TVの「お宝鑑定団」に出品できる私の宝物といえば、1992年にNYで購入した大きな「ティファニー・ランプ」くらいだね。我が家の前は林の中の散歩道で近所の人が夕方通りがかると、リビングの格子窓にちらっと見える位置に飾ってある。薄いピンク色のモクレンの花が一面に傘を覆うようにステンドグラスで組み込まれていてとても美しい・・・。
KI君は前回「動名詞」の文法・整序問題をやってほとんど正解だった。「世の中をもっと住みやすい場所にする・・」は making the world a better place to live in. でSVOCの文型だったよね。the worldが文尾では「世の中に住むためにもっと場所を作る・・」となってしまう。「場所は作れない」し。動詞makeはいろいろな用法があるから要注意だ。今日は「代名詞」をやった。「同じような家と比べてみれば、その家はずいぶん質の高いものだった。」の整序問題が難しかったね。 Compared to similar houses, that one is of much higher quality. 「高い質の」は of high quality で前に名詞がなくてもよい。It is of no use. が「それは役にたたない」となるように「形容詞」の働きで「補語」になる。
EC君は、前回英作文がうまく書けていたね。See things as they are. は「物事をみなさい」の後ろに「それがそのようであるように」とあるから、「物事をありのままに見なさい。」の意味だ。「変な先入観で見ちゃダメだよ。」ということ。今日は「代名詞」がとてもよく理解できていた。「〜は調子が悪い」は代名詞を使って Something is wrong with 〜が普通。2日後のセンター試験は自分の東高が会場だからいいね。周囲も同級生ばかりだからいつもの模試のような雰囲気で受験できる。私がそこの職員でいた頃は大学から派遣された先生たちと一緒に試験監督をやった。しかし、公正な接し方を求められているから、いつもの生徒たちが目の前にいても励ましの声もかけられなかったのを思い出すよ。
三島教室のOH君が出席して「助動詞」を復習した。整序問題の基礎編はすべて正解だった。発展問題の「正しいパスワードがないとセキュリテイ・システムによって中にはいれません。」が難しかった。選択肢からまず「動詞」「助動詞」をピックアップすると、enter、permit、won’tが見つかるね。enter(入る)のはだれ? youでしょ。誰が何をpermit(許す)の? だからSecurity system won’t permit の後にSVのyou enter が続くように考えればSecurity system won’t permit you to enter without the correct password.となるよ。
2年生のTA君は前回、「子供の歯磨き」の和訳をやった。 When children become three or four years old, their scope of acquaintances expands. を「知識の範囲が広がる。」と訳した。しかし acquaintances の-sに注意しないと。数えられるから「知人・友人」だ。「知識」は量ではかるし。例えばsomething to eat は「食べるもの」 something to learn は「学ぶこと」と訳すように、日本語では具象的な「もの」と抽象的な「こと」をきちんと使い分けているね。優れた言語だよ。英語にはそれができない。関係代名詞 what 「もの・こと」の訳し分けも同じことだね。英語はどうやるかと言えば、名詞の前後に aとか –sをつけたら「具体的なもの」、なかったら「抽象的なこと」という判断をするのだよ。
MIさんはセンター試験準備のためにお休みした。「富士高校」が受験会場だそうだ。いよいよ2日後にせまったね。こういう試練がこれからの人生に何度でもあってますます自分の資質を高めてくれる、と考えればなにも不安に思うことはない。全てがプラスに転嫁できるよ。模試のつもりがいちばんいい。 尾上
(追記) モクレンを英語では「マグノリア」Magnoliaといって、NYの「ブルックリン植物園」に行くと入口からしばらくはこのマグノリアの大群落だ。中央のドーム周辺の「マグノリア・プラザ」には創設以来だから100歳に近い大木が雪のように真っ白な花を咲かせる。アイボリー色、クリーム色、ピンク色、濃い紫色に溢れて実に美しい。サクラの咲く早春の3月・4月が見頃で、甘い香りの17種類72本も植えてある。大好きな庭園でここには家内と何度訪れたことか。
このティファニー・ランプは長男と二人、ブロードウエーの賑やかな商店街を歩いていて見つけた、というより「押し売り」された。「ブロードウエー・ギャラリー」という名のPCとビデオの大きな店に入っていって、長男が友人に頼まれたゲーム・ソフトを270ドル(約3万円)で買った。ソニーのビデオ・テープも予備に2本買ったら、体格のいいイラン系の主人が「ビデオカメラ用にこの広角レンズはどう?」とまだまだ売りたげ。
支払いしようとクレジットカードを渡すと、「ちょっと見てもらいたい物があるんですが・・」と言って,広い階段を降りて地下展示室に案内された。そこはなんと高価なソファー、絨毯、チェストなど宝の山が所せましと。豪華なイランの絨毯を3枚も広げてみせる。「サザビーズ、って知ってますか?これらランプはそのオークションで仕入れたティファニーですよ。」
チェストの上に並べられた5つも6つものランプはどれも明るく輝いて素晴らしい。その真ん中にひときわ大きく女王様のように光り輝いているピンク色のランプがとくに気になって、長男と「あれ、いいね・・」と頷いていたらイラン人の主人には通じたらしくすぐにそれを手元に運んできた。
「本当は3万ドル(300万円)だけどまけるよ。3本まとめて買って日本で高く売ればいい・・・」と。「とても高価で日本にいる妻がきっと反対するから・・」と言うと、「じゃあ、この電話で今奥さんに電話して聞いてみてよ。」と。日本は真夜中の3時だというのに家内を起こしてしまい、まんまと店員のペースに乗せられとうとう買う羽目になった。「5千ドル、いや3千ドルでもいい。」こうなったらこちらの条件を持ち出そうと、先ほどのゲームソフトなども含めて2700ドルで手を打った。航空便の送料と手数料も含めることで交渉成立した。
NYでビジネスでも大成功している移民はユダヤ人だと誰でも知っているけど、アルメニア人とこのイラン人もなかなか商売上手なんだと後で知った。後日談だけど、件のランプが自宅まで配達されるものと信じていたら、成田空港から電話で「ランプが空港止めになっているので引き取りに来て欲しい。」とのこと。行ってみたら私の背丈以上もある大きなダンボール箱にくるまれて届いていたよ。中身だけをカートに乗せてゴロゴロ転がして御殿場まで電車で帰った。
