高校英語UG会 三島・裾野・御殿場


動詞seeの主語は人だけじゃない
動詞seeの主語は人だけじゃない
2024年8月18日(日)
「富士山世界遺産センター」
 昨日は「山梨県富士山科学研究所」主催の研修日だった。私は昨年からその施設の外周にある自然林の自然解説員に委任されて、今シーズンも今月31日を含めて3回当番になっている。「ガイドウォーク」というイベントだけど、ガイドguideは道案内で私たち30数人は「解説」が仕事だからインタープリターinterpreterという方が正しい、と思うな。それは「翻訳者、通訳」の意味もあるが。私の大好きな「山野草」以外にも「樹木、苔、野鳥、昆虫」はもとより、富士山の歴史「噴火、溶岩、丸尾」などへも知識を広めておかないといけない。訪問客の親子を45分間、樹海の木道の上を案内しながら質問に答えるのだ、特に小学生が退屈しないようにするのは気を遣うよ。
 午前中から富士山スバルライン入口にある「山梨県立富士山世界遺産センター」に集合して、開催中の企画展「信州に展開した富士信仰」を見ながら学芸員の詳しい説明を聞いた。有名な富士吉田の「御師」(おし)は今でいうツアーガイドで、民宿を兼ねて江戸から甲州街道でやってくる「富士講」の登山者を迎えていた。しかし、河口湖北側の川口という農村の「御師」たちは、農閑期になるとはるばる隣国の信州に出張して「富士信仰」の普及を図ったそうだ。版木で刷った御札や掛け軸を信者の家に配って歩き「お布施」をいただくわけだ。信州北部の白馬村や南部の辰野町の民家の屋根裏に残っていたというその証拠となる御札などが展示されて参加者の関心を深めていた・・・
 
 2024パリオリンピックは先週の日曜日に終わった。翌12日のジャパンタイムズの最初の見出しはFrance brings down the curtain on its Olympic party with Tom Cruise and Leon Marchand(トム・クルーズとレオン・マルシャンによって、フランスはパリオリンピック大会の幕を閉じた)。the closing ceremony was a much more traditional affair than the unprecedented opening ceremony on July 26 that saw the athletes float down the River Seine on boats and Celine Dion sing from the Eiffel Tower.(閉会式は7月26日の前例のない開会式に比べるときわめて伝統的な式典だった。その開会式では、選手たちがセーヌ川を船で下ってきたりセリーヌ・ディオンがエッフェル塔から歌声を聞かせたり)。ここのandは何と何を並列してるかな?「A and A’のルール」は?
 ここでは過去の動詞sawの用法が面白い。簡潔にすればThe ceremony saw the atheletes float down.でSVOCの文型だけれど、「式典は選手たちが船で下ってくるのを見た」よりも「式典では・・・下ってきた」と和訳した方がいいね。「時」を主語にしてThe year 2024 saw the Olympic Games in Psris. とか「場所」ならParis saw the Games in 2024.のように言うのは新聞にもよく使われている。世界一語彙数の多いOED(オックスフォード英語辞典)でも解説されているが、開会式the opening ceremonyのような「イベント」も主語になるという記述はない。それに着目したのが私の「修士論文」(東京学芸大学大学院2000年)で、タイトルがThe Grammar of the Verb ”SEE” with Inanimate Subjects(無生物主語と動詞SEEの研究)だった。 尾上
2024/08/18 (Sun) 0:26


butは「しかし」ではない。「〜を除いて」
butは「しかし」ではない。「〜を除いて」
2024年8月11日(日)
「ロールアップピアノ」
 ピアノを久しぶりに弾きたくなって、イヤホンで練習できる電子ピアノを買おうと思ってヤフオクで中古を探したら千円から数万円まである。しかし置き場所に困るなあ、と思案しネットサーフィンしていると、鍵盤をくるくる巻き取ってしまえる「ロールアップピアノ」に行き着いた。1万円以下で新品が買えるから衝動買いで注文した。翌日に配達された梱包を開けてみたら鍵盤が本物と同じく白黒合わせて88ちゃんと並んでいる。130センチの長さで食事のテーブルを片づければすぐ練習を始められてお手軽だ。電子オルガンと同じで、弾き方で一音ずつ強弱がつけられないのが不満だが、イヤホンなら音質も自然に聞こえる。若いころ自己流で覚えた指使いで練習を始めた、そのわけは、、
 御殿場の生涯学習「ひろがり学習塾」で、私は昨年10月から「英字新聞を読もう」教室の講師をやっているけど、NHKBSテレビの番組で「駅・空港・街角ピアノ、一期一会の音楽」のように、ピアノを聞かせあって楽しむ会があってもいいなと前から思っていた。だれか講師をボランティアでやってくれる人を探していたがなかなか難しい。市民会館に予約に行ったら「視聴覚室」が毎月1回、第2か第3木曜日の午前中だけ空いていたのも何かの縁。思い切って私が世話役をやることにして「ピアノ弾こう会」と名付けて10月からの受講生を募集することになった。別称を「猫ふんじゃった会」として、「いつかはスタインウエイをステージで!」をキャッチフレーズに書き添えて・・・

 先週のジャパンタイムズはAn ideal AC temperature for sleep?(睡眠に最適なエアコンの温度ってあるの?)が面白い。この夏都会では夜間も25℃を越える「熱帯夜」がほぼ毎日続いているね。and you may have no choice but to turn the air conditioning on when you hit the hay.(寝るときにはエアコンをつけたままにするしかない)で、have no choice but to〜は直訳すれば「〜する以外に選択肢はない」の意味。butは「しかし」ではなくて、nothing but〜(〜以外のなにものでもない→〜にすぎない)とかBut for water(水がないとすれば)のように前置詞except「〜を除いて」の意味なのだ。文尾のhit the hayは古くからのイディオムで、「干し草に当たる」は枯れ草のベッドに寝た故事かららしい。
 問題は電気代節約のためエアコン切るか、快適な睡眠のためつけっぱなしにするか?Sleep has a lot to do with the way our body temperature is regulated. (睡眠は体温の調節の仕方と深い関係がある) 、そしてOne requirement for slumber is that the body’s internal temperature be dissipated to the outside by increased blood flow to the skin of the limbs.(睡眠に必要なのは、手足の皮膚への血流を上げて体度を外部に散らすこと)と述べている。that節以下の「要求内容」に動詞の原形be dissipatedを使うことは覚えておこう。最後に、Researchers thus concluded that 26 C was close to ideal.(研究者の結論は26℃が理想に近い)と。 尾上
2024/08/11 (Sun) 0:11


2024 Paris Olympics
2024 Paris Olympics
2024年8月4日(日)
「入笠山のヤナギラン」
 みんなが大好きな夏の高原の花ヤナギランやレンゲショウマを見に長野県まで行ってきたよ。中央高速を小淵沢ICで出て甲州街道(ルート20)に入るとすぐに道の駅「信州蔦木宿」が見えてきて長野県に入ったことがわかる。「富士見高原」にある「パノラマスキー場」に着くと、山頂駅までゴンドラが使えるのだけど、まじめな山登りに来たのだから「沢入登山口」から登山開始。カラマツの美しい森を抜けて1時間登ると「入笠湿原」に突入だ。白いイブキトラノオ、赤いチダケサシ、紫のサワギキョウのお出迎え。天上の花園だね。
 まず木道の階段を登ってゴンドラの山頂駅に行ってみよう。オヤ、もう秋の花かあ!白いウメバチソウや薄紫のマツムシソウ、赤いワレモコウも咲きだしているよ。駅の周辺はよく手入れされ初夏にはスズランやアツモリソウなどの山野草が咲くので有名だけど、この日は森の中に薄紫の高貴なレンゲショウマが長い首を伸ばして風に揺れていた。美しいブルーの実をいっぱいつけて輝いているのはツバメオモトだ。さあ、また階段を下って湿原に戻りピンク色の背の高いヤナギランの大海を泳ぎながら「入笠山」山頂を目指そう・・・

 先週から始まったパリ・オリンピックは最初の柔道競技が大人気なので、前回「英字新聞の会」のメンバーに送った最新の新聞記事は、Japan's Hifumi Abe defends Olympic title after sister falls early (阿部一二三、タイトル防衛。妹の早い敗退のあと)。私もテレビのLIVE映像に釘付けだった。Abe pointed two fingers in the air after beating Brazilian Willian Lima in the final to indicate that he now owned two Olympic gold medals, including the one he won in front of empty stands in Tokyo during the COVID-19 pandemic three years ago. (阿部はブラジル代表W.リマを決勝で破ると二本の指を掲げ、金メダルを2個取ってることを示した。3年前コロナ渦中の東京大会で無観客の会場で獲得したメダルと合わせて。)
 一方妹の阿部詩については、Keldiyorova had elbowed her way into the final on the back of an ippon upset of Uta Abe in the round of 16, ending the reigning champion's unbeaten run in individual competition that went back to 2019.(ケルディヨロバ選手は2回戦で阿部詩をイッポンで決めたあと次々と決勝に勝ち進んでいた。2019年の大会以来個々の国際大会での詩の負けなし記録に終止符を打って。) 文頭でelbow「ひじ」を動詞として使っているね。これはmake one’s way(前進する)のバリエーションで「way構文」とも呼ばれる。push one’s way(押しのけて進む)と共によく使われるイディオムで「ヒジでかき分けて進む」の意味だ。柔道はヒジを使うからね。 尾上
2024/08/04 (Sun) 0:20


A and A' のルール。動詞だと原因・結果にもなる
A and A' のルール。動詞だと原因・結果にもなる
2024年7月28日(日)
「芦ノ湖岸のセラピーロード」
 先日は御殿場よりもっと涼しい箱根へ。「桃源台」ロープウエー乗り場の先の湖尻に車をおいて、バスで「箱根園」に行ってからスタート。静かな湖畔の遊歩道を歩いて戻ってくる計画だ。箱根園に着くと、「箱根プリンスホテル」から3キロの遊歩道が舗装されている。森林浴を楽しみながらウォーキングにとても良い。「セラピーロード」(癒しの小径)と呼ばれて一般車が侵入できないからサイクリングか歩いている人ばかり、ここでもたくさんの外人グループに出会っては挨拶をかわした。
 1キロほど歩くと途中に、昔は「樹木園」として観光客を集めていた自然あふれる公園があった。入場してさらに湖岸を歩いていくと湖水の中に赤い鳥居が見えてきた。安芸の宮島の「厳島神社」のように船で参拝するのかな。そこに真っ赤な社「九頭龍神社」があった。箱根神社本殿の隣にある九頭龍神社は「新宮」こちらが「本宮」で、芦ノ湖の「竜神様」を祭っている。心願成就・良縁祈願を求めて拝殿に手を合わせるひとたち。モーターボートに乗って参拝にやってきた女性の姿も・・・

 昨日27日の「英字新聞を読もう」は「ジャパンタイムズ」からJapan doesn't have too many tourists, statistics suggest. It just feels that way.(統計によれば、日本への旅行者は多すぎではない。そんな風に思えるだけ)を読んだ。外国人旅行者の数を国の総人口あたりの人数で比べると、日本は2千5百万人でわずか0.2人。フランス、ギリシャなどEU各国の1.5〜3.4人と比べるとまだまだ増えてもいい、と述べている。しかし、ヨーロッパと日本は事情が異なるからそれはフェアな比較ではないという反論もある。Freedom of movement in the European Union and efficient ground and short-haul transportation make quick cross-border hops easy in the region, inflating international arrival numbers.
 「EU域内の旅行の自由と、陸路で短距離の効率のよい交通手段のおかげで、この地域では短時間に国境を越えることが容易になっている。それで、外国旅行者の数が増えているのだ」。ここで「A and A’」のルールを思い出そう。似たようなカテゴリーの語句を並列するんだったね。andを含む長い主語を受けてmake〜easy(〜を容易にさせている)だから主語はfreedomとtransportationという名詞だね。二つ目のandはground(陸路の)とshort-haul(短距離の)をつないでいる。
 カンマの後は「分詞構文」だから , and inflate〜のことだね。このandは「そしてその結果」のように感じられる。2つの項目を単純に並べる用法のほかに、次の文の動詞absorbとmaintainのように「原因・結果」のつながりになる用法もあるよ。Can the community absorb that many visitors and still maintain a lifestyle that people come to see in the first place, (その地域がそんなに多くの外国人を招き入れて、彼らが見にきた生活習慣をそれでも維持して行けるのだろうか?)のように。 尾上
2024/07/28 (Sun) 0:11


この酷暑、エアコンなしでも?
この酷暑、エアコンなしでも?
2024年7月21日(日)
「夢に見た雨飾山」
 長野と新潟の県境「雨飾山」1963mに登った。いや実際は頂上を見てきたのだ。夜中に5時間車を走らせて早朝登山口の「小谷温泉」に着いた。梅雨が明けたばかりの朝焼け空の美しさ。いつものように長靴にはきかえストックと傘を両手に出発だ。何年も前からこのスタイルで正解だ。雨上がりの登山道は水たまりやぬかるみだらけ、沢を渡り残雪を越えるときもあるから。重い登山靴をはいて、泥除けのスパッツを巻いたとしても結局ズブ濡れになるのだから。
 キャンプ場に駐車してから7キロのコースはきつかった。果てしなく登り路が続き、美しい「ブナ平」を抜けて3時間歩いた稜線の上でやっと「雨飾山」の全体が眼前に出現!真っ青な空にそびえる山塊は妙高山群のひとつで実に美しい!深田久弥が「日本百名山」に選んだ理由かな。そこから一度「荒菅沢」に下っていよいよ3〜4時間の上りが待っている。こりゃ無理だな、まだ半分だけどここで登ったことにしよう。今宵の宿「雨飾荘」に早く下って森の中の露天風呂に入りたい・・・

 梅雨が明けたと思ったらいきなり猛暑!40℃なんて耳慣れてきているね。ジャパンタイムズの記事は、「英字新聞の会」のメンバーに5日に一回はスマホのLINEで転送している。登山に行く前に送ったのは15日の記事でNo AC this summer? No problem (for me).(この夏、エアコンなし?問題ないよ、ボクには)。記者のJ.アレンはイギリスの北部ヨークシャーの出身で乾燥していて東京のような蒸し暑さを知らなかった。Despite my AC reluctance, I won’t pretend that I’m immune to it all. My first summer here, in 2015, was hellish at times. (エアコン嫌いだけど暑さには慣れてるという振りはしないよ。2015年、東京最初の夏はときには地獄のようだった。)
 冒頭は簡潔な表現だけどこの句phraseを節clauseに言い換えればThough I’m reluctant to ACとなりわかりやすい。I landed a part-time job marking British school exam papers online. I spent much of those months laying on a towel on the floor with one fan pointing at me, another pointing at my laptop and countless bottles of Pocari Sweat filling the fridge.(ボクはオンラインで英国学校の試験問題を添削するアルバイトをみつけた。そういう夏の数か月は床に敷いたタオルの上に座って、扇風機を一台自分に向け、もう一台はパソコンに向けて、冷蔵庫にはポカリスエットをいっぱい入れておいた。) 尾上
2024/07/21 (Sun) 7:58


The sky is the limit. 「空が限界」??
The sky is the limit. 「空が限界」??
2024年7月14日(日)
「村山神社開山祭」
 7月10日は富士山の山開き。ただし静岡県側だけのことで山梨県側では1日すでに登山が始まっていた。同じ山で、残雪の多い北側が先とはおかしな話だね。さて、富士宮市では今年も「富士山本宮浅間大社」と「村山浅間神社」の二か所で「開山祭」を実施するというので、私はまず先に「村山神社」に行ってみた。神社の駐車場が改修されて広く立派になりそこに立つ金色の胸像の前で献花式が行われていた。江戸時代末期に外人としては初めて富士山に登った英国の外交官オールコック卿だ。その著書「大君の都」によると、箱根を越えて沼津・原・吉原に至り、そこから東海道を外れて「村山」を訪れた。
 たぶん「田子の浦」からまっすぐ登ってきたのだろう。「大宮(富士宮)」には寄っていないと思う。ここからは当時の登山道「村山古道」をたどって山頂3776mに達したらしい。英語の先生の性分で、その胸像の隣にたつ石碑の英文と和訳(岩波文庫)を対照してみた。「大宮と森山という2つの村があった・・」の訳がオカシイヨ!原文のMooriyamaは当然「村山」でしょう!なぜならオールコックは「沼津」をNoomadzと書いたから。footとかgoodのように-oo-は「ウ」なんだ。「オ卿顕彰会」代表の犬上老人にお会いして指摘したら「ええ、承知してますよ」と笑顔。しかし横にいたオヤジが「ワシが建てたのに文句あるのか?」と噛みつかれたよ。そこだけは彫り直してほしいな。
 「開山祭」はイギリス大使館の人や私の愛読書「村山古道を歩く」の著者・畠堀氏、他県からのファンも含めたくさんの見物客に見守られ盛大に行われた。山伏たちがほら貝を吹き経文を唱える中、地元の中学生による「水垢離」から始まった。白いふんどし姿の男子に混じって女子たちも白い薄衣を着て頭から滝の水に打たれて身を清めている。なかなか勇気ある若者たちだ。次に山伏たちは登山口に向かう。京都の「聖護院」から来た門跡が経文を唱えてから神の世界との「結界」の綱を日本刀でバッサリ!と切るというのも面白い。いよいよ山開きだ。山伏たちに続いて富士宮市長ほか多くの参加者も石畳の登山道を登っていく。
 一回りして戻った山伏たちに神社の禰宜たちも同席して「護摩炊き」行事が始まった。世界平和・家内安全などの願掛けをした「ごま木」を次々と燃える祭壇に放り込む。明治時代この村山は、天皇を神とあがめ「神道」一本にしようとする新政府によって「廃仏毀釈」運動が吹き荒れる中、「村山神社」の隣に残った「興法寺」を村人たちがかろうじて存続させた「神仏混交」の珍しいケースなんだ。「水垢離」だけでなく地元の富士根北中の生徒たちによる歌舞伎「勧進帳・安宅の関」の場も面白かった。山伏に扮した弁慶と関守富樫の問答をたどたどしいセリフで語ってる・・・

 今週LINEグループ「英字新聞を読む会」に送った記事はParasols are an age-old solution to today’s crippling heat(日傘、最近の酷暑に昔からの対処法)。雨傘、日傘が紀元前から多用途に使われてきた歴史に触れ、日本の番傘が日常生活や歌舞伎の舞台にも利用されたと述べる。最後のしめくくりにParasols in Japan today represent a meeting of fashion and of function — as well as our desire to control our comfort in both rain and shine. (日本の傘はファッションと機能性をあわせもつよ。もちろん雨でも陽ざしの中でも安心できるが。) A as well as Bは「Bは当然だけどAまでも」と、Aを強調する用法。逆にNot only B but also Aと書いてもいい。
 And given their long history in Japan, when it's time for you to choose a parasol this summer that fits your fashion and health needs, not even the sky is the limit. (日本には傘の長い歴史があるから、この夏は自分の好みに合い、健康のためにもなるような日傘を選ぶといい。その可能性は無限だ。)文頭は「受動態の分詞構文」でAs you are given〜のこと。最後の文は諺でThe sky is the limit.(空が限界だ=限界はない)を強調したもの、つまり「傘の利用価値は(晴雨を決める)空でさえもない、宇宙の果てほど無限だ」の意味だね。 尾上
2024/07/13 (Sat) 23:57


20年ぶりの新紙幣
20年ぶりの新紙幣
2024年7月7日(日)
「大菩薩峠のヤナギラン」
 山梨の石和温泉駅近くに住む北島さんは東京の私立女子高で生物を30年教えていた。2年前富士山北麓の幸助山で花探しの時に出会い友人になった「花友」。先日は以前約束した「大菩薩峠」山登りをしましょうとご夫婦を私の車にお誘いした。絶滅危惧種のラン科の花、ニョホウチドリが咲く山だ。「女峰千鳥」と書いて、日光の「女峰山」で見つかった赤紫色の艶やかな蘭の花だ。塩山駅に集合して登山口の「長兵衛小屋」に着くと出発だ。30分登ると昔懐かしの山小屋「福ちゃん荘」に来た。そこから急な斜面を登り山頂の「雷岩」近くまできたのに、いつもの場所にあの花がない!掘ったのか大きな穴と足跡が?こりゃ盗掘だよ!
 山登りの多くの人が楽しみにして私も5年前から毎年一度はその花を愛でに登っていた。4〜5本は固まってあったのにぜんぶ盗まれてしまった!山野草店に売りに行ったりヤフオクに出品したりして小遣い銭を稼いでいるヤツなのか!ドロボウめ!お目当てのニョホウチドリに会えずに悔しいが下山しよう。登山口に戻って路傍の数か所に咲いている緑色のクモキリソウにご案内した。これも野生のランだ。北島さん、喜び三脚をとりだしてじっくり撮影を始めた。さあ、もう一か所「ペンション・すずらん」に寄ってみよう。虫取り網をもって蝶々を追いかける親子に出会った。私のお目当ては背の高いピンク色の「ヤナギラン」、女主人が大好きで毎年株を増やしているそうだ・・・

 「新紙幣」が3日に発行されたね。翌日の新聞「ジャパンタイムズ」にはThe new yen notes have an important story to tell (新発行の紙幣に重要な物語)の見出しで面白い記事が載っていたので、LINEグループ「英字新聞の会」の13人に転送した。紙幣のモデルに選ばれた3人は日本の資本主義の父・渋沢栄一(1万円札)、教育界と女性解放の先駆者・津田梅子(5千円札)、微生物ペスト菌の発見者・北里柴三郎(千円札)で皆19ー20世紀の知性と文化の巨人たちだ。その3人(トリオ)の業績を詳しく述べていて面白い。She founded what is now Tsuda University in Tokyo, which would later educate generations of women to become pioneering lawyers, Cabinet ministers and diplomats.「津田梅子は津田塾の創立者。各界に活躍する女性たちを教育した」。
 特に「北里柴三郎」については Kitasato was cruelly denied for reasons that remain unclear. Some charitably assume that it was because the Nobel committee had not yet begun the practice of sharing prizes among more than one person, others suspect turn-of-the-century racism against Asians.「残念ながらノーベル賞がもらえなかった理由ははっきりしない。まだ2人以上のチームが選ばれない時代だったからとか、アジア人に対する人種差別があったらしいと考える人もいる。」someとothersは「〜もいるし〜もいる」と2種類に分ける表現だったね。more than one は1人を越えているから「2人以上」の意味、two or moreのように表現してもいいね。 尾上
2024/07/07 (Sun) 0:10


大学改革、大変だ!
大学改革、大変だ!
2024年6月30日(日)
「白馬の峰々を大展望」
 兵庫県西宮市の我が高校の東京支部同窓会は80才の今でも年に5回ある。6年一貫の男子校だから女気はない。先日は幹事が梅雨時にもかかわらずいつもの蓼科ゴルフコンペを企画したので、心配しながら参加してみたらなんと2泊3日が晴天続きでオドロキ!私は初日仲間に合流する前、伊那の高遠まで足を延ばし「北沢峠」で花探し。「八ヶ岳高原」でもクモキリソウの大群落を見つけてから蓼科に向かった。「蓼科高原」の高級ホテルに常連9人とその奥様5人が集まって乾杯!明日は関西からも4人がゴルフに駆けつけるという。2階の露天風呂に入ると「八ヶ岳」の峰々が一望に。赤岳の右に阿弥陀岳、左に横岳と硫黄岳など。八つの峰はこの15年で全部登ったなあ!
 翌朝、ゴルフ好きの6人を残して私たちはホテル主催のバスツアーに出発。松本からオリンピック道路を快適に走って「白馬スキー場」へ。最近開発されてインバウンドに好評の「白馬岩岳リゾート」でゴンドラに乗り山頂1289mへ。眼前に広がるのはまだ雪渓が残る白馬の峰々だ!そこの山頂レストランのスープが美味しくて評判だし、展望の良いカフェテリアに行くと、空中のテラスが絶好の写真スポット!香ばしいコーヒーとサンドイッチを食べながら、青空の下で白銀に輝く峰々を懐かしく展望した。ああ14年前、友人とあの白馬尻から1日かけて大雪渓を登ったなあ・・・

 一昨日28日のジャパンタイムズに載った「東大安田講堂」の写真が興味深いので「英字新聞の会」のグループLINEに転送した。見出しJapan’s universities must prepare for tough changes 「日本の大学、難しい変革の準備」の記事の中で、Japan’s economic performance in the half-century after World War II proved that its education system was fit for purpose. The difficulties of the past two decades suggest that is no longer the case. Japan is struggling to reform the upper levels of education to ensure that students possess the skills they and the country need. (日本の戦後50年は経済の発展と共に教育制度も好調だった。しかしその後の20年は高等教育の変革に四苦八苦している。)と述べている。
 今年の秋、なんとあの名門の「東京工業大学」と「東京医科歯科大学」が合併して「東京科学大学」が誕生するという。えっ、唐突になぜ?文科省が「国際卓越研究大学」という制度に10兆円のファンドを創設するというので、優秀な学生確保や資金面で大学経営に不安なその2大学が同調したらしい。将来「ノーベル賞」を獲得できる人材の開発かな。世界のランキングで40位以下の東大に望みがないためかな。数年前から「東京大学」と「京都大学」がAO(Admission Office)入試、つまり推薦入試を始めたのはオドロキだった。米国のHarvardでも英国のOxfordでも楽に合格出来そうな優秀な高校生を日本に留めるための苦肉の策のようだ。Brain Drain(頭脳流出)防止対策だね。 尾上
2024/06/30 (Sun) 0:20


大谷翔平のドジャースとかけてドッジボールととく。その心は?
大谷翔平のドジャースとかけてドッジボールととく。その心は?
2024年6月23日(日)
「時之栖でコンサート」
 ひと月前、友人の紹介で大和市まで聞きに行った演奏会「大和でクラシック」はピアノ三重奏ばかりのコンサートでとても素晴らしかった。ドヴォルザークの三重奏の後はチャイコフスキーの「偉大な芸術家の思い出に」で締めくくって大きな感動が残った。バイオリンもチェロも素晴らしかったが三宅麻美のピアノの表現の豊かなこと!特に2曲目のベートーヴェンの有名なピアノトリオ「大公」は40年前、長男がピアノで次男がバイオリンを習い私が三島のオーケストラでチェロを弾いていた頃、その楽譜を仕入れて親子3人でいつか合奏できればいいなあと夢見ていた名曲だった。とても印象的なコンサートだった。
 その余韻と感動を御殿場市民にも味わってほしいな。大和市のそのピアニストが地元の文化向上のため主宰して9年目になるというから、その協力があれば姉妹版「御殿場でクラシック」もやれそうだとの思いで夢中で走り出した、その後の1か月は古くからの友人・知己・教え子を頼って6人の実行委員会を作り、先日20日に開催を決定して教育委員会の後援もいただいて、「時之栖チャペルでショパンを聴こう」のチラシとチケットを印刷するところまでこぎつけた。このイベントのために新しい名刺も作った。開催は9月15日、三連休の日曜日だ。120席の小さなチャペルのコンサート、成功させたいなあ・・・
 
 昨日22日は第4回の「英字新聞を読もう!」だった。見出しはJapan likes tourists, just not this manyで内容は先週お伝えしたように、京都の床屋の主人が日本語の通じない外人客が増えて困る、というお話。He picked up his scissors and began to cut, hoping that his decades of experience would carry him through the stilted encounters.「彼は鋏をとってカットを始めた。数十年の経験があるからそういう難しい接客を切り抜けられるだろうと思いながら。」と訳せる。直訳で「経験が彼を運ぶ」では変な日本語だね。普通は「人が物を運ぶ」なのに、ここでは「物が人を運ぶ」はおかしい。これが「無生物主語の構文」という日本語にない表現で、What makes you happy?は「どうして君は嬉しいの?」と訳した方が自然だ。
 基本はSVOCが「理由/条件+make+人+結果」という構文になる。The photo reminds me of my old friends.(その写真を見ると昔の友人を思い出す)で、動詞remindsはmakes me remember my〜だし、The big money enabled her to go abroad to study.(その大金があったので彼女は留学できた)で動詞enabledはmade her able to go〜といいかえ(パラフレイズ)できるでしょ。最初の英文でcarry him through〜はmake him go through〜と言えばわかりやすいね。Many visitors littered, parked in driveways and in some cases dodged traffic to take photos from the bridge’s median strip, residents said in interviews. 「ゴミを散らかしたり、路上駐車したり、時には橋の中央分離帯から写真を撮ろうとして、車にぶつかりそうになった観光客も多い、と住民たちはインタビューで答えた。」 
 dodgeはドッジボールから連想して「ボールぶつけ」だと思い込んでいたから、生徒たちの「避ける」という訳に驚いた。「車を避けた」は本当は「車にぶつかりそうになった」の意味だね。大谷翔平の球団Dodgersは「避ける男たち」の意味になるから、なぜだろうと家に帰ってネットで調べた。70年前、ロサンジェルスに移転する前はブルックリン・ドジャーズの名でNYのブルックリンにあったが、その地区は路面電車が縦横に走っていて危険で「電車にぶつかりそうな人たち」という愛称で呼ばれていた。それが球団名になったのだった。今は高架鉄道になって海辺の終点には大人気の遊園地「コニーアイランド」がある。そこにドジャーズの球場があったらしい。息子たちがNYに住んでいた20年ほど前、家族で行って観覧車Deno's Wonder Wheelに乗ったなあ。 尾上
2024/06/23 (Sun) 0:35


英字新聞で日本を知る
英字新聞で日本を知る
2024年6月16日(日)
「南会津・田代山へ」
高い山頂が台地で広い湿原になっている山は珍しいよ。一番有名なのは「尾瀬ケ原」で、広大な湿原にはミズバショウやリュウキンカが咲き、昔大学の友人たちと一緒に「至仏山」に登った時には熊にも出くわした。新潟の「苗場山」も山頂にはたくさんの池塘が広がり高山植物の宝庫だった。昨年のひとり登山では「鬼怒沼山」が名前のごとくやはり沼と湿原の山頂だった。下ってきて奥鬼怒の秘湯「加仁湯」に一泊したなあ。一番近くにも湿原はある。仙石原の観光名所「すすき草原」の水がたまったところに「仙石原湿原」の石柱が立っている。ミズチドリ、トキソウ、カキランなどラン科の花々の宝庫なんだ。
 13日(木)は日帰りで日光と南会津の県境「田代山」登った。この広大な山頂も「田代湿原」になってその中にポツンと山頂ポールが立っていた。タンポポのような白い玉のワタスゲが木道の左右に咲いて花道になっている。ピンクの釣り鐘をたくさん提げたヒメシャクナゲ、黄色のおしべと白い花のチングルマは枯れ花になったのもあって長いひげが面白い。紫色の鮮やかなタテヤマリンドウの隣に咲きかけの小さな白い花、あれは何だろう?3つのつぼみの中に一つだけ花を少し開いていたのでカメラで中を覗いた。あれ!花弁にオレンジのWマークが見えるよ、オノエランだ・・・

 22日第4回の「英字新聞を読む会」で読み合わせの記事を、2週間前から予習できるうに受講生に送っておいた。Japan likes tourists, just not this manyというタイトルで、「日本は海外の旅行者が嬉しいが、しかしオーバーツーリズムとなってこれほど多いのは困る」という見出し。カンマの後を補えば(国名は女性名詞だから)She doesn't like this many touristsということ。thisが「こんなに」の意味で副詞なのだ。初めての用法でLINEで質問してきた生徒がいた。
 旅行者の三分の二は韓国・台湾・中国で、落としていくお金は日本の国民総生産の9%にもなるそうだ。しかし、京都では観光地でないような市民生活の場に旅行者が入り込んでくる。写真を撮ろうと芸者を追いかけたり立ち食いをしたりして日本の上品な習慣を無視している。No eating while walking(歩行中飲食禁止)の張り紙も効果がない。河口湖町ではコンビニの屋根にそびえる富士山を撮ろうとして、車道に飛び出し交通妨害になっている。 尾上
2024/06/16 (Sun) 0:17


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