昨日は朝、雨の中を車で東京に出た。午前は小金井で私の古巣、「東京学芸大・大学院」の「英文法」ゼミに出席させて頂いた。 He washed the soap out of his eyes. (目から石けんを洗い流した)が「結果構文」に入るかどうか、の論文研究。恩師SU先生と院生の1対1の授業に飛び入り参加して、ひさびさに本物のアカデミックな雰囲気に浸ったなあ。手作りの「新米コシヒカリ2合」を手土産においてきた。
昼は若い大学生たちと一緒に「学食」でラーメンを食べた後、15分くらい先の府中にある母校「東京外語大」にも立ち寄った。翌日からの「外語祭」の準備で学生たちは大わらわ。キャンパスにはサークル状にそれぞれの語科の模擬店が完成しつつあった。
中央高速に入って「北の丸公園」に駐車して「国立近代美術館」を訪問。「レオナール・フジタ」つまり「藤田嗣治」の所蔵品展を見た。先日封切りの映画「FOUJITA」を見たばかり。こんなにたくさんの本物に触れられて感激!藤田は戦時中日本に戻っていて、陸軍の依頼で「アッツ島玉砕」などの戦争画をたくさん描いたものがそのままこの国立美術館の所蔵品になっていたのだ
さらに夕方は日比谷の「帝国劇場」ビルで母校「甲陽学院」の東京組の同窓会に出席。実はこれが今日の東京行きの本命。日本板ガラスの会長を今もやっている一番の親友FU君や各界でまだ現役の同窓生が6人集まって、今日のテーマ「日本語のおかしな使い方」を酒の肴にして遅くまで語り合った。わたしは残念ながら「ノンアルコールビール」でひとりだけシラフ。首都高と東名を走ってわずか90分で日比谷から帰宅できたよ・・・。
KI君は前回、入試の語句整序問題はほぼうまく解答できた。和訳ではTo be proud of having two thousand books would be absurd. が不十分な訳だったね。助動詞のwouldにはいくつも用法があるからおおいに注意が必要。もし「仮定法」かなと思ったら、省略された条件節のif〜を想定してみよう。つまり、主語の部分に仮定を意味させると、「仮に2000冊の本をもっていると自慢したとすれば、それは馬鹿げたことでしょう・」と訳すといい。
EC君もは前回、「親子の関係は教えることが基本であって、愛情だけとか躾けだけではない。」を読んだ。代名詞のsome 〜others〜「〜の人もいるし、〜の人もいる」の用法が混乱していたね。今日は文法・作文で「完了形」を勉強した。特に「時間構文」という名称の「〜するやいなや〜した。」は覚えにくいね。「私が着くか着かないうちに演奏会が始まった。」はhardly 〜 when・・を思い出して、左の動詞が過去完了、右が過去形を覚えていれば、Hardly had I arrived there when the concert began. と書ける。つまり「コンサートが始まったときにはまだほぼ着いていなかった。」ということ。
MIさんは前回、英文和訳では名古屋大と弘前大の問題でいくつかのイディオムが初めてだったね。I could not think of any right awayは「今すぐには何も思いつかない。」の意味。at once(今すぐに)と同じだ。as regards the kinds of problems that ・・(・・のようなそのような種類の問題に関しては)でas regardsは前置詞aboutのこと。regardingともいうし、with regard to、in regard toともいう。ちなみにas to〜も同じく「〜に関して」の前置詞。the kinds ofは次の関係代名詞節をうけて「・・のようなそのような〜」となるから、such 〜 as・・と似た用法だね。今日は「受動態」に関する文法・作文をやってみた。かなり良く出来ていたが「単数・複数」や「冠詞」の扱いにも注意が向けられるといいね。
2年生のTA君は前回岩手大の和訳で、Sometimes he would hold a sppon at the spoutで、過去の話の中にwouldがあったら「よく・・したものだ」と過去の習慣を意味することが多い。Often やsometimesを伴うことが多い。全部で5つのwouldの用法をいつでも区別できるといいね。今日はno more 〜 than・・、いわゆる「鯨の公式」を勉強した。ところが連続したno more than 〜は直後の「数字」を強調する副詞の働きだ。noはno money と同様に「形容詞」で次のmoreとか lessを修飾して、「多くない→わずかだ、〜しかない」と「少なくはない→多い、〜も(たくさんに)」の意味になる。文や句をまとめて否定するnotは副詞の働きだ。
OH君が、前回「三島」教室に来れなかったのでこちらに出席した。文法・作文で「無生物主語の文」を勉強した。主語が「人」で目的語が「物」なら普通だが、「物」が「人」に〜させる、という日本語にはまれな表現をいくつも勉強した。enable 人 to 〜(〜のせいで、人は〜できる)と prevent 人 from –ing(〜のせいで、人は〜できない)の対比を覚えた。
今日は12月〜1月のUG会予定表を配付しました。裾野教室・来週26日(木)は予定通りに戻りました。25日(水)に変更、は取り消してください。
尾上
(追記)TA君と裏山の「城山」に登った。我が家から1軒おいて隣の家のご長男で、お父様と一緒に夜間、岩波・矢崎工場の食堂で働いているそうだ。まだ40歳前(独身!)なのに庭仕事が好きなようで、昼間は木の枝を切ったり草花を育てたりしている様子をなんどか目撃していたので山歩きに誘ってみた。
「野鳥の観察」が趣味という、明るく受け答えしてくれる優しい性格の若者だった。何カ所かの「野鳥の会」にも参加しているらしく、前回「金時山」に誘った時には首から双眼鏡を提げていったので、今日はまだ登ったことがないという裏山に野鳥を見に行こうか、ということでいつもの「森山道」の急坂を登っていった。
箱根外輪山の山頂に大きなアンテナの目立つ「丸岳」まで通じる隠れた山道で、我が家から2時間半で行ける私の大好きなルートだ。中間点の「駿河台」まで行く間には、「お花畑」が2カ所ある。紅葉が見頃になっているので、もう終わったかな、と思っていたのに「釣鐘ニンジン」も「リンドウ」も「タイアザミ」や「秋ノキリンソウ」もまだちらほら残っていたよ。とりわけ「ウメバチソウ」が白い小さな花をまだいくつかつけていたのには感激!TA君も感動しきり。野草の名前では私の方が上手のようだ。
「駿河台」は御殿場の夜景12景のひとつ。石原慎太郎や岸信介の筆になる石碑と石の鳥居がたっていて、それをガクブチにして正面に聳える「富士山」を拝むように仕組んである。ここの茶店「しるこや」はこの春以来閉店のままだ。店主のKOさんとは馴染みになったのに、奥様の病気治療のために琵琶湖のほとりの自宅に戻ってしまった。わたしの山登りの楽しみがひとつ減ってしまった。ここで「白玉ぜんざい」や「京しるこ」を食べて会話を楽しんだのになあ。
もうすこし登ってみようか。「ほら鳴いてますよ!チッ、チッとなくのはカワラヒワです。」自分の「野鳥図鑑」を持ってきてよかった。カラー写真でその姿を確かめる。でももう一度聞いてもわからないだろうなあ・・。「あのジッ、ジッと鳴くのはアオジ。」これならちょっと覚えやすそう。我が家の庭にもよく来る「ホオジロ」「シジュウカラ」の声も教えてもらい、「あれはメジロだな。世間ではこれをウグイスと間違えているのです。もっとジミな色なのに・・」と。全部で5種類の声を教わったけど、もうすっかり忘れてしまいそう。時間不足で「丸岳」山頂は次回の楽しみに残して下山となった。
「しるこや」に来ると、写真をとるアジア人らしき4人。英語で話しかけるとガイドらしき一人がかなり上手な日本語で返してきた。「韓国のソウル市からです。」「石碑の漢字が読めますか?」と聞いたら、「今では小学校で漢字を2000字教わりますから皆読めますよ。」とのこと。日本の若者よりたくさん知っているかもしれない。日本語が「漢字仮名まじり」であるように、韓国でも「漢字ハングルまじり」にならないのかな。
