今日はどこも「卒業式」だった。昨日の冷たい雨もあがって青空が戻ったから暖かな春めいた一日だった。裏庭に回ったら黄金色のフクジュソウ15輪全部が朝日を浴びてキラキラと満開だった。ハクレンのつぼみもふくらんで銀色の衣が光っている。ただ目がかゆく、クシャミがとまらないのが憎いこの季節。
2年TACさんは「否定構文」に入って、「部分否定」と「否定の慣用語法」not A but Bと not only A but also Bを勉強した。部分否定と呼ぶ文の特徴は、「100%」の意味の語句6つのどれかを含むこと。覚え方は1、every 2、both 3、all 4、always 5、necessarily 6、quite がnotの「焦点」になっているとき、「すべて・・だ、という訳ではない」と訳す。コツは、肯定文として和訳してから、最後にその文全体を否定すればよい。
KOさんも期末試験が終わって出席した。73,74課で「否定語を含まない否定表現」を勉強した。 前回、「否定構文」が2つ出来たので昔の「接続詞」構文にも3つ挑戦した。一般的にはman はmankind に近く「人間」、a manはa personのことで「人」と訳すとよい。「男」の訳はwomanが登場するときのみだ。和訳の力はかなり高いので楽しみだ。少しずつ弱点を補強していこう。センター試験の和訳で So whenever possible, food should be prepared quickly and the cooking water used rather than wasted. ここで接続詞andがつなぐものは?the cooking waterと前方のfoodらしいし、usedは過去分詞形でpreparedと並列しそうだからここはshould beが省略されていると考えるところだ。「だからもし可能なら、食物はすばやく調理した方がいいし、調理に使った水も捨てないで利用した方がいい。」
裾野のEC君も期末が終わってこちらに出席。79・80課で「名詞構文」を勉強した。名詞がそれに相応する「動詞」や「形容詞」が想像できるとき、SVOを備えた「文」として組み立て直して和訳すると、よい日本語になる。たとえば、 People’s lives have been changed because of the immediate spread of news. は「ニュースの即座のひろがりのため」のように、名詞spreadの前後にたくさんの修飾語が加わって、「の」がたくさんあって煩雑になりそうな場合は、それを動詞と見なして「ニュースが即座にひろがるために・・・」と和訳した方が平易でわかりやすいよね。
TAYさんはこれから期末テストがはじまるのでテスト勉強に専念した。「語句並べ替え・英文完成問題」が苦手だというので少し説明した。・・・「単文」はSVOCという@「平叙文」の配列を基準にして、助動詞が文頭に出るA「疑問文」、動詞の原形で始まるB「命令文」、強調したい語句にwhat やhowがついて文頭に出るC「感嘆文」というように、一部の語句を「移動」させて3つのバリエーションができあがる。しかし「複文」となると、この文の前後に「従節」が追加される。それはすべて 「接続詞」+S+V+O の語順であって上記のABCのような「移動」はない。必要に応じて「接続詞」のかわりに「疑問詞」や「関係詞」も置くことが出来る。TAYさんもそろそろUG理論で英語の仕組みが理解できるレベルかな。すこしずつやってみよう。
大学生のSUさんは春休みのアルバイトにコンビニ店員をやっても外人と英語で接する機会少ない、と嘆く。家庭教師もやっていて、「中学生に興味を起こさせるのによい教材は?」との質問に応えて、高校1年用のカラー写真入りの短編集を貸してあげた。ちょっと難しいけど「やりがいがあるから」教えるのも楽しいよ。今日もTOEFLで「振り子の原理と応用」を読んだ。70%以上正解だから合格!来年度の選択科目にチョムスキーの「言語学」をやってみたら?SUさんの大学にもUG理論専門の教授がちゃんといるんだから。 尾上
(追記)雨の日曜日、家内を乗せて三島の「佐野美術館」に行った。「桃の節句」を前に「花のお江戸の雛かざり」展を開催中だったが、そちらには寄らず、隣接の日本庭園に面した純日本建築の「隆泉苑」で、「聞香の会」(つまり、お香を聞く会)に出席した。貴重な「香木」を焚いた香りでその違いを当てるという優雅なあそび。平安時代・宮中でさかんになった遊びで、次第に武士階級のたしなみに変化し、江戸時代には町人文化の中に生き続けて今日に至る長い歴史をもつ、「安藤御家流」という流派の集まりだ。
武家屋敷の様な玄関をあがると、廊下のガラス戸の向こうには池の周りに紅梅・白梅が見事に咲く。一番奥の部屋に通ると「書院の間」で、床の間には桃の花の掛け軸が架かり、「流鏑馬の武者人形」や「橘と紅葉」などが飾ってある。季節柄一対の「お内裏びな」を中央にすえて、着物姿の師匠と5人のお弟子さんたちが揃い、私たち20人の参会者が正座で囲んでいよいよ「聞き比べ」の始まり。5種類の小さな「香炉」が回ってきてそれぞれの異同を当てるゲームだった。提出した「聞香札」が家内は当たり1枚、私は2枚だった。前回、沼津の「御用邸」で「源氏物語」にまつわる聞香の会にも参加したが、その時家内は唯一の全問正解だったから今日は残念。
家内の「香木探し」に日本橋の三越までつきあったこともあるが、とても高価な物でおいそれとは買えない。第一の香木といえば、織田信長が秘蔵した「蘭奢待」(らんじゃたい)が有名。原木は「伽羅」の樹脂化したもので、東大寺の「正倉院」に残る御物だ。
