高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

total : 101281
today : 40
yesterday : 52

単語は「接頭辞+語幹+接尾辞」から
単語は「接頭辞+語幹+接尾辞」から
2023年8月10日(木) 
御殿場市民会館にて
「ツリシュスラン」
富士山のいくつかある登山道のうち、裾野市の「須山登山道」が最近地元の有志によって整備され「水が塚」を通って登る人もいるし、富士宮市の「村山古道」が神奈川の篤志家によって復活して、海抜ゼロの海岸から歩き始める人も時々見かけるようになった。森林限界の切れる「五合目」の登山口は標高2000〜2400mで、そこまで車やバスで行くのが一般的だけど、古来の「浅間神社」から樹林の中を歩いて3776mの頂上を目指すのがいい、という登山者たちだ。山梨側もバスで楽するよりは、富士吉田市の「浅間神社」からスタートして世界文化資産の石碑・灯篭などを見ながら6合目の「佐藤小屋」で一泊し山頂を目指す、という人たちに時々出会う。
 最近山で知り合いになった富士宮市の佐野さんから先日電話で「ツリシュスランが咲きましたよ!」と嬉しいお誘い。早速スカイラインの「村山古道」入口駐車場で待ち合わせ。佐野さんは「製紙会社」のOBで在職中は趣味のカメラで富士山を撮りまくっていた人。機材に凝ってなんと400ミリの超望遠レンズを持っている。花に関心が移ってからは富士山麓の花々を探し歩くのが日課になった。私との出会いも「フガクスズムシ」の現場でバッタリだった。ラン科の花は地面だけでなく、高い古木の苔むす幹に着生するものがあり、佐野さんの案内で林道を進んでいくとあったよ!古木の6メートルくらいの割と低い所に「カギ針」の形をしてぶらさがる白い花が10本も・・・

 「夏期講習」今日はその第2回目。OK君とMUさんの3年生2名が参加した。長文読解問題で難しかったのは「近畿大」の「グローバリゼーション」。Technology has enabled goods and ideas to be transported from one society to another for thousands of years. は、enable「可能にする」の主語が「無生物」なので、「理由」として和訳するのがいい。SVOCの文型だと分かればOとCは「主語・述語」の関係だから、「科学技術のおかげで何千年も前から、物や考え方をあちこちの社会に輸出することができるようになっている。」 と訳せる。つまり「船舶や飛行機による国際貿易」のことだね。
 Global-ization(国際化)やspecial-ization(特殊化、専門化)は、動詞-ize(〜化する)の名詞形「接尾辞」-izationが共通しているね。語彙力を増強し、見慣れぬ単語を類推するにも単語の成り立ちが大切だ。trans-portは「横切る+港」だし、en-ableは「させる+可能な」だから「接頭辞」も覚えておくと役に立つ。en-courage(励ます)は「させる+勇敢」、con-centr-ate(〜に集中する)は「共に+中心+させる」の造語だと考える。長めの単語は覚えにくいけれど、「接頭辞+語幹+接尾辞」から出来ているから「語幹」さえわかれば意味が分かる、となるようにガンバレ!次回「接頭辞・接尾辞リスト」の自家製プリントをプレゼントするよ、OK君! 尾上
2023/08/10 (Thu) 23:01


ルール「カンマカンマはカッコのこと」
ルール「カンマカンマはカッコのこと」
2023年8月6日(日)
御殿場市民会館にて
「原爆投下 B29爆撃機」
 テレビで「広島平和記念式典」を見た。今日はアメリカ軍が原子爆弾を広島に投下して30万人の市民が犠牲になった日だ。1945年8月6日の朝8:15、私はやっと2才で東京・千駄ヶ谷の家ではなく疎開していた母の実家(長泉村本宿、大岡駅の近く)にいたらしい。そこの裏庭には防空壕が掘ってあって、空襲警報が鳴ると私は誰よりも先に「ボーキー!」(防空頭巾のこと)をかぶせてもらって一人でもぐっていったそうな。その年3月の「東京大空襲」のころには、米軍のB29(Bはボーイング社製)が南方から飛来して、富士山を目印に右折して東京上空に向かったそうだ。帰り道で又富士山で左折すると真下の沼津の街に残りの爆弾を落として去った、とか。
 原爆投下の1か月前、7月17日の朝沼津は直接米軍機に空襲され投下した焼夷弾で90%の市街地が焼失、市民300人が死亡するという惨状だったという。黄瀬川の左岸で郊外の農家にいた私たちは助かったのだ。空襲警報で避難するときには、生まれたばかりの弟(今は山梨「佐野川温泉」のオヤジ)を母が背負い、よちよち歩きの私の手を引いてくれたのは母の7才下の妹、加藤学園生徒の知賀子叔母だった。銀行員の妻として品川・四ツ木・南柏・所沢・相模原と引っ越しして最後は娘夫婦と横浜に住んでいたその叔母も先週老衰のため94才で大往生だった。母の8人兄妹はあと一人だけになった、寂しい・・・

 3年生MUさんは「文中の挿入語句」を勉強した。二つのカンマで区切られているけれど、読むときにはどちらか一か所を切ればいい。さらにイントネーション(文の抑揚)にも注意が必要だ。The girl is⤴, as it were, a born artist⤵.(その子は、いわば生まれながらの芸術家だ)ならisの後で切るし、It was fortunate, he thought⤴, that the rain had stopped⤵.(雨が止んだのは幸運だ、と彼は思った)はthoughtの後で切る。
 Television and film, of course⤴, provide direct access to our mental representations, without the need for symbols, except in the case of dialogue. が難しかった。 「カンマカンマはカッコに入れる」も大切なルールだ。of courseが主語と動詞の間に「挿入」されているのは、文頭で言い忘れたため。だから前半は「もちろん、テレビと映画は私たちの心の中の表現を直接生み出してくれる。」でいい。後半はその追加説明と考えよう。「対話の場合を除いては、シンボル(記号、ことば)も必要とせず。」
 OK君は大学見学のためお休みした。 尾上
2023/08/06 (Sun) 23:46


読解で最も大事なルールは「A and A’」
読解で最も大事なルールは「A and A’」
2023年8月3日(木)
御殿場市民会館にて 
「富士山 宝永火口」
 フィンランド留学から戻ってきた矢田さんを富士山に案内したよ。先月「時の栖」でみやげ話を聞かせてもらった時に、「富士山の麓に育ちながらまだ登ったことないとは!」と海外生活で痛感したとのこと。「じゃあ一緒に登ろうか?」と決まって、昨日御殿場駅で合流して私の車で家内も同乗してスカイラインから富士宮口五合目に向かった。昨年妻が障碍者手帳の交付を受けたので提示したら「水が塚」の先の通行禁止のゲートを無事通過できた。登山口は山頂から下ってきて帰りのバスを待つ人たちでごった返していたよ。山頂でご来光を拝んだ人は3〜4時間でここに下ってこられる。
 五合目は2400mだから気温が16〜20℃くらい、曇っていれば肌寒いくらいだ。今回は山頂に向かう一般の登山道ではなく、ゆるやかな遊歩道から「宝永山」の火口に向かうことにした。緑の草地にオノエイタドリ、フジオウギ、イチヤクソウが咲く山道を進むと広大な火口が眼前に開けた。雲が切れて山頂の威容が出現した。眼下には大野原、裾野と御殿場の向こうに箱根連山、その先には湘南の海の曲線もくっきりと。お目当ての花を探して「須山登山道」を三合目まで下ってみたが見つからずもとの遊歩道に登り返してみたら、なあんだここに咲いていたよ、小さなミヤマフタバラン・・・

 今日から「夏期講習」を始めた。今までは連続4日間に集中的にやってきたが、今回は御殿場教室の日曜日の授業にさらに毎週木曜日を加える方法で実施することにした。3日、10日、24日、31日の4回です。今日はその第1日目。新加入のOK君とMUさんの3年生2名が参加した。
「大阪大」の英文The universe is in a perpetual state of change.(宇宙は永遠に変化の状態にある)を読んだ。下線部訳 If a table looks today very much as it did yesterday or as it did a hundred years ago, it is not because it has not changed, but because the changes have been too minute for our coarse perceptions. が難しかった。接続詞orの働きはルール「A and A’」と同じで、直後の語句が前方のどの語句と並列するかを見極めることが肝心。as it didが前方にもあるね。itはa table、didはlookedのことだから、「もしあるテーブルが昨日と同じものに見えるとか、100年前と同じものに見えるとしたら、それは・・・」
 後半もnot because〜がbut because〜と並列しているから、「それはテーブルが変わらなかったからではなくて、われわれの荒い知覚力にはその変化が余りにも小さすぎたためなのだ」。ここのminute(発音[mainju:t])は形容詞の「小さな」で「分」ではないよ。perceptionはperceive(知覚する)の名詞で「知覚力」だ。OK君は語彙力が不足していてこの夏に頑張らないと大変だ。一日300語に挑戦、歩留まりが半分の150語としても30日で4500語覚えられるかどうか、それが受験前の最後の勝負だ。机に向かって真剣にやろう。そうすれば目からウロコが落ち9月に新しい自分を発見する! 尾上
2023/08/03 (Thu) 22:50


ここはどこ? 英語で言うと、、
ここはどこ? 英語で言うと、、
2023年7月29日(土)
御殿場市民会館にて
「赤城自然園 ヤナギラン」
 「谷川岳」登山ではもう一つ先のピーク「オキの耳」に行きかけたけど、時間不足に気づいて下山することにした。ロープウエーの最終便に間に合わなくなる。5時に戻るには2時には出発しないと。もう一度「肩の小屋」に立ち寄って壁に飾ってある「ヒナウスユキソウ」の写真に見入った。星のように白くて美しいエーデルワイスなんだ。聞いてみると、「今年はこの暑さでもう6月には咲き終わったんですよ」とは残念!まだ日差しが強く照りつけて、大きな石がゴロゴロした歩きにくい山道をひたすら下っていく。今夜の宿は「宝川温泉」。渓谷に4つも5つも露天風呂があって野趣あふれる秘湯だ。
 翌日、関越自動車道を「赤城IC」で降りて「赤城自然園」に立ち寄った。渋川市の赤城山麓600mにある、西武系セゾングループが別荘やゴルフ場に予定した広大な用地を自然のまま残し、「未来の子供たちのために四季の森を」と2010年開園したそうだ。人の背ほど高く風に揺れる優雅なヤナギランは?と入口で聞いたら、「もう終わりですよ」と言われたけれど坂を上って「お花畑」に行ってみた。ヤナギラン咲いていたよ!大半は白い綿毛になっているけどまだ先端にピンクの艶やかな花を咲かせて美しいなあ!真っ赤なカライトソウ、青いソバナ、黄色のオミナエシ、真っ白なヤマユリも・・・
 
 3年生MUさんの希望で今日に変更した。「同格のthat」を勉強した。I used to work with a consultant who believed the best way to get people to talk was to say nothing, taking advantage of the fact that people hate awkward silences and automatically try to fill them. の和訳では、後半カンマ以降の「分詞構文」の働きとthe fact that〜の「同格関係」がポイントだ。「昔私はある法律顧問の所で働いていたが、人はぎこちない沈黙の時間が嫌いで無意識にそれを埋めようとするという事実を利用して、人にしゃべらせる最良の方法は何も言わないことだ、と彼は信じ込んでいた」。抽象名詞のはずのsilencesが「複数形」であることに気づいたね。そう、具体的に「沈黙の時間」の意味だ。kindnessesも「親切な行為」だから複数もありだ。
 文法作文では「疑問」を勉強した。「何歳?」ではHow old are you? How old is your house? は「何年経っているか」を聞いてるよね。年齢を主語にしたらどうだろう?「貴方の会社の退職年齢はいつ」では「年齢の数字」を聞いているからWhenやHow old じゃなくてWhat is the age of retirement in your company?が正解だ。車の中でふと目を覚ました時、運転手に「ここはどこ?」と聞くには*where is here?じゃないよね。「此処は何処?」と考えて名詞にして、What is this place/street/station?が正しい。副詞でWhere are we now?ともいうが。(因みに文頭の*マークは「非文」の印に使うよ。) 尾上
2023/07/29 (Sat) 22:59


暑中お見舞い申し上げます
暑中お見舞い申し上げます
2023年7月27日(木) 
「谷川岳 14年ぶりに」
 「一ノ倉沢」の滑落死亡事故で悪名高い魔の山「谷川岳」に登ってきたよ。ロッククライマーの聖地でもあるけれど、一般の登山者には憧れの「日本百名山」の一つで、ロープウエーで「天神平スキー場」まで上がってから登山開始すれば4時間ほどで山頂1963mだ。この山には14年前に大学同窓の山仲間と家内も入れて6人で登ったことがある。山頂手前にある「肩の小屋」に一泊して翌日山頂の「トマの耳」と「オキの耳」という双耳峰を目指していた。ここは新潟と群馬の県境、天候が実に不安定な山稜のため2日目は悪天候に急変、山頂を目前にして下山せざるを得なかったのだ。
 いつかリベンジしたい、と思い続けてとうとう梅雨明けの一昨日思いを達成した!夜中に車で出発、8時のRW運転開始に合わせて山麓に到着。10分で上がった天神平スキー場はニッコウキスゲなどが一面に広がるお花畑。真っ青な晴天のおかげで、日陰のない登山道は灼熱地獄のよう。西を展望すれば昔登った「平標山」(たいらっぴょう)や遠く「苗場山」も望める。山頂に近づくにつれ花の種類が増えて、紫色のツリガネニンジン、オレンジ色のクルマユリ、紫色のアズマギク、黄色のキオンに惹きつけられる。山頂「トマの耳」で達成感を味わってから山小屋に立ち寄ってわかったことは、この山特有の真っ白な「ヒナウスユキソウ」が今年はもう終わっていたとは・・・

「英語教師 なりはじめ〜15」はまた次回に。 尾上
2023/07/27 (Thu) 23:12


A but A' も A and A' と同じルール
A but A' も A and A' と同じルール
2023年7月23日(日)
御殿場市民会館にて
「富士山世界遺産センター」
 次の同窓会を「尾上君の弟さんの温泉でやろう、企画してほしい」と高校の仲間に頼まれた。そこで6年前の5月は母校大学の山仲間と「身延山」の登山道を2時間歩いてから弟の「佐野川温泉」に投宿したが、その日程では今回は無理だなと思い少しアレンジしてみた。1日目は「身延山」の僧坊で「精進料理」を味わってからロープウエーで山頂の奥の院に気楽に行ってみよう。2日目には皆さん憧れの「白糸滝」を鑑賞してから「富士宮浅間大社」に参拝しよう。その近くの「世界遺産センター」にも立ち寄って富士登山の歴史を学ぶのもいいだろう。2013年6月に富士山は「世界文化遺産」に登録されたから丁度10年目の記念になるよ。
 さて2日目、浅間大社の拝殿で健康祈願して参道を下ってくると、赤い鳥居の前には名物「富士宮やきそば」の屋台がずらっと並ぶ横丁があって、ベンチに座り塩味とソース味の腰の強い麺の焼きそばを味わった。こういうのを「B級グルメ」と呼ぶよ。さてその南側に車で少し移動すると「世界遺産センター」が見えてくる。水を張った池の上に杯のような逆三角錐の記念館が立っている。エレベーターで4階まで登ると大展望が開けて、晴れていれば富士山が正面に望める。建物がらせん状のスロープでゆっくり下るようになていて、脇の壁には登山する人たちのシルエットが映り、雲海の上に自分が来たような錯覚をおこす・・・
 
 3年生のMUさんは「同格関係」を勉強した。The term Renaissance is applied not only to a philosophical and artistic movement but also to the period during which it flourished. の動詞はapply A to B(AをBに適用する)の受動態だね。接続詞butで2つのto〜が並んでいることに注意して、和訳は「ルネッサンス(文芸復興)という用語は、哲学や芸術運動に適用されているだけでなく、ルネッサンスが花開いた時期の呼び名にも使われている。」 apply oneself to〜(〜に適応する、〜に精を出す)apply for〜(〜に応募する、〜の申請をする)の違いも覚えよう。toは到着点、forは方向を表すよ。皆も好きな「アプリ」も名詞形applicationのことで自分のスマホやPCにダウンロードした(=適応させた)ソフトのことだね。
 今日は裾野の3年生男子がお母さまと見学に来て、8月からの入会と夏期講習参加を申し込んでくれた。きつい運動部の部活が終わっていよいよ受験勉強、とは少々遅いきらいもあるがきわめて意欲的なので、きっと急速な学力向上が期待できると思います。SVOCの基本構文とA and A’のルールに習熟したら数段レベルアップします。8月の過ごし方が勝負所だね。2人以上いないと「裾野教室」が再開できないのでしばらくは御殿場市民会館に通ってください。 尾上
2023/07/23 (Sun) 23:16


吹奏楽にはまって
吹奏楽にはまって
2023年7月20日(木) 
「同窓会で身延山」
 母校甲陽学院の同窓会東京組はとても意欲的で、2か月に1回開催している。第3水曜日が定例だから「枯山水」と呼んでいる。忘年会、新年会、ゴルフコンペのほかに東京日比谷にある「神戸大学同窓会」のサロンでの学習会もその一つだ。今年は5月に「蓼科高原」でコンペを実施した折に、「次回7月は尾上君の弟さんが経営する山梨の佐野川温泉に一泊し露天風呂と名物の鰻丼を味わいましょう」と幹事から提案され企画を任された。テレビの人気番組「出川の充電させて・・・」がこの2月一軒宿「佐野川温泉」を突然訪れて録画し放映されたので、この会の皆にグループLINEで紹介したらすぐに反響があったというわけ。
 18日、新幹線「新富士駅」に集合した9人は車2台でスタート。「富士川」沿いに北上して「身延山久遠寺」の周辺にある僧坊の一つ「覚林坊」の敷居をまたぎ、まずは精進料理で「ゆばさし」「ごま豆腐」に舌鼓をうったよ。さあ「久遠寺」の奥の院に参拝しよう。ロープウエーで700mの標高差を7分で一気に登るとそこは5℃も低く涼しい天上の世界だった。眼下には大河富士川が蛇行し東の空にはうっすら富士山が山頂を見せている。ほかには外人の一家族だけの静かな山頂で、鎌倉時代に「日蓮上人」が房総の生誕地と母親に思いを寄せた「思親閣」に参拝してきた。下山して山麓の「本堂」「五重の塔」を拝んだ後は今夜の宿泊地南部町の「佐野川温泉」に向かって・・・
 
 しばらくは「裾野教室」の授業のない木曜日もブログを続けたいと思います。「教育」にまつわる個人的エピソードを中心に半世紀前を振り返ってみます。「英語教師 なりはじめ〜14」
 24才で静岡県の高校教員になって、「吉原高校」で7か月「稲取高校」で2年「島田商業高校」で9年と英語を教えている間、学生時代に研究していた「理論言語学」のことはすっかり頭の片隅にもなくなり、「英語部」や「吹奏楽部」の指導に夢中になった毎日だった。コンクールでは何度も県代表になって東海大会の常連だった島田商業吹奏楽部の顧問になった私は、県吹奏楽連盟(中学・高校・大学一般の部)の理事の一人として夏の吹奏楽コンクールや冬のアンサンブルコンテストの企画や運営に力を尽くした。指揮にのめりこむのは数年後、12月の「定期演奏会」で生徒たちに指揮棒を持たされてからなんだ。
 私の島田時代には音楽の世界で大切な友人が2人いる。3人で「指揮法を勉強しよう!」と相談し、プロの指揮者村方千之先生を月に一回東京からお招きした。島田市役所職員の新間君は高校大学時代に続いて、母校の「藤枝東高校」や「市民吹奏楽団」の指揮者をやっていた熱心な若者で、共に「斎藤英雄」の書いた「指揮法教程」に基づいて指揮の基本「たたき、しゃくい、平均運動」をコツコツ学んだ。もう一人「島田二中」の須藤先生は長年弦楽合奏の指導が専門だったが、吹奏楽に切り替えるとすぐに静岡県代表として毎夏コンクールの常連となり東海大会にも出た。数年後には「全国大会」の栄誉を受けたので東京の「普門館」大ホールに応援に行ったことも。 尾上
2023/07/20 (Thu) 21:47


SEEやFINDも「無生物主語の文」になる
SEEやFINDも「無生物主語の文」になる
2023年7月16日(日)
御殿場市民会館にて
「野の花苑 ウチョウラン」
 雨が降って山歩きもできないので、御殿場の印野地区にある山野草のお店「野の花苑」に行った。温室になったお店に入ると、季節の花で満開のウチョウラン(羽蝶蘭)が鉢植えになって左右の陳列棚にびっしりと並んでいた。背丈はどれも10センチくらいの小さな株だけど、色は様々で白、ピンク、赤、紫や2色のものなど、一鉢500円から5000円のものもある。向かいの展示場のはさらに高級で白と赤紫色の大きな株が25,000円という最高値だった。かつて50年〜30年前に「山野草ブーム」があって、数十万円の高値が付いたウチョウランもあったという。私は月に1〜2回立ち寄っては、ワンコインで買えそうなものを一つ選んでいるよ。
 ウチョウランの先にはフウラン(風蘭)の鉢がずらっと並んで、もうじき咲きそうな緑のつぼみをたくさんつけて中には一輪だけ咲きだしていて真っ白なトンボのような姿だ。さらにこの日初めて見たのは「オサラン」(筬蘭)、真っ白な花で唇弁だけ紅を塗ったおしゃれな南国のランだ。日曜日がお休みのこの店はご一家が熱心なプロテスタントで、私は御殿場・東山地区の福音協会で知己を得た。若い頃は山野を駆け巡って花にめぐり合いそれを家業にしたご主人だが、「最近、顔を見ませんね、、」と言ったら、「今腎臓ガンで闘病中なんです」と聞いて驚いた。上品で美しいお嬢さんがやっと結婚して、優しいハンサムなお婿さんに経営を譲ろうとしていた矢先に・・・
 
 3年生のMUさんは「無生物主語の構文」を勉強した。普通はmakeやcause、remindなどの使役動詞で理解しているけど、テキストの説明にあったThe next morning found him dead in his room.(翌朝、彼は自室で死んでいた)のような感覚動詞のfindやseeの主語が「時」という特殊な文もこの仲間だ。世界一の語彙数を誇る英語辞書OED(Oxford English Dictionary全20巻)で動詞seeを検索すると、「無生物主語+see+出来事」の例文がいくつかあって、その主語は「時」「場所」に限られる、とある。New York saw its first New Year’s ball drop in 1907.(NYでは、1907年に最初の新年ガラス球落としがあった)のように。
 しかし、イギリスの伝統ある新聞The TimesやThe Gurdianなどの記事をデジタル化したCD ROMで動詞seeを検索してみると、The heavy snows have seen several regions declare states of emergency.(豪雪のために、いくつかの地域では非常事態の宣言をしている)のように「原因」や「手段」が主語になった実例がたくさん発見できるんだ、、、実はこの研究を進めて理論仮説として発表したのが私の大学院での「修士論文」(東京学芸大学院2001年)で、300の実例に基づいている。卒業後、修論指導の鈴木猛先生がさらに肉付けし理論化して2001年秋、東大で開催された「日本英語学会」に共同研究として発表したもので懐かしい思い出がある。 尾上
2023/07/16 (Sun) 23:08


玉石混交の愉快な高校
玉石混交の愉快な高校
2023年7月13日(木) 
「北アルプス キヌガサソウ」
 名前も美しいキヌガサソウ、北アルプスで久しぶりに会えたよ!漢字なら衣笠とか絹笠とも書いて古代の貴人が外出の時に、背後からさしかけた笠(傘蓋)のこと。花は50センチくらいの背丈で、雨の日は傘の代わりになりそうな大きな葉6〜10枚が輪状に広がりその中央に真っ白な花が一つ。葉と同じ数の真っ白な花びらは実は顎片で、花弁は細くて目立たないんだ。2010年、大学の同窓で横浜に住む青山君と、山頂の「ウルップソウ」が見たくて二人で白馬岳(2932m)に登った。有名な「大雪渓」にさあ登るぞという時、「白馬尻小屋」の裏でこのキヌガサソウを発見して初めての大型の花に大感激した。数えてみたら200株の大群落!
 日本の「三大雪渓」はもう一つ「針ノ木岳」(2821m)にあるんだ。最近そこにもキヌガサソウが咲くと知って、信州大町の扇沢のホテルに前泊して登ってみたよ。トロリーバスの「扇沢駅」は昔家族で「黒四ダム」観光に行ったときに乗り換えた駅。そこから未踏の登山コースに分け入って2時間ほど、ゴゼンタチバナやエンレイソウの青い実を見ながら「大雪渓」が始まる「大沢小屋」(1670m)まで雨の中を傘さして登って行った。するとその小屋の周りに咲いていたよ20株くらい。しかし今年の異常気象でもう薄緑色に変わっていたので「小屋」の人に聞いたらもう一か所の群落が近くで見つかり、7株だけどそれはまだ白色に近くて美しかった。13年ぶりに再会できたよ、キヌガサソウ!!・・・

 しばらくは「裾野教室」の授業のない木曜日もブログを続けたいと思います。「教育」にまつわる個人的エピソードを中心に半世紀前を振り返ってみます。
「英語教師 なりはじめ〜13」
 伊豆の「稲取高校」に赴任して2年目、昭和44年の12月に26才で私はロシア語の教え子だった埼玉県の女性と結婚し、伊豆急行「稲取」駅前の職員寮で二人の生活を始めた。後に「校長住宅」に引っ越しできたが、そこは小さな漁港を見おろす木造のあばら家で、朝になると雨戸の節穴から一筋の光が差し込む貧しい新婚生活だった。買い物は街中のスーパー「ヤオハン」で済ませたが、教え子たちが家内の買い物についてきて「先生の今日のおかずは?」と鵜の目鷹の目だったとか。港の鮮魚店に行くと魚は切り身ではなくてたいてい一尾買い。店の前に停泊している船から上げて樽に突っ込んである魚を町民は選んで買うのだ。タチウオがまだ生きてて、手をかまれた人もいるよ。
 寮にお風呂はないから二人で近所の銭湯「ちどり湯」へ行った。「南こうせつとかぐや姫」のヒット曲「神田川」のような世界だね。そこの息子も豆腐屋の娘も、稲取で一番のホテルの一人娘もみな教え子たちだ。昭和36年の「伊豆急行」の鉄道敷設まではオレンジ色の「東海バス」が未舗装の土埃を巻き上げて伊東から下田まで海岸線を走っていた時代だから絶海の孤島のような土地の稲取高校は東伊豆町の最高学府だったのだ。土地が狭くて野球部もブラスバンドもないけれどレスリング部が全国大会で優勝するし、千葉大にも静大にも合格する優秀な生徒もいて玉石混交の愉快な漁村の高校だったなあ。 尾上
2023/07/13 (Thu) 22:40


so〜as to・・とso as to・・との違い
so〜as to・・とso as to・・との違い
2023年7月9日(日)
御殿場市民会館にて
「NYでもマティス大回顧展」
 マティスの絵が大好きになったのは、92年のアメリカ旅行中だった。大学1年生の次男がニューヨークに短期の語学留学して帰国したその年の暮れ、1才上の長男も米国体験したいというので私との二人旅になった。クリスマスのNYは昼のうちから活気に満ちて五番街もブロードウエイも様々な人種に満ちあふれていた。夜になるとオペラ「ワルキューレ」やロングランのミュージカル「オペラ座の怪人」「ファンタスティクス」を見て、7日間はあっという間に過ぎた。次に列車アムトラックで古都「フィラデルフィア」に立ち寄った後、首都「ワシントン」に着いた。2日間観光した後飛行機でジャズの街「ニューオーリンズ」と西海岸の「ロスアンジェルス」に向かう計画だった。
 その時の「旅の日記」を読み返すと、NYでは二人で精力的に歩きまわったことがわかる。美術館も「メトロポリタン」「グッゲンハイム」に加えて、MoMA(近代美術館)で見た「マティス大回顧展」はすごかった。なんと400点もの大作を目の当たりにすることができたのだ。今回上野に来たパリの「ポンピドーセンター」の作品も含めて、世界中から集めた珠玉の名品ばかりで、中でもロシアの「エルミタージュ美術館」からの数点は「赤のハーモニー」「ダンス」など圧巻だったなあ。この日早朝8時小雨降る「5番街」には長蛇の列が出現し15時からの当日券を買うために並ぶと、私の前にはスペインから来たというにぎやかなおばさんたち、後にはロンドンから見に来た若者も一緒に・・・

 3年生のMUさんは「無生物主語の文」をやった。makeなど「使役動詞」の主語が「人」でなく「物事」である時にはそれを「手段・理由」などと考え、目的語の「人」を主語に置き換えて和訳しよう。という勉強だ。It must build up ties that enable Asia truly to count on Japan’s presence. も、「可能にさせる」の使役動詞で〜enable人to・・(〜のせいで人が・・できる)の「無生物主語の文」だから、Asiaを主語にして、「アジアが日本の存在を信頼することが本当にできるような絆を日本は築かないといけない」。
 文法・作文は「程度・目的・結果」の表現で、どれもほぼ正解が出せた。「彼はそのようなミスにも気づかないほど不注意な生徒です」の並べ替え問題は、He is so careless a student as not to notice such a mistake.で、so〜as to・・(程度)とso as to・・(目的)との違いに注意しよう。長文は「大阪府立大」の「死」を読んだ。「地球上のすべての生き物は死ぬ。しかしその生命が子孫のなかに永遠に引き継がれていく」と語る難解な内容をよく理解できていた。 尾上
2023/07/09 (Sun) 23:08


total : 101281
today : 40
yesterday : 52