英文和訳は少々難しかったか。
 TA君は前回、語句の並べ替えをやった。「風呂に入ったとたん電気がみんな消えてしまいました。」は As soon as I began taking a bath, all the light went out.と素直にかける文だけど、これを「電気がみんな消えたときには風呂にはいったばかりだった。」と読み直せばよい。過去完了時制に注意してI had just begun taking a bath when all the light went out.ここでjustのかわりにhardlyも使えるということだ。
 MA君は試験期間でお休みした分のプリントも仕上げて提出した。前置詞のamong はone of the〜「〜の内のひとつ」と訳すと良い場合でうまく訳せたね。中央大の和訳、But a man with no means of filling up time is as miserable out of work as a dog on the chain.が難しかった。前のasは「同じくらい」の副詞で後のasは「〜とくらべると」の接続詞。だから「時間のつぶし方を知らない人は仕事がないと、クサリにつながれた犬と同じくらい惨めだ。」
 大学生SUさんが久しぶりに出席。TOEFLには「素粒子論」「クオーク理論」を読ませる問題も出るんだなあ。参ったね。日頃からNatureやNewton にも目を通しておけ、ということか。こういう学術論文は構文の簡潔さにくらべると難解な専門用語のオンパレードで理解を超えてたね。点を取らせないための問題だ。BBCとニューズウイークの記事から抜粋をコピーして課題にした。 面白いから読んでみて。 尾上

(追記)「金時山」の山頂はお祭り騒ぎだった。これが97回目の登山なのだけど、この「金時まつり」に巡り会ったのは初めてだ。山小屋の陰から「ぺったん・ぺったん」と餅つきの音が聞こえてくるよ。狭い小屋の手前には白いトレーとハシを持った山ガールやおじさん・おばさんの長い行列が。覗いてみたら「焼きそば」と「きのこ汁」が大鉄板と大鍋で今まさに調理中で、できあがるのを待っていたのだ。
 働いているのはいつか見たことのあるような人たち。そう、金時登山の常連の人たちだ。だれが言い出しっぺか知らないが年中行事になってもう15回目になるらしい。標高1213mにちなんで12月13日を「金時まつり」にしている。主人の「金時娘」妙子さんも長男の秀峰さんも陰役になって仕事はみんな金時ファンたちにお任せだ。私たちも持参の弁当には手をつけず、お祭りに当然参加した。つきたての大きな餅を2つも入れたきのこ汁の美味いこと。霜がビッシリのこんな寒い日の登山には最高の贈り物だ。
 この日は大学同窓3人とのいつものトレッキング。3つコースのある金時山に、「足柄峠」側から例会としては始めての挑戦。別名「猪ノ鼻山」が示すように、イノシシの切り立った鼻面のようにこちら側は急峻で、直立のハシゴが12個も(ね・うし・とら、と名付けて)連続する。そして6月になるとこの急斜面には「オノエラン」が密かに咲くから私の大好きなコース。もう30年以上前、始めて家族で登った時にはこの岩のごつごつした急斜面にはクサリしかなかった。両手でしっかりつかんで体重を引き上げるから、まるで「ロック・クライミング」に近かった。
 この日は同窓たちとの「忘年会」も予定していて、手作りの「千枚漬け」を持って登ったのでここで皆にお裾分けした。仲間からも餅つき担当の女子たちにも好評。私が農作仲間とタネまきから育てて採れた大きなまん丸の「聖護院大根」を、先月家内と合作で漬けた苦心作だ。利尻昆布とユズの味が染みこんで実に美味い。京都の老舗に負けないぞ。「金時娘」妙子さんにも持って行ったら、何も言わずにポリ袋を取り出して私のボウルから残り全部を詰め込んでいるよ。81歳、まだまだしっかりしているね。最後の大きな1枚を口に入れて「ウマイ!」だって。
 「じゃあ、いいお年を!」といって山を下りることにした。峠まで下った後は関所のある足柄城跡から「足柄古道」を下ってJR足柄駅まで3時間歩き通すというきつい計画だった。途中「赤坂古道」では石畳がほんの一カ所だけ残っていたが、落ち葉の敷き詰めた狭い普通の山道でここが昔の街道とは思えないほど。前回のブログに書いた自転車での下見コースを、今度は逆順に「地蔵堂川」沿いに歩いて下って行ったのです。予定通りに古戦場「竹ノ下」のJR足柄駅に到着。「小山高校」の真ん前にある「あしがら温泉」で夕焼けの富士を見ながら疲れを癒し、御殿場駅前の「五竜菜館」で祝杯を挙げて今年一年のシメとした。
2014/12/16 (Tue) 0:36


冠詞の a、an、the にも要注意
冠詞の a、an、the にも要注意
2014年12月12日(金)裾野市民文化センターにて 「金太郎」
 この8日は真珠湾攻撃の日でもあるし、ジョン・レノンが銃で射殺された日でもあった。今日NHKで夫人オノ・ヨーコが特集だった。34年後の今も事件のあったマンハッタンのアパート「ダコタ・ハウス」に住んでいて、前衛芸術家の立場から世界平和を訴え続けている。
 EC君には前回の英作文を解説した。「時」の接続詞がテーマで、主文+従節の複文をつくる。従節「接+S+V+〜」を主文「S+V+〜」に対して前置するか後置するか。時にはSとVの間に挿入する場合もあるが。あえて分詞構文に直さない方が失敗がないよ。今日は57課「仮定法未来」と58課「If文のない仮定法」を勉強した。助動詞のwouldやcould、 mightをみつけたら仮定法を疑うべし。
 KI君は前回「準動詞」の入試問題がかなりうまく和訳できていた。 The trouble was that he drank too much, which Mother said was the cause of their separation. 「問題なのは彼が大酒飲みだということで、それが離縁の原因だと母は言っていた。」which は前文の内容をさして「そのこと」。Mother saidが was の前に挿入されていると考えればよい。今日は駒澤大の和訳が難しかったね。
 TA君は前回「津田塾大」の英文「日本人の自然観の変化」を読んでみた。難しかったね。しかし、こうしたまとまった高度な内容も読み取る思考力を今の内に鍛えておかないと。高校の英語の授業が終わって次の大学での授業が始まるまで4ヶ月もあると、うかうかしている内にせっかくの英語力が消えていくよ。数年後に就職でも大学院進学でもまた英語力を問われるときが来る。どうしたら維持できるか今からしっかり学習計画を立てておきたいね。
 YU君は「同志社大」の和訳がほぼ正解だった。冠詞のaやtheにも注意が 払えるともっといいね。Behind the cheap, bright effect lies〜「その安っぽいキラキラの演出の陰には・・」で、theとあるのは前文に出たa huge neon cross「巨大なネオンの十字架」を指しているんだ。今日はas 〜asの慣用表現中心の英文和訳問題をやった。修飾関係は英語と同じ語順にしては自然な日本語にならず、理解しにくくなる場合が多いね。もっといい日本語になるような心がけが必要だ。 尾上
 
(追記)自転車レイチェルで歴史街道「足柄古道」を少し登ってみた。明日(土)大学仲間と「金時山」登山を予定しているのでそのコースを下見するのが目的。この例会も9年前から始めてもう82回目になる。
 JR足柄駅のすぐ近くに「竹ノ下古戦場」の碑がある。南北朝時代の1335年、錦の御旗をたてた後醍醐天皇の官軍大将二条為冬と新田義貞が、足利尊氏とその弟直義率いる鎌倉幕府の残党の大軍に敗れた3日間の戦い。この勝利が尊氏の室町幕府樹立につながるそうだ。
 踏切を渡るとすぐ3本の登山道に分かれる。いつもは金時登山に車で通る舗装道と、「馬喰坂」を登っていく古道と、「地蔵堂川」にそって渓流を楽しみながら上る本来の古道。この古道をしばらく登っていくと「馬蹄石」と「戦ケ入り」という立て札。「竹ノ下合戦」が口火を切った場所だそうで今年出来た立て札だった。
 さらに登ると「金太郎ゆかりの地」の標識があって、「一の滝、源頼光対面の滝」と説明がついている。976年坂田金時はここで頼光四天王の一人となった。3分ほど支流を登ってみるとかぶさるような巨大な岩壁の間から美しい滝が落ちて、法華宗の修験道場の廃屋が立っている。
 レイチェルのアシストが停まりそうになるのをガマンしてさらに登っていくと渓流が大きな淵になっている。「銚子ケ淵・縁結びの池」という立て札。祝言で「おなら」をした花嫁が恥ずかしさのあまり銚子を抱いて身投げした昔の逸話が紹介されていて面白い。「足柄峠→」の標識が立ったあたりで下見終了。さあ下りはスイスイだ。尻が痛いけど自転車の醍醐味だね。
 足柄峠759mまで登ればまだまだ歴史上の旧跡がたくさん残っていて、中でも「足柄の関」の先の「万葉公園」には奈良時代の万葉集がいくつも石碑になっていて、松林の中を散策しながら東歌(あずまうた)が楽しめる。東国に防人として遠征した人々が、京に残した親しい人を恋い偲ぶ歌の数々ははとても素晴らしい。ここ足柄の関から東を「関東」、足柄坂の東だから「板東」と呼ぶようになったそうだ。明日金時山から足柄駅までフルコースで歩くので、私の好きなこの公園にも案内してあげよう。
2014/12/12 (Fri) 23:21


and にもいろいろあるよ。
and にもいろいろあるよ。
2014年12月8日(月)三島ゆうゆうホールにて 「アウトレットと金時山」
 73年前の今日、ハワイの「パールハーバー」奇襲で太平洋戦争が勃発した。「日米開戦」と共に3年半いや10年以上に渡る塗炭の苦しみが始まった日。小国日本があの強大なアメリカにケンカを仕掛けたなんて信じられないね。「窮鼠猫をかむ」のたとえがあるけど。
 TACさんが2週間ぶりに参加。修学旅行でパリ市内をグループ研修したそうだ。身振り言語でなんとか通じたけれど、事前に仕入れておいたフランス語を数回は使うチャンスがあったらしい。貴重な経験になったね。しかし、なぜ英語圏のイギリス、アメリカ、オーストラリアでないのだろう。特にフランス人は英語を知っていても使いたがらないのに。この修学旅行の教育意図はなんだろう?言葉の通じない国に放り込まれるのも人生経験なのかな。
 TACさんに前回の和訳を返却した。A and A’を早く身につけて、andやor、butを見つけたら三角マーク△が付けられるといいな。桃山学院の問題でWhereas one gesture may be common in a particular culture and have a clear interpretation, it may be meaningless in another culture or even have a completely opposite meaning. でもandは次の動詞原形haveと前の動詞原形beが並列だし、orも同様に次のhaveと前のbeが並列だと見抜くこと。「ある身振り言語がある特定の文化では一般的なものであっても、別の文化では意味を持たないものであったり、全く逆の意味もったりすることもあるかもしれない。」
 T年TAMさんは「不定詞」で日本女大の「入試にチャレンジ」をやってみた。修飾語(Modifier)の働きはこういう問題で力がつくよ。修飾語(M)の位置に注意。M1+S+V+O+C+M2+M3+M4となっていたら、M1は後の文全体を修飾する。M2、M3、M4などは直前の名詞(形容詞的用法)だけでなく、前方の動詞(V)を修飾すること(副詞的用法)もよくあるから気をつけよう。次の前置詞句も後ろの文にかかるよ。In the past people became famous・・「昔は、人々は・・」であって「昔の人々」ではダメ。Yesterday I went to the sea.「昨日の私は海へ行った。」ではおかしいよね。同様にBecause the media are everywhere 〜,we get used to ・・も「メディアが〜なので、私たちは・・」と訳す。Why・・?と聞かれてBecause〜と答えるのはIt is because〜「それは〜だからです」の略であって、「なぜならば〜」と訳すからマチガイの元なのだ。
 TA君は前回高知大の下線部和訳をやってみた。not〜 but〜構文が2度も出てきたね。ここではbutを「しかし」とは訳さない。前を否定して後を主張する構文なのだ。今日は「津田塾大」の過去問にチャレンジ。日本人の自然観の変化を読み取る難しい英文だ。
 NU君は文法問題には自信がついてきた。400語の英文読解をやってみた。冬期講習にも参加希望してくれた。いよいよセンター試験目前だね。
 MA君は前回試験前でお休みしたので、その時のプリントを家でやって提出した。今日は総合問題で南山大の動詞穴埋め問題が難しかったね。私が横でちょこっとヒントをだすとすぐに正解出来るのに。自動詞・他動詞の区別がどうも苦手だね。 尾上

(追記)私もパリに一度行ったことがあるよ。ずっと昔だけど33歳の時の夏、羽田空港からパキスタン航空に乗ってヨーロッパ7カ国を一人旅した。「オルリー空港」についたら澄み切った真っ青な空が印象的だった。ヨーロッパの夏はとても乾燥している。タクシーに乗り込んだら、短いスカートでサンダルばきのオバサンがドライバーだったのにびっくり。パリ市内まで15フランだね、と確認しておいたのに降りるときになって50フラン請求された。Fifteenと発音して50だと言い張る。「ティ」が強いよ。フランス人の英語力に疑問を持った。50なら「フィ」を強く発音しなくちゃ。高速を20分も走ったから3000円は仕方ないか。
 パリではセーヌ川近くの地下鉄駅前にある安宿だった。「近代美術館」「ルーブル美術館」「凱旋門」「ノートルダム寺院」「モンパルナス」などを3日間がむしゃらに巡り歩いた。宿の水道の水をうっかり飲んで下痢を起こし、最終日は「ブーローニュの森」の芝生でぶっ倒れていた。その夜、市北部の「ノルド駅」から夜行列車で北部海岸のダンケルクに向かい、船に乗って「ドーバー海峡」から翌朝イギリスに渡る計画だった。ロンドン発イスタンブール行きの長距離国際列車「オリエント急行」の路線を走ってみたい、の一念で。
 ニューヨークに限らずロンドンもパリも人種のるつぼだ。長い移民の歴史を持っている。ノルド駅にはすでに私の「ナイトフェリー号」が入線していて、隣のホームにはブリュッセル行きの国際列車TEEも待っている。いろんな人種の乗客で満席の普通列車は30分遅れで走り出した。隣席はアイルランド生まれのシスターで、私はパリへ来て最後にやっとここで英語が通じた。私のフランス語は大学の2年間、週2回ではどだい物にはならなかったんだよ。
 指定席が買えなくて通路にごろごろしていた若者たちが酔っぱらってフランス語で騒いでいる。近くの女の子に絡みだしてDo you want a coffin? と6・7人も団体で座っているシスターたちにあてつけるように叫んでいる。coffinとは「お棺・ひつぎ」のこと。明らかにcoffeeとかけことばにしているのだ。シスターたちは迷惑顔で無視しているけど、周りの乗客たちが皆苦笑いをしているから、失礼な若者は得意になってなんども繰り返す。ふだんは使わないくせに英語をこんな時にはしゃべるんだな。
 真夜中の2時に船に乗換させられて足はフラフラ。「ダンケルク」を明け方4時に出港。1000人超の満員で座る席もなし。階段をいくつも下りて船底に行って見た。そこにはたくさんの鉄道レールが敷き詰められて何両かの客車が停まっていた。オリエント急行は直行の特別車両だけをここに押し込んで、対岸の「ドーバー港」に着いたら今度はイギリスの機関車が牽引していくという仕組みだね。
 そうか、日本の昔の「青函連絡船」と同じだ。60年前「洞爺丸」が函館港内で沈没事故をおこし、修学旅行の高校生も含めて1000人以上が死んでから鉄道のフェリーは廃止された。この海底には再来年「北海道新幹線」が開通してあっという間に通り抜けるそうだ。海底を抜けて「奥津軽いまべつ」駅に入る試験車がテレビで報道されるのを昨日見たよ。
 35年前私がフェリーで2時間かかった40kmの「ドーバー海峡」も、快速艇ホーバークラフトに車を載せれば半分の時間で英仏を行き来できた。20年前には海底トンネルも完成しロンドンーパリ間の特急列車「ユーロスター」が往来している。
2014/12/08 (Mon) 23:12


動名詞構文にSVOを読み取る
動名詞構文にSVOを読み取る
2014年12月5日(金)裾野市民文化センターにて 「ガラスの森」
いよいよ厳冬の季節到来。UG会から帰る時間には外気温が1℃だ!もうじき路面凍結になる。イヤだなあ。通り道の「時の栖」でイルミネーションが始まっているので、寒いけどちょこっと立ち寄ってみる。週末だから宿泊の客も多くて22時消灯直前なのに、満艦飾の桜並木を散歩する人たちで賑わっていた。丘の上では光の噴水もまだ上演中だった。
 TA君は発音、会話表現が得意で前回も中央大、亜細亜大の問題がよくできた。英作文も会話体でなら書けている。それは大事な英語力で大切にしていくとよい。しかし受験英語や将来の大学でのエッセイ作成では日本語の文章分析力を求められて、英語も高度な構文力を蓄えないといけない。
 YAさんが前回やった入試の和訳を添削した。4問中3問も正解だった。力がぐんぐんついてきているね。早稲田の問題は少々、難解だった。・・ , not one report has ever been received of a dolphin intentionally harming a person.このof以下が難しいね。離れているけどこれはreportと「同格」と考える。すると後は意味上の主語をもつ動名詞構文とみればいいんだ。SVOに置き換えて「イルカが意図的に人を傷つけたという報告は・・・」
 YU君は新潟大の和訳で・・,if we give the matter any thought at all, we must realize that there is nothing automatic about language.「すくなくもその問題を一考すれば、言語には自動的な所なんて何もないということに気がつかないといけない。」これは大切な表現でThere is something noble about her.「彼女にはどことなく気品がある。」のようにaboutが「〜の周囲に」somethingが「ただよう雰囲気」を表す。
 2年のEC君は重要構文55課「仮定法」をやった。どの問題も易しかったようだが、立命館大の和訳には少々手こずったね。 Modern civilization depends heavily on fossil fuels for its prosperity.「現代文明はその繁栄を化石燃料に大いに依存している。」⇒「現代文明が繁栄しているのは大いに化石燃料のおかげだ。」 depend A for B(BをAに依存する)というイデオムを覚えておこう。   itsが指すものはmodern civilizationだし、以下の文でもitsが同じものを指している。ただし「その」では何を指すか不明になる時には名詞におきかえて訳す方が良い。日本語は「代名詞」がニガテだ。
 KI君も同じ単元「仮定法」だった。「仮定法」はあくまでもありえないことの話。だから「もし〜だとしたら、・・・だろうに。(実はそんなことはない)」の意味を意識して訳すこと。さらに入試の英文和訳「不定詞の意味上の主語」にも挑戦した。 尾上

(追記)初霜の降りた寒い朝「箱根ガラスの森美術館」に行った。モンゴルの民族楽器「馬頭琴」のコンサートを楽しみに。ヴェネチアングラス館のホールには平日とはいえ一杯の聴衆。「セーンジヤー」という名のイケメン青年が黄色のルバシカ風衣装で登場。中国の「内モンゴル自治区」の芸術学院を出て日本の大学院に留学。テレビの「徹子の部屋」やNHK「エル・ムンド」にも出演したという売れっ子演奏家だ。
 「馬頭琴」は三味線のような四角ばった木の胴体をたてて2本弦をチェロのように弓で弾く。棹の尖端に馬の首と白いたてがみをデザインしている。昔は響き板が馬の革で出来ていた。ちょうど中国の胡弓のように、流れるようなポルタメントの奏法で哀愁に満ちている。家内も大いに聞き惚れて演奏後、販売のCDを買い求め本人にサインをしてもらった。書いてくれたのは縦書きで平仮名に似ている。「モンゴル文字です・・。」という。モンゴルは1990年のソ連崩壊までずっと共産圏にいたから、70年間はロシアと同じ文字つまり「キリル文字」を使っていた。「今は固有のモンゴル文字に再び戻ったんです。」とのこと。言語・文化復活のために今は義務教育で教えている。「白鵬」「日馬富士」などのモンゴル力士だけでなく、これからはセーンジャーのように世界に羽ばたく人材がさらに出てくるね。日蒙関係もどんどん発展して交流が深まる予感がする。
 モンゴルといえば、私は「ジンギスカン鍋」には特別愛着がある。学生時代に北海道一人旅で食べた思い出が強かったので、2年前に家内と北海道旅行の折「藻岩山シャンツェ」で50年ぶりに札幌の夜景を見ながら食した。しかし出てきた鍋はペチャンコだし肉は子羊のラムではないか。それは全くのまがい物で、本当はあの蒙古の英雄「成吉思汗」がかぶっていたヘルメットのように、山型の鍋で羊の匂いプンプンのマトンでなければいけないのに。若者の嗜好がすっかり変わってしまったらしい。
2014/12/05 (Fri) 23:21


パリに修学旅行
パリに修学旅行
2014年12月1日(月)三島ゆうゆうホールにて 「公時神社と金時山」
 TACさんは今パリの空。修学旅行に行ったのです。落ち葉が散るシャンゼリゼ通りなんかいいなあ。私も引率してみたかったよ。TAYさんの高校でも2年後には「長崎」から「パリ」に大転換するそうで今の在校生は悔しがる。私のいた沼津東高では50年以上前からずうっと長野県の「志賀高原」で3日間ハイキングだからね。年配の先生は足腰に自信がないと引率できない。
 TAYさんは試験勉強に専念。「前置詞+関係代名詞」の項目について質問があった。OSAさんも期末試験の勉強をやりたいというので範囲の文法を解説してあげた。「不定詞」や「関係詞」など。始めに前回提出のプリントを少し説明した。That is why people all around the world are now staring to worry about what this could mean for the future of our planet.「そういうわけで世界中の人々は今、このことが地球の未来にどんな意味を持つのかと心配し始めている。」SVOをしっかり判別するとmeanの目的語はwhatだが関係詞(こと)、疑問詞(なに)のいずれかであるか。前の動詞worry aboutから判断するとよい。
 3年生MA君もあすから期末なのでお休み。お母様が今日のプリントを受け取りに見えた。前回のものも添削したので一緒にお渡しした。期末が終わったら見直してみてほしい。小樽商大の和訳が少々難しかった。To wear the costume considered “proper” for a situation acts as a sign of involvement in it, 「ある状況にふさわしいと考えられる服装を着ることは、その状況に関与していますよ、という印になる。」では、a sign of involvement in itに名詞構文を読み取れるといいね。つまりSV〜に変換して They are involved in it. の意味として平易に和訳できるといいんだ。久々登場のNU君も試験勉強に専念した。
 1年TAMさんは「不定詞」の上級編を勉強した。完了形の不定詞、不定詞の意味上の主語、不定詞の慣用用法など、未修の項目やイディオムがたくさんあったね。徐々にマスターしていこう。
 大学生のSUさんはアルバイトで英語の家庭教師をしているそうだ。中学生に突飛な質問をされたときは困ってしまう、とのこと。教え方が尾上先生に似てきたかなあ、だって。今日はTOEFLの過去問を解いた。「フォークロア(民衆文化?)の定義はなかなか難しい。民謡など言葉に関係のものと器楽曲のように無関係のもの、一部関係するもの、というように3つの分野に分類できる。」難易度の高い語彙がいくつもでてきて文意が取れなくなるね。さらに9つの設問も難解でしっかり読み取らないといけない。orの用法で「すなわち」「つまり」と訳す場合がある。〜”manga“,or comic books〜 のように、とくに読者や聞き手が知らなそうな外来語や専門用語などを説明するためにつかう接続詞だ。 尾上

(追記)先週につづけてまた母校「外語大」に行った。5日に渡るロングラン学園祭も3日前に終わって学生の姿がちらほらしか見えない。土曜日は授業が何もないようだ。ひと気のないキャンパスに強い風が吹いて、真っ赤に紅葉したモミジを一杯に敷き詰めていた。ここには昔の「武蔵野」の風情が残って落葉樹の林が随所に見られる。ここから「小金井街道」を北に進むと西武池袋線の「清瀬」に通じる。大学時代に一時住んでいた町で緑が一杯に溢れていた。
 この日はロシア科の同窓会総会で、同期の杉本侃君が「世界の悪役・プーチン」と題してロシア経済の講演をするというのでこれは応援しなきゃと思い出席した。来週には帰国する米国人学生マシュー君もさそって一緒に新宿から中央線に乗って武蔵境で是政行きに乗り換え。
 ロシア経済が石油や天然ガスのおかげで世界のどの国よりも順調に成長していること、プーチンは前任者エリツィンよりもずっと信義の人物であること。約束を反故にしたことは一度もないのにこの10年来、世界の悪役・敵役にされているのは、ハリウッド映画のせい(?)という評論家もいる。アメリカの仮想敵国として、中国やアラブよりも映画の題材におあつらえ向きということらしい。100年前の「日露戦争」と70年前の「太平洋戦争」後のソ連の樺太・北方4島への進駐などでまだ「平和条約」が結ばれていないから、まだまだ親密な隣国とは言えないし、ロシア人を「ロスケ」などといって蔑視する保守的な人もいるようだ。
 大学を出てから「サハリン石油」に就職した杉本君は研究者肌の持ち主。サハリン(樺太)から北海道にパイプラインを敷設して、豊かな天然ガスをおくりこもうという壮大無比のプロジェクトを先頭になって推し進めてきた人。その後「経団連」で理事を務めて「一橋大」や「法政大」でも特別講師を依頼され、定年後もずっとロシア経済の分析に関わってきた大した人物でこの会の講演者にふさわしい。極めて説得力のある分析データと語り口で、出席した先輩・後輩にはロシア通のジャーナリスト、商社マン、官公庁の役人も大勢いる中ですばらしいスピーチであった。これからもますます活躍して欲しい。人生には「定年」なんてないよね。
2014/12/01 (Mon) 23:42


名詞構文を平易に和訳すると
名詞構文を平易に和訳すると
2014年11月28日(金)裾野市民文化センターにて 「天女像」
 2年生は53課「様々な接続詞」をやって第8章「仮定法構文」に入った。KI君は長崎大の問題でまたまた前回やったwheneverが登場。しかし「その犬がいつ戻ってきても」と訳すとおかしい。「譲歩文」ではno matter when〜「いつ〜しても」と同じこと。つまり「逆接」の意味を持たなくてはいけないから「・・可愛がらなかった。」ならOK。しかしここでは「・・可愛がった。」と言っているからおかしいね。「戻ってきたときはいつでも」としないと辻褄が合わないね。言い換えればany time whenのことで、こちらが41課でやった複合関係副詞の働きだ。よく対比してみよう。
 EC君が前回やったプリントを添削して解説した。上智大の問題では so〜 thatの構文を見落としていたね。接続詞のtillは「〜までずっと(継続)」と前文を修飾する場合と、連続的に「それでその結果、ついには〜」と等位接続詞soのような働きと2つある。「数学や物理の問題をやっていると、易しいはずの問題が時々解けないことがあります。」と言うから、「それは2,3日その科目を何もやらなかった後でしょう。英・数・理のアタマはとくに「潤滑油」を切らさないように、毎日動かしてしないとすぐに錆びちゃうよ。
 YAさんは前回、比較のmore or lessを使った入試の難問に挑戦した。小樽商大は 〜and they do no realize the importance to a child of having one day like another, except, of course, for somewhat rare occasions.「親たちは、子供にとって毎日を同じように暮らすことがとてもたいせつであることに気づいていない。もちろんちょっとまれな場合はのぞいても。」ここに名詞構文が隠れているね。SVに変換すれば、Having one day like another is important to a child.ということ。「動詞や形容詞の派生語+of+名詞」を見つけたら、ofを「が」または「を」と考えよう。SVまたはVOの名詞構文になっていることが多いよ。
 YU君は難解な英文解釈がよく理解できていたが英作文では苦労したね。いわゆる「時間構文」はWe had hardly left home when it began to rain.「家を出るやいなや雨が降り出した。」を応用すればよい。時制は左に過去完了、右に過去を使うこと。hardly が単にnotなら「家を出ないうちに・・。」となるよね。記憶が怪しい時にはas soon as を使えば簡単だ。 尾上

(追記)日本橋の「三越本店」に初めて行った。多分初めてかな。家内が趣味の「香道」に使う香木が欲しいというので車ででかけた。ロンドンのトラファルガー広場にあるライオンとおなじ銅像がこの本店の玄関を飾って今年で100年になるそうだ。一階中央に鎮座する巨大な「天女像」も有名だ。80年前のこのルネッサンス様式の石造りの本館は東京大空襲もくぐり抜けて、東京都の歴史的建造物になっているそうだ。明かり天井や照明器具が大正時代っぽいし、エレベーターのドアも3枚の網目状になっていて昔懐かしい。
 江戸時代初期の呉服屋「越後屋」を起源とする老舗で、三井財閥発展の基礎になったから名称も「三井・越後屋」の意味で「三越」と言うらしい。新宿や銀座の支店にはなんども行ったことがあるけど本店に行った記憶は?ひょっとしたら小学校1・2年生の頃、住んでいた「渋谷」から黄色の地下鉄銀座線に乗って「三越前」で降りたかもしれない。60年も昔のことだから百貨店といえば渋谷駅の「東横百貨店」、新宿東口の「三越」「伊勢丹」くらいかなあ。銀座線の終点・浅草の「松屋」には祖父に連れられよく行った。屋上の遊園地で乗り物に乗るのが楽しみだったっけ。
 しかし三越の店の歴史や風格と比較すると、店員の接客態度にはだいぶ憤慨させられた。親身になって熱心に調べて下さる女性もいたが、いかにも派遣社員のような感じで自分では何も返事のできない店員が多い気がした。地下です、4階です、7階です、と振り回されてエレベーターで行ったり来たり。銀座の文具店「鳩居堂」や香道の「千歳屋」などがここに出店しているらしいけどそれがどこなのか不明。結局、お目当てのものはデパートの中ではなくて、地下鉄の「三越前駅」に向かうコンコースの並びにやっと発見した。「日本橋案内所」の名品コーナーの棚の片隅に。東京は地下街がずいぶん発達しているんだね。
2014/11/28 (Fri) 23:19


期末テスト・修学旅行
期末テスト・修学旅行
2014年11月24日(月・祝)三島ゆうゆうホールにて  「語劇」
 なんで休みかと思ったら昨日「勤労感謝の日」の振替休日だった。日曜日の代わりということか。最近月曜日のお休みが多いね。今日は仙石原文化センターで「箱根の秋コンサート」があって、東京のプロ室内楽団による弦楽四重奏の演奏を聞いてきた。現役の芸大2年生がオーボエのソロでゲスト出演してモーツアルトを聞かせてくれた。こういう試みはいいね。演奏に全力投球しているのも、若さの証拠。魅力的な音色や表情にとても新鮮な感動を覚えた。
 MA君は津田塾の長文読解が難しかった。「日本人の自然にたいする愛情がなくなって、今では鯨・象牙・木材を大量消費して世界の自然環境を破壊している。何らかの対応を考えないといけない。」という内容。内容一致文の選択には問題文の正確な読みが求められるね。英文和訳は解答プリントに問題文も添えて欲しい。読み取りちがいの箇所を本文中で指摘できるから。明治大や東大の問題は長めの構文がでてきて難しかったんだね。・・, but in the small town you know them , as friends, neighbors, acquaintances, over a long span of years, lifetimes often, and ・・カンマがこうも多いとイヤになってしまうのかな。「小さな町ではその住民を長年にわたり、友人・隣人・知り合いとして知っているし、一生の間知っていることもよくあることなのだ。」SVOを中心にして前置詞in、 as、 overから始まるM(修飾語)を判別できればよい。
 TAYさんは37・38課。近畿大の和訳に「難」と記していたね。They have removed people’s motivation to better themselves and their world in this life by causing them to concentrate on preparing themselves for the next. ここでandはthemselves「自分」とtheir world「世の中」を並列してともに動詞better「改善する」の目的語、in this life「この世で」は両方を修飾、for the next (life)は「来世のために」だ。「宗教家は、〜によって、〜しようという人々の意欲を取り除いてしまった。」ということだね。
 EC君は51課whether〜 or・・、52課whoever〜を勉強した。三重大の問題 Whether we like or not, it is no longer for nations to shut themselves off from the rest of the world.が難しかったね。 中学以来学んだIt is・・for人to〜の構文「人が〜するのは・・だ」の構文だよ。「for人」は不定詞の意味上の主語、というやつ。「好むと好まざるとにかかわらず、国家が世界のその他の国々から身を閉ざしてしまうこと(鎖国)はもはや不可能になっている。」whateverは、関係代名詞の「〜することは何でも」=anything which・・の場合と、疑問詞「何を〜しても」と考える場合=No matter what・・の2通りがあるから注意。
 OSAさんが1ヶ月ぶりに復帰した。この間に修学旅行で「沖縄」にいったとか。39課「関係代名詞の非制限用法」と40課「関係副詞の慣用表現」を勉強した。She said nothing, which made him angry.「彼女は何も言わなかった。そしてそのことで彼は腹が立った。」では、whichが前文の内容を受けて「そのことが」という意味になる。ここでは「接続詞+代名詞」に置き換えれば , and that となる。
 TACさんと1年生のTAMさんは期末試験直前のためテスト勉強に専念した。TACさんは来週テスト後にパリに出発するんだって!「えー!修学旅行?パリは枯葉のいい季節だなあ。寒いぞー、気をつけてね!」 尾上

(追記)久しぶりに母校の「外語祭」に行ってみた。入口から定番の模擬店がずらっと並んでやはり一番の賑わいだった。今や70%が女子学生で、「フラメンコ」「バリ舞踊」「タヒチアンダンス」「朝鮮舞踊」だけでなく「ベリーダンス」「クラシックバレエ」など昔のわれわれバンカラな男子学生が下駄で闊歩していた時代とは天と地の開きだ。たしか「コサックダンス」をロシア科の後輩がやったことがあったけど。92回目というから、大正時代に始まったらしい。他の大学にはない「語劇」で知られ、留学生の日本語劇も含めてなんと30カ国の言語で上演されるユニークなもの。だから、5日間ものロングラン学園祭だ。
 男子学生が減ったとはいえ、ロシア科も「語劇」の伝統だけは守ってきてくれた。大学のユニークな取り組みとして文科省の評価と支援を受け、正面入口に「アゴラホール」という演劇専用の小ホールまで作ってしまった。この日は後輩の2年生がゴーゴリの「結婚」Женитьбаを上演するのでそれも訪問の楽しみ。幕開けの部分で「主人公」のモノローグだけを見てきたが、進んだ設備でずっと明るくなった舞台が羨ましい。ステージの両サイドにスライドで字幕をつけているのは50年前、私たちの時代からの伝統だ。
 あの頃、私は1年生に入って早々に呼び出され初めてのお芝居に挑戦。「五夜」Пять Вечеровという現代劇でチモフィエフという中年男の役をあてられたなあ。翌年は制作・演出を担当して仲間と「ニヒリスト」というトルストイの戯曲を上演した。神保町の古本屋で「原書」を発見したり、六本木の劇団「俳優座」まで行って衣装の貸出を交渉したり。学年でたった40人の小クラスだから1年生から4年生までいい仲間。上級生も下級生も協力してくれた。その時の同期生と「望露会」を結成し、とくにその内の小沼(元研究社)・青山(元住友商事)・田尻(同じ)君とは今も一緒に(家族ぐるみで)山に登る仲間付き合いが続いている。来月は「金時山」に登ったあと御殿場で「忘年会」だ。
 昔の東京外語大は山の手線の「巣鴨駅」から徒歩で「染井霊園」の中を通って、「西ヶ原」の小さなキャンパスだった。ソメイヨシノの桜で有名で、江戸時代には「染井」に植木職人が大勢いたそうだ。都電一本で「早稲田キャンパス」にも「本郷・東大」や「神保町・古本屋街」にもすぐに行けた。しかし移転したこの地は不便じゃないかな。昔の「米軍調布飛行場」の跡地利用で、広大な「多磨霊園」と隣り合わせ。いやあ、またまた「墓地」との関係か。西武多摩川線の「多磨」駅前。京王線「飛田給駅」から歩く人もいる。
 この日は、UG会出身のTUさんが「フランス科」の3年生に編入学して最初の年なので会いたいと思っていた。沼津東高校時代には教え子たちが何人も東京外語大に進学してくれた。ICUに受かって外語大をキャンセルした生徒もいたけど。結局、忙しいTUさんには会えずにロシア科模擬店で後輩たち手作りの「クレープ」、韓国人留学生の店で「にくまん」、中国人留学生の店で「おでん」を買ってたべて帰った。
2014/11/25 (Tue) 0:07


no は次の語だけを否定、not は後続の文全部を否定
no は次の語だけを否定、not は後続の文全部を否定
2014年11月21日(金)裾野市民文化センターにて 「レイチェル」
 12月、1月の予定表と一緒に「冬期講習」案内の黄色いプリントも配布した。今年は年末30、31日と新年2日、3日に実施します。センター試験直前の3年生だけでなく、2年生も1年生も参加OKです。
 TA君に前回の「動詞の語法」を添削解説した。並べ替え問題「子供の育て方について〜」は、〜as to how children should be brought up となる。as to が aboutと同じ意味で「子供が育てられるべき方法について」と言い換えている。似たような意味の動詞の用法の違いには特に注意しよう。「疑う」suspectと doubt、「盗む」stealと rob、「似合う」matchと suit、「着く」arriveと reach、などなど。しっかり復習しておいてね。
 YAさんに前回「比較表現」の和訳を説明した。東大の「小さな町のよさ」はカンマが多用されていたけど、うまく訳せたね。白百合女子大の「悲しい思い出は忘れよう」が難しかった。最後の文 and I don’t think of him any less often for having put it out of my mind.「死んだ日を記憶から消したといっても父親を思い出すことが少ないなんていうことはない。」 not〜any less often で less oftenは「劣等比較」だから「回数か少ない」となる。それをnot〜any(つまり no) で否定するから肯定で「しばしば」という意味なのだ。 
 YU君も同じ英文が難しかったね。no less thanはよく「同じくらいたくさん・・」と訳すのは、noが次の語lessを完全否定してその逆のこと、つまりmuch(肯定の意味合い)と同じだから。 She is no less beautiful than her mother.「お母さんと同じくらい美しい」。no(形容詞)とnot(副詞)との違いは、notがふつうは文全体の否定になること。She is not less beautiful・・.なら「お母さんより美しくないなんてことはないよ。」となる。(5)の東大の和訳でもThe inhabitants of the small town are no worse and no better than people everywhere,・・「小さな町の住民はどこに住む人々とも同じように良い面も悪い面もある。」
 KI君は前回、いつも時間不足で取り組めない「入試の英文和訳」をやってみた。「共通一次」(センター試験の昔の呼称)はしっかり和訳できていたね。横浜市大I’ll see what my husband thinks.は「主人がどう考えるか聞いてみます。」の意味。明治学院大は難しかったね。,he will do so more effectively by justifying the ideas than〜は「〜より、その考え方を正当化する方がもっと上手に自己弁護できるだろう。」do so は「代動詞」といって、前文に出た動詞を含む述語の代わりに使うのだ。だから「そうする」という訳ではダメ。もう一度同じ訳「自己弁護する」を繰り返すこと。今日も早稲田の過去問に取り組んでみた。難しかったね。 尾上

(追記)仙石原の「長安寺」は紅葉が真っ盛りだった。テレビでも紹介されたらしく、箱根の秋を求めて団体観光客が大勢押しかけて、黄色のイタヤカエデや真っ赤に燃えるイロハモミジを楽しんでいた。見上げるほどの大木が真っ青な空に映えて、本堂の黒光りの屋根瓦を真っ赤なもみじの大枝がおおいつくす様は思わず息を呑む艶やかさ。五百羅漢の石像が斜面のそこかしこに潜んでいて面白い表情をして笑わせてくれる。
 私の山登りの友はこの寺の山門横にたつマンションに一人住まいだ。箱根ビジターセンターの職員だった頃からのおつきあい。ケイタイで「今、長安寺に来てるよ・・」と呼び出すと、自慢の大きなカメラを持ち出してきて傑作写真を狙っている。「今日はどうやってここへきたと思う?」とナゾをかけると、「ひょっとして自転車で?山門の脇に置いてあったあれがそうですか・・」と。
 レイチェルという名のこの自転車は、家内のリハビリ用に買ってあげたけれど転倒ばかりしておじけづいたらしく、今は私の楽しみ用になっている。バッテリーが十分充電できたことを確認して箱根に出発。行楽のマイカーを横目に見ながらR138の上り道をスイスイ。バイクと違って自力で漕がなければアシストが働かないけど、後ろから誰かが押してくれるような力のおかげでたいして汗もかかずに標高800m乙女峠の「ふじみ茶屋」まで登りきった。山登りで日頃鍛えた足腰のおかげもあるかな。
 車にないメリットはどこでも停車して、紅葉にみとれたり富士山を振り返ったりできる余裕かな。そしてなんといっても下りのスピードと爽快感。脇を追い越す自動車に負けないでグングン下る。スキーの滑降気分と似ているね。年齢相応に慎重にブレーキを使ってはいますがね。
 排気ガスのいやな「乙女トンネル」を抜けると、金時山の山並みを眺めながらあとは「落体の法則」で滑り降りる感じ。「長安寺」到着!大好きな箱根・仙石原に「自力で」たどり着いた達成感がひしひし。我ながら気が若いねえ・・。
2014/11/21 (Fri) 23:03


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