高校英語UG会 三島・裾野・御殿場

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センター試験に向かって
センター試験に向かって
2016年1月14日(木)裾野市民文化センターにて 「ティファニー・ランプ」
 TVの「お宝鑑定団」に出品できる私の宝物といえば、1992年にNYで購入した大きな「ティファニー・ランプ」くらいだね。我が家の前は林の中の散歩道で近所の人が夕方通りがかると、リビングの格子窓にちらっと見える位置に飾ってある。薄いピンク色のモクレンの花が一面に傘を覆うようにステンドグラスで組み込まれていてとても美しい・・・。

 KI君は前回「動名詞」の文法・整序問題をやってほとんど正解だった。「世の中をもっと住みやすい場所にする・・」は making the world a better place to live in. でSVOCの文型だったよね。the worldが文尾では「世の中に住むためにもっと場所を作る・・」となってしまう。「場所は作れない」し。動詞makeはいろいろな用法があるから要注意だ。今日は「代名詞」をやった。「同じような家と比べてみれば、その家はずいぶん質の高いものだった。」の整序問題が難しかったね。 Compared to similar houses, that one is of much higher quality. 「高い質の」は of high quality で前に名詞がなくてもよい。It is of no use. が「それは役にたたない」となるように「形容詞」の働きで「補語」になる。
 EC君は、前回英作文がうまく書けていたね。See things as they are. は「物事をみなさい」の後ろに「それがそのようであるように」とあるから、「物事をありのままに見なさい。」の意味だ。「変な先入観で見ちゃダメだよ。」ということ。今日は「代名詞」がとてもよく理解できていた。「〜は調子が悪い」は代名詞を使って Something is wrong with 〜が普通。2日後のセンター試験は自分の東高が会場だからいいね。周囲も同級生ばかりだからいつもの模試のような雰囲気で受験できる。私がそこの職員でいた頃は大学から派遣された先生たちと一緒に試験監督をやった。しかし、公正な接し方を求められているから、いつもの生徒たちが目の前にいても励ましの声もかけられなかったのを思い出すよ。
 三島教室のOH君が出席して「助動詞」を復習した。整序問題の基礎編はすべて正解だった。発展問題の「正しいパスワードがないとセキュリテイ・システムによって中にはいれません。」が難しかった。選択肢からまず「動詞」「助動詞」をピックアップすると、enter、permit、won’tが見つかるね。enter(入る)のはだれ? youでしょ。誰が何をpermit(許す)の? だからSecurity system won’t permit の後にSVのyou enter が続くように考えればSecurity system won’t permit you to enter without the correct password.となるよ。
 2年生のTA君は前回、「子供の歯磨き」の和訳をやった。 When children become three or four years old, their scope of acquaintances expands. を「知識の範囲が広がる。」と訳した。しかし acquaintances の-sに注意しないと。数えられるから「知人・友人」だ。「知識」は量ではかるし。例えばsomething to eat は「食べるもの」 something to learn は「学ぶこと」と訳すように、日本語では具象的な「もの」と抽象的な「こと」をきちんと使い分けているね。優れた言語だよ。英語にはそれができない。関係代名詞 what 「もの・こと」の訳し分けも同じことだね。英語はどうやるかと言えば、名詞の前後に aとか –sをつけたら「具体的なもの」、なかったら「抽象的なこと」という判断をするのだよ。
 MIさんはセンター試験準備のためにお休みした。「富士高校」が受験会場だそうだ。いよいよ2日後にせまったね。こういう試練がこれからの人生に何度でもあってますます自分の資質を高めてくれる、と考えればなにも不安に思うことはない。全てがプラスに転嫁できるよ。模試のつもりがいちばんいい。 尾上

(追記) モクレンを英語では「マグノリア」Magnoliaといって、NYの「ブルックリン植物園」に行くと入口からしばらくはこのマグノリアの大群落だ。中央のドーム周辺の「マグノリア・プラザ」には創設以来だから100歳に近い大木が雪のように真っ白な花を咲かせる。アイボリー色、クリーム色、ピンク色、濃い紫色に溢れて実に美しい。サクラの咲く早春の3月・4月が見頃で、甘い香りの17種類72本も植えてある。大好きな庭園でここには家内と何度訪れたことか。
 このティファニー・ランプは長男と二人、ブロードウエーの賑やかな商店街を歩いていて見つけた、というより「押し売り」された。「ブロードウエー・ギャラリー」という名のPCとビデオの大きな店に入っていって、長男が友人に頼まれたゲーム・ソフトを270ドル(約3万円)で買った。ソニーのビデオ・テープも予備に2本買ったら、体格のいいイラン系の主人が「ビデオカメラ用にこの広角レンズはどう?」とまだまだ売りたげ。
 支払いしようとクレジットカードを渡すと、「ちょっと見てもらいたい物があるんですが・・」と言って,広い階段を降りて地下展示室に案内された。そこはなんと高価なソファー、絨毯、チェストなど宝の山が所せましと。豪華なイランの絨毯を3枚も広げてみせる。「サザビーズ、って知ってますか?これらランプはそのオークションで仕入れたティファニーですよ。」
 チェストの上に並べられた5つも6つものランプはどれも明るく輝いて素晴らしい。その真ん中にひときわ大きく女王様のように光り輝いているピンク色のランプがとくに気になって、長男と「あれ、いいね・・」と頷いていたらイラン人の主人には通じたらしくすぐにそれを手元に運んできた。
 「本当は3万ドル(300万円)だけどまけるよ。3本まとめて買って日本で高く売ればいい・・・」と。「とても高価で日本にいる妻がきっと反対するから・・」と言うと、「じゃあ、この電話で今奥さんに電話して聞いてみてよ。」と。日本は真夜中の3時だというのに家内を起こしてしまい、まんまと店員のペースに乗せられとうとう買う羽目になった。「5千ドル、いや3千ドルでもいい。」こうなったらこちらの条件を持ち出そうと、先ほどのゲームソフトなども含めて2700ドルで手を打った。航空便の送料と手数料も含めることで交渉成立した。
 NYでビジネスでも大成功している移民はユダヤ人だと誰でも知っているけど、アルメニア人とこのイラン人もなかなか商売上手なんだと後で知った。後日談だけど、件のランプが自宅まで配達されるものと信じていたら、成田空港から電話で「ランプが空港止めになっているので引き取りに来て欲しい。」とのこと。行ってみたら私の背丈以上もある大きなダンボール箱にくるまれて届いていたよ。中身だけをカートに乗せてゴロゴロ転がして御殿場まで電車で帰った。
2016/01/14 (Thu) 23:44


無生物主語の文は原因・結果の文だね
無生物主語の文は原因・結果の文だね
2016年1月11日(月)ゆうゆうホールにて 「庭のアネモネ」
 とうとうスマホを買ったよ。「ガラケー」で結構!と、ガンコに敵対心を抱いていたが、先週あっさり誘惑に負けた・・。8日、農作仲間10人と郊外の「台湾料理店」で昼食を一緒して「新年会」をやった。大学生の娘を連れてきたIKEさんが、ガラケーとスマホを両方もっているのが不思議で聞いてみた。「中古のスマホを安く買って、用途をわけて使っているのよ。契約料も月額1000円くらいね。」というから興味が湧いた。
 帰り際早速、オススメの「GEO」に立ち寄り説明を聞いたら欲しくなってその場で購入した。日頃は容量のデカイ「デスクトップ」に向かっているから必要ないはず。しかし車の中や山歩きの時に、もし「ネット」で聞いているニューヨークのFM音楽放送やユーチューブのオペラが見れたらもっと楽しめるな、という期待を込めて・・・。

 TACさんは「動名詞」をやった。整序問題はどれも正確に解答できてすばらしい。ただ、センター試験では和訳がつかず、ただ語句を並べ替えて意味のある文を組み立てねばいけない。日本語に頼れないなら、英語の基本文型「接続詞+S+助動詞+V+O+〜」に持ち込むしかない。まずVから探してSとOを決めることだ。TACさん、この「整序問題」にいつも時間がかかるというから、1,2の前半、5、6問とやってから、残り時間で2の後半、3、4問という順番で解答すると能率が良いんじゃないかな。
 TU君は前回「動名詞」を勉強した。整序問題も文法もかなり正確に答えられた。英作文では慣用句の基本 feel like –ing や dream of -ing などが思いつかなかったね。今週末のセンター試験はとても大切。模試では80%取れたこともある、というから楽しみにしているよ。
 2年生NIさんは「無生物主語構文」で「愛知大」の「ソクラテスの無知」が難しかった。 This confidence explained to him his reputation as a wise man. も主語confidenceが「原因」で後半がその「結果」だと考えると日本語になる。「こういう確信があったので、ソクラテスは自分の賢人という評判を納得できた。」となる。「彼が説得された」わけだから「彼は納得した」となるね。いつもの英文和訳も和文英訳もむずかしい問題ばかりだけどよく果敢に取り組んでいるね。添削から得るものがたくさんあるはず。しっかり読み返してね。
  中学2年生のNI君は中2教科書の第11課「ピーナッツの生みの親」4ページ分を熱心に和訳した。3時間で半月分をこなしてしまった計算だ。こういう集中力があれば英語力はぐんぐん伸びるはずだ。今日は既習の「不定詞」 to〜(〜すること)に対して、「動名詞」〜ingの用法を勉強した。I like taking pictures. He enjoyed reading. He finished drwing it. などの文で「〜すること」が –ing になる動詞を覚えた。He started to draw Peanuts. や I like to take pictures.で動詞start や like は目的語が「不定詞」でもよい。
 高校1年生YO君は「準動詞」をやった。「不定詞」「分詞」「動名詞」の基本用法は覚えているが、慣用用法や特別のイディオムをまだほとんど覚えていないからマルがすくなかったね。とくに文法の「間違い探し」の問題には苦労した。この単元は高校卒業するまで何度もぶつかることになるほど広く深く細かいから頑張っていこう。今日は終了したらお客様が。YO君のお母様がお年始にお姉さんと一緒。私と同郷の三重県のお菓子をいただいた。お姉さんはやはりこの「UG会」の卒業生で東京の大学に行っている。「成人式」おめでとう!
 TAYさんはあす学校で英語の試験があるのでお休みした。 尾上

(追記)昨日の「英語の話」に続けて・・・「大学院」に進学するにも予備校があるのを知っているかな?新宿四丁目の「四谷ゼミナール」や中央線・高円寺駅前の「中央ゼミナール」など。かなり費用はかかるけどね。入学に5万円、月々3万円(週1回)。
 しかし「通信添削講座」なら通学せず、時間がとられず授業料も安い。調べると「Z会」や「デルタ・プラス」「大学進学センター」などがネットでみつかる。5ヶ月で5万円(6回分)が目安だ。大学院英語、英作文、志望理由書、研究計画書、などを指導してくれるそうだ。(私の「UG会」の方がずーっと安いね・・。エヘン!)
 入試科目はなんだと思う?大学院入試の時期は年2回で、「秋入試」の学部と「春入試」の学部の2回ある。たとえば、東大・理学部大学院・修士課程の「生物科学専攻」では「秋入試」で、2015年には筆記試験が8月26日に実施された。英語の読解問題と各学部の専門領域の2科目だった。一次試験の合格発表が8月29日。合格者だけが9月2日の口述(面接)試験に進む。二次試験の合格発表は9月17日だった。もちろん入学は翌年の4月だ。ずいぶん早い決定だね。
 ちなみに文系の場合、教養学部にある「総合文化研究科」は「春入試」で、翌年2月中旬の実施だ。学部の2次試験が25日頃だから院はその1週間前に実施しているようだね。大学ごと学部ごとに実施時期が全く異なるのだ。つまり重ならなければいくつでも受けられる、ということ。
 東大、京大、慶応、早稲田などほとんどの大学院で、最近の英語テストは独自問題をやめて「TOEFL・ITPテスト」を利用している。今ではインターネットで解答する形式になったTOEFL・iBTが日本人には難しすぎるし、受験会場の設備も不可能なので、昔のペーパーテスト形式に戻して大学などの団体受験ができるように改良してある。東大もこのITPでリーディングだけの出題だ。
 東大の院に受かるには677点中、500点(80%)がほしい。450点(70%)でも合格可能だが。TOEFLは過去問題集がいろいろ市販されているので何冊か購入して練習するといい。ブック・オフやアマゾンでも中古で購入できる。過去問はその大学の生協で販売していたり、その大学図書館に行けばコピーをさせてくれる。他大学の学生もOKなので、ぜひ早めに対策を練るといい。
 私は55歳の時、沼津東高校に在職中一念発起し「東京学芸大学・大学院」の「英語教育学」コースを受験して合格した。これは「秋入試」で11月だった。じつはもう一つ「春入試」の「東京大学」も2月に受験したが不合格だった。英語には自信があったけど昔から嫌いだった「教育学」が足を引っぱったらしい。教師のくせにね。はっはっはっ。
2016/01/11 (Mon) 23:47


準動詞とは「不定詞」「分詞」「動名詞」のこと
準動詞とは「不定詞」「分詞」「動名詞」のこと
2016年1月10日(日)森の腰中央公民館にて 「ラブ・ライブ」
 まるでAKB48のような元気な女の子がおうぜい登場するアニメ「ラブ・ライブ」の動画をネットで見てみた。みんな女子高生なのかな。これが今の人気キャラなんだなあ。先日「乙女キャンプ場」で若者たちの黄色の派手なレーシングカーの車体一杯に描かれた女の子はこのキャラの2人だったのだ。気持ちが若返ったような・・・。

 EN君は前回「準動詞」のまとめを勉強した。とても難しくて正解が出しにくかったね。不定詞、動名詞、分詞の3つは動詞の前後に toや ing、edをつけることで、「動詞」の意味と用法を維持しながら、名詞・形容詞・副詞の働きをさせるもの、と定義できる。to不定詞は中学では「こと」「ための」「ために」の3つの意味を学ぶ。ingの形は「こと」「している」「しながら」とまとめる。普通の「動詞」よりも少々高級レベルで英語の勉強ではいちばん学習範囲が広く深い。1年生ではもうすでに終わっている単元だけど、これから何度も勉強を続けて欲しい。
 SEさんもやはり「準動詞」が半分もできなかったね。ほとんどの高校生が大学受験までずっと取り組まねばいけない単元だから根気よく勉強していこう。和訳では「時制の一致」と「代名詞」のoneの用法が難しかった。 Long before his birthday arrived, he asked for one for his birthday present. 「誕生日が来るずっと前に、ピーターは誕生日プレゼントに、一頭欲しがった。」英語では「過去」の話なら「動詞」をすべて同じ「過去形」に統一する(時制の一致)。日本語では最後に「〜た」をつけるだけでよい。だから「来た」でなくて「来る」。代名詞のoneには様々な用法があってむずかしい。高校ではもうじき「代名詞」の単元で勉強するはず。ここでは前に出たa ponyをさすが、別のものでいい。「そのうちの一つ」の意味だ。動詞askには「たずねる」と「たのむ」の2つあるよ。
 YAさんは前回、下線部問題で The effectiveness of human society, therefore, is largely dependent upon the clarity, accuracy, and efficiency ( ) which language is used or understood. の和訳が難しかった。まず主語は、名詞 of 名詞となって「名詞構文」だと気がつけばいいね。出来るだけ「SVC」の訳にもちこむ。後半は関係詞 which に先行詞を代入すれば Language is used or understood with clarity, accuracy, and efficiency.となるよ。「言語が・・・的に使用され理解される」ということ。with を使って副詞句で書いてあるのは clearly とか accurately ,efficiently という副詞と同じ意味になるよ。「従って、人間社会が効率がいいかどうかは、言語が使用され理解されるときの明確さと正確さと効率におおきく依存している。」と訳せるといいね。
 いよいよ今週末にセンター試験が始まるね。いつもの模試のひとつと思えば緊張しない、実力以上の点を望んだりすると思わぬ失敗をするよ。今までで最高の力をもう一度出せればいいけど、それは「宝くじ」を買うようなものでなかなか当たらない。80%発揮できれば満足、と思えば気が楽になる・・と心配性のYAさんにアドバイスした。この一週間は特別のスケジュールじゃなくて、今までどおりの地味な勉強の仕方を続ければそれでいい。 尾上

(追記)この「冬期講習」には山梨大学3年生が飛び入り参加してくれた。今年の8月にTOEFLテスト受験のために英語の学力を高めたい、という希望だったのでお手伝いした。彼はKI君のお兄さんでこの「UG会」の卒業生だ。「醸造学」を学びたくて「ぶどう」栽培発祥の地の大学に進学した。
 先月は彼のクラリネット・ソロを聞きに山梨の県民ホールに出かけた。沼津東高校では卓球部だったのに、大学では一念発起してお母さんのクラリネットを譲り受けてオーケストラに入団。そして最後のコンサートでベートーヴェンの「交響曲第7番」の難しい長いソロをノーミスで美しく歌い上げた。わずか2年半でよくもそこまでやった。ブラボー!
 最終学年が近づいていよいよ進路を決める時期になった。就職するにしろ進学するにしろ決めねばならない大切な時期だ。今高校生の君たちも大学に入学して3年後にはこの試練が待っているんだぞ。大学で学んだ自分の好きな学問を、一生の職業に生かせたらそれが理想だ。そのためには4年間の学部での研究が足りなければ大学院に進学することになるよね。そのまま自分の大学の院に行くもよし、他大学の院にチャレンジするもよし。
 たとえば東大の大学院の入試合格者の約半数は他大学からの受験者だ。修士課程(博士課程前期)に2年間行けば「修士号」がとれる。理工系で企業の研究員になるには最低この「修士号」が欲しい。そしてさらに「後期・博士課程」に3年間かけて必修単位を取得するうちに「博士号」が取得できればいいのだが、それがなかなか難しい。
 5本も6本も「論文」を提出して高く評価されねばいけない。30歳近くまで学生をやっていて無収入では個人の経済的な事情もからむので、いずれかの段階で職業選択をすることになる。業績が認められて見事「大学」や「高等専門学校」の教授・講師に採用されれば理想だが、「高校教員」とか「予備校講師」をやりつつ上を目指す人も多い。
 私は以前、KI君兄のほかにも大学生に大学院進学のための英語指導をしたことがある。暁秀高校生時代に教えたTAさんで、北里大学からみごとに難関「東京医科歯科大学・大学院」に合格したガンバリ屋さん。いまでも毎年「年賀状」をやりとりしている。「東大医学部」にも匹敵するハイレベルの国立の医科歯科大学だ。大学4年生の時、過去問によく出題される科学雑誌「サイエンス」の英語版が読めるように目標を定めて英語力をしっかり身につけた。
 社会人として活躍したい人も活躍している人も、英語の勉強から解放される日はなかなか来ないね。次の大学院入試でも就職試験でも職場での研鑽でも日本では常に英語の力が問われる。いま大学合格しても英語だけはやめられないよ。TAYさんは名門大学にすでに合格しているが、今も沼津から電車に乗って「UG会」に通って英語力にますます磨きをかけている。
 大学では英語の時間が週に2回くらいで少ないけど、文系・理系のどの学部も英語は必修だ。4月入学後すぐにクラス分けテストがあったり、7月には前期試験がある。留学のチャンスもあるかもしれない。在学中は英検1級やTOEIC、TOEFLを何回か受けて英語力のレベル・アップを心がけたいね。SUさんのように大学生になっても「UG会」に来られる人はいつでも歓迎します。(続きはまた明日・・)
2016/01/10 (Sun) 23:24


日英の鏡像関係?
日英の鏡像関係?
2016年1月7日(木)裾野市民文化センターにて 「乙女キャンプ場」
 愛車レイチェルで昨日は富士山に向かって「滝ヶ原自衛隊駐屯地」まで、今日は箱根に向かって「乙女キャンプ場」まで登っていった。たっぷり汗をかいて良い気分。ローギヤーにしても無理な急勾配なところは押して歩けばいい。帰りの爽快な気分を思い浮かべると苦労でも何ともない。
 このキャンプ場の中を通って「金時山」までいける。元日は未明にここから登った。今日は「七草粥」の日になって正月気分も終わり。広い駐車場は人影まばらだったけど、まっ黄色の車が2台並んで若者が2人話に夢中。いつものクセで寄って行って話しかける。共にスズキの新車スポーツカーで、一台にはボディ一杯に女の子のアニメキャラクターが窓にはみ出すくらいに両側に大胆に描かれている。「ラブ・ライブ」とかいうアニメで業者に描いてもらったそうだ。「道交法に触れないの?」富士山ナンバーで地元御殿場の若者だったよ・・・。

 MIさんは前回、日本女子大の和訳「青い色の効果」がほぼうまく訳せていた。しかし、何度も説明したようにカンマ・セミコロン・ダッシュなどの句読点は「ただのポ−ズ」だが、その次にくるのは、今述べたことに対する「言い換え」「説明」「理由」か「対比」になるはず。「追加」したり、「結果」を述べたければ必ずandやin addition とかso など言わねばいけない。文頭に何も「接続詞」が書いてなければ、和訳の時に「すなわち」、「なぜなら」とか「ところが一方」と書き加えなければいけない。レベルの高い話だけどね。
 KI君は前回、関係詞をつかって2文を1文につなげる問題に苦労した。 He solved the problem with ease. (彼はその問題を簡単に解決した。)と I was surprised at the ease.(その簡単さにわたしは驚いた。) の2文で、KI君は「私が驚いた簡単さでその問題を解決した。」としたがwith ease は副詞のeasily のことだから、もう一つの候補「彼がその問題を解決したときの簡単さに驚いた。」が正解。 2文目のThe ease を先行詞に考えるといい。 I was surprised at the ease with which he solved the problem. 今日は、ある予備校の冬期講習で「物理」を受けたのでだいぶ遅くなってから参加した。「動名詞」の整序問題をやって少しのミスをのぞけばほぼ完璧だった。
 2年生のTA君は前回、福島大の和訳に苦労したね。特に・・but never without seeing some evidence 〜は「二重否定」の構文になっているね。「・・した時は必ず〜の証拠をみつけた。」と訳す。今日は「無生物主語構文」を勉強した。 This medicine wil make you feel better. は「この薬はあなたを元気にさせる」と直訳でもいいけど、使役の「させる」は普通「人」の行為だから「無生物」が主語では違和感があるね。こういう文では目的語の「人」が主語になるように和訳した方が良い。「この薬を飲めばあなたは元気になるよ。」と。この「無生物主語」は原因の働きで「〜のせいで」とか「〜のおかげで」と訳すいといい。それが「元気になるよ」という結果を導くのだ。だから正式に英語学では「結果構文」と呼ぶよ。
 KI君のお兄さんが今日も参加して、「冬期講習」でやったTOEFLの問題に取り組んだ。大学院の入試英語にこれを利用するところが年々増えているそうだ。ただしITP(日本の団体向けテスト)といってペーパーテスト形式だから日本人にはありがたい。普通のTOEFLテストはiBT、つまりインターネット・ベースなので、書き込みや下線がひけず、前ページに戻って読み直すこともできないから、日常的に英語に触れていないとかなり難しい。KI君兄が8月の院入試までに高得点を取っておくには今すぐ取り組まねば。語彙レベルをぐんと上げること、文法は大学受験レベルを復活させることが求められる。最後に「関係詞」の文法問題を少しやってみた。忘れていることが多いのに気づいたね。 尾上

(追記)冬期講習の4日目には、英文のなかで「助動詞」がいちばん重要なんだ、という話をした。「疑問文」は基本事項のようで意外と盲点になっている単元だ。普通の「疑問文」はwillやcan、do、does、didとかhave、has、is、wasなどを「主語」の前に出すよね。間接疑問文、つまり「節」なら「疑問詞」+S+「助動詞」+Vの語順でいい。
 「助動詞」って何?「動詞を助けるもの」?とんでもない。疑問文なら主語の前に移動してしまってどうして助けられるの?実は「補助的動詞」の略で「動詞」の一種なんだ。その働きは「私」つまり「話し手」(話者)の判断や気持ちを表すものだ。だから一番大切なものだから英語では最初に出る。それが疑問文の場合で、平叙文の場合は主語(S)がそのまえに「しゃしゃり出る」。主語は「話題の中心」になるから「出たがり屋」なのだ。
 たとえば She may meet him at the station tomorrow. は主語「彼女」を抜かして後から和訳すると、「明日、駅、で、彼、に、会う、かもしれない。」でピッタリだ。日本語は文の最後に一番大事なことをいう。この「かもしれない」は、話者の気持ちや判断を表しているよね。英語では may が同じ働きをして文の始めに置く。ちょうど逆の流れだから、英語と日本語の語順は「鏡像関係」にある、と説明する。
 英語でわかりやすく言い換えれば I think it possible that she will meet him・・と言えるよ。こういうのを文法では「法」(モダリティ)と呼んでいる。「仮定法」や「命令法」の「法」は方法とか言い方じゃなくて、「話者の気分」を動詞や助動詞の形に反映させているのです。「仮の話にしたい気分」や「命令したい気分」を込めているのです。
 今日は余録なのにチョムスキー理論を語ってしまった。「生成文法」ともいってUG、つまり「普遍文法」Universal Grammarが人類のだれにもインプットされているという仮説です。私の大学時代以来のライフワークになったけど、君たちの中で大学へ行ってからこの分野の学問に遭遇する人がいるといいなあ。わたしの「UG会」は10年前にここから命名したもの。ちなみに三島駅前に「UCセミナー」という英語塾がある。少々まぎらわしかったね。ここは早稲田出身の内田さんの塾だから自分のイニシャルをとってつけたらしい。
2016/01/07 (Thu) 23:30


唇、歯、舌、口蓋、口蓋垂、そして鼻を使うのが「子音」
唇、歯、舌、口蓋、口蓋垂、そして鼻を使うのが「子音」
2016年1月4日(月)ゆうゆうホールにて 「赤い時計塔」
 冬期講習中の朝は良く晴れてすがすがしかったね。「ゆうゆうホール」と向かいの「商工会議所」に挟まる道路には「愛染院跡」という小島のような植え込みの三角分離帯があって、真っ赤なもみじがいつまでも散らずに美しかった。
 ここには富士山の溶岩が冷えてできた小山があって室町時代の寺の跡らしい。その向かいの「ゆうゆうホール」前には真っ赤な「時計塔」。定刻になるとこの銀色の球形が開いて人形たちが演奏を始めるのです。こんな素敵なホールで勉強会が開催出来る幸せ・・・!

 TAYさんは前回、「同志社大」の和訳「歳末大売り出し」が難しかった。They are decked out for the festive season as glitteringly as any western store. は前の文の主語が「日本のデパートやスーパー」だからきっとここも同じ主語と考えるのが普通だ。They をすぐに「かれら」と訳すのは失敗の元。heかsheか itの複数形だからね。「それは欧米のどのお店にもまけないくらいギラギラとお祭り期間用の飾り付けがしてあった。」今日は「疑問文」の復習だったが、予想外にミスを犯してしまったね。SVの前に来るのは「接続詞」か「疑問詞」か「関係詞」、といつも注意しなきゃいけない。
 TACさんは前回、「パラグラフ問題」でScience is a good thing, but it is not an end in itself. のendを「終わり」と訳して意味不明になった。「物事のエンド」は「終わり」、鉛筆のエンドは「はじっこ」、計画のエンドは「目的」。一つの「原義」からいくつもの意味が派生することを言語学では「意味の拡張」というよ。じゃあ、springの原義は?
 今日は「分詞」をやった。「誰もそれ以上言うことがなかったので、会議は散会となった。」の空所補充問題で、 Nobody ( ) any more to say, the meeting was over. の答えは had と書いたね。待てよ、SV〜とSV〜が何でつながっているの?「接続詞」がないじゃん。省略してもいいのは「分詞構文」の時でしょ?ここはhaving なら正解だったね。主語nobodyが残っているから「独立分詞構文」と呼ぶのだ。
 TU君は前回、「分詞」をやった。have 物 –ed(〜してもらう)、spend 時間 –ing、make oneself understood(自分を理解してもらう)など大切な慣用句ばかり。ぜひしっかり覚えてほしい。今日は「動名詞」の整序問題をやった。「彼女に話しかけても無駄だった」は It was no use talking to her. が正解。このItは talking 以下の「動名詞句」を受ける「形式主語」の働き。
 2年生NIさんは、「無生物主語構文」をやった。上智大の「現代の科学」も愛知大の「ソクラテス」もほぼ正確に和訳できていたよ。英作文は「関係詞」をやった。入試の和訳では「野口英世」が難しかったね。
 1年生YO君は前回「助動詞」をおさらいした。may well(〜するのももっともだ) only have to(〜するだけでよい)、 might as well(した方がましだ) など、レベルの高い「助動詞」をしっかりおぼえてほしい。
 中学2年生のNI君も前回、「助動詞」をいくつか勉強した。「未来」を表す willと be going to、「誘ったり、頼んだり」のwill you?「提案する時」のShall I ? とかShall we ? 「必要だ、義務だ」と話者が思うときのneed、 mustなど。「助動詞」とは、文には登場しないけどいつもそこにいる人、つまり「話し手=話者」の「判断」や「気分」を付け加えるものです。「動詞」を助けているんじゃないよ。助動詞とは「補助的な動詞」という意味で「動詞」の一種です。中学生のうちからこんな「UG理論」でしっかり勉強したらとてもいいね。今日は「第10課」の「女性写真家」を和訳した。「不定詞」の項目で1,「こと」2,「ための」3,「ために」の意味になることは学校ですでに勉強していたね。きちんとした日本語に直せることが、英文を正確に理解したことになるのだ。今日もたくさん勉強したね。 尾上

(追記)冬期講習の第3日は2年生に約束した通り、「発音」と「アクセント」のセンター対策の話に1時間割いた。二次対策を中心にしてきた3年生も2週間後に本試験を控えているので、中学生NI君も含めて7名全員に勉強してもらった。TACさんなんか中学3年の時から、筑波大に行ったお姉さんの紹介で「UG会」に入ってもらって、もう耳にタコができるほどでしょうけどまた例の手作りプリントを2枚配って説明した。
 アクセント問題で注意事項の(1)、アクセントは「♪♪-ic、-ical、-ityの前。-ateの前の前♪♪」と覚える(尾上創作)。二拍子のリズムで唱えれば忘れないよ。注意の(2)、カタカナ語もよく狙われる。日本人はほとんどの外来語で最初を強く、高目に発音する習慣だ。サクセスとかアクセサリー、ミュージシャン、ギターなんか英語とは全く違う。
 「母音」の発音については第2日目に詳しく説明したので、プリントの上半分に記載した「子音」の話をした。大学で「音声学」を勉強した先生なら教えられるはずだけど、学校で習ったことがあります、という生徒は皆無だったね。「破裂音」「摩擦音」「破擦音」が調音の位置で異なる話。側音「l」と流音「r」の違いは難しいけど、前者は舌を天井にしっかりつける。後者は口中で軽くひっくり返すだけ。だから「暗いル」と「明るいル」の違いなのだ。日本人は苦手だねえ。
 ちなみにロシア人はこの流音「r」をベランメエ調に「巻き舌」で固く発音するよ。「ハラショー(素晴らしい)」の「ラ」を巻き舌で言ってごらん。ドイツ語も同じ巻き舌だけど、フランス人は「舌」じゃなくて、なんと「ノドチンコ」を震わせる!上品に言えば「口蓋垂」のこと。「パリ」の「リ」や「ボンジュール」の「ル」を発音できるかな。
 鼻から息がでる音を「鼻音」といって3つある。唇を閉じれば「ム」で、舌先で息を止めれば「ヌ」。のどの奥で止めれば「柔らかなグ」も鼻音という。hungryの名詞hunger(空腹)は固く「ハンガー」でいいけど、動詞hangにerがついたhanger(衣紋掛け)は柔らかく「ハガー」と発音するんだよ。1文字違いでも大違いだ。動名詞や現在分詞の-ing形はすべて「鼻音」で終わるから最後に「グ」と言ってはいけない。動詞のsing、ringも名詞のkingやeveningも代名詞のsomethingも形容詞のinterestingもみーんな「グ」じゃないよ。「鼻音」で終わるんだ。「スィン」「リン」「キン」・・でいいんだ。「ン」に丸をつけることもある。センター試験によく出るから注意しよう。
2016/01/04 (Mon) 23:46


初夢は?米国留学も夢じゃない
初夢は?米国留学も夢じゃない
2016年1月3日(日)三島ゆうゆうホールにて 「金時山頂から赤富士」
 みなさん、新年明けましておめでとう。この元日は雲一つ無い青空の暖かな朝でよかったね。私は「金時山」山頂で真っ赤に燃えるご来光を拝んで一年の無事を感謝したよ。振り返ると山頂から染まり始めたオレンジ色の富士山。昨年夏、富士登山以来の「赤富士」は美しかった!
 近所の青年TA君を誘って夜明け前の3時、ヘッドランプをつけて家を出発。まず「二の岡神社」にお参りしてから国道を歩いて「乙女峠」に登り、さらに尾根伝いに4時間かけて歩き通した。到着したら山頂は大変な賑わいで、観光協会が配っている「サル」の絵馬と「金太郎」の2016バッヂをゲット!どこかのテレビ局の求めに応じて私も一緒になって富士山に向かって「バンザイ、バンザイ」と叫んだよ。「金時小屋」に入って登山者名簿に124回目と記録した。お餅の入った熱いお汁粉が空腹にしみ渡ったなあ・・・!

 4日間の「冬期講習」が終わった。開始時間の9:30にはもう全員が着席してプリントに取り組んでいる。すっごく真剣だったねえ。特別講習にはいつも2Fの小さな第3会議室を借りる。ここは大きな窓から見ると「楽寿園」の深い森の中にいるような雰囲気で大好きだ。定員は18名だけど3人用の長机に一人ずつ座るから多くても6名が理想。3年生はTACさんとTU君、裾野教室からKI君とEC君の合計4名。そこに2年生もNIさんと裾野のTA君が意欲的に参加してくれたので、しめて6名のにぎやかな講習になった。
 ところがKI君の大学3年生のお兄さんから、大学院進学の準備に取りかかるためアドバイスを求めて参加希望があった。1日目と4日目だけ、というので私用の長机を半分貸すことにした。さらに先月入会したばかりの中学2年生NI君が是非とも、と参加を希望しているので空いている2日目と3日目に出席できるように考えた。
 今日は最終日で、KI君のお兄さんも参加してTOEFLに取り組んだ。3年生と同じプリントもやってもらった。3年前の受験直前の英語力がまだ維持できているかどうか。院をめざすなら、同等以上の力を発揮して欲しい。新年ということで参加者の全員に少しお話をした。3月の「春期講習」の案内を兼ねて、卒業する3年生は「この子なら」と思う後輩をぜひこのUG会に推薦して紹介してほしい、と案内のチラシを配付した。
 もし大学入学後に語学留学を希望するなら、おおいにチャレンジするといいよ、と私の次男の例を出して語った。大学から推薦を受けなくても自費で行く覚悟なら、NYでもロンドンでも行って大いに学んでくるといい。気力、体力に自信のある人はね。さらに大学院で「博士号」を取りたければ英米の大学に留学するほうが容易だし賢明だよ。中国や韓国の大学生たちはほとんどそうしている。 尾上

(追記)成田からNYへ飛ぶ最短コースは「ハワイ」経由じゃなくて「アラスカ」経由だ。地球儀にヒモをあてて引っぱるとわかる。だからNY行きは太平洋を北東に向かって飛んでいく。昔はアラスカのアンカレッジで降りて一度給油してから飛び立った。エンジンの性能がよくなって、今では13時間飛びっぱなしでもOK。主翼の中に一杯燃料を積み込める。一面に雪原の続くアラスカの1万メートル上空を飛ぶと、私はよく小窓から「マッキンリー山」を見下ろして冒険家「植村直己」を探したものだ。1984年、43歳の誕生日に世界初の「五大陸最高峰登頂者」はその山に消えたままだ。
 1992年12月20日、私は大学3年生の長男と成田空港を15:30に飛び立った。地球が一周4万キロを24時間のスピードで東に自転しているから、飛行機も同じようなスピードで東に飛ぶと、ずっと追いかけているから太陽に対しては同じ所に止まっているようなものだ。アリューシャン列島の真ん中の日付変更線で1日戻るので、NYケネデイ空港到着は同じ日の13:30だった。これは日本時間の夜中の3:30だからびったり12時間で1万キロを飛んできたことになる。「今回は機体が追い風に乗ったので予定よりも早い到着です、」と機長がアナウンスしていた。
 NYを7日間じっくり歩き回った後は、アムトラックの長距離列車で古都フィラデルフィアと首都ワシントンDCへ。「ホワイトハウス」や「リンカーン記念堂」を見学した後はさらに南部のニューオーリンズに飛んで本場のジャズを味わおう。カリフォルニアの空気も吸いたいのでロス・アンジェルスにも寄って映画の都ハリウッドやユニヴァーサル・スタジオにも行こう、・・という欲張りな計画だった。
 4年前の家内との訪問以来NYは2度目なので、おきまりコースを避けて私なりの計画で観光に出かけた。ホテルは安価で交通の便の良いYMCAにした。9年後には崩壊してしまう「ワートレ、世界貿易センター」にも行ってみたし、「セントラル・パーク」、「エンパイア・ステート・ビルディング」、「コロンビア大学」などを見学した。「メトロポリタン美術館」は休館だったが、同じ五番街に面して建つ「グッゲンハイム美術館」はカタツムリの形をしたユニークな建築で、スロープ式の回廊に展示した名画を見ながらぐるぐると回転して1Fまで降りてくる仕組み。「ロシア・アヴァンギャルド展」で面白かった。
 23日は忙しい一日だった。通称「MoMA」(NY近代美術館)で朝から雨の中をチケットを求めて、各国の旅行者と一緒に長い列に並んだなあ。午後3時の整理券を手に入れたのでYMCAに戻って仮眠をとった。コロンビア・サークルに宿泊しているので歩いて行ける距離で便利。歴史的にも大規模な「マチス回顧展」が開催中で、大好きな「ダンス」を始め閉館までに見切れないほどたくさんのマチスの名画が展示されていた。その時の日記を見ると「・・色彩の魔術師とでも言おうか、特に赤や黄・青の原色の用い方が見ごと!」と書きとめてある。アメリカ人はこういうはっきりした色彩が大好きだね。
2016/01/03 (Sun) 22:36


than もas も「〜と比べて」の接続詞
than もas も「〜と比べて」の接続詞
2015年12月31日(木)三島ゆうゆうホールにて 「ホール前の大階段」
 昨日から「冬期講習」が始まった。朝日がさしこむホールの大階段を上って振り返ると、正面の「赤い時計台」の向こうに「商工会議所」が見える。
 2Fの小さな会議室にも眩しい日光がさしこんで、ブラインドを閉めても十分明るい。3年生が4人、2年生が2人の参加者に加えて、中学生のNI君も2日間だけ自発的に参加することになった。昨日はKI君のお兄さんも参加してTOEFLの受験対策を話し合った。大学院進学を目指している。
 もうすぐ新しい年になるね。「二の岡神社」に初詣をしてからそのまま3時間歩いて頂上まで「初登り」。「金時山」でご来光が拝めますように。
I wish you a happy New Year !

 3年生は昨日「関係詞」をやった。関係代名詞who, which, that, whatは代名詞のhe, she, it, theyが入るべき場所に使うもので、単に「人」ならwho、「もの」ならwhichという中学での短絡的な教え方ではまずいんだなあ。高校生がいちばん苦手な単元の一つなので、まず第1日のテーマにした。文法、整序、書き換え、作文、和訳、の順に各人の弱点をあぶり出そうという趣旨だ。案の定、あちこちでミスが目立った。
 今日は「比較」をやった。4回シリーズの2回目としてこれも難しい単元だ。かえって仮定法の方が良くわかっている。比較級+than〜、as 原級 as〜、が実は高校できちんと正しく教えられていない。まるでイディオムの暗記が強い人の勝ち、となっている。than とas は接続詞なのでその後にはSV〜が来るはず。その省略部分を再現できれば、この「比較構文」の仕組みがよくわかり、
きちんと和訳できるようになるのだが。
 「東海大」の文法4択問題で I thought he was ( clever ) than honest. の括弧内の正しい形を選ぶ問題で、3年生は4人ともcleverer を選んでしまった。考えても見よう。それが正解なら出題しないよ。ここはmore cleverとしなきゃいけない。than の後にはSVで he was honestとなるはず。つまり比較の焦点は他の人ではなくて「形容詞」だから。「正直というよりむしろ頭がいいのだと思った。」ということ。
 思い出すのは私が宝塚中学を卒業する時、社会科の先生が「祝卒業」の色紙に私に書いてくれたのは英語で Be more wise than clever !  この例文でも「形容詞」が比較の対照になっていてwiserとは書いてない。ちなみにwiseは大人の賢い人(賢明な人)だけど、cleverは犬や子供が「利口」のこと。だから先生は「頭が良いだけではダメだよ。人間として賢明になりなさい。」という言葉を贈ってくれたのだ。しかしその頃はまだ何の意味かわからなかった。
 2年生の2人は「センター対策」をやることにした。昨日は1ページ目の「発音問題」でちっとも正解が出せなかった。そこで「ジョーンズ式」の発音図表を白板に書いて「母音」の勉強をした。日本語のアイウエオ・5個に対して英語は10個もあること。その区別をするためには、どこの高校でも教えないが、「発音記号」を知らなければいけない。今日は「アクセント」問題をやってみたがこれも危惧したとうり壊滅状態。次回3回目の時に特訓しよう。
 中学生のNI君にも今日のテキストには「比較構文」を含む英文「ニュージーランド」のプリントを渡して全文を日本語に訳すよう求めた。「ニュープリンス」2年の教科書の第4課だから、9月頃には勉強したはず。やはりNI君の中学校でも「as high as〜とかhigher than〜と覚えましょう」というだけで、〜が何かは問わないようだ。本当は2番目のasの前、thanの前で文が切れるんだよ、と話すとびっくりする。日本全国の高校で「比較構文」が苦手、つまり大学入試に頻出するわけは、中学からちっとも理解できていないからだ。教え方が悪いんだけど何とかできないものかなあ。 尾上

(追記)ニューヨークでクリスマスを経験したのは1992年のこと。大学3年の長男と二人で冬休みにアメリカ一周旅行に出かけ、NYが最初の訪問地だった。大学2年生の次男がその前年、4ヶ月休学して単身NYのYMCAに下宿し、ミッドタウンの語学学校に通って会話力をしっかり身につけて帰国した。ならばPCプログラマーを目指している長男にも英会話力をつけさせたいと思いアメリカ旅行に誘ってみた。
 私は海外旅行に行くと必ずメモ(備忘録)をつけるクセがある。今回も年末年始の2週間アメリカ旅行のメモが手元に残っているので、クリスマス・イブの24日、NYのダウンタウンを中心に歩きまわった時のお話をご披露します。
 朝10:20、地下鉄「1」と「9」でマンハッタン最南端の「バッテリー・パーク」へ。大西洋の大海原から吹きつける強烈な海風で、すっ飛ばされそう。連絡ボートも欠航なので波止場から「自由の女神像」を海越しに見るだけにした。なにしろ寒い!
 11:00、次男が昨年留学して4ヶ月通った「語学学校」(CESという)を訪問。しかし、Xmas休暇に入る準備で入館できず。
 12:00、NY市役所の前にある「マクドナルド」は家族連れで大賑わい。
 13:30、チャイナタウンまで歩いて中華でランチ。「焼きそば」とエビのフライにデザートがついた。揚げたバナナとクルミ。
 15:00、ブロードウエーに沿って「グッゲンハイム美術館」のソーホー分館を見つけ、ちょうど「シャガール展」をやっていたので入って見た。
 16:00、「ニューヨーク大学」の隣の「ワシントン・スクエア(広場)」までくると「石門」の前で数人のグループが「クリスマスの聖歌」を歌っている。トロンボーン、トランペットの演奏もある。
 17:00、もう日が暮れた。グリニッジ・ビレッジまで歩いて有名なジャズレストラン「ブルー・ノート」の前を通った。有名なジャズ奏者が今日も出演しているかな。東京・青山の支店よりずっと小さい。
 18:00、ウエスト・ビレッジの賑やかな酒場に入って「ワイン」と「ジン・ライム」を飲んだらかなり酔っぱらってしまった。近くの病院の中にチャペルがあると知り、賛美歌を聴きたくて寄ってみたのに眠ってしまった。
 20:00、夕食後オフ・ブロードウエーの「サリバン劇場」に行きミュージカルを見た。The Fantasticksという、高校の教科書にも載っていた古典的な舞台で、ぜひ本物を見てみたかった。個人の住宅の中のようなアットホームな雰囲気で、カーテン一枚とピアノ、ハープというシンプルな舞台だった。話は若者マットとスーザンの恋物語だ。そこに二人の父親がコミカルに絡む。懐かしいような楽しいメロデイーばかりだった。
 23:00、ホテルに戻るのにタクシー(いわゆるイエロー・キャブ。ほとんどの運転手が外国からの出稼ぎ。)を拾ったら、ドライバーが若いイラン人で、雑談するうちに「アメリカは嫌いだ。あなたは好きなの?」と聞かれてしまった。「出稼ぎでやむなくNYで働いているけど、できれば早く国に帰りたい・・」と。この時には気づかなかったけど、2001年の「9・11同時多発テロ」の引き金はこんなところにも潜んでいたのかもしれないね。
2015/12/31 (Thu) 22:51


I had my watch repaired. (時計を修理してもらった)
I had my watch repaired.  (時計を修理してもらった)
2015年12月28日(月)ゆうゆうホールにて 「東山湖と富士山」
 愛車レイチェルで「東山湖」を一回り。週末なのでおうぜい押しかけてニジマス釣りで賑わっている。彼女や奥さんを連れた釣り人が増えた気がする。途中で白梅が満開だった。我が家でも黄色のロウバイが2輪開花して、鼻を近づけるといい香り!年末のうちに「春が来た!」ような陽気が続くね。雪が積もらないから明日も「乙女峠」を越えて箱根のリハビリ病院まで家内を送って行こう・・・。

 TU君は前回、「不定詞」の整序問題で苦戦したわりには英作文がまあまあよく書けていたよ。aや-sをつけ忘れたり、過去形にしなかったりで減点された。今日は「分詞」をやった。たいていの3年生がやるミスをやはりやってしまったね。「〜を・・してもらう」は特殊な受身形で I had my watch repaired.のように第5文型で書く。「時計が修理されるようにさせた」という意味だ。付帯状況のwith her eyes fixed on a point.(彼女は目をある一点に固定して)などは良く理解できていたよ。
 OH君は、以前のシリーズでやった「文法・作文」の最後の1課を今日やった。55の文法・語法の問題がどれも骨があって難しい。しかし、入試に向かってこれは全部理解し記憶しないといけない。動名詞と不定詞の違い、SVCやSVOOとSVOCになる動詞の用法もしっかり勉強して欲しい。
 2年生NIさんは前回「否定」の慣用用法を勉強した。far from と free from の違いは重要だ。anything but〜 は「〜以外のなんでも」から「決して〜ではない」の意味に使われる。今日は「名詞構文」を勉強した。少々遅刻してきたのでプリントをやりきれなかった。続きは次回にやりましょう。名詞や動詞に戻せる「名詞」を見つけたらSVOやSVCの語順の英文に言いかえて訳してみよう。きっとわかりやすいいい日本語になるよ。
 1年生YO君は前回、長文で「気球による冒険」を読んだ。ほぼ正確に内容理解できたていたね。文法・作文は「否定構文」をやった。「部分否定」というのは、1every、2both、3allが否定文の中にあると、「すべて〜しない」(つまりゼロ)ではなく「すべて〜というわけじゃない」(100%ではないよ、つまり「部分否定」。)の意味になる。中学でやったalwaysやnecessarily(必然的に)やcompletely, quite(完全に)も100%の副詞だから、「部分否定」に使われるのだ。
 中学2年生のNI君は「助動詞」をやった。Will you 〜?と Shall I 〜?の使い分け、can、may、mustの用法もしっかり勉強したいね。「中学2年英語」のとてもいい参考書を貸したので、年末年始に勉強しておいてね。練習問題がとても役に立つよ。今日は英文を1ページ読んでもらって「発音の話」をした。日本語のアイウエオ5つに対して英語の「母音」は10コあるんだよ、と母音表を書いて発音記号を教えた。 尾上

(追記)今日の「ニューヨークタイムズ」紙の娯楽案内をネットで調べると、「ブロードウエー」で上演中のミュージカルや演劇が36カ所も紹介されているよ。そのなかにはロングランがいくつもあって、私が2度見た「オペラ座の怪人」はもう30年も毎晩上演している。もう1万回になるんじゃないかな。「レ・ミゼラブル」や「ライオンキング」もまだやっている。「シカゴ」はリバイバルだけど、シャーロット・ケイト・フォックスが主役に抜擢されて評判になったよね。朝ドラ「マッサン」の奥さん・エリーの役でブレイクした米国人だ。
 全米から、カナダからヨーロッパから、そして日本やアジアの国々から観光旅行に来て、NYで夜を楽しむのはまず32丁目のこのブロードウエーでしょう。(ヤンキー・スタジアムでメジャー観戦がいい人もいるけど)。この世界最大の劇場街で上演できるのは無数の劇団の中でほんの一握りでしかない。いわば2軍、つまりJ2のようなマイナー劇団はオフ・ブロードウエー(離れたところ)で、ダウンタウンの小さな劇場で上演する。さらにオフ・オフ・ブロードウエーまである。まことに熾烈な競争の世界なのだ。
 同じ新聞の娯楽案内の「オフ・ブロードウエー」22カ所の一つに「ザ・ファンタステイックス」を見つけた。なつかしいー。高校の英語の教科書に載っていた若い男女の美しい物語で、劇中の歌Try to Remember が古典的な名曲になって今も口ずさむことができる。1960年が初演だそうだが毎晩上演しているNYで最古のミュージカルだ。1992年に、長男と2人で全米旅行をしたときにダウンタウンの小さな劇場で見たなあ。丸いステージを6列くらいの観客席が取り囲んで見下ろす。ピアノの伴奏しかないようなシンプルな劇団だけど、人気は衰えていない。
 ミュージカルの上演はたいてい夜8時から、休憩を入れて3時間くらい。終演は11時を過ぎるけどNYの地下鉄は24時間走っているから、ホテルに戻るのに心配はいらない。真夜中でもあの黄色のタクシー「イエロ−・キャブ」が大通りをビュンビュン走っている。腹が空いたらまだレストランはやっている。カフェに入って家族や友人と感想を言い合うのも楽しい。なかなか眠らない街なのだ。
 この20年、NYの治安がとてもよくなったのはジュリアーニ前々市長のおかげという。次のブルームバーグ市長も力を入れた。おかげでますます訪問者が増え、市の「観光収入」がますます潤ったという。
 1988年に家内と初めてケネデイ空港に降り立ったときには、だまされて「黄色いタクシー」に乗れず高い「ハイヤー」に乗せられた。店から出ると暗がりですっと近づいてきて手をだして「チェンジ(おつり)をちょうだい」と言われるとぎょっとしたものだ。
 12月の寒さの中で路上に寝ているホームレスが多かったこと。日本の治安の良さは街中にたつ「交番」のおかげだ、と知ったJ市長は、代わりにたくさんのパトカーを交差点ごとに配置した。大好きなNYに前回行ってから6年になるが、地下鉄の中でいねむりしている人をよく見かけるほど、市民が安心して住める街に変身したようだ。
2015/12/29 (Tue) 1:14


and の後を見よ
and の後を見よ
2015年12月27日(日)森の腰中央公民館にて 「早川渓谷」
 箱根の「芦ノ湖」にたまった水は静岡県のもの。北西部の深良水門から流して、江戸時代に掘ったトンネル「深良用水」を下って裾野市深良地区の田畑を今でも潤している。じつは最北端の「湖尻」にもう一つ「水門」があって、ここが「早川」の水源なのだがめったに開くことはない。
 仙石原を囲む外輪山や神山の水をあつめてやっと川らしくなり、「小塚山」の裾を抜けると深い渓谷を作って昔の「鎌倉街道」、今は国道138号沿いに瀬音を立てて流れていく。先月は数回に分けてこの車道を少しずつあるいて、宮城野・宮ノ下・大平台・塔ノ沢・湯本の順に歩いたら史跡巡りの楽しい歴史ハイクにもなった。みごとな「紅葉」が次第に湯本に向かって下っていくのに従って歩くのはなんとも楽しい小ハイクになった。
 先週は、宮城野から対岸の「久野林道」側を歩いて、急峻な崖を下るコースで渓谷の底にまで下りてみた。ここには「東京電力」の小さな発電所があって、ゆらゆらと吊り橋が架かっていた。登り返すと、宮ノ下の「底倉温泉」のバス停に出た。「太閤秀吉」が「小田原攻め」の時、家来たちを慰労した「石風呂」が残っている。大阪から呼び寄せられた「側室の淀殿、茶々」が入ったという温泉の宿も残っている。いつか入ってみよう・・・。

 1年生SEさんは、入試の英作文を何とか頑張った。機械のように直訳できる問題はやさしいが、内容をつかんで別の英語表現に直すとなると難しいね。「東京外語大」の「元気を出せよ。そのうち何とかなるさ。」は主語がないけど、「もうすぐ事態が好転する」と考えてCheer up! Things will be better soon.と書くといい。英文和訳では「and のむずかしさ」を再認識したね。「andの後を見よ」だ。A and A'となることに注意して、前方に仲間を探して欲しい。
 EN君も北九州大の英作文で、「秋、冬はその反対で、日照時間はごくわずかになる。」が難しかったね。The day-time gets shorter in fall and winter. 「その反対に」はon the contrary というイディオムを使いたいね。知らなければ簡単にButでもOKだ。
 1年生は2人とも2枚目の問題が新しい「リンクアップ」シリーズに変わった。文法と整序問題と15〜20行の英文を読解する。今日第1回は米人から日本人への「手紙」整序問題で Thank you for everything you did for me・・ができていなかったね。関係代名詞thatが隠れているのに気づかなかったらしい。
 3年生YAさんは今日「分詞」をやった。ほとんど正解だったけど例の「〜してもらう」の構文で何度も失敗してしまった。I had my bicycle repaired.のように have + O + -edは「(人に)〜してもらう、〜させる」とか、被害の意味で「(人から)〜される」の意味にもなる。
 来週はこの公民館が年末年始の休館日になるため、御殿場教室はお休みします。次回は新年10日(日)です。 尾上

(追記)ミュージカルを見るならニューヨークに限る、と私がいうとキザに聞こえるけど、アメリカ音楽の歴史の流れで生まれたジャンルだからしかたがない。ヨーロッパ起源のオペラやオペレッタとも違う。南部ニューオーリンズの黒人ジャズに始まり、ブルース、スウィング、カントリーなどの時代を経て、戦後はロック全盛時代に突入。エルビス・プレスリーのロックンロールやロカビリーの後には、英国発のザ・ビートルズが世界を席巻してからは、さらにグループ・サウンズ人気と共にロックの時代が今も続く。40年前の「ジーザス・・」もロックミュージックだし、ブロードウエーで今もロングラン中の「オペラ座の怪人」もちっとも古くない。
 ニューヨーク市の中心・マンハッタン区は2本の川に囲まれた岩盤の細長い島で、南北が20km、東西はたった4kmしかない。ブロードウエー(広い路)というのは、島の南端から北端に向かって斜めに突っ切る大通りだ。「ウィキペディア」によると、1625年にオランダ人が「ニュー・アムステルダム」と名付けて都市開発を始めたというから、まるで家康が戦国時代を乗り越えて、そのころ「江戸」の都市化に取り組んだのと時期もそっくりだね。
 その40年後、英国ヨークシャーのヨーク公がオランダとの戦争で奪い取って「ニュー・ヨーク」と改名した。明治政府が「東の京都」だから「東京都」と名付けたのも似たような発想だね。1776年にやっと英国から独立して初代大統領ワシントンはこのNYに首都をもうけた。ちなみに前述のニューオーリンズはフランス人が最初にフランス人が入植したから「新・オルレアン」の意味の英語読みなんだ。
 さてNYは広い道路が「碁盤目」状に並んで、南北に走る「5番街」とか東西の「42nd ストリート」が映画のタイトルにもなって有名だね。いわゆる劇場街の「ブロードウエー」はだいたい32丁目で7番街あたりにあり、さらにブロードウエーが突っ切るという複雑な交差点に発展した。「メーシーズ」という大型デパートを中心に、無数の劇場・映画館やレストラン、土産物屋が居並ぶネオンサインが煌々と光る不夜城だ。
 私が初めてNYを訪問したのは1988年の夏、吹奏楽の世界大会が「シカゴ」で開催され、ツアーで国内の吹奏楽指揮者たちと一緒に参加した時にオプションで家内と寄り道した。このときはおきまりの観光コースで「自由の女神」、「エンパイア・ステートビル」、「メトロポリタン美術館」などを回って、夜はやはり「ブロードウエー」に繰り出したなあ。(NYの話は明日も続けるね。)
2015/12/27 (Sun) 23:07


強調構文はit is 〜that・・だけじゃないよ
強調構文はit is 〜that・・だけじゃないよ
2015年12月24日(木)裾野市民文化センターにて 「雲海と富士山」
 今夜はクリスマス・イヴだね。今朝は車のナビまで「メリークリスマス!」なんて言ってた。箱根のリハビリに家内を送ろうと「乙女峠」に登ったら、なんと真っ白な「雲海」で眼下の御殿場市街がスッポリ。珍しい現象だ。雨上がりの青空に冠雪の富士山が光っている。例年よりずっと暖かい年の瀬でオドロキだ!
 今頃、学校では終業式が終わると生徒を早めに帰宅させて、恒例の「教職員・忘年会」に出かけたなあ。長岡や修善寺の温泉に一泊しても、翌朝は3年生の「冬期講習」のためにホテルの朝食がとれずに出勤する先生もいた。たいてい御殿場は初雪が積もってタイヤのスリップを心配したものだ。みなさん、今年もよく頑張ったね。お母様方も送迎大変でした。良い年が迎えられますように。
I wish you a merry Christmas and a happy New Year !

 KI君は前回、パラグラフ問題で「強調構文」の変化形に気づかなかったね。選択肢の It is education which rebuilds the country after the war in a true sense.(本当の意味で戦後のその国を再建するのは教育なのだ。)It is 〜 that だけでなく強調する部分〜が「人」ならwho 「もの」なら which も使うことがある。接続詞のはずなのにまるで関係詞と同じだね。かつてセンター試験にも It is 時 when ・・(・・なのは〜だ)いう整序問題が出た。高校の英文法で教えないから正解率が全国的に低かったなあ。先週休んだので今日は「分詞」をやった。名城大の整序問題で「彼らは、彼の母が用意してくれたスナックを食べながら。おしゃべりをして一夜過ごした。」は over snacks(〜を食ながら)がわかれば、spend 時間 –ing の慣用句を用いて They spent the night chattering over snacks prepared by his mother. と書ける。
 EC君は「動名詞」を勉強した。動名詞の慣用語法でもっとガンバロウね。pay attention to+-ing(〜に注意を払う)とか、look forward to+-ingとか、名詞が入る部分に動名詞が用いられるのだ。不定詞とまちがえてはいけない。マンガはcomicだけでもいいけど、comic strips(新聞の4コマ漫画) とかcomic books(マンガ本)ともいう。つまり元はcomedy(喜劇)の形容詞なのだ。その反対はtragedy(悲劇)だから形容詞もtragicという。来週は「ゆうゆうホール」の冬期講習でぐんぐん力をつけてください。
 MIさんは前回「動名詞」の整序問題と作文をやった。「その湖がきれいだったので、私は詩を書いてみたい気になった。」後半はI felt like writing a poem. と書くのが正解で、簡単にI wanted to 〜でもよかったのに、be willing to を使ったね。これは「〜する意志がある、〜してもいいよ」の意味で、前に「・・・だけど」があるときなどに、消極的な気持ちで希望するのだ。今日は英文和訳で「お茶の水女子大」や「津田塾大」など難しい問題だったけどかなり的確な和訳ができていた。
 It is tempting, upon reading early philosophical writings about humor, to conclude that ・・は「カンマカンマ」を挿入語句として処理すれば、「ユーモアについての昔の哲学的書き物を読むとすぐに」と、前置きしておいて、「・・という結論を出したい気になってしまう。」と訳す。temptingは「魅惑的な」だけど主語が「あなたたち」なら You are tempted to conclude というのと同じだね。自宅でやってきた河合塾の英作文を3題添削してあげた。「日本語の比喩「メタファー」に相当する言い回しは、その原義をみぬいて英訳しないといけない。「文化の違い」は直訳出来ないから。
 2年生のTA君も「動名詞」をつかった慣用表現を勉強した。大阪府立大の和訳で I believe that there are a number of questions that it is no use our asking, ・・がうまく訳せなかったね。後半のthatは何だろう?文を独立させれば It is no use our asking the questions. (私たちがそういう質問をしても無駄だ)となるから関係代名詞だよね。このItは形式主語だしourは動名詞の意味上の主語だ。「私たちがやっても無駄な質問がたくさんあると思う。」と訳す。
 今日は大切な「名詞構文」をやった。和歌山大の和訳でhowがうまく処理できなかった。 She is impressed by how many ・・なら、「なんとたくさんの・・に感動した」(感嘆文が隠れている)だし、She was wondering how this is・・なら、「どういう風にこれが・・なのか疑問に思っていた」(疑問文が隠れている)となるね。今日もA and A' やA or A' で三角マークをしたのはいいがその後の処理ができていない。そのため誤訳が目だった。思考プロセスをたどり誤りに気づくと「ああ、そうかあ!」と悔しそうにため息つくのがとてもいい。上達の必須条件だ。ガンバレ!
 今日は裾野教室でも20分ほど映画鑑賞をやった。先週仕入れたプロジェクターの使い方がまだ未熟のためやっと予定の半分だけ、「イエスの誕生」の話とビング・クロスビーの歌う名曲「ホワイト・クリスマス」を聞いてもらった。May your days be merry and bright !「クリスマスの毎日が楽しく明るい日々でありますように!」(これは助動詞mayを文頭に出す「祈願文」なのだ。)・・・今日はイヴ、Xmasプレゼントだよ。 尾上

(追記)前回のブログに書いた「ジーザス・クライスト・スーパースター」をユーチューブでさがしたら、1973年版の映画も2000年のリメイク版もアップしている人がいて、私は嬉しかったけどこれでは著作権の侵害になってしまうね。DVDを買う人がいなくなってしまう。昔から音楽の世界では著作権が50年間保護されてきたのに、このネットの時代はもう世界的に無法地帯だね。
 ミュージカルは音声だけのCD販売はあるけど、舞台をそのまま撮影してDVDで販売することはめったにないから、ユーチューブに投稿する人はきっと客席で「隠し撮り」をしたのだろう。「ジーザス・・」にも、手ぶれしたり音声や画像がぼやけた録画の投稿がいくつもあった。本物にはとてもかなわないけどね。
 私はかってミュージカルに夢中になった時期がある。ひょっとしたら60年前、中学時代に見た「宝塚歌劇」が初体験かもしれないが、高校卒業直後、ロードショウになった「ウエストサイド物語」にも興奮したなあ。バーンスタインの音楽が未知の「アメリカ」という国を覗かせてくれた。NYマンハッタンの人種問題も考えさせるけど、現代版「ロミオとジュリエット」の美しい世界だった。
 火をつけたのはやはり「キャッツ」(1983初演)だ。30年前「劇団四季」が上演した。日本では既成の演劇集団がミュージカル翻訳上演に乗り出した。俳優たちが歌とダンスを勉強しだした時代だ。新宿駅前の広場に黒いテント小屋が出現して、珍しがりの私は家族4人で見に行ったよ。衝撃的だったね。長男はまだ小学校だったのに、公演を追いかけて大阪までもう一度見に行った。一人で夜行列車に乗って往復したくらいだ。
 アンドルー・ロイド・ウェバーというイギリスの若い作曲家が、その後発表したStar Light Express (1984)は出演者が全員ローラー・スケートを履いて各国の「急行列車」の役を演じ、舞台をところ狭しと飛び回って歌いまくる奇想天外のステージだった。代々木の体育館を全面使って上演し、「新幹線」の役で日本人の歌手も参加していたなあ。
 ウエバーの不朽の名作「オペラ座の怪人」(1986)はロンドンの劇場で初演し、NYブロードウェーでは30年後の今もロングラン中だ。私はNYで2度見た。1990年には長男と2人旅中、2001年には「アメリカ演奏旅行」中に東高吹奏楽部の生徒32名を引率して。何度見ても魅力一杯の作品だよ。
 ウェバーは「アスペクツ・オブ・ラブ」(1989)を最後にミュージカル作曲をやめている。今までで最高だ、と自信があったのに今ひとつヒットしなかったから。その後、エルトン・ジョンの「ライオン・キング」やフランス物の「レ・ミゼラブル」、さらに「蝶々夫人」の現代版「ミス・サイゴン」が大ヒットし、私もすべて家族とニューヨークで見た。ミュージカル「アイーダ」もオペラとは違った美しい舞台だった。
 日本では日比谷の「日生劇場」で「オペラ座の怪人」を一度だけ見た。しかし、歌手が「2拍3連」のリズムが歌えていないのにがっかり。以降は日本人の上演には無理がある、と思い込んで見ていない。それでも劇団四季は独自に「四季劇場」をつくって次々とミュージカルを翻訳上演して大人気になっているけどね。「ジーザス・・」(1971)は「エビータ」(1978)と共にウェバーの初期の傑作だと思う。機会があったらユーチューブで見てみて。
2015/12/24 (Thu) 23:49


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