快晴の日曜日,河口湖の北側に聳える「三つ峠」1785mに登った。御坂峠の国道は「ニセアカシア」の白い花が埋め尽くしていた。窓を開けると甘い芳香に包まれてうっとり良い気分になる。沿道にはサルの一団がこの花を食事中。蜜蜂たちも大好きでハチミツの原料として評判が高いよ。
登山口から1時間少々登って山頂に到着。まずは「アツモリソウ」をさがしにお花畑に直行した。「あった!」この豪華な花に惹かれて3年目になるけどこんなに早い開花ははじめてだ。「来て良かった!」ラン科のなかでは女王様のような立派な花だから「盗掘」を避けるため、鉄製のカゴが被せてある。まるで檻の中のようだ。
山小屋「四季楽園」に立ち寄りコーヒーを注文して情報収集しよう。いつも無人のような小屋で珍しくご主人夫妻に会えた。カメラを持った老人と歓談中だった。この麓に住むという「松下さん」で「3年間でこの山の花は250種類のほぼ80%撮りきったよ」と。作品がフレームに入って壁に飾ってあるし、絵はがきにもなっていてお土産に売っていた。この山小屋のホームページにある写真はみな松下さんの作品だそうだ。ピンクの「ホテイアツモリソウ」も「黄花のアツモリソウ」も・・・。
3年生NIさんは最初に「センター試験」をプリントで3問ほどやってみた。整序問題は3問とも正解だったけど、会話文やグラフの読みとり問題でミスがでた。発音のルールのひとつ、-ic、-ical、-ityの前、-ateの前の前、を忘れないように。春休みの講習でもプリントで勉強したね。politicalはその例で2番目がアクセント。しかしpoliticsは例外で最初の音節にアクセントが来る。文法・作文は「名詞・冠詞・代名詞」をやった。細かい注意事項がたくさんあって、よい英作文には大事な事柄だ。
TA君は昨日の入試の英文和訳がどれも難問だけれど、かなり正確に訳せるようになってマルが増えた。特にSV中心の構文の分析がとても上達したね。 「関西大」ではPrimitive people believed in dreams most of all. は第1文の難しさだね。英語では結論、つまりテーマを先に手短に提示するから、いきなりなのでどうしても難しくなるし気取ってもいる。後続の文を読んでから第1文に戻ればわかりやすくなるよ。most of allは「彼らのほとんどが」ではなくて、副詞で「全ての物事の中で一番強く」の意味。very much の最上級だ。Believe me. は「私の今の言葉を信じてね」。Believe in me. は「私が正しいことを信じて(信用して)ね」と格調が高い。ここでは「原始人たちは夢の存在をとりわけ信じていた。」の意味。
2年生のENさんは前回「明治学院大」の和訳で He wore potato blossoms in his button holes and encouraged others in his court to do the same. が正確に訳せなかったね。前半は「ボタン穴にポテトの花を挿した。」動詞wear は「着る、履く、かぶる,リボンをつける・・」なんでも身につけることなんだ。後半は ask人 to〜と同じだから 「宮廷のほかの人たちにも同じことをするように奨励した。」ということ。今日は「分詞構文」をやった。接続詞+S+V〜の部分は、「〜なので」とか「〜の時に」という意味で、後の主文SV〜に対して「修飾語」の働きなので、簡単に現在分詞 -ing を使って言い換えることができる。「ケス・ケス・ING」と覚えておけばいい。
YO君は「独立分詞構文」を勉強した。高1の授業で習うはずの項目だけど詳しくやらなかったらしい。例えば Since there was so much rain, they were afraid of flood.「雨がとても多かったので彼らは洪水を恐れた。」を分詞構文に言い換えると、There being so much rain,・・となる。There を主語Sと見なすから消さずに「現在分詞」の前に残しておくのだ。2文をカンマで切るのではなくて、前置詞の with を使ってつなぐ場合もある。「付帯状況の with 」呼んでいる。 独立分詞構文と同じように with +S+V-ing のように書く。 この「重要構文」シリーズでしっかり文法を補っていこう。
中学生のNI君は「不定詞」を勉強した。動詞の前に to をつけることで、「〜すること」「〜するための」、「〜するために」の3つの意味になることは知っていたね。too〜to〜とか 〜enough to〜の構文はなかなか難しい。前者は「とても〜なので〜できない」と否定の意味になるが、後者は「とても〜なので〜できる」と肯定の意味になる。後半は「笑い話」の和訳を全部やりきった。しっかりした字で書けるようになったね。 尾上
(追記)この時期はバラの季節。女王のように豪華で匹敵できる花はなかなかないね。でも湿気の多い御殿場高原ではバラの園芸栽培が難しい。しかし、この土地には寒冷地が好きな「ポピー」があちこちの垣根や花壇に咲いてとても嬉しい。夏の暑さを乗り越えられない植物なのでタネを採取したら、秋になって畑にまき直さないといけない。
「ヒマラヤの青いケシ」も数千メートルの高地で咲くし、あの可憐な「リシリヒナゲシ」も「利尻富士」の山頂に数株咲くだけだ。箱根・仙石原「湿生花園」に咲いていた「ブルーポピー」は北海道の栽培地で育てていて、つぼみがついた株を運んできて観賞用に植栽しているだけなんだよ。昔、NYの「ブルックリン植物園」(BBG)で発見して喜んで買って帰った「ブルーポピー」のタネは、我が家のプランターで発芽はしたけどすぐ消えた。
私の大好きな「アイスランドポピー」は、種苗店ではなかなか入手出来ないのでよく通りがかりの他人の家の畑で分けてもらう。丸い玉状の実を乾燥させると「ケシ粒のような〜、」というくらい細かなタネが中に入っている。「あんパン」の上に振りかけてあるゴマのようなのがこれだ。昨秋も花壇に播いたタネが一杯発芽して冬を越したが、8ヶ月も見守ったのにやっと咲いたポピーは未熟な株が多くて、まともな花はわずか4,5本だった。なかなか育てにくいなあ。
ある種のケシは実の汁からアヘンという麻薬を抽出するために栽培されるので、法律で栽培が禁止されている。インドやパキスタンなどの山間部で密かに栽培されていると聞く。アヘンには鎮痛剤のモルヒネが含まれているが、しかし民家の庭や花壇に咲いているアイスランドポピーは園芸用の品種で違反ではない。
「阿片戦争」って聞いたことある? 今から2世紀近く前の1840年頃に中国、当時の「清国」がイギリスの軍隊に攻撃されて半植民地にされた事件だ。輸入超過の貿易をバランスとるために、イギリスは植民地の「インド」で栽培したポピー(ケシ)から抽出した「アヘン」を中国に秘密裏に大量に売り込んだのだ。麻薬を飲めばみな廃人のようになるから清国政府は激怒した。
しかし結果はイギリス軍の勝利で、香港・マカオはその後長らく英国領だった。びっくりした「江戸時代末期」の日本はイギリスやアメリカの植民地化を恐れて「尊皇攘夷派」と「開国派」との国内戦につながっていく。それが「江戸幕府」滅亡のきっかけになったのだ。
