知人に誘われて、北山耕平さんのトークイベントに行って参りました。北山さんという方をわたしは存じ上げなかったのですが、アメリカインディアンの精神を探求しておられるようで、写真の『虹の戦士』という本は、よくお見かけするような気がします。友人宅の本棚にもあったような。聞いていてよくわからないこともありはしたけれど、有意義な時間でした。
なにしろわたしが印象に残ったのは、口から耳への伝達の話。文字を介在させないで、お話を語り、聞かせるということ。耳を傾けるということ。わたしたちは、あまりにも文字に頼り過ぎかもしれないね。文字として記録されたことを信じてしまいがちというか。今日のような講演なんかも、形として残るわけではないけれど、口から耳へ直に入ってくるものって、とても重要だと思った。だから逆に言うと、文字として何かを記す時には、その分慎重にならねばならないよね。直に入ってくるものが無いのだから。
そうそう。昨日は美津香さんのお芝居に行ったけど、たとえばシェイクスピア(に限ったことではないけれど)なんかも、本来は読むものじゃなくて足を運んで、目で見て、耳で聞いて楽しむのが正解で。読んでももちろん全然かまわないと思うけど(美津香さんの超訳がもし本になれば、そりゃあ欲しいと思う)、戯曲というのは演じられて初めて活きるものだよね、たぶん。違うのかな。んー。うまくまとまらないや。チ。
それにしても、北山さんの話されている内容とは裏腹の、書店スタッフの事務的な進行が奇妙に思えた。今度はぜひ焚き火でも囲んで語りたいものです。