富士山の「須走口登山道」に行っていい汗をかいた。前日に降った雪が積もって凍りノーマルタイヤでは走れず、車を松林においてプラスチックの「そり」を手に登っていくと、真っ青な空に白銀の富士山が聳えて美しい。1時間・3キロほど登ったところで標高1200mくらいになる。持参の「かんじき」を取り出し長靴の上に装着して、周りの雑木林のなかを歩いてみた。50センチくらいの積雪の中を踏みつけるとサックサックといい音をたてる。
県の車が登ってきて調査しているらしく、除雪車もあとから2台もやってきて次々と積雪を掻き分けている。5月の連休には5合目まで車の通行ができるようにもう除雪作業が始まったのだ。おまけに気温も急に上がってきて雪がどんどん溶け出した。いざ「そり」で滑って降りようとしたらああ、雪がすっかり片付いてしまいせっかくの楽しみを奪われてしまったよ・・・。
2年生のTA君は動詞の慣用句をいくつか勉強した。 make one's way 「進む」や pat 人 on the shoulder 「人の肩をたたく」など。後半は of または for をとる形容詞をグループわけして覚えた。入試の和訳では上智大の「文明の発達で犠牲になったもの」が難しかったね。 Every European knows, as a matter of historical fact, that, in Europe, wealth could only be acquired at the expense of other human beings, either by conquering them or by exploiting their labor in factories. カンマが多用されて困惑したようだけど、S knows that SV を見抜けばよかった。as a matter of historical fact,(歴史上の事実として)もin Europeもただ修飾語(M)とみなしてカッコに入れれば、スッキリした複文が現れる。「ヨーロッパ人は皆、富が他の人間を犠牲にして得られた物に過ぎないことを知っている。他の人間を征服するか、または工場でその労働力を搾取するかのどちらかで。」
1年生のMIさんは前回、入試の英作文をやった。ほぼ70%は書けているけど文法で「仮定法」の動詞を学校ではまだ教えていないので誤りを数カ所添削しておいたよ。「願望」を表す「〜であればいいのになあ・・」でI wish や If only の後にくるSVは、「今」のことなら「過去形」で、「昔」のことなら「過去完了形」で書く。
今日の英作文では「数量詞」の扱いを勉強した。「・・旅行者の数が急増している。」は直訳で The number of travelers is increasing でも通じるけれど、動詞にtravel を選んで More and more people are traveling と書けると平易な英文でとてもいい。「〜する人はいない」という否定文なら No oneで書き始めるように、「〜する人もいる」なら Some people を主語にして始める。「〜する人はますます増えている」と言うなら More and more people で書き始めるととてもいい。
卒業したEC君が大学を決めてお母様とご挨拶に見えた。センター試験の失敗が国公立の2次試験で挽回できなかった。私立の工学部に入学して大学院を目ざすことにしたそうだ。「全ての道はローマに通ず」というよ。努力はどこかで報われるはず。英語の勉強は忘れずに。まずはTOEICを目標にして。 尾上
(追記)思い起こしながら書いてみると、若い頃はずいぶん映画を見ていたんだな。ソ連映画だけをとりあげても数え切れないほどだ。英国アカデミー賞をとった「誓いの休暇」(1959)も名画だった。チェホフ原作の短編「犬を連れた貴婦人」(1959)も映画化され、その後シェイクスピアの「ハムレット」(1964)もロシア語で映画化された。「ガムレット」という題でね。ロシア語では「ハ」の代わりに「ガ」というから「横浜で」はなんと「ヴ・ヨコガメ」と言うよ。
同じくシェイクスピアの「リヤ王」(1970)や、ドストエフスキーの名作「カラマーゾフの兄弟」(1969)「罪と罰」(1970)などの文芸作品もよく映画化された。どれもどこかで見た記憶がある。
よく「ソ連映画祭」が東京のあちこちで開催されて、戦前の名画では無声映画の「アレクサンドル・ネフスキー」(1938)や「イワン雷帝」(1944)も見た。「モンタージュ」技法の創始者、エイゼンシュテイン監督の作品だった。白黒映画の「戦艦ポチョムキン」(1925)は、最後の「オデッサの階段」のシーンで艦の上にたなびく「赤い旗」だけカラーだったのが印象的だった。フィルムの一枚一枚に手で色つけしたそうだ。
米国ではグリフィス監督が早くも1919年に「Intolerance(不寛容)」でその技法を駆使していて映画史に残る大作だ。現代のスピルバーグのハリウッド映画に受け継がれている。日本では小津安二郎が取り入れて黒沢明監督も「七人の侍」(1954)で多用している。つまり「フラッシュバック」のことで今では普通の表現法になっているそうだ。
先日レンタルで見た最新の映画「ガガーリン」(2013)の中で、宇宙飛行中にたびたび入る「回想シーン」こそが「モンタージュ技法」と呼ばれるものらしい。つまりフランス語で「貼り合わせ」の意味だそうだ。日本でDVD化されるほどのロシア映画がやっと登場したということかもしれない。
1990年の「ベルリンの壁崩壊」の前後はソビエト連邦が解体し、ロシア連邦に移行した時期で、政治も経済も不安定でその影響もあって10年ほど映画界が沈黙状態だったらしい。タルコフスキーの「惑星ソラリス」(1971)や「エルミタージュ幻想」(2003)はそういう体制の移行期前と後の作品だから比較するのも面白い。評価の高い映画だそうだからレンタルで見つけたら見てみよう。









