いや。たいへんだった。
登ってしまえば元気だったけど
登る過程がつらかった。つらかった。
これまでに、ちーむつきっこというドM集団に入っているが故にいろんなつらい経験をしてきた。
それもここ数年、ほんの数年の間に、「人生で一番つらい」という思いを何回したことか。
つらさというのは一種類ではなくて、もちろんいろんな種類のつらさがある。
いろんな種類のつらさの中、がんばってがんばって、目標を達成したり、出来なくて悔しくて泣いたり、精神的なつらさ、肉体的なつらさ、様々なつらさを経験してきて、その度に強くなっているんじゃないか、我慢強くなっているんじゃないかという、ちょっとした自信もあった。
加えて、今年の夏初めてやってみたバイトがまた違った種類のつらい(というかえぐい)もので。
これはまた後日書くかもしれないけど、
そのキツいバイト中も、このつらさに耐えているんだから富士山はいけるだろうと、
そう思ってた。
登り始めは緩やかなもので、最初は下り坂もあったりして、下界の灯りと月と、それに照らされた山頂のシルエットを眺めながらのんきに歩けた。
それでもはじめっから最後尾を歩いてたけど。
先頭集団は最初から速かったなー。
6合目からは段差のきつい階段や、傾斜のあるいわゆる登山道で、ここからつらいのが始まった気がする。
私は運動すると心拍数が上がりやすいようで、登りだすとすぐ胸がドキドキしてしまう。
これは、マラソンを始めた頃から悩みの種で、以前かかりつけの医者に相談したら、甲状腺の検査をしましょうとなって、
でも値に異常はなくて。なんなんだろう。やや貧血?
つきっこの皆さんが筑波山を登っていた日、私は神奈川で金時山に登っていたんだけど、そのときも心臓がばくばくできつかった。
休み休み、心拍数を落ち着かせながら一応登れて。
登っているうちに少しはそのドキドキばくばくに慣れていくという感覚もあり、
富士山も登っていくうちに少しずつ慣れていくだろうと考えていた。
でも、だんだんつらくなっていくんだよね。
私には自覚はなかったけど、富士山が4回目だというウコンが
空気薄いなー
って何回か言っていた。
数分登ると心臓はタキりまくりで、どんどん手足に力が入らなくなってふらふらになる。
限界になる頃に一緒に歩いているメンバーに休憩をお願いする。
暗くて確認できなかったけど、休憩前の一番つらいときは顔面蒼白、唇の色もそうとう悪かったんじゃないかと思う。唇までしびれてた。
あとそうとうひどい顔をしてたと思う。ひどい苦痛の表情。
暗い時でよかった。たまにウコンに顔を覗かれて(ヘッドライトがあたるからわかる)恥ずかしかった。きっとウコンは心配して見てくれたんだろうけど。
みんなに止まってもらって、座ったり、壁にもたれかかったりして、呼吸を整えることに専念する。
高山病予防の為に、ふーっと息を吐いて更にふーっと残った肺の中の空気を押し出す。
息を吐くことに専念する。
そういう呼吸を心がけてた。
1−2分か2−3分、そのように休んでいると、心拍数が下がり、手足にも力が入るようになり、また元気に歩き出せる。
その繰り返しだった。
常に気をつけて自分の体調を感じ取っていたけど、頭痛や吐き気の症状は一切出なかった。
それは幸いだった。
本当にゆっくり登り、休憩をこまめに取っていたのも結果的には良かったのかもしれないね。
深夜、暗い中の登山は心臓のつらさが勝って、眠気を感じる隙がなかった。
眠気は山頂直前、渋滞中、待っている時間に襲って来て、何度もバランスを失い倒れそうに。
ひとりでずっこけていて恥ずかしかった。
今の思いは、
つらくて、でもその過程でこの目で見た景色はなにものにも変え難いすばらしいものだったのでまた登ってもいいかなとは思うんだけど
きっと他の人とは一緒に登れない気がする。
自分のペースでしか登れないなと。
灼熱と坂の10kmマラソン
灼熱のハーフマラソン
実力圏外のハーフマラソン
厳寒のフルマラソン
記録を狙うフルマラソン
風雨と孤独の100km
灼熱の100km
いろいろつらい経験をしてきたけど
動けなくなることはなかった。
つきっこのみんなは一番つらいのは100kmだって言うけど
私は富士登山が一番つらかった。
というか、やばかった。危なかった。
でも心は全く折れる気配がなかった。
なぜだか絶対登頂するって、つらいときもずっと思ってた。
(富士登山に絶対なんてないけどね)
だからそれがちゃんと叶って本当に嬉しかった。
つらかった話ばかりで恐縮でした。
次はつらかった以外の楽しい(?)話をしようと思います。